■事業概要等
1. 空間シェアリングによる市場創造型の事業展開
ティーケーピー<3479>が主力としてきた「貸会議室ビジネス」は、不動産オーナーから遊休資産・低収益物件・不採算資産を割安で借り上げ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、シェアリングエコノミーとして付加価値を提供するというものである。不動産オーナーから不動産を賃貸などにより大口取引(割安)で仕入れ、貸会議室などに利用できるように照明・カーペット・壁紙などリノベーションを行うとともに、ケータリングや宿泊、各種オプションなど周辺サービスを付加する。顧客は主に会議室利用を求める法人であり、顧客側にとっては自社で会議室を保有するのに比べ、費用の削減、業務の集約化、多目的の利用が可能になるなどのメリットが多い。したがって、同社の事業は、大口取引を望む供給側と小口販売・シェアリングを望む需要側をうまくつないでいると言える。さらには、スペースにコンテンツサービス(運営オペレーションやシステム、研修パッケージ等)を付加したソリューション提供により、その時々の需要に機動的に対応していくことで、スペース当たりの収益性を向上させる方向性も描いている。
さらに「持たざる経営」にも特徴がある。仕入れは賃貸契約を主軸としているうえ、変動家賃(売上・利益歩合等)が52.8%を占める(2024年8月末時点)ため、不動産価格や景気変動による業績への影響は比較的小さく、通常の不動産会社が有するリスクとは異なる点に注目したい。ただ、安定的に高稼働率が期待できるホテル事業については、あえて一部を自社所有することにより高収益性を確保するとともに、いつでも流動化できるような準備をしている。
2. 収益モデルの特徴
「貸会議室ビジネス」は、時間貸しによるフロー型の収益モデルである。TKP貸会議室の利用用途は多種多様であり、基本的な会議室の稼働に加え、料飲や企画、備品レンタル等の周辺サービスをどれだけ付加できるかが成長のポイントとなるため、同事業は稼働率ではなく「坪当たり売上高」をKPI(重要業績評価指標)としている。料飲の需要回復に加え、ソフト領域(イベントプロデュース等)の拡充により、「坪当たり売上高」の拡大を目指す。オープンより平均3ヶ月で損益分岐点に到達し、12ヶ月で巡航速度に達することから、比較的早期に収益化が可能な収益モデルと言える。
3. 拠点ネットワーク
TKPは国内の主要都市を中心に267拠点・2,103室(16.0万坪)の法人向け貸会議室を展開している(2024年8月末時点)。利用目的や規模・予算などに合わせた6つのグレードに分かれており、単価の高いものから、エスクリ<2196>との共同ブランドである「CIRQ(シルク)」59施設・216室※1、ガーデンシティPREMIUM(GCP)31施設・342室、ガーデンシティ(GC)43施設・496室、カンファレンスセンター(CC)52施設・658室、ビジネスセンター(BC)23施設・181室、スター貸会議室27施設・54室で構成される。また、「レクトーレ」や「石のや」、フランチャイズで運営する「アパホテル」等の宿泊施設内には32施設・156室※2を有している。
※1 2020年7月に全国で結婚施設を運営するエスクリとの資本業務提携により開始した。平日をメインにエスクリの遊休施設を共同ブランド「CIRQ」に転換し、顧客企業のパーティや懇親会の会場として活用するものである。なお、「CIRQ」の施設数には、2024年6月に業務提携したノバレーゼのブライダル施設(35施設)も含まれている。
※2 このうち、直営施設は28施設(開業前を含む)である。
4. 周辺事業
貸会議室ビジネスを行っている他の企業との差別化要因の1つに周辺サービスの展開が挙げられる。同社は、料飲、オプション、宿泊などの提供を通じて、顧客の幅広いニーズに応えている。料飲については、ケータリング、弁当、カフェ、レストランからなり、特にケータリングや弁当は貸会議室での懇親会など食事を伴う用途展開に欠かせない周辺サービスとなってきた。なお、コロナ禍の影響により苦戦した料飲部門(ケータリング)については一旦縮小(外注化)したが、需要回復に伴い再度内製化を進めており、足元業績の底上げに寄与している。
