■事業概要
ラクト・ジャパン＜3139＞は、乳製品原料、食肉及び食肉加工食品などの食品原料を輸入する独立系の食品専門商社であり、乳製品原料の輸入販売事業をベースに事業領域を拡大し、着実な成長を続けてきた。単一セグメントで事業部門は、乳原料・チーズ部門、食肉食材部門、機能性食品原料部門、アジア事業（乳原料販売部門）、アジア事業（チーズ製造販売部門）、その他で構成される。なお、今後の成長が期待される機能性食品原料部門は、前期までアジア事業・その他に含めていたが、事業規模の拡大に伴い、2024年11月期より独立した部門として売上高、販売数量を開示した。2024年11月期第2四半期の連結売上高構成比は、乳原料・チーズ部門が69.7%、食肉食材部門が12.5%、機能性食品原料部門が1.9%、アジア事業（乳原料販売部門）が11.5%、アジア事業（チーズ製造販売部門）が3.2%、その他が1.3%となっている。
1. 乳原料・チーズ部門
海外から乳原料やチーズを輸入し、国内の乳業・食品・菓子・油脂・飲料・飼料メーカーなどに販売している。乳原料は、生乳から派生した全粉乳、脱脂粉乳、バター、クリーム、ホエイや、それに砂糖や油脂などを加えて一次加工した乳調製品を取り扱う。乳調製品は、アイスクリームやヨーグルト、乳飲料などの乳製品のほか、パンや菓子の材料など加工食品の原料として幅広い食品に使用されており、粉乳調製品、バター調製品、ココア調製品など取扱品目は500種類超に及ぶ。チーズは、主にナチュラルチーズ（主にゴーダ、チェダー、モザレラ、クリームチーズなど）を輸入し、国内乳業メーカーなどにプロセスチーズ※やシュレッドチーズなどの原料として販売している。
※プロセスチーズ：数種類のナチュラルチーズに乳化剤などを加えて加熱して溶かし、再び成形したチーズで、加熱によって乳酸菌や酵素が死滅するので、カビが生えにくく保存性に優れる。また、数種類のナチュラルチーズを混合し消費者の嗜好に応じた味を作ることができる。
乳製品原料は海外との内外価格差が大きく、国内生産者の保護の観点から非関税措置により輸入が制限されてきたが、1988年に日米交渉によってプロセスチーズ、アイスクリームなどの乳製品の一部について輸入数量制限が撤廃された。その後、1993年に妥結した多国間貿易交渉（GATTウルグアイ・ラウンド）において、指定乳製品など※の1995年からの関税化と関税率の削減が合意された。この合意に基づき、1) 日本がWTOに約束している輸入最低数量（生乳換算で13.7万トン/年）のバター・脱脂粉乳などの独立行政法人農畜産業振興機構によるカレント・アクセス輸入、2) 民間需要者などに一定数量に対し低関税が割り当られる関税割当輸入、3) 定められた関税を支払えば誰でも指定乳製品などを輸入できる一般輸入、の3つの輸入形態が整備された。その後、日豪EPA（経済連携協定）、CPTPP（環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定（通称TPP11））、日EU・EPA（日EU経済連携協定）、日米貿易協定が次々と発効され、関税割当の数量拡大及び関税の低減が進んでいる。
※指定乳製品など：畜産経営の安定に関する法律で定められた規格に適合する、脱脂粉乳、バター、ホエイ及び調製ホエイ、練乳などの乳製品を指し、関税化により輸入が認められている。
国内の生乳生産量は、酪農家の廃業などにより中長期的に減少傾向にある。一方、国内の乳製品需要は、健康を志向した機能性ヨーグルトの定着や食生活の変化などにより堅調に推移している。2023年度の国内消費量1,170万トン（生乳換算）のうち、国内生産量は732万トン、輸入量は455万トンと、輸入比率は約38%である。同社は乳製品の輸入自由化を背景に、原料の需給ギャップを埋め、円滑な原料調達を支える「オーガナイザー」として存在価値を発揮してきた。また、日本の販売先に対しては多様化する開発ニーズや乳製品原料の製品特性に対応し、サプライヤーに対しては高品質・高付加価値原料の開発・製造を提案していく「ビジネスパートナー」として独自の地位を築いた。
