■要約
unerry<5034>は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、実社会のデータをAIで分析し、リアル空間を見える化することによって生活のUX※向上に貢献している。リアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank(R)」(以下、「Beacon Bank」)を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。
※ UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザーがプロダクトやサービスを通して得られた体験)
1. 2024年6月期の業績概要
2024年6月期の業績は、売上高2,834百万円(前期比36.5%増)、営業利益179百万円(同409.3%増)、経常利益134百万円(同286.5%増)、当期純利益68百万円(同629.5%増)と増収増益で着地した。期初計画に対する達成率は、売上高は97.8%とわずかに未達となったものの、売上総利益は103.6%、営業利益は同153.0%、当期純利益は同104.6%と計画を達成した。リカーリング顧客数の堅調な伸びに加え、リカーリング顧客に対するクロスセル施策を着実に実行したことで高い顧客単価を維持したこと、リテールメディア事業・スマートシティ事業といった新事業が高い成長を実現したことが売上増に寄与した。利益面については、粗利率(売上総利益)37.6%(前期比3.8ポイント増)のほか、特に利益率の高い分析・可視化サービスが大きく伸びたことや、相対的に原価率の高い行動変容サービスの粗利率の改善が寄与した。営業利益については粗利率の改善に加えて、サーバー費用の削減効果(37百万円)、間接人件費や業務委託費の削減効果(25百万円)もあり、最高益を大きく更新した。経常利益については、2024年6月期において北米事業展開に想定以上の時間を要していることに伴い、投資全額に対する貸倒引当金(48百万円)を営業外費用に繰り入れたことにより営業利益の伸び率を下回った。
2. 2025年6月期の業績見通し
2025年6月期の業績予想は、売上高3,746百万円(前期比32.2%増)、営業利益240百万円(同34.2%増)、経常利益240百万円(同78.5%増)、当期純利益138百万円(同103.0%増)を見込んでいる。売上高は、リテールDXやリテールメディア事業において2024年6月期の新規顧客をリカーリング顧客化し、クロスセルやアップセルを着実に実行することで計画達成を目指す。分析・可視化サービスと行動変容サービスを成長のエンジンとして積極的に伸ばす計画だ。2024年6月期について、全顧客数203社のうち109社がリカーリング顧客、94社が新規または取引中の顧客となるが、2025年6月期には、新規または取引中94社のうち33社のリカーリング顧客化を目指す。新規顧客に関しては、分析・可視化サービス等をトリガーにリカーリング顧客化を進める。同社は、リカーリング顧客について、2024年6月期比で年間顧客単価は前期並みの23百万円、NRR※は前期比若干低下の119%を見積もっている。利益面では営業利益の増益を売上高の成長と同程度に見込む。売上原価に関し、売上増加に伴い、全体としてデータ量が増えインフラ費用が増加するほか、広告変容サービスでは広告原価が、One to Oneサービスでは外注費が膨らむものの、原価率は直近3期水準の64%程度を維持する。販管費については、後述のプロダクト開発投資に向けた採用強化により、人件費や業務委託費等の増加を見込んでおり、総額としては1,120百万円(前期比26.4%増)となるが、販管費率は増収効果により前期比で1.4ポイント低下と改善する見込みだ。
※ NRR:ネットレベニューリテンションレート=(前年度以前に獲得したリカーリング顧客の当期売上高)÷(当該顧客の前期売上高)。
3. 中期成長戦略の概要
2024年9月に「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」を発表し、2023年9月に中期成長戦略として掲げた目標2028年6月期売上高100億円への進捗状況を明らかにした。2023年6月期から2028年6月期までの年平均成長率を36%と計画しているが、2024年6月期は前期比37%の成長を見せており、計画は堅調に進捗している。2028年6月期の売上高100億円達成に向けては、データプラットフォームのデータの幅・量をグローバル水準まで引き上げることにより分析精度と適用サービスを拡大することで中期競争優位による潜在成長率を引き上げることと、「顧客獲得×リカーリング顧客単価向上」の成功方程式を推進する組織基盤整備を着実に推進する。求められる経営目標として「潜在成長率の向上」「新規顧客獲得」「リカーリング顧客化・単価向上」「組織の急成長」の4点を掲げ、それぞれの達成に向け4つの具体戦略を策定し、推進している。
