■要約
クオールホールディングス<3034>は大手調剤薬局チェーンの1社で、調剤薬局店舗数で第2位、売上高で第3位(上場企業ベース)の位置にある。調剤以外の分野では、CSO※1事業や医療系人材紹介派遣事業、製薬事業などを展開している。2023年10月にオーソライズジェネリック製品(以下、AG製品※2)を主に展開する第一三共エスファ(株)の株式を30%取得し持分法適用関連会社としたのち、2024年4月に21%の株式を追加取得して連結対象子会社とした。数年後に完全子会社化する予定で、株式取得資金の総額は250億円となるが金融機関からの借入れと手元資金で充当していく予定である。
※1 CSOとはContract Sales Organization(医薬品販売業務受託機関)の略で、CMR(契約MR(Medical Representative、医薬情報担当者))の派遣業務を指す。
※2 AG製品とは、新薬メーカーから許諾を得て、原薬、添加物および製法などが新薬と同一のジェネリック製品を指す。
1. 2025年3月期中間期は第一三共エスファの子会社化で大幅増収に
2025年3月期中間期(2024年4月〜9月)の連結業績は、売上高で前年同期比40.9%増の124,771百万円、営業利益で同71.3%増の6,096百万円と大幅増収増益となった。薬局事業は人件費や仕入コストの増加により増収減益となったものの、第一三共エスファの子会社化により製薬事業の規模が大きく拡大し増収増益要因となった。ただ、同子会社の出資比率は51%のため、非支配株主に帰属する当期純利益が膨らんだほか、特別損失を計上したことにより親会社株主に帰属する中間純利益は同35.8%減の1,211百万円となった。
2. 2024年12月に発売する新製品の投入効果で下期は一段の収益拡大を見込む
2025年3月期の連結業績は売上高で前期比50.0%増の270,000百万円、営業利益で同80.2%増の15,000百万円と大幅増収増益を見込む。中間期の進捗率は売上高で46.2%、営業利益で40.6%とやや低いように見えるが、薬局事業が下期偏重であることに加えて、製薬事業でも2024年12月にAGで3つの新製品を発売することで、下期に一段と収益が拡大する見込みとなっている。また、同年6月に発売した後発医薬品「ゾニサミドOD錠(先発品名 トレリーフ(R)OD錠)」も計画を上回る販売ペースとなっており、計画達成は射程圏内にあると見られる。薬局事業に関してはコスト高が続くものの、地域支援体制加算の取り組みやDX推進による生産性向上を図ることで通期では増収増益となる見通しだ。
3. 2027年3月期に営業利益240億円を目指す
同社は3ヶ年の中期業績目標として、2027年3月期に売上高3,000億円、営業利益240億円を掲げた。薬局事業では新規出店・M&Aによる出店拡大により年率4%超の売上成長と、地域のかかりつけ薬局としての機能強化やDX推進、グループ会社の再編などに取り組むことで収益性向上を目指す。DX推進施策の1つとして2024年11月よりKDDI<9433>との連携によりオンライン専門薬局「クオールどこでも薬局」を開局した。滑り出しは好調のようで、処方箋獲得の新たなルートとして今後全国展開していくことを視野に入れている。製薬事業では、第一三共エスファで売上高1,000億円、営業利益120億円を目指す。毎年3~4製品のAG新製品を投入していくほか、原価率改善や販管費の見直しをゼロベースで取り組み収益性の向上を図っていく。CSOや薬剤師紹介派遣などのBPO事業は医療関連人材の需要拡大を追い風に、オーガニックで年率10%の売上成長を見込む。3つの事業それぞれを拡大していくことで、医薬品の研究開発から製造販売、医療系人材サービス、調剤薬局までをカバーする総合ヘルスケアカンパニーとして成長を目指す考えだ。なかでも第一三共エスファの動向は業績目標達成の重要な鍵を握ると見られるだけに、今後の動向に注目したい。
■Key Points
・2024年3月期は原価率上昇が響き減益となるも売上高は過去最高を更新
