■きちりホールディングス<3082>の事業概要
2. 同社の強み
同社の強みとして、立地条件に合わせて収益性の高い業態を開発する企画開発力を持つことと、人材の採用力・育成力に優れていることに加えて、先進的なITシステムを店舗運営に積極的に活用する先進性を持っている点が挙げられる。
(1) 業態開発力
同社は主力の「KICHIRI」を2002年に出店以降、現在までブランド・コンテンツ活用型店舗も含めて30以上の業態を開発している。出店エリアは都市型からモール・郊外型へと展開し、業態も居酒屋からレストラン、カフェ、テイクアウト、グローサラント※と幅広い。店舗コンセプトについても非日常型から日常型と多彩な業態開発を行っていることが特徴である。
※ グロッサリーとレストランを合わせた造語で、主にスーパーで売られている食材を調理して、その場で食べられる飲食業態のこと。
商業施設内に出店するレストラン業態では「いしがまやハンバーグ」や「VEGEGO」、ダイニングバー業態では「ajito」「igu&Peace」、グローサラント業態では「Merca」など収益性の高い業態開発に相次いで成功してきた。コロナ禍以降も2021年7月に本厚木駅直結の商業施設内にフードホール「FLDK(エフ・エル・ディー・ケー)」や焼肉業態でロードサイド型店舗となる「肉の満牛萬」をオープンしたほか、直近では2023年4月に非連結子会社の(株)レストランXがテイクアウト・デリバリー専門店「客席のないレストラン」(東京・初台)をオープンするなど、新規業態の開発に積極的に取り組んでいる。社内で業態開発を行う人材が育ってきたことが、多彩な業態開発を可能にしているものと思われる。
とりわけ、「いしがまやハンバーグ」や「VEGEGO」については、商業施設内に出店している飲食店舗のなかでも坪当たり月商が常時、上位にランキングされる人気店となっている※。デベロッパーからの評価も高く、新規施設の開発の際には声が掛かるほどの信用が得られている。
※ 坪当たり月商で見ると、商業施設店舗の平均に対して「いしがまやハンバーグ」が1.57倍、「VEGEGO」が1.24倍の実績を挙げている。
(2) 人材採用力と育成力
同社の強みの1つとして人材採用力と育成力が挙げられる。新人社員の多くは当初、店舗に配属されるため、1店舗当たり新人社員1人の配属で、アルバイト数名分を賄うことが可能となる。飲食業界ではアルバイトの減少によってホールスタッフの人材不足が慢性化しており、サービス品質が低下している店舗も多いが、同社においては新卒社員で賄うことで一定水準以上のサービス品質を維持しており、他社との差別化につながっている。
同業他社と比較して同社が順調に新入社員を採用できている理由としては、独自の教育制度やキャリアプランに加えて、飲食事業だけでなくPFS事業等の多彩な事業ポートフォリオを展開していることも要因と考えられる。また、アルバイトスタッフ(パートナー)に対しても、学生を対象とした「就職支援制度」や退職者に対する「パートナー卒業式」を毎年開催するなど、自由闊達な雰囲気と同時に、関わる人すべてを大切にする「おもてなし」スピリットが浸透している企業として学生に認知されていることも一因と考えられる。また、ここ数年は外国人の採用も進めており、正社員の2割強を占めるまでになっている。
人材育成力に関しては、「きちりMBA」制度や「立候補制度」など同社独自の制度を導入している。「きちりMBA」の講師は社内スタッフで構成されており、全従業員がオンラインでも受講できる。「理念研修」から「ビジネススキル」「おもてなし」といった日々の現場で必要となるスキルを身に付けることができるほか、「マネジメント」や「リーダーシップ」など幹部候補生向けのプログラムも用意されており、社員一人ひとりのスキルアップが図られている。
(3) ITの導入を積極推進
同社は2016年以降、ITベンチャー企業等との戦略的業務提携を積極的に進めてきたほか、2018年以降は子会社のApplyNowで開発されたDXサービスも取り入れている。そのほか、具体的な取り組みとしては、2016年3月にiPadを活用したSaaS型POSレジシステム「ユビレジ」を展開する(株)ユビレジと資本業務提携を行い、「ユビレジ」をサービスメニューに加えたほか、同年9月にはFinTechベンチャーの(株)BEARTAIL(現 (株)TOKIUM)と業務提携を発表。BEARTAILが提供する「RECEIPT POST(現 TOKIUM経費精算)」※の導入・提供を開始した。
※ スマートフォンで領収書を撮影し、スマートフォンアプリまたはWebブラウザからアップロードするだけでデータ化され、入力オペレータが同データの入力代行を行うサービス。従来と比べて経費精算にかかる手間が大幅に削減できるといったメリットがある。
2018年7月には動画プラットフォーム事業を手掛けるピーシーフェーズ(株)と資本業務提携を締結し、動画コンテンツを用いたクラウド人材育成サービス「shouin(しょういん)」の共同開発及び販売を行うことを発表したほか、2019年11月には従業員のクラウドシフト管理サービス「らくしふ」を提供する(株)クロスビットと業務提携し、「らくしふ」の開発・販売で協力することになった。
