■アイル＜3854＞の事業概要
(5) バックヤードプラットフォーム「BACKYARDTM」
日々複雑化するバックヤード業務を卸・小売やECなどの業態を超えてボーダレスに支援し、業務効率化だけではなく、バックサイドから変革することにより「BX」を実現するクラウドサービス（2023年11月より提供開始）である。ボーダレス化と複数チャネル化に対応する管理機能と連携機能、自動処理による効率化とデータ融合により、ネットショップの範囲だけではなく、すべての業態を含めたバックヤード業務全体の一元管理を実現する。5つの管理機能（CROSS/連携管理、ORDER/注文管理、ITEM/商品管理、STOCK/在庫管理、COMMUNICATION/接客支援）で構成され、「自動化」「見える化」「カスタム」「コミュニケーション」をテーマにした機能実装により、バックヤードチームや顧客とのコミュニケーションを促進することで「ONE by 1」※を実現する。
※ 「ボーダレスな1つのプラットフォームでオンリーONEなショップらしさを実現する」という、「BACKYARDTM」が目指す新しいスタンダードとなるビジョン。
なお「BACKYARDTM」は、当初は「CROSS MALL」の次世代サービスと位置付けていたが、EC消費行動の変化や多様化するニーズに対応し、大企業を含む幅広い業種・業態向けに展開することを検討している。具体的には、サービス対象企業をEC業態から小売・卸売・製造業へ拡大するEC業態のネットショップ管理にとどまらず、小売業態の実店舗管理、卸売業態の受発注管理や販売管理、接客支援の問い合わせ管理など、市場で課題となっている業務管理の実現に向けて機能拡張を継続する。
3. 「CROSS-OVERシナジー」戦略
同社は、ITの有効活用が必要な中堅・中小企業の経営力アップを支援するための商材をリアルとWebの両面から開発・提案し、顧客の企業力強化を図る「CROSS-OVERシナジー」戦略を推進している。この戦略は同社独自の提案スタイルで、業務効率化を支援するシステムソリューション事業（リアル）の基幹業務システムと、販売力強化を支援するWebソリューション事業（Web）のサービスを複合的に提案することで、「オール・ワンストップ」サービスを実現して強力なシナジー効果を生み出している。「CROSS-OVERシナジー」戦略によって顧客企業は増加基調である。2024年7月期の顧客数は7,449社（システムソリューション事業が5,152社、Webソリューション事業が2,297社）で、2020年7月期の6,342社（システムソリューション事業が4,591社、Webソリューション事業が1,751社）に対して4期で約18%増加し、保守料やクラウドサービス利用料などのストック売上の拡大につながっている。
4. 特徴・強み
同社の特徴・強みとしては、(1)中堅・中小企業市場への特化、(2)特化業種の深耕戦略、(3)高い販売・在庫管理ノウハウ、(4)トータルソリューションを実現する商品生態系戦略、(5)社員の約7割が技術職の体制、(6)個別カスタマイズ対応力、(7)小売業へのオムニチャネル戦略、(8)自社製品・サービス比率の高さ、(9)パートナー戦略、などが挙げられる。
(1) 中堅・中小企業市場への特化
会社創業以来、中堅・中小企業市場に特化して独自サービスを提供しており、顧客企業数に占める割合は年商50億円未満の中小企業が約9割となっている。それらの取り組みが評価され、2011年には経済産業省「中小企業IT経営力大賞2011」の特別賞（商務情報政策局長賞）を受賞している。なお(9)パートナー戦略の強化の成果として、大企業からの受注も増加傾向であり、全体としての受注単価上昇につながっている（詳細は後述）。
(2) 特化業種の深耕戦略
卸売業・小売業や製造業のなかでも、特に中堅・中小企業の多い業種に絞り込んだ特化業種の深耕戦略も強みである。業種特化型システム開発や業種別専門チーム体制などサービス力・営業力で負けない体制を形成し、新規顧客獲得力アップにつなげている。具体的にはファッション業界、食品業界、医療・化粧品・理美容品業界、ねじ・金属部品業界、鋼材業界を主力5業種と位置付けて、業種特化型パッケージソフト「アラジンオフィス」シリーズなどによる市場深耕を推進している。