・2025年3月期は第一三共エスファの連結子会社化により過去最高業績を大幅に更新する見通し
・3つの事業それぞれを伸ばし、総合ヘルスケアカンパニーとして2027年3月期に売上高3,000億円、営業利益240億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■摘要
クオール控股公司<3034>是大型调剂药局零售医药链中的一家,在调剂药局门店数量上排名第二,营业收入上排名第三(基于上市公司)。在调剂以外的领域,开展CSO※1业务、医疗人才介绍派遣业务、制药业务等。2023年10月,取得了主要开展授权仿制药(以下简称AG产品※2)的第一三共ESFA股份有限公司30%的股权,成为权益法适用相关公司, 2024年4月又追加取得21%的股份,成为合并子公司。预计几年后将完全控股,总的股权收购资金为250亿日元,计划通过金融机构的借款和自有资金来筹集。
※1 CSO是合同销售组织(零售医药业务委托机构)的缩写,指的是CMR(合同医学代表,医药信息负责人)的派遣业务。
※2 AG产品是指从新药制造商获得许可,与新药的原药、添加剂及生产方法等完全相同的仿制药产品。
1. 2025年3月期中间期由于第一三共エスファ的子公司化实现了大幅增加营业收入
2025年3月期中间期(2024年4月〜9月)的合并业绩,营业收入同比增加40.9%至124,771百万日元,营业利润同比增加71.3%至6,096百万日元,显示出大幅增加营业收入和利润。尽管药局业务由于人工成本和采购成本的增加实现了营业收入增加但利润下降,但第一三共エスファ的子公司化使制药业务的规模大幅扩大,成为增加营业收入和利润的因素。不过,由于该子公司的出资比例为51%,归属于非控股股东的当期净利润有所增加,此外,由于计入了特别损失,归属于母公司股东的中间净利润同比减少35.8%至1,211百万日元。
2. 预计2024年12月推出的新产品将进一步推动下半年的收益增长
预计2025年3月期的合并业绩营业收入将比上期增长50.0%,达到270,000百万日元,营业利润将同比增长80.2%,达到15,000百万日元,实现大幅增加营业收入和利润。中间期的进展率在营业收入方面为46.2%,营业利润为40.6%,看起来相对较低,但由于药局业务偏重于下半年度,加上制药业务将在2024年12月推出3个新产品,预计下半年的收益将进一步扩大。此外,6月推出的后发药品“ゾニサミドOD錠(先发品名 トレリーフ(R)OD錠)”的销售速度也超过了计划,实现目标在可达范围内。虽然药局业务成本仍高,但通过地方支持制度加算的努力和DX推进提高生产率,全年预计将实现增加营业收入和利润。
3. 目标在2027年3月期实现营业利润240亿日元
该公司作为三年的中期业绩目标,提出在2027年3月期实现营业收入3,000亿日元和营业利润240亿日元。在药局业务方面,通过新开店和M&A扩展门店,力争年均4%以上的营业收入增长,以及强化作为地域的常备药局的功能和推动DX,以及重组集团公司来提高收益性。作为DX推动措施之一,将于2024年11月与KDDI(ADR)合作开设在线专业药局“全药局”。开局似乎顺利,作为获取处方的新途径,预计未来将在全国范围内展开。药品业务方面,计划在第一三共エスファ实现营业收入1,000亿日元和营业利润120亿日元。每年将推出3~4种AG新产品,此外,还将从零基础入手改善成本率和审查销售及管理费用,以提高收益性。CSO和药剂师介绍派遣等BPO业务,将受到医疗相关人才需求扩大的助力,预计将实现年均10%的营业收入增长。通过各个业务的扩展,建立一个覆盖药品的研发、制造销售、医疗系人才服务和调剂药局的综合医疗保健公司是我们的成长目标。特别是第一三共エスファ的动向被认为是实现业绩目标的重要关键,因此希望能关注未来的动向。
■关键点
· 2024年3月期由于成本率上升而减少利润,但营业收入达到历史最高
· 预计2025年3月期因第一三共エスファ的并入子公司,业绩将大幅超过历史最高
· 通过扩展三个业务,作为综合医疗保健公司目标在2027年3月期实现营业收入3,000亿日元和营业利润240亿日元
(撰写:FISCO客座分析师佐藤让)