■オーバル<7727>の中長期の成長戦略
(4) 新事業創出戦略
社内自社技術の展開として、自社保有技術(設計・製造)を再点検し、創出できる新事業の検討を図る。また、社内ベンチャー制度を創設し、意欲ある従業員の有益な意見を吸い上げ、将来を見据えて社内で起業家を育成する。
これらの成長戦略の2025年3月期中間期の実績としては、第1に新製品である液体用電池駆動式クランプオン形超音波流量計「UC-1」のリリースがある。この流量計は、「完全工事レス」をコンセプトに開発されたもので、簡単・手軽に流量計測を行えるため、工事や商業施設におけるユーティリティ・エネルギー流体(水、温水等)の計測範囲拡大に最適である。従来はコストや工事期間等の面から導入が困難であった枝管の隅々まで流量を可視化することで、省エネ推進・脱炭素化への貢献が期待できる。8種類の配管口径に対応しているうえ、配管工事や工具、電源工事が不要であり、流量の遠隔管理によって簡単に「流量遠隔計測システム」を実現し、様々な環境情報を丸ごと可視化するソリューションも提供できることを主な特長としている。本製品はリリースして間がないにもかかわらず、従来とは異なる顧客からも多数の引き合いがあり、今後の成長・売上純増が期待できる。なお、2024年度グッドデザイン賞(主催:(公財)日本デザイン振興会)を受賞したことも、今後の販売拡大に貢献しそうだ。
第2に、これまで注力してきた大流量の水素ガス流量計校正設備「OVAL H2 Lab」(仮称)の開設決定がある。同社では、これまで「OVAL H2 Lab」(仮称)建設構想への対応を進めてきたが、いよいよ2026年3月期中に運用開始の予定となった。流量計の精度を左右するのが、「校正」と呼ばれる工程である。校正とは、実際に計測する流体(気体や液体)を流量計に流し、基準器との計測値のズレやバラつきをチェックする作業のことだ。この校正が徹底されていないと、正確な計測値を得られなくなる恐れがある。同社は次世代エネルギー市場にリソースを傾注し、サプライチェーンの一翼を担って新たなビジネスチャンスとするとともに、脱炭素・カーボンニュートラルの実現といった持続可能な社会に貢献するため、水素計測用流量計のクオリティ向上に注力している。完成後は自社製品の校正に加え、他社の校正も実施することで、2026年3月期以降の業績貢献を見込んでいる。
第3に、産業技術総合研究所より、「気体中流量校正設備改修」「超音波流量計」及び「北事業所流体輸送実験施設改修工事」を入札により大口受注した。「気体中流量校正設備」は、流量計のメーカーやエンドユーザーなどからの依頼による気体用流量計の校正をはじめとして、産学官連携に資する流量計の特性評価、臨界ノズルの特性に関する研究開発などに活用されている。今回の改修では、これら気体中流量校正設備における大型装置の更新や、システム全般の連携調整、改修作業を行う。また、「超音波流量計」で受注した液体用マルチパス超音波流量計「Psonic-L4」の特長は、純国産製品は同社のみであり、高い信頼性と4本の測定線(4パス)により、実流校正を行うことにより、測定値に対して±0.15%の高精度を実現し、取引用途で必須となるトレーサビリティが確保できる点である。また、平行パス(測線)の採用による長期安定性と冗長性も備えている。さらに、「北事業所流体輸送実験施設改修工事」の工事対象である北事業所流体輸送実験施設は、水の流量トレーサビリティ制度における国家標準施設で、水用流量計の校正設備である。今回、受注した超音波流量計が設置される液体流量標準設備は、この設備の一部であり、産業技術総合研究所の計量標準の開発・供給拠点の高度化及び強靱化事業の一環として、流体輸送実験施設の改修を同社が担うもので、配管やバルブなどの機械の改修と、塗装など建築部分の改修を行う。同社では、流体計測制御に関連する各種試験設備や生産・出荷設備などを設計・施工を含め一括で対応しており、これまでの経験から国の標準に採用され、今回の受注につながったものと同社は考えている。産業技術総合研究所からのメンテナンスの受注はここ1〜2年間に集中しており、工事進行基準により進捗率に応じて収益に計上されている。
加えて、2025年3月期中間期には、アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーを目指すための設備投資として海外子会社の工場建設も計画した。中国子会社(合肥オーバル有限公司)では、第3工場の建設に着手し(2025年末頃に完成予定)、韓国子会社(Oval Engineering)でも新工場と校正設備を建設・移転した。
