クシム<2345>は11月25日、取締役1名に対する辞任勧告の決議および社内調査委員会設置に関するお知らせを発表した。
辞任勧告を受けた取締役は田原弘貴氏(以下「田原氏」)。2024年11月上旬、クシム代表取締役の中川博貴氏に対し、田原氏より、東京証券取引所スタンダード市場上場会社の代表取締役社長(以下「A氏」)を紹介したい旨の打診があり、意見交換会を実施したところ、田原氏からA氏を前にしてクシムに関する未公表の会社情報(以下「重要事実」)への言及があった。また、この意見交換会の場で、クシムの重要事実の情報受領者であるA氏から、田原氏からクシムの重要事実が情報共有されていると確定できる発言があったこと、直接・間接的にクシム株式を保有していること、クシム連結子会社である株式会社Zaifに、中国本土からビットコインを持ち込むことが可能である旨の提案があった。この提案には、マネーロンダリングの懸念が伴うとともに、国内の暗号資産交換業者が遵守すべきFATF(金融活動作業部会)の基準を無視した内容が含まれており、クシムの経済的基盤に重大な影響を及ぼす恐れがあるだけでなく、国家の経済安全保障上のリスクにもつながり得るものであったとのこと。
また、重要事実の情報受領者のA氏から、同じく東京証券取引所プライム市場上場会社の代表者の実名が出ており、上記提案への関与を疑わせる発言もあったことから、クシムは重要事実の漏洩にとどまらない不適切行為の可能性に対する重大な懸念があると判断し、田原氏のインサイダー取引への関与の有無の確認を目的として、2024年11月下旬にクシムと利害関係のない外部弁護士による田原氏に対するヒアリング等の事前調査を行った。この事前調査の結果、2024年7月ごろから2024年10月にかけて、田原氏が複数の顧客および株主に対して、クシム取締役としての職務上の地位を利用して、取締役会等を通じて入手したクシムの重要事実を含む会社情報を漏洩し、相手方がその情報に基づきクシム株式を売買している形跡の疑いがあることが判明したという。
インサイダー取引への関与疑義はもちろん、もしクシム株への買い占めが進んでいるようであれば、資本市場改革後(2014年伊藤レポート)における初の重要インフラ企業の乗っ取り事案となる。
なお、クシムは、その行為が金融商品取引法に規定するインサイダー取引規制違反を生じかねないこと、今回の情報漏えい行為自体で辞任勧告に値するものと判断しましたとのこと。また、事前調査の調査結果に基づき、田原氏の情報漏洩によるインサイダー取引規制に該当する取引が広範囲に及ぶと考えられること、本事案の重要性を鑑み、社内調査委員会の調査報告をもって、しかるべき対応を行う予定。
クシム<2345>於11月25日發佈了關於對一名董事辭任勧告的決議以及設立內部調查委員會的個股公告。
接受了辭職建議的董事是田原弘貴先生(以下簡稱「田原氏」)。 2024年11月上旬,田原氏向Kusim公司董事長中川博貴先生提出介紹東京證券交易所標準市場上市公司的代表董事長(以下簡稱「A氏」)的請求,並進行了意見交流。會議現場,田原氏在A氏面前提及了與Kusim有關的未公開公司信息(以下簡稱「重要事實」)。 此外,會議上A氏確認從田原氏處獲得了關於Kusim重要事實的信息,並且直接或間接持有Kusim股票,同時提出了從Kusim子公司Zaif公司進口比特幣的提議。 這一提議不僅引發了洗錢的擔憂,還包含了忽視國內數字貨幣交易所應遵循的FATF(金融行動特別工作組)標準的內容,可能對Kusim的經濟基礎產生嚴重影響,也可能對國家經濟安全帶來風險。
此外,從重要事實的信息接收者A氏處得知,同樣是東京證券交易所主板上市公司的代表名字,也出現在了現場,提出了涉及上述提議的言論,因此Kusim認爲不僅存在重要事實泄露的可能性,還有不當行爲的嚴重擔憂,因此,爲了確認田原氏是否涉入內幕交易,Kusim在2024年11月下旬由與Kusim無利害關係的外部律師進行了田原氏的聽證會等事前調查。 根據此次事前調查的結果,從2024年7月至2024年10月,田原氏利用其Kusim董事的職務地位,向多位客戶和股東泄露了包括Kusim的重要事實在內的公司信息,並傳出對方根據這些信息在Kusim股票上進行了買賣的痕跡。
內幕交易的涉及疑慮是當然的,如果Kusim股票收購正在進行,那將成爲資本市場改革後(2014年伊藤報告)首例涉及重要基礎設施公司的控股案件。
此外,Kusim認爲,這種行爲可能違反金融商品交易法規定的內幕交易規定,而信息泄露行爲本身就已經值得辭職建議。此外,基於事前調查結果,據認爲田原氏泄露的信息可能廣泛涉及內幕交易規定,考慮到本案的重要性,將根據公司內部調查委員會的調查報告做出適當處理。