■NCD<4783>の成長戦略
1. パーパス
同社は、トータル・ソリューション・プロバイダーとしての成長戦略を加速するため、「私たち一人ひとりが未来に胸をときめかせ、誰もが活き活きと輝ける社会をつくる。」という思いを込めたグループのパーパス「人の鼓動、もっと社会へ。」を掲げ、経営理念を「ユニークな技術とサービスにより、明るい未来に貢献する。」としている。また、DXビジョン「私たちNCDグループは、お客様のビジネスの変革や社会の発展に貢献し、かつ、従業員が活き活きと仕事をすることで、グループ全体の成長が持続する企業を目指します。その実現のために、グループ一人ひとりが知恵を絞り、意識の変革を行い、新たな発想のデジタル技術とサービス創出に挑戦します。」を掲げ、DX推進を本格化させる方針を打ち出している。さらに、創業の精神を継承しつつ、パーパスの実現に向けて今後もグループ企業が一体となり、ブランド価値向上・持続的成長を目指すという決意のもと、2024年1月1日付で商号をNCDに変更した。
中期経営計画「Vision2026」の目標数値を再上方修正
2. 中期経営計画「Vision2026」
同社は2023年5月に、持続的成長と企業価値向上を目指して2032年のありたい姿(グループビジョン)を検討し、基本方針を「より収益性の高い企業への変革を図り、NCDグループの持続的成長へ繋げる」「新しい事業領域への挑戦により、第3の事業柱を構築する」「NCDグループで働くことに幸せを感じ、かつ成長することのできる、“Well-beingカンパニー”を目指す」とした。2032年の目標値には売上高400億円、営業利益40億円、営業利益率10.0%を掲げた。
そして、ありたい姿からバックキャストした中期経営計画「Vision2026」(2024年3月期~2026年3月期)を策定した。グループビジョン実現に向けたファーストステップの期間と位置付けて、基本方針を、既存ビジネスの付加価値向上と新しいビジネスの創出によるさらなるNCDバリューの追求(IT関連事業とパーキングシステム事業のさらなる連携強化、新規事業創出の制度化による第3の事業柱構築に向けた新しいビジネスの追求)、企業価値向上に向けた経営基盤の強化(サステナビリティ経営の推進、人材の価値を最大限に引き出す人的資本経営への取り組み強化、DX推進によるビジネス変革と持続的成長への貢献)、最適なグループ事業体制の再構築(事業シナジーを最大化する組織体制の追求)とした。方向性としては、業界平均よりも低い収益性の改善、事業部間連携の強化、新規事業領域への取り組み強化、既存事業の付加価値向上、人材の確保と育成、働きがいへの取り組み強化など、既存ビジネスの土台固めと長期的視点による投資を行い、次期中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)及び2032年のグループビジョン目標達成に向けた飛躍につなげる方針としている。
なお中期経営計画「Vision2026」においては当初、目標数値を最終年度2026年3月期売上高26,000百万円、営業利益1,800百万円、営業利益率6.9%、ROE15.0%以上としていたが、各事業の想定以上の売上拡大や収益性向上、JCS子会社化などにより、初年度の2024年3月期に売上高、営業利益とも目標数値を上回ったため、2024年5月13日付で2026年3月期の目標数値を上方修正して売上高30,000百万円、営業利益2,400百万円、営業利益率8.0%、ROE20%以上とした。さらに、この修正後の2026年3月期目標を2025年3月期に前倒し超過達成の見込みとなったため、2026年3月期の目標数値を再上方修正して売上高32,000百万円、営業利益3,000百万円、営業利益率9.4%、ROE20%以上とした。IT関連事業、パーキングシステム事業とも収益性が想定以上に向上していることが主因である。再修正後の2026年3月期セグメント別計画(売上高は外部顧客への売上高、セグメント利益は全社費用等調整前営業利益)は、システム開発事業が売上高13,700百万円、セグメント利益2,140百万円、セグメント利益率15.6%、サポート&サービス事業が売上高10,100百万円、セグメント利益1,050百万円、セグメント利益率10.4%、パーキングシステム事業が売上高8,200百万円、セグメント利益1,860百万円、セグメント利益率22.7%とした。また投資目標は3ヶ年合計1,800百万円(人的資本投資700百万円、研究開発・新規事業関連投資600百万円、その他投資500百万円)としている。
