■会社概要
1. 事業内容
Jトラスト<8508>は、国内外の金融事業などの事業会社を統括するホールディングカンパニーである。東証スタンダード市場に上場しており、日本で培ったノウハウを海外展開し、アジアの総合金融グループとして成長を遂げてきた。同社グループでは、日本金融事業・韓国及びモンゴル金融事業をベースに、東南アジア金融事業をけん引役として持続的な利益拡大を目指してきたが、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による世界的な経済環境の悪化に直面したことから、2020年12月期よりいち早く抜本的な事業ポートフォリオの再編に踏み切った。その結果、2021年12月期には営業黒字に転換し、以降は事業ポートフォリオの見直しを行いながら営業利益を計上し続けている。
同社は、銀行・保証・サービサー(債権回収)の3つを「コア事業」として金融事業を展開している。藤澤氏による2008年のTOB以降、数々のM&Aによりグループの業容は急速に拡大し、資産合計は2008年3月期の12,189百万円から2024年12月期第2四半期には1,331,442百万円に拡大した。韓国・シンガポール・インドネシア・モンゴルの4ヶ国にわたる事業展開に加え、2019年8月には新たにカンボジアの優良銀行を傘下に収めた。コロナ禍による世界的な経済環境の悪化を受け、2020年8月以降は事業ポートフォリオを見直し、不動産事業ではキーノート(株)、日本金融事業ではJトラストカード(株)、韓国及びモンゴル金融事業ではJT親愛貯蓄銀行(株)及びJTキャピタルを売却した。その後は利益拡大に向け、成長性が高いJT親愛貯蓄銀行及びNexus Card(株)(Jトラストカードから社名変更)を再グループ化し、新たにJトラストグローバル証券(株)の子会社化及び不動産業の(株)ミライノベートの吸収合併を実現した。
2024年12月期第2四半期の事業セグメント別営業収益の内訳は、韓国及びモンゴル金融事業が35.9%を占め、東南アジア金融事業35.4%、日本金融事業12.3%、不動産事業16.3%、投資事業0.0%、その他(主にシステム事業)0.5%である。営業利益は、日本金融事業と再建に向けて注力してきた東南アジア金融事業は大幅増益となった。韓国及びモンゴル金融事業は貸倒引当金繰入額の増加や債権売却損の増加などから大幅な損失を計上したが、損失は第1四半期のもので、第2四半期には期初計画のとおりに損益分岐点まで改善しており、下期からは黒字化を計画している。また不動産事業は前年同期に計上した負ののれん発生益がなくなったため大幅な減益となったが、今後は安定的な利益貢献を見込む。投資事業は訴訟費用の増加から少額の損失計上となったが、通期では債権回収により少額の利益計上を見込む。今後は日本金融事業及び潜在成長性の高い東南アジア金融事業の拡大を図るとともに、韓国及びモンゴル金融事業の黒字化や、不動産事業の増強によって持続的な利益成長を目指す。
2. 沿革
同社の旧商号は「株式会社イッコー」で、中小企業及び個人事業主向け商業手形割引や手形貸付などの貸付業務を行っていた。1998年9月には大阪証券取引所市場第2部に上場した。2005年に全国保証<7164>が同社の親会社になったのち、2008年3月に藤澤氏がTOBにより筆頭株主となり、2009年には商号を現在の「Jトラスト株式会社」に変更した。藤澤氏の下で債権回収会社やファイナンス会社などに対して機動的かつ効果的なM&Aを実施した。一方、リスク管理を基本とした事業運営を軸に外部環境の変化に的確に対応するとともに、迅速な意思決定ができる経営体制を目指し、2010年には様々な金融事業のノウハウを有する持株会社制に移行した。
2011年6月に大阪から東京都港区に本社を移転し、国内において蓄積したファイナンスノウハウを生かして海外に進出した。2012年に韓国で貯蓄銀行業を開始し、2013年に東南アジアの投資拠点をシンガポールに設立した。2014年3月期から2015年3月期にはライツ・オファリングで調達した976億円を活用し、韓国におけるファイナンス会社や貯蓄銀行、インドネシアの商業銀行などを取得した。2019年8月には、カンボジアの優良銀行であるANZ Royal Bank (Cambodia)の株式55%を取得し、商号をJ Trust Royal Bank Plc.(以下、Jトラストロイヤル銀行)に変更した。なお、2019年3月期に東南アジア金融事業及び投資事業において不良債権の抜本的処理を断行して大幅な営業損失を計上し、業績回復への道筋をつけた。
