■要約
SOLIZE<5871>は創業時から一貫してものづくりのデジタル化を推進し、2024年2月に東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場に上場した企業である。エンジニアリングサービス及びコンサルティングサービスを提供するデザイン事業と、マニュファクチュアリングサービスを提供するマニュファクチュアリング事業を事業領域とする。これらの事業・サービスにおいて、自動車会社をはじめ製造業のトップランナーを顧客に持つことが大きな強みである。中長期的には、従来領域と新規領域の掛け合わせにより成長の加速を図る。
1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
2024年12月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高で前年同期比※13.6%増の10,747百万円、営業利益で同50.1%減の88百万円、経常利益で同67.8%減の60百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同81.9%減の18百万円と、増収減益となった。売上高は、大手自動車メーカーから設計開発の需要が旺盛な状態が継続していることから、過去最高を記録した。一方、組織拡大による人件費及び採用費の増加や営業体制強化等の影響で、大幅な減益となった。しかし、売上高・営業利益以下の利益は、2024年5月発表の修正予想を上回って着地した。これは主に、国内のエンジニアリングサービス及びインド子会社の売上高が計画を上回ったことに加え、国内設計開発の受託事業等において製造経費が抑制されたこと、管理部門の一部費用発生が下期以降にずれ込んだことによる。デザイン事業は、自動車メーカーからの引き合いが多く、設計開発の受託及びエンジニア派遣サービス、ソフトウェア開発の受注が拡大して増収となったが、販管費増加により損失を計上した。マニュファクチュアリング事業は、自動車関連企業や機械メーカーへの試作サービスの提供が拡大し増収となり、製造経費を抑制したことで利益を確保した。株式上場時の自己株式の処分等により株主資本合計が増加し、自己資本比率は76.3%と高く、プライム・スタンダード・グロース市場に上場するサービス業平均や全産業平均を大きく上回る高い安全性を確保している。
※ 同社は2023年12月期中間期においては、中間連結財務諸表を作成していないため、2023年12月期中間期の数値及び2024年12月期中間期の対前年同期比は参考値となります。
2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.2%増の22,739百万円、営業利益で同60.5%減の350百万円、経常利益で同62.7%減の327百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同68.5%減の182百万円と、増収減益の見通しだ。2024年5月発表の修正予想に比べて、各段階の利益を64〜73%程度下方修正した。これは主に、下期にエンジニアの採用強化や、営業及び管理体制の強化を実施することに伴い、販管費の追加支出を織り込むためである。ただ、追加支出は中長期的な成長の基盤となる体制強化のために必要な投資と言えよう。一方、1株当たり期末配当については、期初の予想どおり47.0円と同3.0円の増配予定だ。配当基準に株主資本配当率を採用しており、前期末の連結純資産の2.5%を目安に安定的に配当を実施するためである。業績見通しにかかわらず、連結純資産の増加に伴い増配を続けることは、先行投資が収益へ結び付くことを待てるという意味でも、株式投資家から評価されるであろう。
3. 今後の成長戦略
中長期的には従来領域と新規領域の掛け合わせにより、売上規模の拡大を加速し、利益増加を図る。従来領域では、売上高・売上総利益の大半を占めるデザイン事業のエンジニア数が業績に直結していることから、新卒採用並びに経験者採用の増加を目指して、新たな応募チャネルの開発等を狙う。また、新規領域では、組み込み系、第三者検証支援などのソフトウェア事業について、さらなる成長のために分社化※を計画している。また、サイバーセキュリティ領域のデジタルリスク事業、そしてAIサービスも、さらなる拡大を目指す。これらの従来領域と新規領域の掛け合わせによって、成長を加速する計画だ。加えて、グループの企業価値向上のため、既存の事業で得た収益を積極的かつタイムリーに投資することを目的に、グループ投資戦略部を設置し、M&A等を推進する。事業の成長に対応して、3つのオフィスを新たに開設するほか、工場を統合することで、業務効率化及び技術集約による技術力向上を目指す。弊社では、今後の成長戦略の進捗状況に注目したい。
