■トリプルアイズ<5026>の今後の見通し
3. 中長期成長戦略
同社は成長戦略として以下の4つのAI実装戦略による独自性を掲げている。(1) AIプロダクト、オーダーメイドAI開発の展開、(2) 資本業務提携やM&Aを駆使したレガシー産業領域へのAI実装及び新サービス展開、(3) GPUサーバー事業の推進、(4) M&Aによる非連続の成長、である。特にここ2年間で顕著なのはゼロフィールドやBEXなどの大型M&Aの実施による事業領域の拡大や、2024年9月のゲームカード・ジョイコホールディングスとの資本業務提携の実施など、外部経営リソースの積極的な活用だ。
(1) AIプロダクト、オーダーメイドAI開発の展開
同社の画像認識技術は競争力の源泉の1つとなっており、AI画像認識や顔認証サービスなど様々な場面で活用されている。同社の技術力が評価された1つの事例として、世田谷区の職員向けシステムにおいて、同社の顔認証システムが勤怠管理の効率性向上に寄与したことが挙げられる。一般企業に限らず自治体においても勤務時間の適切な把握方法や管理業務の効率化は必要不可欠であるが、同社はタブレット端末における顔認証機能を活用した出退勤管理を実施し、クラウド上のAIZEと連携することで勤怠と休暇情報の可視化が効率的に可能となるオーダーメイドAIを提案し、それが採用された一例である。このように同社の高い画像認識技術を活用したオーダーメイドAIは応用範囲が広く、このような実績を1つ1つ積み上げることで今後、業種横断的な展開が加速度的に進むことが期待される。まずは買収したBEXとの協業により、自動車業界向けでどのような成果を挙げていくかに注目したい。
(2) 資本業務提携やM&Aを駆使したレガシー産業領域へのAI実装及び新サービス展開
同社は2024年8月期まではオーダーメイドAI開発と自社AIサービスによる各種業界へのアプローチが主軸であったが、2025年8月期からはさらなるAIの社会実装を進めるべく、レガシー産業領域のプレイヤーとタイアップし、共同商品開発・営業連携などによる事業展開を進める方針を打ち出している。同社が定義するレガシー産業には自動車、医療業界などが挙げられるが、まずはその皮切りとしてBEXを2024年7月に買収したことをきっかけに、自動車の設計・製造業界におけるオーダーメイドAI開発を進める計画だ。現在、AI実装はまだ黎明期にあることから自動車に限らず多くの産業でAI実装へのニーズは高いと見られ、同社では市場規模とAIとの親和性を勘案して取り組みを進めていく。
(3) GPUサーバー事業の推進
GPUサーバー事業を手掛けるゼロフィールドは自社データセンター運営のノウハウや経験を生かし、顧客へのカスタマイズや運用サポートの強化を進めている。また、AI向けGPUサーバーの需要が高まっているなかで今後マシン自体の販売台数の増加も中長期的に見込まれるが、同社では生成AIに留まらず、大規模言語モデル、3DCADなど様々なサーバーソリューションを提供できるような体制も整えている。また、自己資本比率が一時的に低下していたことが長期の保守サポートが必要になる大容量のデータセンター事業者への参入障壁になっていたが、直近で実施した第三者割当増資により自己資本比率も35%程度へと大幅に回復が見込まれることから今後、国内の大手デーセンター運営事業者向けとの取引拡大が進むことも期待したい。
(4) M&Aによる非連続の成長
同社は2023年8月期、2024年8月期と同社の事業規模から考えると比較的大型のM&Aを積極的に実施した。同社のM&Aによる非連続成長を目指す方針のなかで、小型のM&Aを繰り返してPMIにコストをかけていくのではなく、同社と同規模かそれに近い企業をM&Aの候補とし、リスクを伴ったM&Aを実施することで非連続の成長を複数期にわたって実現することを打ち出している。現在もさらに複数案件を検討中としている。また、EBITDA倍率で4~5倍の企業をターゲットとするなど、グループ利益に寄与するのれん負けしない案件を発掘することも重視しており、過度に割高な買収に対しては否定的な見解を示している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
■ Triple Eyes<5026>的未來展望
3. 中長期增長戰略
該公司作爲增長戰略提出了以下四個基於AI的實現戰略的獨特性。(1) AI產品、定製AI開發的展開,(2) 利用資本業務合作和併購在傳統行業領域的AI實施及新服務拓展,(3) GPU服務器-雲計算業務的推進,(4) 通過併購實現非連續增長。特別是在過去兩年中,通過零領域和BEX等大型併購的實施,業務領域的擴展變得十分顯著,以及2024年9月與遊戲卡片Joyco Holdings的資本業務合作的實施,充分利用外部經營資源。
(1) AI產品、定製AI開發的展開
該公司的圖像識別技術已經成爲其競爭力的源泉之一,廣泛應用於AI圖像識別和人臉識別服務等多種場合。作爲該公司技術能力得到認可的一個案例,世田谷區爲職員提供的系統中,該公司的人臉識別系統提高了考勤管理的效率。無論是一般企業還是地方政府,適當掌握工作時間和管理工作的效率都是必不可少的,而該公司在平板電腦中應用人臉識別功能進行考勤管理,與雲端的AIZE相結合,實現考勤和休假信息的可視化,從而高效地提議了定製AI,並被採用。這種高效的圖像識別技術所應用的定製AI具有廣泛的應用範圍,逐步積累這樣的業績,未來跨行業的發展將加速推進。首先希望關注併購的BEX在汽車行業方面的成果。
(2) 利用資本業務合作和併購在傳統行業領域的AI實施及新服務拓展
該公司直到2024年8月期之前,主要以定製AI開發和自有AI服務對應各個行業,但從2025年8月期開始,爲了進一步推進AI的社會實施,公司計劃與傳統行業的參與者合作,通過聯合商品開發、銷售聯動等進行業務拓展。該公司定義的傳統行業包括汽車、醫療行業等,首步計劃是在2024年7月收購BEX後,推進汽車設計、製造業的定製AI開發。目前,由於AI實施仍處於初期階段,汽車及其他許多行業對AI實施的需求都在增長,該公司將根據市場規模與AI的兼容性繼續推進相關工作。
(3) 推進GPU服務器-雲計算業務
從事GPU服務器業務的ZeroField利用其自有數據中心運營的經驗和技術,積極加強對客戶的定製服務和運營支撐位。同時,隨着AI專用GPU服務器的需求上升,預計未來機器的載客量將中長期增加,但該公司不僅致力於生成AI,還建立了提供大規模語言模型、3DCAD等多種服務器解決方案的體系。此外,雖然自有資本比例一度下降,但這已成爲進入需要長期保修支持的大容量數據中心運營商的障礙,最近通過實施第三方賦值增資,自有資本比例預計也將大幅回升至35%左右,因此希望未來能夠擴大與國內大型數據中心運營商的交易。
(4) 通過M&A實現非連續增長
根據公司2023年8月期和2024年8月期的業務規模,該公司積極實施了相對大型的M&A。在推動公司通過M&A實現非連續增長的方針下,該公司並沒有重複進行小型M&A並在PMI上投入成本,而是以與公司規模相當或接近的企業作爲M&A候選,實施帶有風險的M&A,以實現多期的非連續增長。目前正在進一步考慮多個項目。此外,目標EBITDA倍數爲4-5倍的企業等,重視發掘對集團利潤有貢獻的、不會出現商譽損失的項目,對過於高價的收購持否定態度。
(作者:FISCO客員分析師永岡宏樹)