■ティアンドエスグループ<4055>の会社概要
5. AIソリューションカテゴリー
AIソリューションカテゴリーは、今後の成長と新たな収益源になることが期待できる事業分野だ。同カテゴリーの前身となる先進技術ソリューションカテゴリーが新設されたのは約5年前だが、早くも収益化に成功している。2024年9月期の売上高に占める同カテゴリーの割合は前期比プラス0.8ポイントの9.6%と順調に拡大している。同カテゴリーでは、AI(機械学習/ディープラーニング)・画像認識・ハードウェア制御等の最新かつ高度な技術を駆使して、ソフトウェアの高機能化及び品質向上を実現する各種サービスを提供している。同社は、特に画像認識の分野に強みを持ち、大手企業の研究開発などの支援を積極的に行っている。具体的には、日本電気<6701>(NEC)、(株)日立ハイテク、本田技研工業<7267>、オムロン<6645>、トヨタ自動車<7203>をはじめとする大手企業や(国研)宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの独立行政法人に対して、AIアルゴリズム研究開発支援やAIソフトウェア受託開発などの各種サービスを提供している。特に、AIアルゴリズム研究開発支援に関しては、世界中にあるAIアルゴリズムの中から顧客のニーズに最も沿ったAIアルゴリズムを見つけ出し、実装・テストをして使用可能かどうかを検証したうえで提案をするという独自のビジネスモデルを構築している。自社でゼロからAIアルゴリズムを構築するのに比べ、幅広い業種の顧客に対応し、多くの収益機会を得られることに加え、このようなビジネスモデルを行っている企業がほかにいないことも強みとなっている。また、自社の社員が常に最新のAIアルゴリズムに触れていることによりAIの最新動向を把握し、顧客により先進的な提案ができるのも同ビジネスモデルの特徴だ。最先端技術を扱う同カテゴリーにおいて、顧客の課題を解決できる付加価値の高いソリューションを提供するために、博士号やそれに準ずる知識を有するソフトウェア技術者を積極的に採用している。最近では2024年4月、業界トップレベルのパフォーマンスを誇るHailo AIビジョンプロセッサ・Hailo AIアクセラレータを用いて、エッジAIソフトウェアの開発並びにプロセッサのハードウェア性能向上を支援するソリューションの提供を新たに開始した。足元では生成AI関連のソリューションに対する引き合いが好調であるという。今後も生成AIがビジネス活動に浸透していくものと想定され、これらの新規サービスも同カテゴリーの業績拡大に寄与することが期待される。
6. 研究開発
同社は、より高い付加価値を提供するビジネスモデルへと移行するために、研究開発を積極的に行いOnly One Technologyの獲得を目指してきた。具体的には、「スピントロニクス技術を搭載した次世代メモリとAIの融合」をテーマに東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター及び東北大学工学研究科と共同で研究開発を実施してきた。同研究開発センターで研究されてきた次世代メモリは世界トップレベルの技術、スピントロニクス技術を使用している。次世代メモリを搭載したマイコンやAIプロセッサは、従来のプロセッサに比べて性能を落とすことなく、消費電力を100分の1~1,000分の1に低減できるという実績が報告されている。自動運転・画像処理・IoT機器・ロボット産業分野などの急成長には低消費電力化が不可欠であり、次世代メモリの研究成果は各分野の発展に大きく寄与することが期待されている。