重点戦略として、IT関連事業では高付加価値サービス提供型への変革を目指し、顧客のDXに貢献するNCDサービスモデルの進化と拡充による付加価値向上、既存ドメインのさらなる深耕と大企業を中心とした新規顧客へのアプローチ強化、体制拡大とサービス提供能力を高める事業基盤の強化などを推進する。パーキングシステム事業では、リーディングカンパニーとして強固な地位の確立に向けて、構造改革プロジェクトの完遂による収益基盤の安定化、駐輪場事業で培ったノウハウと市場ニーズを還流した高付加価値ビジネスの創出、事業体制の最適化などを推進する。コーポレート部門ではプライム上場企業に求められるガバナンス水準を目指し、サステナビリティ経営・人的資本経営・ガバナンス態勢高度化などを推進する。
また新規事業創出に関しては、戦略の一環として事業アイデア公募制度「co-do project」を開始し、募集アイデアのプレゼン選考会を実施するなど、多方面的な取り組みを展開している。サステナビリティ経営に関しては、マテリアリティを各部門施策に反映してKPIモニタリングをスタートした。今後は非財務情報開示の拡充に向けた取り組みを強化する。人的資本経営については、人材戦略の基本コンセプトとして「自律的なキャリア形成と対話を通じた組織風土の変革」を掲げ、人材開発と組織開発を両輪とした人材マネジメントの変革を図る。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の取り組みとしては、収益力向上(既存ビジネスの付加価値向上と新規ビジネス創出などによる利益率のさらなる改善と利益の拡大)、資本の最適配分(安定的かつ継続的な株主還元の実施、人的資本投資などの成長投資の実行)、サステナビリティへの取り組みの一層の強化と非財務情報開示の拡充(サステナビリティ経営のさらなる推進、統合報告書の発行)、IR・PR活動の強化(開示情報のさらなる充実と株主・投資家との対話の拡充、コーポレートロゴ変更などブランディング強化)を一層強化するとしている。なお2024年11月には同社初となるNCDグループ統合報告書「Integrated Report 2024」を発行した。
下條治(しもじょうおさむ)代表取締役社長は「IT関連事業における品質・生産性向上等の施策、パーキングシステム事業における業務効率化や価格改定等の施策の成果として収益性が着実に向上し、中期経営計画の最終年度目標値を再上方修正した。長期ビジョンで掲げた2032年の目標数値の達成も現実的になってきたと考えており、引き続き各種取り組みを着実に推進することで一段の収益性向上を目指していきたい。また企業価値のさらなる向上に向けて株主還元充実やIR活動強化も推進していきたい。」と意気込みを語っている。中期経営計画の進捗は極めて順調と弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
■NCD<4783>的增長戰略
1. 目標
爲了加速作爲全面解決方案提供者的增長戰略,公司提出了目標「讓每個人都對未來充滿期待,創造一個人人生動閃耀的社會」。群體的目標是「人之脈動,更多地服務社會」。經營理念定爲「通過獨特的技術和服務,爲明亮的未來做出貢獻」。同時,提出了數字化轉型願景「我們NCD群體將爲客戶業務的變革和社會的發展做出貢獻,並且通過員工積極工作的方式,目標是成爲一個能夠持續持續成長的企業。爲實現這一目標,集團每個人都將發揮智慧,進行意識的變革,挑戰新的數字技術和服務的創造」。此外,在繼承創業精神的同時,圍繞這一目標,集團企業將團結一致,致力於提升品牌價值和可持續發展,並決定於2024年1月1日將商號改爲NCD。
中期經營計劃「Vision2026」的目標數值被上調
2. 中期經營計劃「Vision2026」
公司於2023年5月審議了2032年的願景,以實現持續的增長和企業價值的提升,基本方針爲「力求轉型爲更高收益性的企業,從而實現NCD群體的可持續增長」,「通過挑戰新的業務領域,構建第三個業務支柱」,「希望在NCD群體工作的人們感到幸福並能夠成長,成爲『幸福公司』」。2032年的目標包括營業收入400億日元,營業利潤40億日元,營業利潤率10.0%。