2. 食肉食材部門
食肉食材部門では、豚肉（チルド及びフローズン）をメインに、生ハム、サラミなどの食肉加工品を世界各地から輸入し、国内のハム・ソーセージメーカーをはじめとする食品メーカー、及び卸売・小売店に供給している。豚肉は、豚の育成から加工までトレーサビリティを担保した一貫生産を行う米国トップクラスの大手食肉メーカーのSeaboard Foods LLC（以下、Seaboard Foods社）をメインサプライヤーとしながら、カナダやスペインなどのサプライソースを確保し、仕入先の多様化を進めている。生ハム、サラミなど食肉加工品は、FRATELLI GALLONI S.P.A./パルマハム、VILLANI S.P.A./ミラノサラミ（イタリア）やEsteban Espuna S.A./ハモンセラーノ（スペイン）といった主要な産地からブランド力のある高品質な商品を輸入し、大手スーパーなどに販売ルートを持つリパックメーカー（原料である生ハムの原木を販売用途に合った形・サイズに加工し、袋詰めするメーカー）などに販売している。また、多様化する販売先のニーズに応え、牛肉や鶏肉などの取扱品目を拡充し事業の多角化を進めている。
3. 機能性食品原料部門
新たな成長の柱として機能性食品原料販売に注力している。2015年に機能性表示食品制度がスタートして以来、「食と健康」「食の機能性」が注目され、ヨーグルト、ガム、チョコレートなど多くの食品で機能性を謳った商品が登場し消費者の健康志向が高まった。同社では、2020年4月に事業開発本部を新設し、ホエイプロテインなどの機能性食品原料の輸入販売を開始した。スポーツプロテイン原料を中心としてスポーツニュートリション業界、美容・健康業界、介護業界、食品業界向けに需要が伸びており、乳由来の高たんぱくなプロテイン原料をはじめ、様々な機能を持つ食品原料の取り扱いを拡充し、ホエイプロテインとの組み合わせを提案して差別化を進めている。また、ECサイトでプロテイン製品を販売する、工場を持たないブランドオーナーやスポーツジムなどに対して、同社が調達した原料を用いて、OEM生産が可能なパートナーとともに乳製品の特性を生かした最終商品の企画・開発を提案するなど、付加価値を高めたビジネスも展開している。今後は、乳由来の原料に加え、植物由来原料やゼラチン・コラーゲンなど、健康に資する機能を訴求できる原料にこだわり、取扱商品の幅を広げ事業を拡大していく計画だ。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 松本章弘）
■業務概述
Lacto Japan（3139）是一家獨立的食品專業貿易公司，進口乳製品原料，肉類和肉類加工食品等食品原料，並在乳製品原料的進口和銷售業務的基礎上擴大了業務領域，並持續穩定增長。在一個細分市場中，該業務部門由乳製品原料和奶酪部門、肉類配料部門、功能性食品原料部門、亞洲業務（牛奶原料銷售部門）、亞洲業務（奶酪製造和銷售部門）等組成。請注意，預計未來將增長的功能性食品原料部門在上一財年之前一直包含在亞洲業務和其他業務中，但隨着業務規模的擴大，銷售量和銷量從2024/11財年起作爲獨立部門披露。截至2024/11財年第二季度的合併銷售構成比率爲乳製品配料和奶酪部門的69.7％，肉類配料部門的12.5％，功能性食品原料部門的1.9％，亞洲業務（乳製品原料銷售部門）的11.5％，亞洲業務（奶酪製造和銷售部門）的3.2％，其他業務的1.3％。
1。乳製品原料和奶酪部
乳製品原料和奶酪從海外進口，銷往國內乳製品業、食品、糖果、油、脂肪、飲料、飼料製造商等。乳製品原料處理全脂奶粉、脫脂奶粉、黃油、奶油、源自生牛奶的乳清以及通過向其中添加糖、脂肪等進行初級加工而製成的牛奶製品。除了冰淇淋、酸奶和牛奶飲料等乳製品外，牛奶製備產品還用於各種食品中，作爲麪包和糖果原料等加工食品的原料，它們可處理 500 多種物品，例如奶粉製品、黃油製品和可可製品。奶酪主要從天然奶酪（主要是豪達乾酪、切達乾酪、馬蘇裏拉奶酪、奶油乾酪等）中進口，並作爲加工奶酪*和切碎的奶酪等原料出售給國內乳品製造商。