また、同社は幅広いオプションも提供している。一例を挙げると、同時通訳システム・テレビ会議システムの提供、研修コーディネート、映像・音響・照明機材の設置・運用、オフィス家具や機材レンタルのほか、コロナ対策用備品などがあり、顧客の利便性を高める内容となっている。ここ数年は、コロナ禍をきっかけにオンラインイベント需要が増加したことで、ウェビナー案件が伸びてきたようだ。また、リアルイベントの再開とともに、エンターテインメント性の高いイベントをプロデュースする機会も増えており、スペースの販売からスペースでのコンテンツを提供する会社への進化に向け、周辺サービスによる付加価値提供の重要性が高まっている。
さらには、顧客からの要望により宿泊研修施設(直営28施設 ※開業前含む)も提供しており、研修旅行や社員旅行の際などに使用されている。直営施設として、リゾート型セミナーホテル「レクトーレ」(7施設)、ハイクラスなリゾート型セミナー旅館「石のや」(伊豆長岡・熱海の2施設)、都市型リゾート宿泊施設「ベイサイドホテル アジュール竹芝」のほか、新たに開始した自社ブランドの「TKPサンライフホテル」を運営している。また、フランチャイズ運営施設としては、会議室併設型のハイブリッドホテルとして「アパホテル」(15施設)を展開している(2024年8月末時点)。
昨今は大企業であっても、宿泊施設を自社で保有していることは少なく、また保有していてもコスト上、運営が難しいことが多い。同社はそのような企業ニーズを取り込み、リピート率の向上を狙う。また、高級旅館として有名な「石亭」は稼働率の低さから経営不振に陥っていたが、同社が「石のや」としてリブランディングし、平日の法人需要を取り込むことで経営を改善するなど、資産の有効活用の観点からもメリットが多い。加えて、貸会議室だけでなく、食事・機器・宿泊場所・交通手配までワンストップで一連のサービスを提供しており、顧客にとって利便性の高い内容であることが、同社が幅広い顧客に支持されているゆえんと言える。足元ではアフターコロナに向けて、宿泊研修を通じたコミュニケーションの活性化や、ワーケーションによる働き方改革を進める企業も出てきており、需要は拡大傾向にあるようだ。今後はアジア各国で需要が高まるインバウンドMICE※の取り込みも見据える。
※ 企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。(国土交通省観光庁のホームページより引用)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■事業概要等
1. 通過空間共享創造市場的業務展開
蒂凱普<3479>作爲主力的「會議室租賃業務」是從房地產業主手中低價租賃閒置資產、低收益項目和非盈利資產,將「空間」進行「再生」,並提供附加值作爲共享經濟的模式。會從房地產業主處大口交易(低價)租賃房地產,並進行照明、地毯、壁紙等的翻新,以便可以用於會議室租賃,同時還增加了餐飲、住宿和各種周邊服務選項。客戶主要是需要使用會議室的法人,客戶方面相比自持會議室將會有成本節約、業務集中化以及多功能利用等多個好處。因此,可以說本公司的業務很好地鏈接了希望大口交易的供給方與希望小單銷售和共享的需求方。此外,通過爲空間增添內容服務(經營運營、系統、培訓包等)的解決方案,靈活應對時刻變化的需求,從而進一步提高每個空間的盈利能力。
此外,還具有「無持有經營」的特點。採購主要基於租賃合同,而且變動房租(按銷售和利潤比例等)佔52.8%(截至2024年8月),因此房地產價格和經濟波動對業績影響相對較小,不同於一般房地產公司所面臨的風險。但爲了確保穩定的高入住率,酒店業務會部分自有房產以確保高收益性,並做好隨時能夠流動化的準備。
