■サンワテクノス<8137>の長期ビジョンと中期経営計画
1. 長期ビジョン
同社グループは、社是「人を創り 会社を興し 社会に尽くす」の下、グローバルネットワークを活用し、顧客への「最新の情報」「ニーズを捉えたソリューション」「安全安心のサービス」を提供するとともに、パートナー企業との協業により、産業の振興、持続可能な社会の実現に貢献してきた。ここ数年はグローバルな社会情勢の変化が著しく、市場環境も大きく変化していることから、同社グループの目指す方向性をより明確にするため、2031年3月期に向けた長期ビジョン「Sun-Wa Vision 2030」及び2023年3月期を初年度とする3ヶ年の第11次中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」を策定した(2022年5月発表)。長期ビジョンにおけるミッション(使命・存在価値)、ビジョン(同社グループが目指す姿)、バリュー(ミッションを果たしビジョンを実現するための価値観)については以下のとおりとなる。
ミッションについては「世界中の技術をつなぎ 新たな価値を創造し 豊かな社会づくりを支える」と定義し、グローバルネットワークを活かして、最新の技術提案と最適な製品を提供することで持続可能な社会の発展に貢献する。また、ビジョンとして「“やりたいこと”を“できる”に変える、ものづくりのベストパートナー」を目指すことを掲げた。
ミッションを果たしビジョンを実現するためのバリュー(価値観)については、「顧客志向」「チャレンジ精神」「チームワークとコミュニケーション」の3つのポイントを挙げている。「顧客志向」では、常に顧客目線で物事を考え、価値観を共有することで真の顧客ニーズをくみ取り、最良の理解者として全力を尽くす。「チャレンジ精神」では、自らの成長のために高い目標を掲げ、変化を恐れず前向きに挑戦することで創造性・専門性を高め、企業活力の向上を図る。また「チームワークとコミュニケーション」では、相手を尊重し、違いを理解し、その価値を認めることで新たな価値を創造する。また、パートナー企業を大切にしていくことで総合力を発揮するとしている。
事業戦略・成長戦略の実行により2026年3月期以降は収益拡大ステージに入る見通し
2. 中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」の進捗状況
(1) 経営数値目標と進捗状況
2023年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画「SNS2024」では、最重要経営指標を「売上高」から「営業利益」に設定し、最終年度となる2025年3月期に70億円の目標を掲げると同時に、企業価値の向上に取り組み、PBR1.0倍超の早期実現を目標に掲げていた。ただ、インフレによる世界的な景気減速、設備投資の見直し等の影響により、2025年3月期の営業利益計画は30.8億円と当初目標の70億円を下回る見込みとした。産業用エレクトロニクス分野を主戦場とする企業については、企業の設備投資の動きに強く影響を受けるため、業績に好不調のサイクルが出るのは仕方がないが、2025年3月期については外部環境の悪い時期と重なったため、当初目標との乖離が大きくなったと言える。
実際、2023年3月期以降の3期間累計で見れば、営業利益は168億円と当初目標の180億円に近い水準を稼ぎ出す見込みとなっている。また、2020年3月期から2022年3月期までの3期間累計との比較で見れば営業利益は1.9倍に拡大し、営業利益率も2.1%から3.4%に上昇するなど、中期的なトレンドで見れば利益規模が拡大し、収益性も向上する見込みとなっており、同社が2023年3月期以降に取り組んできた事業戦略・成長戦略の効果が一部出始めているものと弊社では評価している。
(2) 戦略方針と進捗状況
「SNS2024」で取り組む基本方針として同社は、a) イノベーションが求められる成長分野への注力、b) より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供、c) サステナビリティ経営による持続可能な社会の実現に貢献、の3点を掲げている。このうち、イノベーションが求められる成長分野への注力に関しては、顧客セグメントを同社の強みと市場の魅力度(市場規模、成長率、利益率)を両軸にして、「積極的リソースを投入する分野(半導体製造装置、ロボット・マウンター、工作機械)」「選択的リソースを投入する分野(FA装置、車載、設備)」「その他分野」に分類し、リソースを投入する顧客セグメント別に事業戦略を立案・実行することで、売上総利益の拡大と収益力を強化する戦略となっている。