一方、経営基盤強化戦略の具体的な取り組み計画は以下のとおりである。
(1) 製造BCL戦略
徹底したBCL(ベスト コスト ロケーション)として、原材料・生産工程を考慮した設計、並びに生産方式・サプライチェーンの見直しを実施し、コスト(材料費・製造経費)削減と品質・納期の安定の両立を図る。また、プロダクトポートフォリオの活用として、変わりゆく市場環境の中で各製品における収益性や成長性などを分析し、重視すべき製品や撤退すべき製品などを明確化する。
(2) 人事財務強化戦略
人事戦略としては、適正な人数の人員を適材適所に配置することを徹底し、生産性の向上を図るとともに、将来を見据えた次世代を担う人財の育成とグループ一体となった人財育成システムの構築を目指す。また、財務戦略としては、新規事業や収益を創出する事業に経営資源を集中投下する。
(3) DX推進戦略
DXの推進として、専任部署を新設し、全社でデジタルツールを活用し企業の成長を加速させる。また、情報資産の有効活用として、蓄積された納入実績・修理実績・顧客情報のデジタルマーケティングへの活用を図る。さらに、DXマインドの醸成としては、全従業員がデジタルを活用し、新しいことへの挑戦に対するマインドを醸成する。
(4) サステナビリティ推進戦略
事業活動を通じた環境課題への取り組みとして、化石燃料の代替エネルギー関連商品をはじめとした環境に配慮した製品及びサービスを提供するとともに、事業活動により排出されるCO2量の削減、廃棄物の削減と再利用を推進する。また、人権尊重としては、性別や年齢、国籍や社会的身分、障がいの有無など個人の属性に関係なく、すべてのステークホルダーの人権を尊重する。さらに、法令や規則の遵守としては、公正な競争・適時適切な情報開示など、誠実な企業活動を実践し、ガバナンス体制の強化を図る。
これらの経営基盤強化戦略の2025年3月期中間期の実績としては、サステナビリティの分野で、健康企業宣言東京推進協議会から「健康優良企業(金の認定)」を取得したことが特筆される。同社では、従業員の心と身体がともに健康であり続けることで、従業員が働きがいを実感できるため、健康経営は企業の成長には不可欠と考え、従業員の健康管理を経営課題と捉えている。この課題への取り組みとして、「健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を整備する」との指針の下、定期健康診断の受診率100%を目指すことや、心身の健康への気づきを目的とした研修の紹介・実施、日々の積み重ねとしての毎朝の体操実施、運動不足の解消のためのウォーキング大会の開催などを行い、徹底した過重労働の防止や働き方改革にも取り組んでいる。従来の「銀の認定」から評価が上がったのは、これら様々な取り組みの積み重ねが評価されたものと弊社では考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■Oval <7727> 的中長期增長戰略
(4) 新的業務創造戰略
作爲內部技術的內部開發,我們將重新審查公司擁有的技術(設計/製造),並研究可以創建的新業務。此外,我們將建立內部創業體系,吸收積極進取的員工的有用意見,並在公司內部培養着眼未來的企業家。
作爲截至2025/3財年的中期財年的這些增長戰略的結果,首先是發佈了新產品 「UC-1」,這是一種電池驅動的液體夾式超聲波流量計。該流量計是基於 「完全無需施工」 的概念開發的,由於流量測量可以簡單輕鬆地進行,因此非常適合擴大建築和商業設施中公用事業能源流體(水、熱水等)的測量範圍。通過可視化支管各個角落的流量,可以預期對節能促進和脫碳做出貢獻,這在成本、施工週期等方面傳統上很難引入。除了兼容8種管道直徑外,無需管道工作、工具或電源工作,主要特點是通過遠程控制流量可以輕鬆實現 「流量遠程測量系統」 費率,而全面可視化各種環境信息的解決方案是還提供了。儘管該產品剛剛發佈,但仍有許多客戶的詢問與過去不同,未來的增長和淨銷售額增長是可以預期的。此外,獲得2024年優秀設計獎(由日本設計促進協會贊助)可能有助於未來的銷售擴大。
