■要約
プレミアムウォーターホールディングス<2588>は、ウォーターサーバーを設置した家庭や事業所に自社製造のミネラルウォーターを届ける宅配水業界の大手企業である。2016年に、天然水製造が強みの(株)ウォーターダイレクトと営業力が強みの(株)エフエルシーが経営統合して誕生した。ブランドを「プレミアムウォーター」に統一して再スタートを切って以降、強力な営業組織と販売ノウハウを武器に急成長する。保有顧客数162万件(2024年3月末時点)は宅配水業界で首位となっている。代表取締役社長は、金本彰彦(かねもとあきひこ)氏(2024年6月19日就任)。金本氏の代表取締役社長就任に伴い、エフエルシーを起業しプロモーション営業力で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ代表取締役社長の萩尾陽平(はぎおようへい)氏は、代表取締役会長に就任し、新たなスタートを切った。
1. 業績動向
2024年3月期通期の売上収益は80,578百万円(前期比5.4%増)、営業利益9,436百万円(同28.4%増)、税引前当期利益8,028百万円(同25.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益5,777百万円(同4.6%減)となり、売上収益・営業利益ともに順調に成長した。
売上収益は、期中にモバイル事業を行う連結子会社を売却し約43億円の減収要因があったものの、本業の水事業が伸長し全社で約41億円の増収となった。売上総利益は、売上原価において原材料や資源の価格の高騰の圧力もあったものの、工場稼働率を向上させ原価低減に努めたことで前期比3.4%増となった。販管費(その他費用と収益を含む)は、物流費の安定化につながる自社物流網※の構築等による各種費用の低減を行い、同0.2%増と相対的に上昇を抑えた。結果として、営業利益額で2016年7月企業統合以降の過去最高を更新した。営業利益率は11.7%となり、初めて10%の大台に乗せた。
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2. 業績見通し
2025年3月期通期の連結業績予想は、売上収益で前期比4.4%減の77,000百万円、営業利益は同2.8%増の9,700百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同18.7%減の4,700百万円と減収・営業増益を予想する。売上収益は同4.4%減の予想ではあるが、前期に売却したモバイル事業(売上規模43億円)の影響が残るためであり、本業の水事業自体は順調な成長を計画する。進行期においても新規顧客の獲得を継続しつつ、既存顧客の満足度を維持・向上策を強化する。また、前期までに取組んだM&A・資本業務提携(INEST<7111>、ラストワンマイル<9252>へ資本参加)による代理販売体制の強化の成果が進行期には顕在化することが期待できる。利益面では、売上高営業利益率では12.6%(前期実績は11.7%)とさらに上昇させる。一般的な懸念材料である原材料費や物流費等の上昇に関しては、自社工場への投資や容器の内製化、自社物流網の構築などを先行して行ってきたため、むしろ強みとなっている。弊社では、営業面(取次店との連携強化など)、製造面(岐阜北方工場)、物流面(自社物流)の先行投資の成果を刈り取ることができる局面を迎えており、売上・利益の拡大予想は妥当性が高いと考えている。
3. 成長戦略・トピック
