■日本情報クリエイト<4054>の成長戦略
1. 新中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)
同社は2024年8月に新中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)を策定し、業績目標値に最終年度2027年6月期の売上高7,500百万円、営業利益2,000百万円、営業利益率26.6%を掲げた。前中期経営計画期間の2022年6月期~2024年6月期を成長投資期として、営業人員体制強化、拠点増設、商品開発投資、リアルネットプロとの経営統合などを推進し、最終年度の2024年6月期に過去最高業績を達成した。新中期経営計画の期間は成長推進期と位置付け、重点戦略として仲介ソリューション領域の新サービス「リアプロBB」(2024年秋リリース予定)による仲介市場でのシェア拡大、管理ソリューション領域の「賃貸革命10」後継版(開発中、2026年6月期にリリース見込み)によるサービス深化と顧客単価増大などを推進する。そして成長拡大期と位置付ける次期中期経営計画期間(2028年6月期~2030年6月期)につなげる方針だ。さらに、業績目標の達成によって東証プライム市場への移行も目指す。
市場別の成長テーマは、不動産仲介会社向けの仲介ソリューションでは、新サービス「リアプロBB」や関連サービスによって新規顧客獲得を加速し、マーケット規模の大きい仲介市場におけるシェア拡大に注力する。賃貸管理会社向けの管理ソリューションでは、現在の「賃貸革命10」による競合優位性を維持しながら、既存の有償サービスの深化や新たな価値提供などにより、さらなる市場シェア拡大と顧客単価増大に注力する。また仲介と管理を結ぶ一気通貫のサービスラインナップを強化するとともに、中長期成長に向けた第三の矢として、仲介・管理市場で得たデータを活用する新たな事業への投資を継続し、開発・営業の強化に向けてM&Aやアライアンスも活用する方針だ。
事業戦略としては、ストック売上拡大とストック売上比率上昇により、継続的な売上高と営業利益の伸長及び営業利益率上昇を図る。主要KPIについては、イニシャル売上はおおむね1,000百万円の水準で横ばい成長だが、ストック売上は2024年6月期実績の3,257百万円から2027年6月期に6,500百万円(2024年6月期比約2倍)まで拡大させ、ストック売上比率は同73.4%から86.7%まで上昇させる計画だ。期末MRRは、2024年6月期の仲介ソリューション138,840千円、管理ソリューション157,344千円、合計296,184千円から、2027年6月期には仲介ソリューション378,262千円、管理ソリューション221,344千円、合計599,606千円に増大させる計画である。新サービス「リアプロBB」を主軸とする仲介ソリューションの拡販によりMRRの増大を推進する。なお解約率についてはおおむね0.5%程度での推移を想定している。
株主還元は安定的かつ継続的に配当を実施
2. 株主還元策
株主への利益還元については、企業価値を継続的に拡大し、株主に対する利益還元を行うことを重要な経営課題として認識しており、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保を確保しつつ、安定的かつ継続的に業績の成長に見合った成果を配当することを基本方針としている。この基本方針に基づいて、2024年6月期は前期と同額の1株当たり5.00円の配当を実施した。2025年6月期の配当は前期と同額の5.00円(期末一括)を予定し、予想配当性向は11.3%となる。なお、株主還元の一環として2024年6月10日付で自己株式取得(上限は200,000株又は150百万円、取得期間は2024年6月12日~2024年9月20日)を発表した。
事業を通じて社会課題の解決に貢献
3. サステナビリティ経営
同社はサステナビリティ経営に関して、現時点では具体的な目標や取り組みを設定していないが、ミッションに「関わる全ての人をHAPPYに」、ビジョンに「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を掲げているように、事業を通じて社会課題の解決に貢献する方針だ。なお2023年9月には、持続的な成長、企業価値の向上、さらにコーポレート・ガバナンスを強化することを目的として、代表取締役を1名増員して代表者2名体制とした。
新たな成長ステージ入りを評価
4. アナリストの視点