2. 營收模型的特點
「會議室租賃業務」是通過時間租賃形成的流動型收益模型。TKP會議室的使用用途多種多樣,除了基本的會議室運營外,能夠增加多少飲食、策劃、設備租賃等周邊服務將成爲成長的關鍵點,因此該業務將「每坪營業收入」作爲KPI(關鍵業績指標),而非簡單的稼動率。隨着飲食需求的回升,以及軟體領域(活動製作等)的擴展,力求「每坪營業收入」的擴大。自開業起平均3個月內達到打和點,12個月內達到巡航速度,因此可以認爲這是一個相對早期實現收益化的收益模型。
3. 基地網絡
TKP在國內主要城市中心展開267個基地和2,103室(16.0萬坪)的法人向會議室租賃(截至2024年8月)。根據使用目的、規模和預算等分爲了6個等級,從高單價的設施開始,包括與艾斯克裏<2196>聯合品牌的「CIRQ(絲綢)」59個設施、216室※1,花園城市高級(GCP)31個設施、342室,花園城市(GC)43個設施、496室,會議中心(CC)52個設施、658室,商業中心(BC)23個設施、181室,明星會議室27個設施、54室。此外,在「雷克託雷」與「石之宿」等相關的酒店設施內設有32個設施、156室※2。
※1 該項目於2020年7月與在全國運營婚禮設施的埃斯克裏進行資本業務合作後啓動。主要在工作日將埃斯克裏的閒置設施轉化爲共同品牌"CIRQ",並將其作爲客戶公司的聚會和聯誼會場所使用。此外,"CIRQ"的設施數量中還包括2024年6月與諾瓦雷澤的婚禮設施(35個設施)。
※2 其中,直營設施有28個(包括開業前的設施)。
4. 周邊業務
與其他從事會議室出租業務的公司相比,一個差異化因素是周邊服務的展開。該公司通過提供餐飲、單腿期權、住宿等服務,滿足客戶的廣泛需求。在餐飲方面,包括了外賣、便當、咖啡廳、餐廳,特別是外賣和便當在舉辦會議等需要用餐的場合中已成爲不可或缺的周邊服務。此外,由於疫情影響,餐飲部門(外賣)曾一度縮小(外包),但隨着需求恢復,內製化重新啓動,貢獻了目前業績的提升。
此外,該公司還提供了多種周邊服務。舉個例子,包括提供同聲傳譯系統、視頻會議系統、培訓協調、音視頻設備的安裝與運用、辦公傢具和設備租賃等,還有防疫物資等,提升客戶的便利性。近年來,由於疫情促使在線活動需求增加,網絡研討會的項目也有所增長。同時,隨着實體活動的重新開啓,製作富有娛樂性的活動的機會也在增加。爲了從場地銷售轉型爲提供內容的公司,周邊服務所提供的附加值日益重要。
此外,根據客戶的需求,提供住宿培訓設施(直營28個設施 ※包括開業前的設施),用於研修旅行或員工旅行等場合。作爲直營設施,經營着度假型研討酒店"雷克託雷"(7個設施)、高檔度假型研討旅館"石之屋"(伊豆長岡・熱海的2個設施)、城市型度假住宿設施"海邊酒店 亞珠竹芝",以及新近開始的自有品牌"TKP陽光酒店"。此外,作爲特許經營設施,展開了會議室附設的混合型酒店"APA酒店"(15個設施)(截至2024年8月底)。
近年來,即使是大企業,自有住宿設施的情況也很少,即便有也常因成本問題難以經營。該公司通過滿足這樣的企業需求,旨在提高重複使用率。此外,以豪華旅館著稱的"石亭"因入住率過低而陷入經營困境,但該公司通過"石之屋"的重新品牌化,吸引了平日的企業需求,改善了經營,從資產有效利用的角度來看也有很多好處。再者,不僅僅是會議室出租,餐飲、設備、住宿、交通安排等一系列服務一站式提供,提高了客戶的便利性,這也正是該公司得到廣泛客戶支持的原因。目前,爲了迎接疫情後的市場,越來越多的企業正致力於通過住宿培訓促進溝通和通過工作度假進行工作方式改革,需求似乎正在擴大。未來, 還計劃迎合亞洲各國日益增長的入境MICE需求。
※ MICE的字母縮寫,表示企業等的會議(Meeting)、企業等所進行的獎勵/研修旅行(Incentive Travel)、國際機構/團體及學會等舉行的國際會議(Convention)、展覽會/交易會(Exhibition/Event),以及可預見有大量集客交流的商務活動的總稱。(引自國土交通省旅遊局官方網站)
(撰寫:FiSCO客座分析師柴田鬱夫)