2020年に入り世界的なコロナ禍による経済環境の激変に遭遇し、これまで安定的な利益貢献を続けていた韓国貯蓄銀行2行の売却など、抜本的な事業ポートフォリオの見直しに着手した。しかし、経済・社会環境の落ち着きに伴い資産のキャッシュ化を急ぐ必要性が薄まったことから、成長性が高いJT親愛貯蓄銀行及びNexus Cardを2022年4月にグループに戻したほか、新たにJトラストグローバル証券を子会社化し、2023年2月にはミライノベートを吸収合併した。今後も、同社グループの収益力拡大に向けた次の戦略が注目される。なお、本社機能の強化と業務効率化を図るため、2022年12月に本社を東京都渋谷区に移転した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■公司资料
1. 业务内容
J Trust<8508>是一家控股公司,负责国内外金融业务等业务公司。该公司在东京证券交易所标准市场上市,将在日本积累的经验投入海外发展,成为亚洲综合金融集团。在该集团内,以日本金融业务、韩国和蒙古金融业务为基础,以东南亚金融业务为引擎,旨在持续扩大利润。然而,面对新冠病毒全球大流行带来的经济环境恶化,J Trust从2020财年12月起迅速进行了根本性的业务组合重组。结果,到2021年12月,公司已实现营业盈利,并继续对业务组合进行审视,实现持续的营业利润。
该公司将银行、担保和服务(债权收回)三项业务作为核心业务,展开金融业务。自2008年由藤泽先生进行TOB以来,通过多次并购,集团规模迅速扩大,总资产从2008年3月的121.89亿日元增长到2024年12月第二季度的1,331.442亿日元。业务涵盖韩国、新加坡、印度尼西亚和蒙古等四个国家,此外,2019年8月还收购了柬埔寨的优质银行。受全球经济环境恶化的影响,从2020年8月开始审视业务组合,在房地产业务方面,剥离了Keynote股份有限公司,在日本金融业务方面,剥离了J Trust Card株式会社,在韩国和蒙古金融业务方面,剥离了JT亲爱储蓄银行株式会社和JT Capital。随后,为扩大利润,将潜力巨大的JT亲爱储蓄银行和Nexus Card株式会社(由J Trust Card更名)重新组合,新成立了J Trust Global Securities株式会社的子公司,并实现了与Real Estate ETF MiraiNoBete株式会社的吸收合并。
2024年12月第二季度各业务板块的营业收入比例分别为:韩国及蒙古金融业务占35.9%、东南亚金融业务占35.4%、日本金融业务占12.3%、房地产业务占16.3%、投资业务占0.0%、其他(主要为系统业务)0.5%。营业利润方面,致力于日本金融业务和重建的东南亚金融业务实现了大幅增盈。尽管受到韩国及蒙古金融业务的坏账准备金增加及债权转让损失增加等因素影响,造成巨额亏损,但亏损已在第一季度实现改善,第二季度达到了计划的盈亏平衡点,并计划从下半年开始实现盈利。此外,由于去年同期未出现负面商誉摊销收益,导致房地产业务大幅减少盈利,但预计将为公司带来稳定的利润贡献。投资业务由于诉讼费用增加而造成少额亏损,但全年将通过债权回收带来少额利润。未来,公司将继续扩大日本金融业务和潜力大的东南亚金融业务,并致力于实现韩国及蒙古金融业务的盈利化,强化房地产业务,以实现持续的盈利增长。
2. 发展历程
该公司的原商号是“株式会社一甲”,主要从事小企业和个体经营者的商业汇票折扣和票据贷款等贷款业务。1998年9月在大阪证券交易所第2部上市。2005年,全国担保<7164>成为其母公司后,藤泽先生通过TOB成为控股股东,并于2009年将商号更改为现在的“J Trust株式会社”。在藤泽先生的领导下,该公司实施了灵活并有效的并购,重视以风险管理为基础的经营,并致力于根据外部环境变化做出及时决策,于2010年转变为持股公司制度,拥有各种金融业务专业知识。
2011年6月,该公司从大阪搬迁至东京都港区,利用在国内积累的金融专业知识进军海外。2012年在韩国开始储蓄银行业务,2013年在新加坡设立东南亚投资中心。从2014年3月到2015年3月,利用在资本市场筹集的976亿日元,收购了韩国的金融公司、储蓄银行以及印尼的商业银行等。2019年8月,收购了柬埔寨优质银行安泽皇家银行(柬埔寨),持股55%,商号更改为J Trust Royal Bank Plc.(以下简称J Trust Royal Bank)。此外,2019年3月期在东南亚金融业务和投资业务实行了彻底处理不良贷款,计入了巨额营业亏损,为业绩恢复奠定了基础。
2020年迎来了全球性的新冠疫情,导致经济环境发生剧变。为了重新审视基本业务组合,该公司采取了一系列措施,包括出售了两家韩国储蓄银行等稳定贡献利润的企业。然而,随着经济和社会环境的稳定,迫切需要将资产变现的必要性减弱了。因此,高增长性的JT亲爱储蓄银行和Nexus Card于2022年4月回归到集团,并且新成立了J Trust全球证券的子公司。并于2023年2月吸收并合并了Mirai Nouvelles。未来,该公司集团的收益能力扩大的下一个战略将受到关注。此外,为了加强总部功能并提高业务效率,该公司于2022年12月将总部迁至东京都涩谷区。
(作者:富士客座分析师国重希)