(3) 高い販売・在庫管理ノウハウ
会社創業以来、顧客の業務への理解が求められる販売・在庫管理ソフトウェアの提供を続けている。製造・卸・小売などの業態や各業種、さらには個社ごとに管理方法が異なる販売・在庫管理において、リアルとWebを問わず豊富な導入事例とノウハウを有している。
(4) トータルソリューションを実現する商品生態系戦略
複数の商品群からなる商品生態系戦略も強みである。ネットショップ構築・運営支援サービスのインターネット領域、店頭での売上管理やバックヤードの在庫管理のリアル店舗・本部領域、さらにリアルとWebの在庫やポイントを一元管理するリアル・ネット融合領域をすべてカバーし、自社製品・サービスを開発・提供している。そして様々な商品を組み合わせることで複合的な提案を行い、顧客へのトータルソリューションを実現している。
(5) 社員の約7割が技術職の体制
2024年7月期末時点の単体ベース社員数921人（前期末比48人増加）の構成は技術職73%、営業17%、スタッフ9%となっている。社員の約7割が技術職の体制で、システム提供後のサポートも重視している。今後も1人3役（業界・業務ノウハウ、基幹システム、Web）をこなす人材育成と技術力強化を促進する組織構成を目指し、技術部門の人員強化を継続する。一方で、労働集約型の生産体制から脱却するための環境整備や商品開発も推進している。
(6) 個別カスタマイズ対応力
中堅・中小企業は業種ごともしくは個別企業ごとに業務運営方法が異なる。そのため多様なニーズに対応するソフトウェアの個別カスタマイズを基本戦略としている。ソフトウェア開発市場における近年の動向として、ソフトウェアの個別カスタマイズに対応できる企業が減少傾向にあり、受注競合が減少していることも同社の利益率向上につながっている。なお、さらなる生産性向上や利益率向上に向けて、個別カスタマイズ対応を最小限に抑え、オプション機能としての提供も推進している。
(7) 小売業へのオムニチャネル戦略
近年の小売業においては、リアル店舗とWeb店舗を融合して、あらゆるチャネル（販路、顧客接点）から顧客が同じように商品を購買できる環境・流通経路を実現するオムニチャネル戦略が普及しつつある。同社は創業時からリアルとWebの融合を事業化し、一朝一夕では実現できない事業ノウハウ・事例を蓄積しているため、小売業におけるオムニチャネル戦略の進展に対しても、他社には真似できない優位性を確立していると言える。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 水田雅展）
■ISLE ＜3854＞ 业务概览
(5) 后院平台 “BACKYARDTM”
它是一项云服务（从2023/11年度开始提供），除了批发/零售、电子商务等业务类别之外，以无国界的方式为每天变得越来越复杂的后院运营提供支持，并且不仅通过提高工作效率来实现 “BX”，还通过从背面进行转型来实现 “BX”。管理功能和合作功能兼容无边界和多渠道，通过自动处理和数据融合提高效率，不仅实现网店范围内的集中管理，而且还实现了包括所有业务类别在内的整个后院业务的集中管理。它由5种管理功能（交叉/合作管理、订单/订单管理、物品/产品管理、库存/库存管理和通信/客户服务支持）组成，“ONE by 1” *是通过实现以 “自动化”、“可视化”、“自定义” 和 “沟通” 为主题的功能来促进与后院团队和客户的沟通来实现的。
* “BACKYARDTM” 的愿景是 “在一个无国界平台上实现独一无二的商店的独特性”，这将成为 “BACKYARDTM” 追求的新标准。
请注意，“BACKYARDTM” 最初被定位为 “CROSS MALL” 的下一代服务，但他们正在考虑将其开发用于包括大型企业在内的各种行业和业务类别，以应对欧共体消费行为的变化和需求的多样化。具体而言，除了将服务目标企业从欧共体业务类别扩展到零售/批发/制造业的欧共体业务类别中的网店管理外，还将继续进行功能扩展，以实现市场上存在的业务管理，例如零售业务类别的实体店管理，批发业务类别的订单受理管理和销售管理，以及客户服务支持的查询管理。
3.跨界协同策略
