■事業概要
c) KPI
バルテス・ホールディングス<4442>の受注案件に対応していくためにはエンジニアが必要であり、「エンジニア数」は同社の事業にとって重要な要素となる。同社のエンジニア数はメーカーにおける生産能力に等しく、一定の知識・知見を持ったエンジニアを増やしていくことが同社の生産能力を増やすことであり、結果として売上高を増やすことにつながる。なおエンジニアには、正社員と契約社員に加え、ビジネスパートナーと呼ばれる企業のエンジニアも含まれる。2024年3月期末の稼働エンジニア数は1,222名で、内訳は正社員695名(構成比56.9%)、契約社員112名(同9.2%)、ビジネスパートナー415名(同34.0%)であり、全エンジニア数も直近5年間で順調に増加している。
2つめの重要な要素は、「エンジニア1人当たりの売上高」である。同社ではこの数値を「単価(月間)」と定義し、「ソフトウェアテストサービス事業の売上高÷エンジニア数」としている。2020年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響もあり低下したものの、その後は順調に上昇しており、2024年3月期の単価は、765千円となった。
3つめの要素は「案件数」である。同社の業務は「準委任契約」が大部分であり、不採算プロジェクト化するリスクのある「請負契約」は少ない。基本は案件ごとの契約となるが、次々と開発プロジェクトや開発課題が出てくることや、一度受注したシステムの更新時などに顧客からの要望で継続契約につながることも多く、これが相当の参入障壁になっているとも言える。受注金額は案件によって様々で、数百万円~数千万円と幅広いが、プロジェクトが継続した場合には、結果として当該顧客への売上高は数億円単位になる場合もある。これら各案件の売上高を累積したものがセグメント売上高の大部分を占めるので、「案件数」が同社の業績におけるKPIの1つであると言える。2024年3月期の案件数(ソフトウェアテスト)は3,384件となっており、直近5年間は順調に拡大している。
d) テスト工程をアウトソーシングする理由
顧客が同社のような外部企業にソフトウェアテストを依頼(発注)する理由の1つめは、一般的なシステムエンジニアはテストに関する体系的な教育を受けておらず、テストのプロではないため、効率が悪いからである。特に下請け小規模SIerは、開発を行ったエンジニアがテストを実行しがちである。しかしながら、一般的に自分で作ったプログラムに関しては客観的なテストの実行が難しいと言われている。これは、雑誌記者やレポーター等が、自分の書いた記事を自身で校正・校閲すると見落としが多くなることと類似する。さらに、体系的・網羅的なテスト手法を知っている開発者は少数であり、かつ開発者はテスト作業自体を好まないことから、開発者がテスト工程を行うことは結果的にテスト工程の長期化と品質の低下(バグが未発見のままローンチ)につながることが多い。これらの問題点解消のために、外部企業への発注が近年進んでいる。
2つめの理由は、現状の国内IT産業でのエンジニア不足である。DX施策等により、国内のIT市場は今後も拡大が続くと見込まれているが、一方でエンジニアが不足しているのも事実で、多くのSIerでは引き合いはあるが人員不足によって受注が難しい状況が多々発生している。そのような状況下で、開発全行程の約40%を超えるテスト工程を外注できれば、空いたリソースで新しい開発案件を受注できる。また、工程の短期化や品質担保に加え、人的リソースの最適化によっても生産性が向上することから、テスト工程を外注する大手SIerやユーザーが増えているのも事実だ。
3つめの理由として、DXの推進によるユーザー企業の負担増が挙げられる。ユーザーは自社システムの再開発や新パッケージシステムの導入を、SIerやパッケージベンダーへ委託した際、「受入テスト」に関してユーザーサイドで実施する必要がある。この「受入テスト」に対しては、ユーザーは自社が保有する少ないIT人材で適切に実施する必要があり、近年DX投資が活発化する中、ユーザーにとって非常に大きな負担となっている。この負担低減のため、ユーザー企業が「受入テスト」工程や、遡って総合的なテスト支援及び品質管理を、第三者機関としてテスト専門事業者に外注するケースが増えている。
このような現状から、ソフトウェアテストのアウトソーシング化は、今後さらに増加する可能性が高いと言える。
(2) Web/モバイルアプリ開発サービス事業(同12.1%)
連結子会社のバルテス・モバイルテクノロジー(株)が、Webアプリ/モバイルアプリ開発、セキュリティ診断(脆弱性診断)サービスを提供する。Webアプリ/モバイルアプリ開発では、企画から、要件定義、開発、デザイン、リリース、運用までワンストップで提供可能だ。また、ソフトウェアの品質向上をグループ経営方針としており、同社によるソフトウェアテスト、セキュリティサービスチームの教育によるセキュアコーディングを施したソフトウェア開発サービスを提供している。セキュリティ診断サービスでは、安全性の調査を提供している。熟練したエンジニアの診断ノウハウを手順化しており、潜在的な脆弱性が発見できる。
このほか、連結子会社の(株)アール・エス・アールが、コンピュータソフトウェアの開発、システムの開発請負及び開発要員派遣等を行っている。さらに2024年3月期からは、ソフトウェア開発、システム保守、パッケージ開発を行うシンフォーと、主にSAPソリューションを提供するフェアネスコンサルティングがこのセグメントに加わった。
(3) オフショアサービス事業(同0.3%)