同社は過去から、自社の営業人員を中心にブースでのデモンストレーション販売やテレマーケティングを行い、顧客を獲得してきた。その後、テレマーケティングにおいては代理店・取次店を活用することで新規顧客数を伸ばしてきた経緯がある。電気・ガス、通信、家電、家具、引っ越しなど多様な商品・サービスの営業販売を行うパートナーは、独自の顧客を持つため、宅配水の顧客獲得をしやすい傾向にある。2024年3月期に発表した、新たな戦略方針では、「販売力強化に向けた投資」をより積極化することを宣言した。具体策としては「他企業とのアライアンス・出資」及び「新型ウォーターサーバーの導入」である。これまでと同様に自社人員によるブース販売やテレマーケティングは着実に充実させつつ、外部を活用した新規顧客獲得モデルで飛躍的に伸ばしていく。背景には、過去の利益蓄積により財務基盤が強化されたこと、外部活用モデルは顧客当たりの獲得コストが有利であること、保有顧客数が大きくなり純増(新規数‐解約数)を継続するために効率的な新規獲得方法が求められること、などが考えられる。他社との連携の方法としては、業務提携や出資・買収など多様なパターンを想定する。2023年3月期と2024年3月期には3件のアライアンス・投資が行われ、そのうち2件(ラストワンマイル、INEST)は新規顧客開拓の強化が期待できる。
4. 株主還元策
同社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識している。2016年の経営統合から5年を順調に経過したため、同社は2022年3月期末から配当を開始した。同社は、内部留保や設備投資等への投資とのバランスを考慮しながら、安定的な増配を継続することを基本方針としている。2024年3月期の1株当たり配当金は80.0円(中間35.0円、期末45.0円)、配当性向は41.0%となった。前期実績からは年20.0円の増配、期初の計画からは年10.0円の上方修正となった。2025年3月期の配当金は90.0円(中間45.0円済、期末45.0円予想)、配当性向は57.0%と増配を予想する。利益の成長とともに、高い配当性向が魅力である。
■Key Points
・2024年3月期通期は、過去最高売上高及び営業利益を達成。自社物流網の構築や工場稼働率向上、代理店活用などが奏功し営業利益率で初の10%超え
・収益性が向上し財務基盤の強化が進む。親会社所有者帰属持分比率は中期的に30%を目指す
・2025年3月期通期は売上収益77,000百万円、営業利益9,700百万円予想。営業・製造・物流面の先行投資が結実し、営業利益率で12.7%に到達する計画
・「自社営業モデル」から「グループ・外部営業活用モデル」に軸足を移す戦略を推進中
・2025年3月期は年90.0円(10.0円増配)、配当性向57.0%を予想。利益の成長とともに、高い配当性向が魅力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
■摘要
Premium Water Holdings <2588>是供水行業的一家主要企業,向配備飲水機的家庭和商業場所提供內部生產的礦泉水。2016年,在天然水生產方面具有優勢的Water Direct有限公司和具有強大銷售能力的FLC有限公司合併成了業務。在將品牌統一爲 「優質水」 並重新開始之後,它以強大的銷售組織和銷售知識作爲武器迅速發展。162萬自有客戶數量(截至2024/3年底)在送貨上門供水行業中名列前茅。總裁兼代表董事是金本明彥(金本明彥)(2024年6月19日就職)。隨着金本先生就任總裁兼代表董事,總裁兼首席執行官萩尾洋平(萩尾洋平)就任董事會主席並重新開始,他在創辦FLC並憑藉促銷銷售能力將其提升到日本頂級水平方面有着良好的記錄。
1。性能趨勢
截至2024/3財年的全年銷售收入爲805.78億日元(較上一財年增長5.4%),營業收入爲94.36億日元(比同期增長28.4%),所得稅前淨收入爲80.28億日元(較同期增長25.1%),歸屬於母公司所有者的淨收益爲57.77億日元(比同期下降4.6%),銷售收入和營業利潤均穩步增長。
至於銷售收入,由於在此期間出售了經營移動業務的合併子公司,銷售額下降了約43億日元,但主要的自來水業務有所增長,全公司銷售額增長了約41億日元。儘管在銷售成本方面存在原材料和資源價格上漲的壓力,但由於努力通過提高工廠運營率來降低成本,毛利比上一財年增長了3.4%。由於內部物流網絡*的建設導致物流成本的穩定等,銷售和管理成本(包括其他成本和利潤)因各種成本而減少,並且增長相對受到抑制,比同期增長了0.2%。結果,營業利潤創下了自2016/7公司合併以來的歷史新高。營業利潤率爲11.7%,首次達到10%大關。