然後,制定了基於願景的反向推導的中期經營計劃「Vision2026」(2024年3月期~2026年3月期)。作爲實現集團願景的第一步,基本方針爲,通過提升現有業務的附加價值和新業務的創造,實現對NCD價值的進一步追求(IT相關業務和停車系統業務之間的進一步合作,加快新業務的創造,構建第三個業務支柱),強化企業價值提升的經營基礎(推進可持續經營,強化人才的最大價值,引入以人爲本的管理,加快數字轉型的推進,實現業務變革和持續增長),重建最佳的集團事業體制(追求最大化業務協同的組織體制)。方向性包括:改善低於行業平均的盈利能力,加強部門間的協作,強化新業務領域的開發,提升現有業務的附加價值,人才的保障和培養,提升工作的價值感,等等,通過鞏固現有業務的基礎和長遠觀點的投資,促進下一個中期經營計劃(2027年3月期~2029年3月期)及2032年集團願景的目標實現。
在中期經營計劃「Vision2026」中,最初的目標數值爲2026年3月期營業收入26,000百萬元,營業利潤1,800百萬元,營業利潤率6.9%,ROE15.0%以上,但由於各業務的收入擴大和盈利能力提升,JCS子公司化等,2024年3月期初年度的營業收入和營業利潤均超過了目標數值,因此在2024年5月13日,2026年3月期的目標數值被上調至營業收入30,000百萬元,營業利潤2,400百萬元,營業利潤率8.0%,ROE20%以上。此外,由於2026年3月期目標在2025年3月期前倒超額實現,重新上調的2026年3月期目標數值爲營業收入32,000百萬元,營業利潤3,000百萬元,營業利潤率9.4%,ROE20%以上。IT相關業務和停車系統業務的盈利能力實現了超出預期的提升是主要原因。重新修正後的2026年3月期分部門計劃(營業收入是對外客戶的營業收入,部門利潤是全公司費用調整前的營業利潤)爲:系統開發業務營業收入13,700百萬元,部門利潤2,140百萬元,部門利潤率15.6%,支撐與服務業務營業收入10,100百萬元,部門利潤1,050百萬元,部門利潤率10.4%,停車系統業務營業收入8,200百萬元,部門利潤1,860百萬元,部門利潤率22.7%。此外,投資目標爲三年總計1,800百萬元(人力資本投資700百萬元,研發及新業務相關投資600百萬元,其他投資500百萬元)。
作爲重點戰略,在IT相關業務中,我們旨在向高附加值服務提供型轉型,推動NCD服務模型的演進和擴展以提升附加值,進一步深入現有領域並加強對以大企業爲中心的新客戶的接觸,推進業務基礎的強化以及提升服務提供能力等。針對停車系統業務,我們將作爲領先公司,致力於建立穩固的地位,通過完成結構改革項目來穩定收益基礎,創造通過自行車停車場業務積累的專業知識和市場需求回流的高附加值業務,優化業務結構等。企業部門則力爭達到主板上市企業的治理水平,推進可持續性管理、人才資本管理及治理體系的高度化等措施。
關於新業務的創出,作爲戰略的一部分,開啓了商業創意招募制度「co-do project」,並實施了徵集創意的展示評審會等多元化的措施。關於可持續性經營,我們已將重要性反映到各部門的施策中,啓動了KPI監控。今後將進一步增強關於非財務信息披露的相關措施。關於人才資本管理,以「自主的職業發展和通過對話改變組織文化」爲基本理念,推動以人才發展和組織發展雙輪驅動的人才管理改革。
針對實現注重資本成本和股價的經營,應對的措施包括:提高收益能力(通過提升現有業務的附加值和新業務創出等進一步改善利潤率和擴大收益)、優化資本配置(穩定持續的股東回報實施及人的資本投資等增長投資的執行)、進一步加強可持續性努力和非財務信息披露(進一步推進可持續性經營及發佈綜合報告)、增強IR及PR活動(豐富披露信息與股東、投資者對話的擴充、企業標誌更改等品牌建設的強化)。另外,2024年11月將發佈公司的首份NCD群綜合報告「Integrated Report 2024」。
代表董事社長下條治(しもじょうおさむ)表示:「在IT相關業務中,提升質量和生產力等措施,以及在停車系統業務中,業務效率和價格調整等措施取得了成果,使得收益性穩步提升,並重新上調了中期經營計劃的最終目標值。預計到2032年設定的長期願景目標的實現也變得現實,我希望通過繼續穩步推進各項措施來進一步提高收益性。同時,我希望增強股東的回報和加強IR活動,以進一步提升企業價值。」我們認爲中期經營計劃的進展非常順利。
(撰寫: FISCO特約分析師 水田雅展)