*加工奶酪：通過在幾種天然奶酪中添加乳化劑或類似物質，然後對其進行重新成型而製成的奶酪，由於乳酸細菌和酶會因加熱而死亡，因此黴菌不太可能生長並且具有出色的防腐性。此外，可以混合幾種類型的天然奶酪，根據消費者的喜好來創造口味。
乳製品原材料的國內外價格差異很大，從保護國內生產者的角度來看，由於非關稅措施，進口受到限制，但是在1988年，由於日美談判，取消了對加工奶酪和冰淇淋等某些乳製品的進口數量限制。此後，在1993年結束的多邊貿易談判（關貿總協定烏拉圭回合）中，各方同意從1995年起提高指定乳製品等的關稅並降低關稅稅率。根據該協議，制定了三種進口形式：1）日本向世貿組織承諾的最低進口量的獨立行政機構農業和畜牧業促進組織當前准入進口（每年13.7萬噸生牛奶轉換）；2）向私營部門消費者分配低關稅的關稅配額進口等；3）一般進口，任何人只要支付固定關稅即可進口指定的乳製品等。此後，日澳EPA（經濟夥伴關係協議）、CPTPP（跨太平洋夥伴關係全面高級協議（俗稱 TPP11））、日本-歐盟EPA（日歐經濟夥伴關係協議）和日美貿易協定相繼生效，關稅配額的數量擴大和關稅的降低正在取得進展。
* 指定乳製品等：指符合《畜牧業穩定性管理法》規定標準的乳製品，例如脫脂奶粉、黃油、乳清、預製乳清、煉乳等，並且由於關稅而允許進口。
由於奶農倒閉等，國內生奶產量在中長期內一直在下降。同時，由於以健康爲導向的功能性酸奶的建立和飲食習慣的改變，國內對乳製品的需求一直保持穩定。在2023財年的1170萬噸國內消費（原奶當量）中，國內產量爲732萬噸，進口量爲455萬噸，進口比率約爲38％。在乳製品進口自由化的背景下，該公司填補了原材料的供需缺口，並證明了其作爲支持原材料順利採購的 「組織者」 的存在價值。此外，它已確立了作爲 「業務合作伙伴」 的獨特地位，可以應對日本銷售目的地乳製品原料的多樣化發展需求和產品特性，並向供應商提議開發和製造高質量和高附加值的原材料。
2。肉類食品部
在肉類食品部門，火腿和薩拉米等加工肉類產品從世界各地進口，主要是豬肉（冷藏和冷凍），並供應給食品製造商，包括國內火腿和香腸製造商以及批發/零售商店。至於豬肉，雖然美國主要肉類製造商Seaboard Foods LLC（以下簡稱Seaboard Foods）是主要供應商，該公司進行綜合生產，保證了從生豬育種到加工的可追溯性，但我們已經在加拿大、西班牙等地確保了供應來源，並正在推進供應商的多元化。火腿和薩拉米等加工肉類產品是重新包裝的製造商，他們從FRATELLI GALLONI S.P.A./帕爾馬火腿、VILLANI S.P.A./米蘭薩拉米（意大利）和Esteban Espuna S.A./Jamon Serrano（西班牙）等主要產區進口具有強大品牌的高質量產品，並在主要超市有銷售路線（生火腿的形狀和用於銷售目的的生火腿的大小出售給製造商（由製造商進行加工和裝在袋子裏）等.此外，爲了應對銷售目的地的多樣化需求，我們正在擴大我們經營的物品，例如牛肉和雞肉，並促進業務的多元化。
3.功能性食品原料部
我們專注於功能性食品原料的銷售，以此作爲新的增長支柱。自2015年啓動具有功能主張的食品系統以來，「食品與健康」 和 「食品功能」 引起了人們的關注，聲稱功能性的產品已出現在酸奶、口香糖和巧克力等許多食品中，消費者的健康意識也有所提高。該公司於2020/4年成立了新的業務開發總部，並開始進口和銷售乳清蛋白等功能性食品原料。以運動蛋白原料爲中心的運動營養行業、美容/健康行業、護理行業和食品行業的需求正在增長，他們正在擴大具有各種功能的食品原料的處理，包括源自牛奶的高蛋白質原料，並通過提出與乳清蛋白的組合來促進差異化。此外，還正在發展具有更高附加值的業務，例如提議規劃和開發利用乳製品特性的最終產品，以及能夠使用公司向品牌所有者和沒有工廠在歐共體場地銷售蛋白質產品的體育館採購的原材料進行OEM生產的合作伙伴。將來，除了牛奶衍生成分外，還計劃通過堅持使用植物衍生成分、明膠、膠原蛋白等可以促進健康功能的原材料，並擴大所處理的產品範圍，來擴大業務範圍。
（由FISCO客座分析師松本明弘撰寫）