2024年3月期の売上総利益(単体、国内事業)の構成比を分野別で分けると、FA装置と車載分野が各24%と最も高く、次いで半導体製造装置分野が10%、ロボット・マウンター分野が8%、設備分野が5%、工作機械分野が3%となる。同社は3年間の目標として、これら分野の利益成長率を年率10%以上(半導体製造装置のみ15%以上)に設定し、目標達成に取り組んできた。2025年3月期第2四半期(中間期)までの進捗状況は工作機械分野が9.8%と予定どおりとなっているが、その他の分野については市場環境の悪化により、いずれも目標を下回るペースとなっている。特に、ロボット・マウンター分野は18.1%減と大幅に下回っているが、チップマウンター業界の市場環境悪化やそれに伴う部品在庫調整が要因となっている。ただ、主要顧客における部品の在庫水準は適正水準に戻ったようで、下期以降は実需に沿った動きで受注も回復に転じるものと見込まれる。全体的な景況感としてはまだ不透明感が強いものの、FA分野を中心に2025年以降は活気を取り戻すものと予想される。
顧客セグメント別の2025年3月期第2四半期(中間期)の取り組み成果について見ると、積極的リソースを投入する分野のうち半導体製造装置分野では、日系大手メーカーとの共同開発テーマを獲得したほか、米国大手メーカーとのコンタクトも進めた。また、最先端半導体の表面処理や検査工程で同技術の活用の可能性を探るべく、高性能な画像処理技術を持つロジック・アンド・デザインとの資本業務提携を行った。最先端半導体の製造技術開発は国策として強化する方向であり、同技術が採用されれば半導体製造装置業界における同社の成長ポテンシャルも一段を大きくなると予想される。ロボット・マウンター分野に関しては、半導体製造装置セグメントとの連携によって商談を獲得した。具体的には、半導体組立装置の外資系大手メーカーと新製品開発に向けた部材の商談が進んでいる。工作機械分野では、工程集約・自動化・省エネ機器への提案による商談獲得や、エムテックとの協業により開発した自社パッケージ製品「AR^2 System(エーアール・ツー・システム)」について顧客の求める機能テーマの発掘に取り組んだ。
選択的リソースを投入する分野のうち、FA装置分野では日系グローバル企業のさらなる攻略を図るべく仕入先のシーズを提案することで商談を獲得したほか、海外地域戦略を策定して外資系優良顧客の攻略活動を推進した。車載分野に関しては、ADASや電動化をテーマに主力Tier1顧客以外の開拓と取引拡大が進んだ。ADASや電動化、コネクティッド関連の商談は多く、今後も安定した成長が期待できる分野である。設備分野に関しては、安川電機のロボットとセット販売するエムテックとの協業により開発したロボットソリューションパッケージ「AR^2 System」の商談が自動車関連業界向けを中心に増加した。同ソリューションは、ロボットによる製造ラインにおいて品種切り替え時のロボットの細かな設定作業を簡便に行えることが長所となっており、従来はロボットの導入が困難であった多品種少量生産向けの製造ラインにおいても導入効果が期待できる。同様のコンセプトを持ったソリューションは他社でも提供しているが、同社の技術は高精度で制御できる点が強みとなっているようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■三和技術<8137>的長期願景和中期經營計劃
1. 長期願景
該公司群在「造人、興公司、服務社會」的企業宗旨下,利用全球網絡,爲客戶提供「最新的信息」、「洞察需求的解決方案」、「安全可靠的服務」,並通過與合作伙伴公司的協作,促進產業發展,爲實現可持續的社會貢獻力量。近年來,全球社會情勢變化顯著,市場環境也發生了巨大變化,因此爲了更加明確該公司群的發展方向,制定了面向2031年3月期的長期願景「Sun-Wa Vision 2030」和以2023年3月期作爲初年度的爲期三年的第11次中期經營計劃「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」(於2022年5月公佈)。關於長期願景中的使命(使命/value)、願景(該公司群所追求的形象)、價值(實現使命和願景的價值觀),如下所示。
關於使命的定義爲「連接世界各地的技術,創造新價值,支持豐富的社會建設」,利用全球網絡,提供最新的技術提案和最佳產品,爲可持續社會的發展貢獻力量。同時,願景指出旨在成爲「將『想做的事』變爲『可以做』的最佳製造合作伙伴」。
爲了實現使命和願景的價值觀(價值),提到了「客戶導向」、「挑戰精神」、「團隊合作和溝通」三點。「客戶導向」意味着始終從客戶的視角思考事物,通過共享價值觀來真正理解客戶需求,盡力成爲最佳理解者。「挑戰精神」強調設定高目標以促進自身成長,積極挑戰變化,提高創造力和專業性,提升企業活力。同時在「團隊合作和溝通」中,尊重對方,理解差異,並認可其價值,從而創造新的價值。此外,通過重視合作伙伴公司,充分發揮綜合實力。