※參與我們的交付管理系統的交付合作夥伴
2。收益預測
截至2025/3的整個財年的合併收益預測預測,銷售收入將減少77億日元,比上一財年下降4.4%,營業收入爲97億日元,增長2.8%,歸屬於母公司所有者的淨收益爲47億日元,下降18.7%。預計銷售收入將比同期下降4.4%,但這是因爲上一財年銷售的移動業務(銷售規模爲43億日元)的影響仍然存在,而且主要的水業務本身計劃穩步增長。在即使在進展期間也能繼續獲得新客戶的同時,我們將保持現有客戶的滿意度並加強改進措施。此外,可以預期,通過併購/資本和商業聯盟(INEST <7111>,最後一英里的資本參與<9252>)加強代理銷售系統的結果將在進展期間顯而易見。在利潤方面,營業利潤率將進一步上升至12.6%(上一財年的業績爲11.7%)。關於原材料成本和物流成本等的上漲,這是一個普遍令人擔憂的問題,這是一個相當大的優勢,因爲我們已經投資了自己的工廠,製造了內部集裝箱,並提前建立了自己的物流網絡。我們已經到了可以收穫銷售方面(加強與代理商的合作等)、製造方面(岐阜北方工廠)和物流方面(內部物流)的前期投資結果的階段,我們認爲預測銷售和利潤增長是非常恰當的。
3.增長策略和主題
自過去以來,該公司通過在以自己的銷售人員爲中心的展位上進行演示銷售和電話營銷來吸引客戶。從那時起,在電話營銷中,有通過使用代理和代理增加新客戶數量的歷史。銷售電/煤氣、電信、家用電器、傢俱和搬家等各種產品和服務的合作伙伴擁有獨特的客戶,因此很容易獲得送貨上門用水的客戶。在宣佈的截至2024/3財年的新戰略政策中,宣佈 「旨在增強銷售能力的投資」 將更加激進。具體措施包括 「與其他公司的聯盟/投資」 和 「引入新的飲水機」。與以前一樣,展位銷售和內部人員的電話營銷將穩步提高,並且隨着利用外部的新客戶獲取模式,展位銷售和電話營銷將急劇增長。在此背景下,可以想象,由於過去的利潤積累,財務基礎得到了加強,外部利用模式在每位客戶的收購成本方面具有優勢,並且隨着自有客戶數量的增加,需要一種高效的新收購方法來繼續淨增長(新客戶數量——取消數量)。假設商業聯盟和投資/收購等各種模式是與其他公司合作的方法。在2023/3財年和2024/3財年進行了三項聯盟投資,其中兩項(最後一英里,INEST)預計將加強新客戶的開發。
4。股東回報政策
公司認識到,向股東返還利潤是一個重要的管理問題。自2016年業務整合以來已經順利過去了5年,因此該公司在2022/3財年末開始分紅。該公司的基本政策是在考慮內部儲備和資本投資等投資之間的平衡的同時,繼續穩步增加股息。截至2024/3財年的每股股息爲80.0日元(中間爲35.0日元,財年末爲45.0日元),股息支付率爲41.0%。與上一財年的業績相比,每年的股息增加了20.0日元,與財年初的計劃相比,每年向上修正了10.0日元。截至2025/3財年的股息預計將增加至90.0日元(中間爲45.0日元,預計在財年末爲45.0日元),股息支付率爲57.0%。除了利潤增長外,高股息支付率也很有吸引力。
■要點
・截至2024/3的整個財年實現了創紀錄的銷售額和營業利潤。成功建立了自己的物流網絡,提高了工廠利用率,利用了代理商,我們的營業利潤率首次超過10%
・盈利能力正在提高,財務基礎正在加強。歸屬於母公司所有者的權益比率在中期內目標爲30%
・截至2025年3月31日的整個財年預計銷售收入爲77億日元,營業利潤爲97億日元。銷售、製造和物流方面的前期投資已實現,計劃達到12.7%的營業利潤率
・我們正在推進一項戰略,將重點從 「內部銷售模式」 轉移到 「集團/外部銷售利用模式」
・截至2025/3的財年預計爲每年90.0日元(股息增加10.0日元),股息支付率爲57.0%。除了利潤增長外,高股息支付率也很有吸引力
(由 FISCO 客座分析師角田秀夫撰寫)