島津製作所は国立大学法人岩手大学の宮崎雅雄教授との共同研究を通じて、香り(香気)分析に特化したガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)システム「アロマデザイナー」を開発しました。本システムは、食品や香料などの香気に含まれる様々な成分を簡便に特定でき、迅速な香気評価を実現します。分析の手間を省き属人性を排除することで、食品・香料・化粧品の研究開発や品質管理を支援します。現在、当社の共同研究者や飲料メーカーなどに特注品を提供しており、そのフィードバックを経て2年以内の正式発売を目指しています。
写真:ガスクロマトグラフ質量分析計システム「アロマデザイナー」
植物をはじめとする天然物が発する香気や、それらに似せて作られた香料は、数十から数百もの成分から構成されています。「食品や香料の開発」「異臭の原因究明」「動物のフェロモンなど生理活性物質の研究」では、香気を特徴づける成分の簡便な分析手法が求められています。従来の手法であるオミッション法※では、香気中の成分を単体に分け、その中から香気に影響を与える重要な成分を推定しますが、時間がかかるという課題がありました。また、香気の形成に重要な成分を特定することは難しく、「各成分が全体の香気にどの程度影響を与えるか」を評価するのは困難でした。
「アロマデザイナー」は、ガスクロマトグラフ(GC)、質量分析計(MS)、および香気回収装置から構成されています。GCで分離した成分をMSと香気回収装置に分岐させ、抜き取りたい成分群をMS側に送り、残りをバッグに回収します。回収した香気は被験者が官能評価を行い、対象の成分群の影響度合いを確認します。抜き取る成分群を絞り込むことで、香気を特徴づける成分の特定も可能です。島津製作所は、今後も様々な分析計測技術を通じて、ライフサイエンスにおける研究開発に貢献してまいります。
- ※ 複数の香料を調合してある香気を再現する際に、すべての香気成分を含む試料と、一成分を除いた試料を作り、嗅ぎ比べることで香気の変化を評価し、香気の構成に重要な成分を同定する分析手法
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岩手大学プレスリリース
ワインの美味しさを左右する「香り」の分析に一役 GC-MS「アロマデザイナー」
通過與巖手大學宮崎正雄教授的共同研究,島津公司開發了一種氣相色譜質譜儀(GC-MS)系統 「Aroma Designer」,該系統專門進行香水(香味)分析。該系統可以輕鬆識別食品和調味劑等香氣中含有的各種成分,並可以快速進行香氣評估。通過消除分析麻煩和消除個人本性,我們支持食品、香水和化妝品的研發和質量控制。目前,我們正在向合作者和飲料製造商等提供定製產品,在收到反饋後,我們的目標是在2年內正式推出這些產品。
照片:氣相色譜質譜儀系統 「Aroma Designer」
由天然產物釋放的香料,從植物開始,而類似於它們的香料由數十到數百種成分組成。在 「食物和調味劑的開發」、「異味原因的研究」 和 「動物信息素等生物活性物質的研究」 中,需要對具有香氣特徵的成分進行簡單的分析方法。在傳統的傳播方法*中,香水中的成分被分成單獨的部分,並從中估算出影響香氣的重要成分,但是存在一個需要時間的問題。此外,很難確定對香味形成至關重要的成分,也很難評估 「每種成分對整體香味的影響程度」。
「Aroma Designer」 由氣相色譜儀(GC)、質譜儀(MS)和香氣回收設備組成。通過氣相色譜分離的成分被分支成質譜和香氣回收裝置,待提取的成分組被送到質譜端,剩餘的被收集在袋子裏。所收集的香精由測試對象進行評估,以確認目標成分組的影響程度。通過縮小待提取成分的範圍,還可以識別出具有香味特徵的成分。島津將繼續通過各種分析和測量技術爲生命科學的研發做出貢獻。
- ※ 再現含有多種香料的香氣時,一種分析方法,用於製備包含所有香精成分的樣本和不含一種成分的樣品,通過嗅探和比較來評估香氣的變化,並確定對香氣成分至關重要的成分
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巖手大學新聞稿
GC-MS 「香氣設計師」 在分析影響葡萄酒美味的 「香氣」 中起着作用