其次,決定建立高流量氫氣流量計校準設施 「OVAL H2 Lab」(暫定名稱),這是我們迄今爲止一直在關注的問題。到目前爲止,該公司一直在爲 「OVAL H2 Lab」(暫定名稱)的建設概念提供支持,但最終計劃在2026/3財年開始運營。影響流量計精度的是一個稱爲 「校準」 的過程。校準是將要實際測量的流體(氣體或液體)流動到流量計中,並使用參考儀器檢查測量值是否存在偏差或變化的過程。如果校準不徹底,則有可能無法獲得準確的測量值。該公司正在向下一代能源市場投入資源,在供應鏈中發揮作用,使其成爲新的商機,並專注於提高氫氣測量流量計的質量,以爲實現脫碳/碳中和等可持續發展的社會做出貢獻。完成後,除了校準我們的產品外,還將進行其他公司的校準,這有望促進截至2026/3財年的業務業績。
第三,通過招標收到了 「氣體中等流速校準設備維修」、「超聲波流量計」 和 「北方工廠流體輸送實驗設施維修工作」 的大量訂單。「氣體介質流速校準設備」 用於流量計的特性評估,從流量計製造商和最終用戶的要求對氣體流量計進行校準開始,促進產學政府合作、與關鍵噴嘴特性相關的研發等。在這次翻新中,將更新這些氣體介質流速校準設施中的大型設備,並對系統進行總體合作調整和維修工作。此外,作爲 「超聲波流量計」 訂購的液體多道超聲波流量計 「Psonic-L4」 的特點是該公司是唯一的純國產產品,通過進行高可靠性和4條測量線(4次通過)的實際流量校準,可以實現測量值的±0.15%的高精度,並且可以確保交易應用中必不可少的可追溯性。通過採用平行路徑(測量線),它還具有長期穩定性和冗餘性。此外,作爲 「北方工廠流體輸送實驗設施改造工程」 建設的北方工廠流體輸送實驗設施是水流量追溯系統下的國家標準設施,也是水流量計的校準設施。本次訂購的超聲波流量計的液體流量標準設備是該設備的一部分,該公司負責翻新流體輸送實驗設施,這是國家工業科學技術研究所測量標準開發/供應基地先進和增韌項目的一部分,並負責維修管道和閥門等機器以及油漆等建築零件。該公司共同處理與流體測量和控制(包括設計和施工)相關的各種測試設備和生產/運輸設備等,該公司認爲,根據迄今爲止的經驗,該訂單已被採納爲國家標準。國家先進工業科學與技術研究所的維護訂單集中在過去的1至2年中,根據施工進度標準,根據進度將其記錄爲收益。
此外,在截至2025/3財年的中期,我們還計劃爲海外子公司建造工廠作爲資本投資,目標是成爲亞洲排名第一的傳感解決方案公司。中國子公司(合肥橢圓有限公司)已開始建設第三座工廠(計劃於2025年底左右完工),韓國子公司(Oval Engineering)也建造和搬遷了新工廠和校準設備。
同時,加強管理基礎戰略的具體行動計劃如下。
(1) 製造業BCL戰略
作爲一個全面的BCL(最佳成本地點),我們將實施考慮到原材料和生產過程的設計,並審查生產方法和供應鏈,以實現成本(材料成本/製造費用)的降低以及質量和交貨時間的穩定。此外,通過利用產品組合,分析了不斷變化的市場環境中每種產品的盈利能力、增長潛力等,並明確了應強調的產品和應撤回的產品。
(2) 加強人力資源和財務的戰略
作爲一項人事戰略,我們將充分安排適當數量的人員,提高生產力,並着眼於發展引領下一代的人力資源,建立融入集團的人力資源開發體系。此外,作爲一種財務策略,管理資源集中在新業務和產生利潤的業務上。
(3)DX 推廣策略
爲了推廣 DX,將新成立一個專門的部門,並將在全公司範圍內使用數字工具來加速企業發展。此外,作爲信息資產的有效利用,我們的目標是利用累積的交付記錄、維修結果和客戶信息進行數字營銷。此外,作爲培養 DX 思維方式的一種手段,所有員工都利用數字技術,培養應對新挑戰的心態。
(4) 可持續發展促進戰略
爲了通過業務活動解決環境問題,我們將提供環保的產品和服務,從化石燃料替代能源相關產品開始,並促進減少和再利用業務活動產生的廢物排放。此外,在尊重人權方面,我們尊重所有利益相關者的人權,無論其個人特徵如何,例如性別、年齡、國籍、社會地位或是否存在殘疾。此外,爲了遵守法律法規,我們將開展誠實的企業活動,例如公平競爭和及時適當披露信息,並加強治理體系。
由於這些截至2025/3的過渡期加強管理基礎設施的戰略,特別值得一提的是,在可持續發展領域獲得了健康企業宣言東京促進委員會頒發的 「優秀健康企業(金牌認證)」。該公司認爲,健康管理對企業發展至關重要,因爲員工可以通過保持員工身心健康來感受到工作滿意度,並將員工健康管理視爲管理問題。作爲解決這個問題的一種方法,在 「創造一個考慮到健康和安全的舒適工作環境」 的指導方針下,我們的目標是進行100%的定期健康檢查,引入和實施旨在提高身心健康意識的培訓,每天早上進行鍛鍊作爲日常積累,舉辦徒步活動以解決缺乏運動的問題等,並且正在努力徹底防止過度勞累和工作方式改革。我們認爲,與傳統的 「銀牌認證」 相比,評估的增加是對這些各種努力的積累進行了評估。
(由FISCO客座分析師國茂樹撰寫)