■要約
1. 会社概要
アール・エス・シー<4664>は2021年に創業50周年を迎えた総合ビルメンテナンス企業であり、人材サービスも展開している。「信頼されるサービスを提供し、人が生活するあらゆる場面において、常に安全・安心・快適な環境を創造していきます」を経営理念に掲げ、「サンシャインシティ」や「丸の内ビルディング(以下、丸ビル)」など、日本を代表するビルの管理業務を手掛けている。創業来の主力である警備保障に加え、清掃、設備・受付、人材サービスなどを組み合わせた総合的なサービス提案に強みがあり、業績は堅調に推移している。今後は業界におけるDX化に向けて、機械化や新技術(セキュリティロボットやAI等)を積極的に活用し、持続的な成長を目指す方針である。
5ヶ年の中期経営計画については4年目に入っているが、セコム<9735>との業務提携によるセキュリティロボットの導入、内装工事等を手掛ける友和商工(株)の子会社化、(株)アジラとの業務提携(AI警備システムの導入)など、経営基盤の強化や将来を見据えた取り組みで着々と実績を積み上げてきた。DX化の流れや再編の動きが加速するなかで、同社はまさに変革期を迎えている。
2. 2025年3月期上期の業績概要
2025年3月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比20.6%増の5,082百万円、営業利益が同11.4%増の244百万円と期初予想を大幅に上回る増収増益となった。売上高は、前期におけるスポット的な受注(子会社による工事業務)の反動減や、官公庁大型長期案件の終了によるマイナスの影響があったものの、新たな大型イベント業務及びホテル警備の新規受注等でカバーし大幅な増収を達成した。損益面については、人的資本投資(賃上げを含む)を実施しながらも、売上高の上振れにより営業増益となった。活動面では、「サンシャインシティ」の各エリアにおいてAI警備システムの本格運用を開始した。
3. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績予想について同社は、上期業績の上振れ等を踏まえ、2024年11月12日に上方修正を公表した。売上高を前期比10.1%増の8,914百万円(修正幅+811百万円)、営業利益を同0.7%減の282百万円(修正幅+130百万円)と見込んでいる。売上高予想を上方修正したのは、上期における大型イベント業務や建設・設備工事業務の上振れを反映したものである。損益面は、期初予想では将来を見据えた人的投資(約1億円)による大幅な減益を見込んでいたが、売上高の上振れに伴い、営業利益も前期と同水準を確保する想定に見直した。ただ、下期の見通しについては、売上高・利益ともに期初予想を据え置いており、今後の受注動向を慎重に見極めたいとの方針だ。また、年間配当予想については、2024年11月13日に2度目の上方修正を公表した。
4. 今後の成長戦略
中期経営計画では、1) 収益力の向上(ソリューション提案、エリア管理体制の構築)、2) 技術力の強化(サービス品質の維持/向上、新技術の導入)、3) 職場環境の改善(従業員エンゲージメントの向上、女性の活躍推進)、4) 経営基盤の強化(持続的な成長の実現、環境への配慮)を基本戦略として、持続的な利益成長の基盤づくりに取り組んでいる。2026年3月期の数値目標として、売上高を7,500百万円、営業利益を300百万円、ROE10%を掲げている。また、サステナビリティ経営に向けた基本方針及びマテリアリティを公表し、今後はKGI・KPIを作成する予定としている。
■Key Points
・2025年3月期上期は大型イベント業務による上振れやホテル警備の新規受注により大幅な増収増益
・活動面では、「サンシャインシティ」の各エリアにおいてAI警備システムの本格運用を開始
・2025年3月期の業績予想を上方修正するとともに、年間配当予想は2度目の上方修正
・中期経営計画では、収益力の向上や新技術の強化などにより、持続的な利益成長の基盤づくりに取り組む方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■概要
1. 公司資料
亞爾·艾斯·西<4664>是一家在2021年迎來創立50週年的綜合大樓清潔和管理企業,同時也開展人力資源服務。公司的經營理念是「提供值得信賴的服務,創造在人們生活的各個場合中,始終安全、安心、舒適的環境」,並承接了「陽光城」和「丸之內大樓」(以下稱丸大樓)等代表日本的大樓管理業務。除了創立以來的主力業務安保之外,清潔、設備、接待和人力資源服務等綜合服務方案也具有很強的優勢,業績穩步發展。未來公司計劃積極利用機械化和新技術(如安防機器人和人工智能等),朝着行業數字化轉型(DX化)目標,追求持續的增長。
關於五年期中期經營計劃,目前已進入第四年,通過與西科姆<9735>的業務合作引入安防機器人,收購內裝施工等領域的友和商工(株)子公司,與(株)阿吉拉的業務合作(引入人工智能安保系統)等,公司在加強經營基礎和展望未來的努力方面正穩步取得成果。在數字化轉型的浪潮和重組的趨勢加速下,該公司迎來了真正的變革期。
2. 2025年3月期上半年的業績概要
2025年3月期上半年的合併業績顯示,營業收入爲去年同期的20.6%增長,達508.2億日元,營業利潤與之相比增長11.4%,達24.4億日元,顯著超出期初財務預測。儘管營業收入受到了前期偶發性訂單(子公司承接的施工業務)的反彈以及政府和公共機構大型長期項目結束的負面影響,但通過新增大型活動業務和酒店安保的新訂單等,成功實現了顯著的營業收入增長。在損益方面,儘管進行了人員資本投資(包括工資上漲),但由於營業收入的上升,營業利潤實現了增長。在活動方面,「陽光城」各區域開始全面啓用人工智能安保系統。
3.2025 年3月期的業績預測
關於2025年3月期的合併業績預測,該公司根據上半年的業績上調等情況,於2024年11月12日發佈了上調修正。預計營業收入將在較上期增加10.1%,達到89.14億日元(修正幅度+8.11億日元),營業利潤則預計下降0.7%,爲2.82億日元(修正幅度+1.3億日元)。上調營業收入預測是因爲反映了上半年大型活動業務和施工、設備工程業務的增長。在損益方面,期初的預測預計由於未來的人員投資(約1億日元)導致大幅減益,但隨營業收入的上升,營業利潤也將被重新設定爲保持在與上期相同的水平。然而,對於下半年的預期,營業收入和利潤均保持期初預測不變,公司希望謹慎評估未來的訂單趨勢。此外,關於年度分紅派息預測,公司在2024年11月13日發佈了第二次上調修正。
4. 未來的增長戰略
中期經營計劃中,基本戰略包括1) 提高盈利能力(解決方案提案、區域管理體系的構建),2) 增強技術實力(服務質量的維持/提高、新技術的引入),3) 改善工作環境(提升員工參與度、促進女性發揮作用),4) 加強經營基礎(實現可持續增長、關注環境),正在致力於持續的利潤增長基礎建設。2026年3月期的數字目標爲,營業收入75億日元,營業利潤3億日元,ROE10%。另外,已公佈可持續經營的基本方針及重要性,今後計劃制定KGI和KPI。
■Key Points
· 2025年3月期上半年由於大型活動業務的上振和酒店安保的新訂單而實現大幅度增收增益
· 在活動方面,在「陽光城市」的各個區域開始AI安保系統的正式運行
· 上調了2025年3月期的業績財務預測,同時,年度分紅派息預測也進行了第二次上調
· 中期經營計劃中,由於提高盈利能力和加強新技術等方面,致力於建立可持續的利潤增長基礎
(撰寫:FiSCO客座分析師柴田鬱夫)