こうしたなか同社は、1) 次世代メモリのエラー訂正技術の研究開発、2) スピントロニクス技術搭載AIプロセッサ用アプリケーションソフトウェアの研究開発、3) 物体認識向けAIプロセッサにおける高効率高性能アルゴリズムの研究という3つのテーマを掲げ、研究開発を行ってきたが、当該研究活動に関しては、順調な進捗を見せ、同社担当領域に関しては予定どおりに完了した。今後は、東北大学との研究開発活動における連携は引き続き模索しながら、将来的に需要の拡大が見込まれる分野において核となる技術の開発に取り組む構えだ。また、同社は大学以外との共同研究も推進しており、足元ではJAXAとの共同研究を開始している。将来的には新規ビジネスへと昇華させることを目指し、独自技術の習得に注力している。さらに研究開発の成果創出を早めるために他社との協業も積極的に実施している。2022年4月には、画像認識ライブラリを用いたAIプロダクトの開発により先端技術の社会実装事業を展開するIntelligence Design(株)との間で、エッジAIビジネスに関する資本業務提携を実施した。外部のリソースを活用することによって、同社のAIアルゴリズム研究開発支援ビジネスをさらに発展させる考えだ。
7. 同社の強み
同社の強みは主に以下の3つに集約することができる。
1) 高付加価値ビジネスの創造力
2) 盤石な大手顧客基盤
3) 品質管理力
これらの強みが相互に作用し合って相乗効果を生んでいると弊社は考えている。強固な大手顧客基盤と長年にわたって構築してきた信頼関係と卓越した業界特化型の専門性により、優良価格で案件を受注することが可能になっているのはその一例と言える。
また、新規案件も既存顧客からの口コミによる直接依頼が多いため、競合他社との入札になることがほとんどないと同社は言う。このため価格競争によって利幅を減らすという事態を避けることができている。また、営業人員の極小化を図ることができ、同社の重要な資産であるエンジニアの比率を高めることにつながっている。
大手顧客との長年にわたる信頼関係は、品質管理の部分にもプラスの影響を与えている。余裕を持った工期を設定できるからだ。これにより、エンジニアの負担が軽減し、集中力と生産性を常に高く保ちながら仕事に取り組むことにより、想定外のミスが発生する確率を抑えることができている。また、同社では徹底した品質管理も実践している。プロジェクトの進捗状況を協力会社も含めて毎週確認することにより、プロジェクト遅延のリスクなどを早期に発見し、対応することが可能になっている。
近年は特に、高付加価値ビジネスの創造力も強みとなっている。AIアルゴリズム研究開発支援というビジネスモデルは既に収益貢献を果たしている。今後は、HailoエッジAIプロセッサ向けソフトウェアソリューションや生成AIを活用したソフトウェア開発支援など、生成AI関連分野での価値提供能力も向上させていくことにより、同社が提供するサービスの付加価値をさらに高め、労働集約型から付加価値創出型のビジネスモデルへと転換する方針だ。
こうした強みがあるからこそ、「営業利益率17.4%(2024年9月期)」という数字に表れている。徹底した品質管理により、想定外のニーズやミスが発生し、利幅が減少するという事態を避けることで、高い収益性を実現していると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
■蒂安德斯群<4055>的公司資料
5. AI解決方案概念板塊
AI解決方案概念板塊是未來增長和新的收入來源的期待產業領域。該領域的前身——先進技術解決方案概念板塊在約五年前新設立,但已快速實現盈利。2024年9月期該類別的營業收入佔比爲9.6%,較上期增加0.8個百分點,呈現穩步增長。在該類別中,利用AI(機械學習/深度學習)、圖像識別、硬件控制等最新且高級的技術,提供軟件的功能化及質量提升的各類服務。該公司特別在圖像識別領域具有強項,積極支持大型企業的研發工作。具體而言,提供給包括日本電氣<6701>(NEC)、日立高科技股份有限公司、本田技研工業<7267>、歐姆龍<6645>、豐田汽車<7203>等大型企業,以及獨立行政法人(國研)宇宙航空研究開發機構(JAXA)等的AI算法研發支持及AI軟件委託開發等各種服務。