■要約
兵機海運<9362>は独立系海運会社である。神戸市に本社を構え、神戸港・姫路港・大阪港をベースに、内航・外航の海上輸送、倉庫、通関・国際輸送の各物流サービスを提供している。鉄鋼メーカーが生産する鋼材の海陸一貫輸送が強みである。創業は1942年12月であり、2022年12月には創業80周年を迎えた。同年4月には、東京証券取引所(以下、東証)のスタンダード市場へ移行した。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高で前期比20.3%減の14,636百万円、営業利益で同7.2%減の519百万円、経常利益で同10.9%増の678百万円、当期純利益で同16.8%増の512百万円だった。港運事業における取引形態の見直しを受け、従来売上高として計上していた項目を立替金に振り替えたことや、外航事業において前期に発生した建機類のスポット特需のはく落などが影響した。一方で、建機類の輸送を行っていた極東ロシア向け航路が中長期的に再開できないとの経営判断から同航路の運航を担っていたK.S.LINES S.Aの清算を2024年3月に完了しており、これにより、営業外収益と特別利益を計上したことが増益に寄与した。なお、K.S.LINES S.Aの清算により連結子会社が存在しなくなったことから、同社は2024年3月期から非連結決算に移行している。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高で前期比4.3%減の14,000百万円、営業利益で同7.7%増の560百万円、経常利益で同11.6%減の600百万円、当期純利益で同18.0%減の420百万円を見込んでいる。外部環境については、中東情勢を初めとする地政学的緊張の高まりや、金利と為替の動向、米国大統領選挙の行方、内航船舶運航及び維持管理コストの増加など、不確実性が高い事業環境となることを見込んでいる。売上高に関しては、港運事業における取引形態の見直しが通年で影響してくることなどから減収を見込んでいるものの、各事業において価格改定交渉などの適正利潤確保に向けた活動を継続しながら、同時に収益性の向上を推進することにより利益の積み上げに注力していく。
3. 同社の強み
同社の強みであるバランスの良い事業ポートフォリオと機動的な全方位営業により、同社の業績が堅実に拡大していくと弊社は考える。同社は、内航事業、外航事業、港運事業、倉庫事業の4事業で総合的な物流サービスを展開しており、バランスの良い事業ポートフォリオを構築している。この4つの事業を並行して手掛けていることで、会社全体としてリスクの分散が図れている。また、独立系海運会社であることも同社の特長となっている。海運業界には、荷主である企業系列の海運会社が多く存在しているが、これらの会社は荷主との取引関係が硬直的になりがちである。同社はどこの系列にも属していないため、機動的に全方位で営業活動が可能となっている。収益機会と見れば一気に経営資源を投入し、一方で危険を察知した場合は再考、または早期撤退を実行することができる。このように機動的な事業運営で稼ぐ力を高めていけることが同社の最大の強みである。
■Key Points
・2024年3月期は特需はく落や取引形態見直しを受け、減収・営業減益
・子会社の清算により経常利益と当期純利益は増益を確保
・2025年3月期は減収予想も、適正利潤の確保と収益性向上に注力し営業増益予想
・バランスの良い事業ポートフォリオと全方位営業で、堅実な成長を見込む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
■摘要
武器運輸(9362)是一家獨立的運輸公司。它的總部位於神戶市,以神戶港、姬路港和大阪港爲基礎,爲國內外海運、倉庫、清關/國際運輸提供各種物流服務。我們的優勢是鋼鐵製造商生產的鋼鐵產品的綜合海陸運輸。它成立於 1942 年 12 月,並於 2022 年 12 月慶祝成立 80 週年。同年4月,它過渡到東京證券交易所(以下簡稱東京證券交易所)的標準市場。
1。截至2024年3月31日的財政年度財務摘要
截至2024/3財年的財務業績爲銷售額爲146.36億日元,比上一財年下降20.3%;營業收入爲5.19億日元,下降7.2%;普通收入爲6.78億日元,增長10.9%;淨收入爲5.12億日元,同期增長16.8%。在對港口運輸業務交易表格的審查中,以前記錄爲銷售的物品被轉移到預付款中,上一財年外國航運業務對建築設備的現貨特殊需求下降產生了影響。同時,負責運營同一條航線的K.S.LINES S.A. 的清算工作已於2024/3年完成,原因是管理層決定在中長期內無法恢復開往俄羅斯遠東的運送建築設備的路線,因此,記錄的營業外收入和特別利潤促進了利潤的增長。請注意,由於K.S.LINES S.A. 的清算沒有合併子公司,因此該公司已過渡到2024/3財年的未合併財務業績。
2。截至2025/3財年的收益預測
截至2025/3財年的財務業績預計爲14億日元,銷售額比上一財年下降4.3%;5.6億日元,較同期營業收入增長7.7%;6億日元,同期下降11.6%;4.2億日元,淨收入較同期下降18.0%。關於外部環境,預計這將是一個具有高度不確定性的商業環境,例如從中東局勢開始的地緣政治緊張局勢加劇,利率和匯率的走勢,美國總統大選的未來,以及國內船舶運營和維護成本的增加。在銷售方面,儘管由於港口運輸業務交易表格的審查將對全年產生影響等,預計銷售額將有所下降,但我們將重點通過繼續開展旨在確保適當利潤的活動(例如價格修訂談判)來積累利潤,同時促進盈利能力的提高。
3.公司的優勢
我們相信,由於其平衡的業務組合和敏捷的全方位銷售是公司的優勢,該公司的業績將穩步增長。該公司正在國內航運業務、國外航運業務、港口運輸業務和倉儲業務這四項業務中開發綜合物流服務,並建立了平衡的業務組合。通過並行開展這四項業務,實現了整個公司的風險分配。該公司的另一個特點是它是一家獨立的航運公司。在航運業中,有許多公司附屬航運公司是託運人,這些公司與託運人的業務關係往往很嚴格。由於該公司不屬於任何關聯公司,因此可以靈活地進行全方位的銷售活動。如果將管理資源視爲獲利機會,則可以立即投入管理資源,另一方面,當發現危險時,可以進行重新考慮或提前撤出。能夠通過如此靈活的業務運營提高盈利能力是公司最大的優勢。
■要點
・由於特殊需求下降和交易表格的審查,截至2024/3財年的銷售和營業利潤下降
・確保因子公司清算而增加普通收益和淨收益
・預計截至2025/3財年銷售額下降的預測還將通過重點確保適當的利潤和提高盈利能力來增加營業利潤
・我們預計,通過平衡的業務組合和全方位的銷售,我們將實現穩步增長
(由FISCO客座分析師清水洋一郎撰寫)