该公司开发和提出产品，以支持提高需要在现实世界和网络上有效使用信息技术的中小型企业的管理能力，并且正在推动 “跨界协同效应” 战略，以增强客户的企业力量。该战略是公司独特的提案风格，通过全面提出支持工作效率提高的系统解决方案业务（真实）中的核心业务系统和支持加强销售能力的Web解决方案业务（Web）服务，实现了 “一站式” 服务，并产生了强大的协同效应。由于 “跨界协同效应” 战略，客户公司呈增长趋势。2024/7财年的客户数量为7,449家公司（系统解决方案业务为5,152家公司，网络解决方案业务为2,297家公司），与2020/7财年的6,342家公司（系统解决方案业务的4,591家公司和网络解决方案业务的1,751家公司）相比，在4个财年中增长了约18％，这导致了维护等库存销售的扩大费用和云服务使用费。
4。特点和优势
该公司的特点和优势包括（1）中小型企业市场的专业化，（2）专业行业的深耕战略，（3）高销售和库存管理专业知识，（4）实现整体解决方案的产品生态系统战略，（5）约70％的员工为技术人员的系统，（6）个人定制能力，（7）零售行业的全渠道战略以及（8）内部产品的高比率和服务，以及 (9) 合作伙伴战略。
(1) 中小型企业市场的专业化
自公司成立以来，它一直专注于中小型企业市场，并提供了独特的服务，客户公司数量的比例约为年销售额低于50亿日元的中小型企业的90％。对这些努力进行了评估，2011年，他们获得了经济产业省颁发的 “2011年中小企业IT管理能力奖” 特别奖（商务和信息政策局局长奖）。注（9）由于加强了合作伙伴战略，从大公司收到的订单也呈上升趋势，导致整体订单单价上涨（详情将在后面介绍）。
（2）深化专业产业发展的战略
在批发/零售企业和制造业中，深化专业产业培育的战略也是一个优势，该战略已缩小到拥有许多中小型企业的行业。我们已经形成了一个在服务和销售能力方面无与伦比的体系，例如特定行业的系统开发和特定行业的专业团队结构等，从而提高了获取新客户的能力。具体而言，时尚产业、食品行业、医疗/化妆品/美容产品行业、螺丝/金属零件行业和钢铁行业被定位为5大产业，并通过行业专用套餐软件 “阿拉丁办公室” 系列等推动市场深化。
（3）高销售和库存管理专业知识
自公司成立以来，它一直在提供销售和库存管理软件，要求客户了解他们的业务。我们在销售和库存管理方面拥有丰富的实施案例和专业知识，针对每种业务类型（例如制造、批发和零售等）采用不同的管理方法，甚至在销售和库存管理方面，每个公司的管理方法都不同。
（4）实现整体解决方案的产品生态系统策略
由多个产品组成的产品生态系统战略也是一个优势。它涵盖了网店建设/运营支持服务的所有互联网区域，用于店面销售管理和后院库存管理的真实门店/总部区域，以及集中管理真实和网络库存和积分的真实网络融合区域，我们开发和提供自己的产品和服务。此外，通过组合各种产品，可以提出复杂的提案，为客户实现整体解决方案。
（5）大约70％的员工是技术工人的系统
截至2024/7财年末，独立员工人数为921人（与上一财年末相比增加了48人），结构为73％的技术职位，17％的销售额和9％的员工。大约70％的员工是技术人员，提供系统后的支持也很重要。展望未来，我们的目标是建立一个促进人力资源开发和技术实力增强的组织结构，每人担任 3 个职责（行业/业务知识、核心系统、网络），并将继续加强技术部门的人员。同时，他们还促进环境改善和产品开发，以摆脱劳动密集型生产体系。
(6) 能够响应个人定制
对于每种行业类型或个体企业，中小型企业有不同的业务运营方法。因此，对软件进行个性化定制以满足不同需求是基本策略。作为软件开发市场的最新趋势，能够处理个人软件定制的公司呈下降趋势，订单接受竞争的下降也导致了公司利润率的提高。此外，为了进一步提高生产率和提高利润率，已最大限度地减少了个人定制支持，还提倡将其作为可选功能提供。
(7) 零售业的全渠道战略
近年来，在零售行业，将实体商店和网上商店相结合的全渠道战略正变得越来越流行，在这种环境/分销渠道中，客户可以从所有渠道（销售渠道、客户联系点）购买产品。自公司成立以来，它已经将现实世界和网络的融合商业化，积累了无法在一夜之间实现的业务知识和案例，因此可以说，它已经建立了即使在零售行业全渠道战略进展的情况下其他公司也无法模仿的优势。
（作者：FISCO客座分析师水田正史展览）