通過實施業務戰略和成長戰略,預計在2026年3月期以後將進入收益擴張階段
2. 中期經營計劃「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」的進展情況
(1) 經營數值目標和進展情況
從2023年3月期開始的爲期三年的中期經營計劃"SNS2024"將最重要的經營指標從"營業收入"設置爲"營業利潤",並在2025年3月期這個最後年度設定了70億日元的目標,同時努力提升企業價值,目標是早期實現市凈率超過1.0倍。不過,由於全球經濟放緩、設備投資的重新審視等受到通貨膨脹的影響,2025年3月期的營業利潤計劃預計將爲30.8億日元,低於最初目標的70億日元。對於以工業電子領域爲主的企業而言,企業的設備投資動向會受到強烈影響,因此業績出現好壞週期也是無可厚非,但因爲2025年3月期正好碰上外部環境的惡劣時期,導致了與最初目標的偏離變得明顯。
實際上,從2023年3月期以後的三期累計來看,營業利潤預計爲168億日元,與最初目標的180億日元相近。此外,與2020年3月期到2022年3月期的三期累計相比,營業利潤擴大了1.9倍,營業利潤率也從2.1%上升至3.4%,從中期趨勢來看,利潤規模正在擴大,盈利能力也在改善,評估認爲公司在2023年3月期以來開展的業務戰略和增長戰略的效果已初見成效。
(2) 戰略方針和進展情況
作爲"SNS2024"的基本方針,公司提出了a) 專注於需要創新的成長領域,b) 提供更高附加值的產品和新的解決方案,c) 通過可持續性經營推動可持續社會的實現等三點。其中,關於專注於需要創新的成長領域,公司根據客戶細分將其優勢與市場的吸引力(市場規模、增長率、利潤率)兩者結合,將其劃分爲"積極投入資源的領域(半導體製造設備、機器人裝載機、切削機)"、"選擇性投入資源的領域(FA設備、汽車、設備)"、"其他領域",通過分別爲投入資源的客戶細分制定及運行業務戰略,從而擴展銷售總利潤,加強盈利能力。
如果將2024年3月期的銷售總利潤(單體,國內業務)按領域劃分,FA設備和汽車領域各佔24%,是最高的,其次是半導體製造設備領域佔10%、機器人裝載機領域佔8%、設備領域佔5%、切削機領域佔3%。公司設定的三年目標是,這些領域的利潤增長率年均達到10%以上(僅半導體製造設備達到15%以上),並積極推進目標的達成。到2025年3月期第二季度(中期)爲止的進展情況顯示,切削機領域實現了9.8%,符合預期,但其他領域由於市場環境惡化,均未達到目標。特別是,機器人裝載機領域下降了18.1%,大幅低於預期,原因是在芯片裝載機行業市場環境惡化及其相關的元件庫存調整。儘管如此,主要客戶的元件庫存水平已恢復到正常水平,預計下半年將根據實際需求的變動,訂單也將恢復。總體經濟形勢仍然存在較強的不確定感,但預計在以FA領域爲中心的2025年以後將恢復活力。
從客戶細分的2025年3月期第二季度(中期)的成果來看,在積極投入資源的領域中,半導體製造設備領域獲得了與日本大型製造商的共同開發主題,並與美國大型製造商的聯繫進展順利。此外,爲了探討在最先進的半導體表面處理和檢測工序中使用該技術的可能性,與擁有高性能圖像處理技術的邏輯與設計(Logic and Design)進行了資本業務合作。最先進半導體的製造技術開發被作爲國家政策加強,若該技術被採納,公司在半導體製造設備行業的成長潛力將大大增加。在機器人裝載機領域,通過與半導體製造設備細分的協作贏得了商業機會。具體而言,與半導體組裝設備的外資大型製造商的部件商務談判正在爲新產品開發進行。切削機領域,通過流程集中化、自動化和節能設備的建議獲取了商業機會,並通過與MTech的合作開發了自有包裝產品"AR^2系統(AR^2 System)",致力於挖掘客戶所需功能主題。
在選擇性投入資源的領域中,FA設備領域爲了進一步攻克日本全球企業,通過建議採購方的種子獲得了商業機會,同時制定了境外地域戰略,推進了外資優質客戶的攻克活動。關於汽車領域,圍繞ADAS和電動化的主題,推動了除主力Tier1客戶外的開拓及交易擴大。ADAS、電動化和連接相關的商務談判衆多,預計該領域未來仍將保持穩定增長。在設備領域,通過與安川電機的機器人進行組合銷售,與MTech合作開發的機器人解決方案包"AR^2系統"的商業談判增加,主要集中在汽車相關行業。該解決方案的優點在於,可以方便地進行機器人在生產線更換品種時的細微設置工作,預計在以往引入機器人難度較大的多品種小批量生產線也能實現引入效果。雖然具有相同概念的解決方案在其他公司也有提供,但該公司的技術在於能夠進行高精度的控制,這是其優勢所在。
(撰寫:FISCO客座分析師佐藤讓)