同社は2022年6月期から2023年6月期にかけて利益成長トレンドが崩れていたが、2024年6月期は一転して大幅増収増益となり、過去最高業績を達成した。加えて2025年6月期も大幅増収増益で連続過去最高更新を予想している。これは2023年6月期まで実行してきた積極的な先行投資の効果が表れ始めたためと考えられ、弊社では新たな成長ステージに入った可能性が高いと評価している。今後は新中期経営計画で掲げた事業戦略の進捗と業績目標の達成状況が注目点となるが、特に仲介ソリューション領域の新サービス「リアプロBB」が、新規顧客獲得やストック売上拡大にどのような影響・成果をもたらすのかを注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
■日本信息創造<4054>的增長戰略
1. 新中期經營計劃(2025年6月期~2027年6月期)
該公司於2024年8月制定了新的中期經營計劃(2025年6月期~2027年6月期),業績目標值爲最終年度2027年6月期的營業收入7,500百萬日元,營業利潤2,000百萬日元,營業利潤率26.6%。前中期經營計劃期間的2022年6月期~2024年6月期作爲成長投資期,推動營業人員體制強化、基地擴建、商品開發投資、與RealNetPro的經營整合等,在2024年6月期取得了歷史最高業績。新中期經營計劃期間定位爲增長推進期,作爲重點戰略,推動仲介解決方案領域的新服務「RealProBB」(預計於2024年秋季發佈)以擴大在仲介市場的份額,以及在管理解決方案領域,繼續深化現有的「租賃革命10」的繼任版本(開發中,預計於2026年6月期發佈),以推進服務深化和客戶單價增加。並將其定位爲下一個中期經營計劃期間(2028年6月期~2030年6月期)的增長擴大期。此外,通過實現業績目標,還將致力於轉入東證Prime市場。
市場增長主題包括,針對房地產經紀公司的中介解決方案,將通過新服務「RealProBB」等相關服務加速獲取新客戶,並專注於在市場規模龐大的仲介市場中擴大市場份額。針對租賃管理公司的管理解決方案,將在維持當前「租賃革命10」的競爭優勢的同時,通過深化現有付費服務和提供新價值等手段,繼續專注於擴大市場份額和提高客戶單價。此外,將加強連接中介和管理的一體化服務線,同時作爲中長期增長的第三支柱,繼續投資於利用在中介和管理市場獲得的數據的新業務,並計劃繼續加強開發和銷售,同時將兼併和聯盟用於強化戰略。
業務戰略包括通過存量銷售擴大和存量銷售比率提高實現持續的營業收入和營業利潤增長及營業利潤率提升。關於主要關鍵業績指標,初始銷售基本保持在1,000百萬日元水平上的平穩增長,但存量銷售將從2024年6月期的3,257百萬日元增至2027年6月期的6,500百萬日元(比2024年6月期約增長2倍),存量銷售比率預計將從73.4%增至86.7%。期末MRR計劃從2024年6月期的中介解決方案138,840千日元、管理解決方案157,344千日元,合計296,184千日元,增至2027年6月期的中介解決方案378,262千日元、管理解決方案221,344千日元,合計599,606千日元。通過以新服務「RealProBB」爲主導擴大中介解決方案的銷售,推動MRR增長。解約率預計基本保持在約0.5%的水平。
股東回報將穩定並持續進行分紅
2. 股東回報策略
關於股東回報,公司認識到持續擴大企業價值,並對股東的利潤回報進行重視,並以保障內部留存、穩定並持續將符合業績增長的成果作爲分紅的基本方針。基於這一基本方針,2024年6月期實施了1股5.00日元的分紅,2025年6月期的分紅計劃與上一期相同,爲5.00日元(年末一次支付),預期的分紅性向爲11.3%。此外,作爲股東回報的一部分,於2024年6月10日宣佈了自家股票收購(上限爲200,000股或150百萬日元,收購期間爲2024年6月12日至2024年9月20日)。
通過業務爲解決社會問題作出貢獻
3. 可持續經營
公司雖然目前尚未設定具體的可持續經營目標和作法,但在任務中心中提出了「讓參與的每個人都快樂」的使命,以及「通過科技爲房產領域創造創新平台」的願景,旨在通過業務爲解決社會問題作出貢獻。此外,爲了持續增長、提升企業價值以及加強公司治理,在2023年9月增添了一名董事,使董事人數達到兩人。
評價進入新的增長階段
4.分析師的觀點。
公司從2022年6月期到2023年6月期利潤增長趨勢出現下滑,但在2024年6月期卻出現了大幅增收增益,實現了歷史最好業績。另外,預計2025年6月期也將實現大幅增收增益,連續更新歷史最好業績。考慮到此前實施的積極的前期投資開始顯現效果,我們高度評價公司可能進入了新的增長階段。未來將關注新中期經營計劃中的業務戰略進展和業績目標實現情況,特別是關注仲介解決方案領域的新服務「李爾PRO BB」會對新增客戶和存量營收擴大產生怎樣的影響和效果。
(撰寫: FISCO特約分析師 水田雅展)