主にフィリピンで事業展開している連結子会社のVALTES Advanced Technology, Inc.が、グループ会社とのノウハウ共有により、製造業やソフトウェアベンダーを営む顧客に対して、ソフトウェアテストサービスとソフトウェア開発サービスを提供している。現地の安価で豊富な労働力を背景に、同社の教育コンテンツを受講した現地のエンジニアが、同社を窓口とした日本企業や在比日系企業に向けてサービスを提供している。
(4) M&Aと持株会社への移行
同社はM&Aも積極的に行っており、2022年4月にはミントを、2023年4月にはシンフォーを、同年11月にはフェアネスコンサルティングを子会社化している。このように子会社が増加してきたことから、同社は2023年10月から「持株会社体制」に移行し、現在は7社が事業展開を行っている。移行した目的としては、1) ソフトウェア品質向上の価値提供を行う事業の強化、2) グループガバナンスの強化、3) 経営者人材の育成を挙げている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■業務概要
c)KPI
爲了響應巴爾泰斯控股公司<4442>的訂單,需要工程師。"工程師數量"對該公司的業務是一個重要因素。公司的工程師數量等同於製造商的生產能力,通過增加擁有一定知識和經驗的工程師來增加公司的生產能力,從而增加銷售額。與正式員工和合同員工一起,業務夥伴的企業工程師也包括在內。截至2024年3月期末,公司的工程師數量爲1,222人,其中正式員工695人(佔比56.9%),合同員工112人(佔比9.2%),業務夥伴415人(佔比34.0%),全體工程師數量在最近五年中穩步增加。
第二個重要因素是"人均銷售額"。該公司將此數字定義爲"單價(每月)",並將其定義爲"軟件測試服務業務銷售收入÷工程師數"。雖然2020年3月期由於新冠肺炎疫情的影響下降,但之後呈穩步上升趨勢,到2024年3月期爲765,000日元。
第三個因素是"訂單數"。該公司的業務主要是"準委託合同",並且"委託合同"風險不賺錢的項目很少。從根本上講,它會成爲每個訂單的契約,但隨着開發項目和開發問題的不斷湧現,或由於客戶在系統更新時等原因要求維護合同,這也經常導致維護合同的成本相當大。雖然受訂單的金錢數各不相同,但在項目繼續進行的情況下,對應客戶的銷售額有時會達到數億日元。由於這些各項訂單的銷售額構成了該公司的大部分細分市場銷售額,因此"訂單數"可以說是該公司業績的KPI之一。截至2024年3月期末,軟件測試的訂單數爲3,384個,最近五年穩步增長。
d)爲什麼要對測試階段進行外包
客戶將軟件測試委託給類似於該公司的外部公司的原因包括:一般系統工程師沒有接受有關測試的系統教育,並且不是測試專業人員,因此效率低下。尤其是,承包商中的小型SIer通常由開發者來運行測試。然而,通常被認爲對自己編寫的程序進行客觀測試是困難的。這類似於雜誌記者、記者等會忽略自己編寫的文章的情況。此外,了解系統性和覆蓋範圍的測試技巧的開發人員很少,而且開發人員不太喜歡測試工作,因此開發人員的測試階段與測試階段的延長和質量下降(漏洞未發現而推出)聯繫在一起的情況很多。近年來,爲了解決這些問題,人們開始將測試業務外包給外部公司。
第二個原因是國內IT行業現有工程師不足。由於DX政策等,國內IT市場未來將繼續擴大,但工程師短缺也是一個事實,在許多SIer中,可能有很多引用,但由於員工短缺而難以接受訂單。在這種情況下,如果將超過整個開發過程的40%的測試工作外包,那麼可以使用空閒資源接受新的開發案例。此外,由於短程工程、質量保障以及人力資源的優化,生產率也會得到提高,因此大型SIer和用戶正在增加外包測試工作。
第三個原因是DX推動了用戶企業的負擔增加。當用戶將重新開發自己的系統或引入新軟件包系統委託給SIer或軟件供應商,需要在"驗收測試"方面由用戶方執行。對於這種"接受測試",用戶必須使用少量的IT人員適當地執行符合要求,隨着近年來DX投資的增加,對用戶而言,這是非常巨大的負擔。爲了降低這種負擔,用戶企業將"驗收測試"工程以及歸攏後的測試支援和質量管理委託給測試專業機構作爲第三方機構。
由於這種情況,軟件測試的外包化可能會進一步增加。
(2) Web/移動應用開發服務業務(12.1%)
子公司Bartes Mobile Technology (Stock)提供Web應用程序/移動應用程序開發、安全診斷(弱點診斷)服務。在Web應用程序/移動應用程序開發方面,可以從企劃、需求定義、開發、設計、發佈到運營提供一站式服務。此外,該公司以提高軟件質量爲集團經營方針,以通過由該公司進行的軟件測試和安全服務團隊的教育實施安全編碼的軟件開發服務爲特色。在安全診斷服務中,提供安全性調查。它將熟練的工程師診斷技術系統化,可以發現潛在的弱點。
此外,子公司RSR公司開發計算機軟件、系統開發承包和開發人員派遣等業務。此外,從2024年3月開始,在這一領域加入了Symfo,該公司開展軟件開發、系統維護和包裝開發,並且Fairness Consulting主要提供SAP解決方案。
(3)離岸服務業務(0.3%)
位於菲律賓的子公司VALTES Advanced Technology, Inc.主要通過與集團公司共享專業知識,爲製造業和經營軟件廠商的客戶提供軟件測試和開發服務。在本地的低廉且豐富的勞動力背景下,接受該公司教育內容的本地工程師爲日本企業和在比日系企業提供服務。
(4) M&A和向持股公司遷移
公司積極開展併購活動,在2022年4月收購了Mint,在2023年4月收購了Symfo,在2023年11月收購了Fairness Consulting。由於子公司的增加,公司將於2023年10月轉爲持股公司體制,目的是1)提供提高軟件質量的服務,2)加強集團公司治理,3)培養經營管理人才。
(作者:日經FISCO客座分析師 寺島昇)