■上新電機<8173>の会社概要
(2) 商品カテゴリ別売上高
同社の2025年3月期第2四半期の商品カテゴリ別の売上高比率をみると、テレビやオーディオなどの映像・音響機器が9.2%、エアコンや冷蔵庫など白物家電を中心とした家電が43.3%、パソコンやその周辺機器、スマートフォンなどの情報通信機器が22.5%、その他が25.1%となっている。なお、その他で最大構成となっているのがゲーム・模型・玩具・楽器で、この点は他の家電量販店と異なるため注目に値する。家電市場が人口減少などにより中長期的に大きな成長を見込みにくいなか、各社ともに脱「家電販売専業」に動いており、最大手のヤマダホールディングスは家具や住宅市場などに範囲を広げ、エディオン<2730>はニトリホールディングス<9843>と資本業務提携し、エディオンの店舗でニトリの家具やインテリアを扱っている。競合他社が「家電と住宅」、「家電と家具」といった日常生活分野で親和性のある事業戦略を進めるのに対し、同社はリフォームやエンターテインメントの「非家電分野」に対しても中長期的に積極的に取り組んでいる。エンターテインメント分野に関しては、大阪・日本橋の旗艦店では入り口付近にスマートフォンやデジタル家電の販売コーナーではなく、玩具やゲーム機、ボードゲームの売り場を展開している。「スーパーキッズランド」はガンダムなどのプラモデルや鉄道模型、ミニカーなどがそろう日本最大級の模型専門店で、模型に関する専門の販売員も揃えている。また、ゲーム機においても同社のインターネットショップを訪問すれば何でも欲しいゲームが手に入り、消費者の認知度も向上している。なお、国内玩具市場は若年層の人口減少にも関わらず近年拡大基調にあるが、これはゲームカード・トレーディングカード市場の急拡大が背景にある。同社でもトレーディングカードを取り扱っており、ゲーム機に続いてエンターテインメント分野の主力製品のひとつとなっている。
弊社ではこのようなエンターテインメント分野の商材の取り扱いの強化や、大阪・日本橋のような他の家電量販店にはない思い切った店舗運営は顧客ロイヤルティの創造という観点で大変意義が深いと考える。「家電を単に仕入れて販売する」という従来型のビジネスモデルではECとの価格競争に陥り差別化が見込みにくいなか、家電だけでなくエンターテインメント分野の売り場づくりによって顧客の来店を促し、体験型も含めた地域密着の多彩なイベントを開催して同社を継続的に来店・販売員を指名するファンを作ることが長期的な顧客ロイヤルティの向上につながる。それに加えて、他の家電量販店が真似できない充実したアフターサービス体制の構築により、無形資産としての付加価値の創造が可能となる。ただし、同社では現状においてエンターテインメントの顧客が家電販売にリンクしにくい状態であり、今後はエンターテインメント分野で同社のファンとなった顧客を家電販売に誘導できる仕組みづくりのほか、その目標値や進捗をKPIとして対外的に開示することを期待したい。
(3) 都道府県別売上高と出店戦略
同社の2024年3月期の都道府県別の売上高比率は、本社のある大阪府が43.4%※、兵庫県が13.9%、愛知県が6.1%、奈良県が5.3%、京都府が4.8%。滋賀県が3.8%、和歌山県が3.1%となっており、上位7都道府県のうち愛知県を除く6つが関西圏で占められている。直営店舗数としては、大阪府の54店舗を筆頭に、兵庫県で37店舗、愛知県で15店舗、奈良県、京都府、滋賀県でそれぞれ12店舗を運営する。一方、首都圏では埼玉県の売上高比率が2.5%、千葉県が1.8%、東京都が0.8%となっており相対的に小さい。直営店舗数も埼玉県で5店舗、千葉県で5店舗、東京都で3店舗にとどまっている。