※ 新会社として(株)STELAQを立ち上げ、2025年1月1日より業務開始の予定。
■Key Points
・創業時より、一貫してものづくりのデジタル化を推進
・2024年12月期第2四半期(中間期)は増収減益も予想を上回って着地。売上高は過去最高
・2024年12月期予想は中長期的な成長の基盤となる体制強化のため下方修正も、株主資本配当率に基づき、期末配当の増配を予定
・中長期的には、従来領域と新規領域の掛け合わせにより成長を加速。そのため、エンジニア数の増加、ソフトウェア事業の分社化、M&Aの推進などを計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■概要
SOLIZE<5871>自成立以來一直推動數字化造物,並於2024年2月在東京證券交易所(以下簡稱東證)標準市場上市。公司提供工程服務和諮詢服務的設計業務以及提供製造服務的製造業務屬於業務範圍。在這些業務和服務中,擁有汽車公司等製造業領軍企業作爲客戶是其重要優勢。中長期目標是通過傳統領域和新領域的結合加速增長。
1. 2024年12月期第2季度業績摘要
2024年12月期第2季度(中期)的合併業績,在營業收入方面較去年同期增長13.6%至107.47億元,營業利潤比去年同期減少50.1%至880萬元,經營利潤比去年同期減少67.8%至600萬元,歸屬於母公司股東的中期淨利潤比去年同期減少81.9%至180萬元,實現了收入增長但利潤下滑。營業收入方面,由於來自大型汽車製造商對設計開發需求旺盛的態勢持續,創下歷史最高記錄。另一方面,由於組織擴大導致人力成本和招聘成本增加,以及業務體系加強等影響,導致利潤大幅下滑。然而,營業收入和營業利潤以下的利潤超過了2024年5月公佈的修正預期。主要原因是國內工程服務和印度子公司的收入超過計劃,同時國內設計開發的受託業務等方面製造成本得到控制,管理部門一部分費用將延後到下半年發生。設計業務方面,接待來自汽車製造商的詢價增加,設計開發委託和工程師派遣服務以及軟件開發的訂單擴大帶來收入增長,但由於銷售管理費用增加導致虧損。製造業務方面,面向車聯網企業和機械製造商的試製服務擴大,實現增收,通過控制製造成本確保利潤。由於股票上市時處置自家股份等原因,股東權益總額增加,自有資本比率高達76.3%,遠超過主板、標準、成長市場上市服務業平均和全產業平均,確保了較高的安全性。
※ 該公司在2023年12月期中段期間未編制中間合併財務報表,因此,2023年12月期中段期的數據以及2024年12月期中段期的同比數據僅供參考。
2.2024年12月期業績預測
2024年12月期的合併業績,在營業收入方面較上一期增長13.2%至227.39億元,營業利潤比去年同期減少60.5%至3.5億元,經營利潤比去年同期減少62.7%至3.27億元,歸屬於母公司股東的當期淨利潤比去年同期減少68.5%至1.82億元,預計實現了增收減利。與2024年5月公佈的修正預期相比,已將各階段利潤下調64至73%。主要原因是在下半年加強工程師招聘以及加強營銷和管理體制的情況下,爲考慮額外銷售管理費用的支出。但是,這些額外支出可視爲爲實現中長期增長奠定基礎的體系加強而必要的投資。另一方面,每股期末股息將按照期初預期爲47.0日元以及增加3.0日元的方案進行。根據股東權益股利支付率作爲股息標準,預期持續穩定支付股息,目前的連續淨資產增加將使股息繼續增加,無論經營業績如何,這種增加趨勢將受到股票投資者的評價。
3.未來的增長戰略
中長期內,通過傳統領域與新興領域的結合,加快營業規模的擴大,增加利潤。在傳統領域中,設計業務的工程師人數佔據大部分營收和銷售毛利潤,因此旨在增加新畢業生和有經驗者的招聘,並開發新的申請渠道等。此外,在新興領域中,針對嵌入式系統、第三方驗證支持等軟件業務,計劃進行分社化以進一步增長。此外,爲了實現網絡安全概念領域的數字風險業務和AI服務的進一步擴張。通過傳統領域和新興領域的結合,加速增長的計劃已制定。另外,爲了提升集團企業價值,設立集團投資戰略部,以積極且及時地投資所獲得的現有業務收入,並推動併購等。隨着業務增長,將新開設3個辦公室,並通過工廠整合,以提高業務效率並通過技術整合提升技術實力。我們將關注未來成長戰略的進展。
※ 作爲新公司(STELAQ株式會社) ,計劃於2025年1月1日開始運營。
■Key Points
・從創立開始,始終推動製造業的數字化。
・2024年12月第二季度(中間期)預計超過預期,實現增收減益。銷售額創歷史新高。
・2024年12月度預計下調,以加強長期增長基礎設施,根據股東資本配當比率,計劃增加年終分紅。
・中長期內,通過傳統領域與新興領域的結合加速增長。因此,計劃增加工程師數量,分拆軟件業務,推動併購等。
(作者:富士客座分析師國重希)