特別是在AI算法研發支持方面,構建了一個獨特的商業模式,即從全球的AI算法中找出最符合客戶需求的算法,實施和考試後驗證能否使用再進行提案。與自家從零開始構建AI算法相比,可以應對廣泛行業的客戶,獲得更多的收入機會,加之執行這種商業模式的企業並不多,也成爲其強項。此外,由於本公司的員工始終接觸最新的AI算法,能夠掌握AI的最新動態,向客戶提供更先進的建議,也是該商業模式的特色。在處理尖端技術的同類別中,爲了解決客戶的難題,提供具有高附加值的解決方案,積極招聘擁有博士學位或相應知識的軟件技術人員。最近,在2024年4月,應用行業頂級性能的Hailo AI視覺處理器及Hailo AI加速器,開始提供支持邊緣AI軟件開發以及處理器硬件性能提升的新解決方案。當前,生成AI相關解決方案的需求表現良好。預計未來生成AI將在商業活動中普及,這些新服務也期待爲該類別的業績擴展做出貢獻。
6. 研究開發
該公司爲實現向提供更高附加值的商業模式轉型,積極進行研發,致力於獲得唯一技術。具體而言,圍繞「搭載自旋電子技術的下一代內存與AI融合」主題,與東北大學國際集成電子研究開發中心及東北大學工學研究科共同進行研究開發。該研究開發中心所研究的下一代內存使用世界頂級技術:自旋電子技術。搭載下一代內存的單片機和AI處理器與傳統處理器相比,報告顯示其在不降低性能的情況下,能夠將功耗減少到1/100至1/1000。無人駕駛、圖像處理、物聯網設備、機器人產業等的快速成長需要低功耗,而下一代內存的研究成果預計會對各領域的發展做出重要貢獻。
在此背景下,該公司設定了以下三個主題進行研究開發:1) 下一代內存的錯誤更正技術研究開發;2) 搭載自旋電子技術的AI處理器應用軟件的研究開發;3) 針對物體識別的AI處理器的高效高性能算法的研究,相關研究活動進展順利,在公司負責領域已按計劃完成。未來將在繼續探索與東北大學的研究開發合作,同時致力於開發未來需求增長預期領域的核心技術。此外,公司還推進與大學以外的共同研究,近期已與JAXA開始了共同研究。未來將力求將其轉化爲新業務,專注於掌握獨特技術。爲更快產生研發成果,該公司也積極進行與其他公司的合作。2022年4月,與運用圖像識別庫的AI產品開發並開展尖端技術社會實現業務的Intelligence Design(株)之間開展了關於邊緣AI業務的資本業務合作。通過利用外部資源,計劃進一步推動公司的AI算法研究開發支持業務。
7. 公司的優勢
公司的優勢主要可以歸結爲以下三點。
1) 高附加值業務的創造力
2) 穩固的大型客戶基礎
3) 質量管理能力
我們認爲這些優勢相互作用,產生了協同效應。穩固的大型客戶基礎和多年建立的信任關係以及卓越的行業專門性使得以優良价格承接項目成爲可能,這就是一個例子。
此外,新項目也多是來自現有客戶的口碑直接委託,因此幾乎沒有與競爭對手的招標,該公司表示。這樣就能避免因價格競爭而導致利潤空間的縮減。此外,通過極小化銷售人員的數量,提高了公司重要資產——工程師的比例。
與大型客戶長期建立的信任關係也對質量管理產生了積極影響。這是因爲可設定合理的工期。這樣,工程師的負擔減輕,能夠始終保持高專注度和生產力,從而降低意外失誤發生的概率。此外,該公司還進行了徹底的質量管理。通過每週與合作公司一起確認項目進展情況,能夠及早發現項目延遲的風險等,並採取相應措施。
近年來,特別是高附加值業務的創造力也成爲了其強項。AI演算法研究開發支持的商業模式已經開始貢獻收入。未來,通過提高在生成AI相關領域提供價值的能力,例如用於Hailo邊緣AI處理器的軟件解決方案和生成AI支持的軟件開發,將進一步提升公司提供的服務的附加值,轉變爲從勞動密集型向附加值創造型的商業模式。
正因爲有這樣的優勢,才呈現出「營業利潤率17.4%(2024年9月期)」這樣的數字。通過嚴格的質量管理,避免了由於出現意外需求或錯誤而導致利潤縮小的情況,從而實現了高收益性。
(作者:富士客座分析師清水陽一郎)
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