同社では関西・東海・関東・北信越エリアを重点エリアと位置づけ、ドミナント戦略を推進してきた。ドミナント戦略とは、新規出店による店舗数の拡大ではなく、既存店のスクラップアンドビルドも含めた1店舗当たりの販売力強化に加え、EC事業、サービスインフラとのシナジー効果を最大限に引き出す経済圏の創出を目指すものである。同社は業界第7位のポジションにあり、国内におけるシェアは約5%、売上高が最も大きい関西エリアにおいては約20%のシェアを有している。今後、関西エリアでもさらなるシェア引き上げ余地があることに加え、それを足掛かりに他地域でのシェア拡大も中長期的な目線で進める構えだ。
※ 店頭販売以外の売上を含む。
各社のここ数年間の出店状況をみると、全国展開をしているヤマダホールディングスやケーズホールディングス、地域特化型の同社、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、エディオン、ノジマ<7419>の各社ともに直営店舗数は緩やかな拡大基調が続いている。家電量販店8社の単純合算店舗数の伸び率も年平均成長率0.9%前後だ。都心部の駅前に立地する事業者は主要ターゲットであるオフィスワーカーの情報家電に対する需要伸び悩みを背景としてファミリー層の需要を取り込むべく郊外に出店、一方で郊外における好立地の減少などから主に郊外幹線道路沿いに立地する事業者が都心部に出店するなど、オーバーストア気味になった影響で、家電量販店各社は過去に出店競争をしていた時期と比べると新規出店を抑制し、スクラップアンドビルド中心の店舗展開をしていることが背景にあるとみられる。
一方、同社は大半が直営店での展開となっているが、直営店舗数は2022年3月期以降、毎期2店舗ずつ減少している。人口減少が進むなか、やみくもに店舗数を拡大しても、従業員が確保できなければ結果的に接客品質を落とすことになり、投下資本に対するリターンの確保が難しいことが背景にあった。一方、直営店1店舗当たり実店舗売上高(EC売上高を除く)はコロナ禍での白物家電特需のあった2021年3月期を除くと緩やかな拡大基調となっており、これは無理な出店戦略を取らずに、既存店での接客力の強化により重点を置いた成果とみられる。同社では今後も顧客ロイヤルティの強化を通じた「ファンベース戦略」の実践によって、薄利多売による数量の拡大から、「収益力」という質の向上を伴った売上高の拡大を狙う考えだ。ただし、同社がやみくもな新規出店の加速よりも1店舗当たりの収益性の拡大に重点を置いていること、また、インフレによるメーカーからの値上げが相次いでいることも踏まえると、2025年3月期上期の1店舗当たり売上高が前期比2.9%減と減少へ転じているのは物足りなく映る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
■上新電機<8173>的公司資料
(2) 商品分類別營業收入
從公司2025年3月期第二季度商品分類別的營業收入比例來看,電視和音響等視聽設備佔9.2%,空調和冰箱等以白色家電爲主的家電佔43.3%,電腦及其周邊設備、智能手機等信息通信設備佔22.5%,其他佔25.1%。其他中,最大構成的是遊戲、模型、玩具和樂器,這一點與其他家電量販店不同,值得注意。在人口減少等因素的影響下,家電市場難以在中長期內實現大的增長,各公司紛紛在脫離「專營家電銷售」的方向上調整,最大手的山田控股公司擴大到傢俱和住宅市場,艾迪昂則與尼特里控股公司達成資本業務合作,在艾迪昂的門店中銷售尼特里的傢俱和家居用品。競爭對手在「家電與住宅」、「家電與傢俱」等日常生活領域推進親和性強的業務戰略,而公司則積極向「非家電領域」的翻新和娛樂等中長期發展。關於娛樂領域,在大阪·日本橋的旗艦店,入口附近並沒有智能手機和數字家電的銷售區域,而是展示玩具、遊戲機和桌遊的銷售區域。「超級兒童樂園」是聚集了高達日本最大的模型專門店,提供高達等模型和鐵路模型、迷你車等,模型方面有專業銷售人員。此外,在遊戲機方面,訪問公司的互聯網商店便可以找到任何想要的遊戲,消費者的認知度也在提升。值得一提的是,儘管國內玩具市場因年輕人口減少而面臨挑戰,近年來卻持續擴張,這背後是遊戲卡和交易卡市場的快速增長。公司也涉及交易卡的銷售,已成爲繼遊戲機之後娛樂領域的核心產品之一。