■Key Points
・2024年6月期は期初予想をほぼ達成し、過去最高の収益利益を確保
・2025年6月期は売上・利益共引き続き高成長を見込む
・リテールDX・リテールメディア・スマートシティ・グローバル事業を加速度的に展開
・中期成長戦略達成に不可欠な4つの戦略を策定
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
■摘要
unerry<5034>在「用數據創造舒適未來。」的任務中心下,通過AI分析現實社會的數據,實現空間的可視化,從而爲提升生活的用戶體驗(UX)做出貢獻。通過不識別特定個人的人流數據積累的真實行爲大數據平台「Beacon Bank(R)」(以下稱爲「Beacon Bank」),向客戶提供「分析・可視化」、「行爲變化」、「一對一」這三項服務。
※ UX(用戶體驗:用戶通過產品或服務獲得的體驗)
1. 2024年6月期的業績概要
2024年6月期的業績是,營業收入2834百萬元(同比增長36.5%)、營業利潤179百萬元(同比增長409.3%)、經常利潤134百萬元(同比增長286.5%)、淨利潤68百萬元(同比增長629.5%),實現了收入和利潤的雙增長。與期初計劃相比,營業收入的達成率爲97.8%,略有未達,但毛利率實現103.6%、營業利潤同比153.0%、淨利潤同比104.6%,均達成了計劃。由於保持了良好的循環客戶數量增長,並且穩步推進對循環客戶的交叉銷售措施,因此保持了較高的客戶單價,同時零售媒體業務與智慧城市業務等新業務也實現了較高的增長,貢獻了營業收入的增加。在利潤方面,毛利率(營業總利潤)爲37.6%(同比增加3.8個百分點),尤其是利潤率較高的分析・可視化服務大幅增長,以及相對高成本的行爲變化服務毛利率的改善也有所貢獻。營業利潤方面,除了毛利率的改善外,還有服務器費用的減少效果(37百萬元)、間接人工費用和業務委託費用的減少效果(25百萬元),使得利潤大幅創新高。經常利潤方面,2024年6月期在北美業務展開比預期需要更多時間,因此將投資全額的壞賬準備金(48百萬元)計入營業外費用,導致營業利潤的增長率低於預期。
2. 2025年6月期的業績預期
2025年6月期的業績財務預測爲,營業收入3746百萬元(同比增長32.2%)、營業利潤240百萬元(同比增長34.2%)、經常利潤240百萬元(同比增長78.5%)、淨利潤138百萬元(同比增長103.0%)。預計營業收入將通過將2024年6月期的新客戶轉變爲循環客戶,並穩步實施交叉銷售和提升銷售以實現計劃。計劃積極發展分析・可視化服務與行爲變化服務作爲增長引擎。關於2024年6月期,203家全客戶中有109家是循環客戶,94家是新客戶或正在交易中客戶,而2025年6月期希望在94家新客戶或交易中客戶中將33家轉變爲循環客戶。針對新客戶,將通過以分析・可視化服務爲觸發點推動其成爲循環客戶。該公司估計,循環客戶在2024年6月期相比的年度客戶單價爲前期水平的2300萬日元,淨收入留存率(NRR)略微下降至119%。在利潤方面,預計營業利潤增長將與營業收入增長相當。關於營業成本,隨着營業收入的增長,整體數據量的增加以及基礎設施費用的增加,廣告變化服務中的廣告成本,以及一對一服務中的外包費用將增加,但成本率預計將保持在最近三期的64%左右。關於銷售和管理費用,由於爲後續的產品開發投資而強化的招聘,預計人工費用和業務委託費用等將增長,總額爲1120百萬元(同比增長26.4%),但由於營業收入效應,銷售及管理費用率預計將同比下降1.4個百分點,得到改善。
※ NRR:淨收入留存率=(上一年度之前獲取的循環客戶的當期營業收入)÷(該客戶的前期營業收入)。
3. 中期成長戰略的概要
2024年9月將發佈《事業計劃及成長可能性說明資料》,闡明2023年9月作爲中期成長戰略所提出的目標——到2028年6月期營業收入達到100億日元的進展情況。計劃從2023年6月期到2028年6月期的年平均成長率爲36%,但2024年6月期顯示出較上期37%的成長,計劃正在穩步推進。爲了實現2028年6月期營業收入100億日元,需將數據平台的數據廣度和數量提升至全球水平,從而擴大分析精度和適用服務,提升中期競爭優勢帶來的潛在成長率,同時穩步推進「客戶獲取×復購客戶單價提升」的成功公式的組織基礎建設。作爲所需的經營目標,提出了「四個點」:「提升潛在成長率」、「獲取新客戶」、「復購客戶化·單價提升」、「組織的快速成長」,並制定了四個具體戰略,積極推進各自的達成。
■關鍵點
·2024年6月期預計幾乎達成期初財務預測,確保了歷史最高的收益利潤
·2025年6月期預計營業收入和利潤繼續保持高成長
·加速展開展零售DX、零售媒體、智慧城市和全球事業
·制定實現中期成長戰略所需的四個關鍵戰略
(編輯:FISCO分析師村瀬智一)