■会社概要
酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーで、国内シェア70%を超えるトップメーカーである。1970年にはインドネシアに合弁会社を設立するなど、早くから海外展開を進めており、2024年3月期末現在、国内子会社4社、海外子会社4社(米国、中国、インドネシア2社)を有している。株式については、1964年に東京証券取引所(以下、東証)第2部に上場、その後1981年に東証第1部に指定替えし、2022年4月の東証再編に伴いプライム市場へ移行した。
■事業概要
高付加価値化と海外シェアの拡大で成長を図る
1. 事業内容
同社の主たる事業は、道路舗装などに使われるロードローラの製造・販売で、ロードローラ関連が売上高の約95%を占める。また、「道路建設機械事業を通じて世界の国土開発という社会事業に貢献する」を企業理念に掲げている。2024年3月期の地域区分別売上高は、国内14,320百万円(売上構成比43.4%)、北米9,700百万円(同29.4%)、アジア7,566百万円(同22.9%)、その他1,432百万円(同4.3%)であった。
2. 特色、強み
同社の特色や強みは以下のとおりである。
(1) 専業メーカーとしての長い歴史
同社の最大の特色(強み)は、ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーとしての長い歴史であろう。言い換えれば、選択と集中によるグローバルニッチ戦略によって専門性を高め、独自の技術を蓄積してきたことだ。
(2) 技術力
単に「道路を固める、舗装する」と言っても、それぞれの土地の土質・土壌などによって必要な圧力・回転力等(締固め技術)は異なる。そのため、工事会社はそれぞれの工事現場(地盤等)に合った異なる種類のロードローラを必要とする場合が多い。同社は、長い間道路建設機械の専業メーカーとして歩んできたことから、「締固め技術」について高い技術力を有しており、同業他社が追い付くことは容易ではない。
(3) 信用力
豊富な現場経験と実績に裏付けられた信用力も同社の強みだ。地下の締固め品質を確保する技術についてはブラックボックスであり、後発メーカーや非専業メーカーが容易に真似できるものではない。例えば、高温で運ばれてくるアスファルト合材は限られた時間のなかで施工する必要があることに加え、施工不良の場合は再施工という大きな代償を伴う。また、道路や盛土の施工品質問題の発生は遅効性があり、完工時の締固め品質はブラックボックスになる傾向にある。豊富な現場経験による長年の知見が蓄積されていることが同社の強みとなっており、多くの顧客から信頼を得ている。
3. シェア及び競合
(一社)日本建設機械工業会のデータによれば、2023年度の国内、輸出を合わせた建設機械出荷額は約3.7兆円、このうち同社の主要製品であるロードローラ等の道路機械は約2.3%である。ロードローラ市場において、同社のシェアは70%超とトップメーカーとなっている。競合先としては日立建機<6305>などがあるが、いずれも専業メーカーではない。また、海外メーカーも一部進出しているが存在感は薄い。したがって、国内においては、市場の浮沈がそのまま同社の業績につながっているとも言える。
世界市場(海外市場)では、正確な統計がないものの、同社のシェア(生産台数ベース)は5〜6%と推定される。ただし、これは全世界をベースにしたもので、同社が主戦場としている日本、ASEAN、北米の市場に限ればシェアは12%程度のようだ。なお、世界市場での主な競合はCaterpillar、FAYAT SAS、HAMM AG、Volvo Personvagnar ABなどであるが、ロードローラの専業メーカーは見当たらない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■公司資料
酒井重工業<6358>是道路鋪設用壓路機等道路建設機械的專業製造商,國內市場份額超過70%,是頂尖製造商。公司早在1970年就在印度尼西亞設立合資子公司等,積極推進海外擴張,截至2024年3月期末,旗下擁有國內子公司4家,海外子公司4家(美國、中國、印度尼西亞各2家)。股票方面,1964年在東京證券交易所(以下簡稱東證)第二部上市,隨後於1981年轉指定上市至東證第一部,2022年4月隨着東證重組轉入主板交易所。
■業務概要
通過增加附加值和擴大海外市場份額來實現增長
1. 業務內容
該公司主要業務是生產和銷售用於道路鋪設等用途的壓路機,壓路機相關業務佔營業收入約95%。此外,公司以"通過道路建設機械事業爲社會事業做出貢獻"爲企業理念。2024年3月期按地區劃分的營業收入爲:國內14,320百萬日元(主營構成比43.4%)、北美9,700百萬日元(同29.4%)、亞洲7,566百萬日元(同22.9%)、其他1,432百萬日元(同4.3%)。
2. 特色、優勢
該公司的特色和優勢如下。
(1) 作爲專業製造商的悠久歷史
該公司最大的特點(優勢)在於其作爲道路建築機械專業製造商的悠久歷史。換句話說,通過選擇和集中的全球專業化戰略,提高了專業性,並積累了獨特的技術。
(2) 技術實力
僅僅說"固化道路、鋪設路面",不同地塊的土壤特性和土質不同,需要的壓力、扭力(緊實技術)也會有所差異。因此,施工公司經常需要根據各自的工地(地基等)情況使用不同類型的壓路機。該公司長期致力於道路建設機械製造業,具備高超的"緊實技術",其他競爭對手很難追趕其技術水平。
(3)信用度
豐富的現場經驗和建樹支撐了公司的信譽。地下緊固品質的保障技術是一個黑盒子,後來的製造商和非專業的製造商很難模仿。例如,需要在有限的時間內施工高溫下運輸來的瀝青混合材料,同時,施工不良將伴隨着重做的巨大代價。另外,道路和填土施工品質問題會出現滯後性,並且最終的緊固品質往往成爲一個黑盒子。豐富的現場經驗積累形成了公司的實力,贏得了衆多客戶的信任。
3.共享與競爭
根據(一社)日本建築機械工業協會的數據顯示,2023年國內和出口的建築機械發貨額約爲3.7萬億日元,其中該公司的主要產品如壓路機等道路機械的比例約爲2.3%。在壓路機市場上,該公司的份額超過70%,成爲市場領袖。日立建機<6305>等競爭對手存在,但都不是專業製造商。此外,海外製造商也有少量進入,但影響力較小。因此,在國內市場上,市場的波動直接影響了公司的業績。
在全球市場(境外市場)中,雖然沒有精確的統計數據,但該公司的份額(基於生產量)估計爲5〜6%。然而,這是基於全球範圍的數據,如果僅考慮公司主要市場的日本、東盟和北美地區,份額似乎約爲12%。值得一提的是,在全球市場上,主要競爭對手是卡特彼勒(Caterpillar)、法亞特SAS(FAYAT SAS)、HAMM AG和沃爾沃汽車公司(Volvo Personvagnar AB)等,但專注於壓路機生產的製造商並不多見。
(作者:日經FISCO客座分析師 寺島昇)