我們認爲,強化此類娛樂領域商品的經營,以及像大阪·日本橋這樣具有大膽經營模式的商店,對創造客戶忠誠度來說具有深遠的意義。在「單純進貨再銷售」的傳統業務模型下,已陷入與電子商務的價格競爭,難以實現差異化,而通過不僅限於家電的娛樂領域的銷售區域建設,促進客戶進店並舉辦包括體驗型的多樣化本地活動,使公司持續地吸引顧客,培養長期客戶忠誠度。此外,通過建立其他家電量販店無法模仿的完善的售後服務體系,可以實現無形資產的附加值創造。然而,目前公司在娛樂領域的客戶和家電銷售之間連接的機會有限,未來期待建立機制,引導在娛樂領域成爲粉絲的 customer 轉向家電銷售,並對這些目標值和進展進行KPI的對外披露。
(3) 各省份的營業收入和開店戰略
公司2024年3月期各省份的營業收入比例如下:本社所在的大阪府佔43.4%※,兵庫縣佔13.9%,愛知縣佔6.1%,奈良縣佔5.3%,京都府佔4.8%。滋賀縣佔3.8%,和歌山縣佔3.1%。在前七個省份中,除愛知縣外,其餘六個均爲關西地區。直營店數量爲,大阪府54家店居首位,其次爲兵庫縣37家、愛知縣15家、奈良縣、京都府、滋賀縣各12家。另一方面,在首都圈,埼玉縣的營業收入比例爲2.5%,千葉縣爲1.8%,東京都爲0.8%,相對較小。直營店數量在埼玉縣5家、千葉縣5家、東京都3家。公司將關西、東海、關東、北信越地區視爲重點區域,推進主導戰略。主導戰略的目的是創建經濟圈,最大化發揮既有店鋪的銷售能力的強化及電子商務、服務基礎設施之間的協同效應,而並不單純依靠新開店鋪的數量擴展。公司在行業中佔據第七位,國內份額約爲5%,在營業收入最大的關西地區約佔20%的份額。預計在關西地區還有進一步提高市場份額的空間,並藉此推進其他區域的市場份額擴張,具有中長期的規劃。
※ 包含店頭銷售以外的營業收入。
從最近幾年的各公司的開店情況來看,進行全國擴展的山田控股、凱斯控股、區域特化型的公司、優爾質影像、百克相機、艾迪昂、諾基亞等公司的直營店數量保持緩慢擴張態勢。八家家電量販店的簡單綜合店鋪數量年均增長率約爲0.9%。位於市中心車站前的經營者,面對主要靶材-半導體的辦公室員工對信息家電需求的停滯,出於把握家庭需求在郊區開設新店;而另一方面,由於郊區優質地段減少,主要位於郊區主幹道的經營者則向市中心開設新店,這使得家電量販店略顯過剩,與過去的搶店競爭相比,各店的開店數量有所收斂,更多地以拆除重建的模式進行店鋪佈局。
一方面,該公司大部分業務是在直營店進行的,但自2022年3月期以來,直營店數量每期減少2家。在人口減少的背景下,盲目擴大店鋪數量,如果無法確保員工,最終將導致服務質量下降,從而難以確保對投資資本的回報。另一方面,直營店每家門店的實際銷售收入(不包括電子商務銷售收入)除2021年3月期因疫情導致的白色家電特需外,呈現出溫和的擴張趨勢,這被視爲在不採取激進開店戰略的情況下,加強現有店鋪的服務能力所取得的成果。該公司計劃通過實施「粉絲基礎戰略」,進一步增強客戶忠誠度,從薄利多銷的數量擴展,轉向伴隨「收益能力」質的提升的銷售額擴大。然而,考慮到該公司更加註重每家店的盈利能力而非盲目加速新店開設,以及製造商因通貨膨脹持續提價,2025年3月期上半年每家店銷售額同比下降2.9%轉爲減少的情況,顯得有些不足。
(作者:FISCO客員分析師永岡宏樹)