2020年10月に次世代植物肉「ミラクルミート」を開発するDAIZ(株)と資本業務提携契約を締結し、「ミラクルミート」を使った商品メニューの開発・販売に取り組んでいる。具体的には、「客席のないレストラン」で提供するメニューの食材として採り入れ、マーケティングに活用している。将来的には「いしがまやハンバーグ」などの肉料理専門店で提供する考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■KICHIRI控股公司(3082)的業務概要
2. 該公司的優勢
作爲該公司的優勢,其具有根據地理條件開發高盈利業態的企劃開發能力,優秀的人才招聘和培養能力,以及積極利用先進的IT系統進行店鋪經營的先進性。
(1)業態開發能力
該公司自2002年開設主力品牌「KICHIRI」至今,已開發了包括品牌內容型店鋪在內的30個以上的業態。開設區域從城市型擴展到購物中心和郊區型,業態也涵蓋從居酒屋到餐廳、咖啡廳、外賣、商品etf等。店鋪概念也以非日常型和日常型多樣化業態開發爲特色。
※ 由雜貨店和餐廳組合而成的術語,主要指在超市銷售的食材進行烹飪,現場即食的餐飲形態。
在商業設施內開設的餐廳業態中,如「石窟屋漢堡」、「VEGEGO」,餐飲酒吧業態如「ajito」、「igu&Peace」,商品etf業態如「Merca」等,已相繼成功開發了高盈利業態。即使在疫情期間,2021年7月開設了與本厚木車站直連的商業設施內的美食廣場「FLDK」和路邊型店鋪的烤肉業態「肉の満牛」,最近更在2023年4月,其非關聯子公司的(株)餐廳X開設了外賣和送餐專門店「無座位餐廳」(東京·初台)。積極努力開發新業態。公司內部已培養出了進行業態開發的人才,使得多樣化的業態開發成爲可能。
特別是「石窟屋漢堡」和「VEGEGO」,這些在商業設施內開設的餐廳店鋪中,每月每平方米的銷售額一直處於前列,成爲備受歡迎的人氣店。開發商對其評價也很高,在開發新設施時,得到了足夠的信任,甚至會接到開發新設施的邀請。
按照每平方米月銷售額來看,「石窖煎餅肉餡餅」達到了商業設施店鋪的平均值的1.57倍,「VEGEGO」達到了1.24倍的業績。
(2) 人才招聘力和培養力
該公司的人才招聘力和培養力被認爲是其中一項優勢。許多新員工最初都被分配到店鋪,因此每家店鋪配備一個新員工,可以替代幾名兼職員工。由於餐飲行業兼職人數減少,導致招工困難,許多店鋪的服務質量也在下降,但該公司卻通過新畢業生來維持一定水準以上的服務品質,從而實現公司與其他公司的差異化。
與同行他公司比較,該公司成功招聘新員工的原因包括獨特的教育制度和職業規劃,以及不僅僅是餐飲業務,還涉及PFS等多樣化業務組合。此外,該公司還針對兼職員工(合作伙伴)推出面向學生的「就業支持計劃」和每年舉辦針對退休員工的「合作伙伴畢業典禮」等措施,打造出一種自由和開放的氛圍,並讓關係到的所有人都能感受到「招待」精神,這也成爲吸引學生認可的原因之一。近年來,該公司也在招聘外國人方面做出了努力,外國員工佔到了正式員工總數的20%以上。
關於人才培養能力,該公司引入了「起立MBA」制度和「提名制度」等獨特製度。 「起立MBA」課程由公司內部員工擔任講師,全體員工可以在線學習。除了從「理念培訓」到「商業技能」和「招待」等日常現場所需的技能,公司還提供了針對高級管理候選人的管理和領導力項目,確保每個員工的技能提升。
(3) 積極推動IT的引入
自2016年以來,該公司積極推進與IT初創公司等的戰略業務合作,並自2018年起,也開始引入由子公司ApplyNow開發的DX服務。此外,作爲具體舉措,公司於2016年3月與提供SaaS型POS收銀系統「YuBireji」的(株) YuBireji進行資本業務合作,並將「YuBireji」納入服務菜單。同年9月,還宣佈與FinTech初創公司(株) BEARTAIL(現(株)TOKIUM)展開業務合作。BEARTAIL提供的「RECEIPT POST(現TOKIUM費用報銷)」引入和提供開始。
通過智能手機拍攝收據,只需從智能手機應用程序或Web瀏覽器上傳即可將數據數字化,並讓輸入人員代爲輸入同一數據的服務。相對於傳統方式,這樣可以大大減少費用支出。
2018年7月,涉足視頻平台業務的PC階段(株)簽署資本業務合作協議,宣佈共同開發和銷售基於視頻內容的雲端人才培訓服務「shouin(しょういん)」,另外,2019年11月,與提供員工雲排班管理服務「らくしふ」的Crossbit(株)合作,共同開發和銷售「らくしふ」。
2020年10月,與開發下一代植物肉「Miraclemeat」的Daiz株式會社簽署了資本業務合作協議,致力於開發和銷售基於「Miraclemeat」的商品菜單。具體而言,在「無座位餐廳」中作爲食材提供「Miraclemeat」,並將其用於營銷。未來計劃在類似「石間屋漢堡」之類的肉料理專門店提供。
(撰寫:FISCO客座分析師佐藤讓)