■要約
テラスカイ＜3915＞は、クラウドシステムの開発・導入支援を行うクラウド・インテグレーターで、Salesforceを中心に累計導入件数は同社単体で7,000件、連結ベースで18,000件を超える。クラウドシステムの開発支援ツールやグループウェアサービス「mitoco」など自社開発製品も手掛ける。また、子会社でAWS、GCPなどの導入支援や、AIソリューション、量子コンピュータ領域にも展開している。連結子会社として東証グロース市場に上場するBeeX＜4270＞、持分法適用関連会社として札幌アンビシャス市場に上場するキットアライブ＜5039＞がある。
1. 2024年2月期の業績概要
2024年2月期の連結業績は売上高で前期比23.9%増の19,137百万円、営業利益で同2.1%増の522百万円となった。売上高は企業の旺盛なDX投資を背景に、Salesforceを中心としたクラウドインテグレーションや人材派遣の需要好調によりソリューション事業が同25.2%増となったほか、グループウェアサービス「mitoco」を中心とした製品事業も同10.5%増と着実に成長し、過去最高を連続更新した。利益面では、子会社の損失や人件費（採用費含む）並びにプロモーション費用、「mitoco ERP」の開発費などの増加、見込み案件の失注による稼働率の一時的な低下、などによって利益率が若干低下したものの、増収効果で吸収し3期ぶりの増益に転じた。なお、期末のグループ人員は1,248名と前期末から256名増加し、このうちSalesforceやAWSのスペシャリスト人材に特化した人材派遣を行う(株)テラスカイ・テクノロジーズで125名増加した。
2. 2025年2月期の業績見通し
2025年2月期の連結業績は、売上高で前期比25.5%増の24,024百万円、営業利益で同73.3%増の905百万円を見込む。Salesforce関連を中心に企業のクラウドインテグレーションに対する需要は依然旺盛で、売上成長率は人的リソースの増強次第となる。2025年2月期末のグループ人員は前期末比で約3割増（392名増）を計画しており、採用が順調に進めば計画達成の可能性も高まると弊社では見ている。利益率上昇要因としては、増収効果に加えて前期に積極投下したプロモーション費用が減少すること、不採算案件がなくなることなどが要因だ。先行投資負担で損失計上が続いている製品事業については、「mitoco ERP」の開発が継続していることから、収益貢献は2026年2月期以降となる見通し。「mitoco ERP」はSalesforceのプラットフォーム上で運用できるクラウド型システムで、販売・在庫管理（Fujitsu GLOVIA OM※）や勤怠・経費清算（mitoco Work）などの業務システムに加えて、現在は会計・人事給与システム（mitoco会計・人事給与）の開発を進めている。生成AI技術を活用したアシスト機能により利便性向上を追求しており、Salesforceを導入している中堅企業をメインターゲットに拡販することで、中長期的に収益貢献するものと期待される。
※富士通＜6702＞のクラウド型の販売・購買・在庫・生産管理システムで、2011年より導入開発・支援を行っており、2022年に独占販売契約を締結。
3. NTTデータとの資本業務提携について
2024年4月12日付で同社はNTTデータ＜9613＞との資本業務提携を発表した。Salesforce事業の成長加速を目的に、両社が持つリソースを融合して、国内での新規導入やアジア・パシフィック市場での共同事業展開、相互のブランド力を生かしたデジタル人材の獲得及び育成を推進する。まずは、NTTデータの顧客先でSalesforceが未導入である地域金融機関をターゲットに協業していく考えで、同社では業務提携の効果として今後3年間で170億円以上の売上創出を目指す（2025年2月期業績計画には織り込んでいない）。Salesforceを導入する際には、「mitoco」など周辺サービスの導入も進む可能性があり、協業が順調に進めば同社の収益成長もより一層加速していくものと予想される。なお、資本提携についてはNTTデータに対して4月30日付で67万株相当の新株予約権を発行しており、同新株予約権が行使された場合は、既に市場買い付けなどで取得している株式数も合わせると保有比率は20.1%となり、同社はNTTデータの持分法適用関連会社となる見通しだ。新株予約権の行使価額は1,400円、行使基準は2027年2月期までの年度において一度でも連結営業利益で25億円を超過した場合に行使可能となっている。
■Key Points
・2024年2月期は過去最高売上を連続更新、営業利益、経常利益は3期ぶりの増益に転じる
・2025年2月期は2ケタ増収増益見通し、営業利益と経常利益は4期ぶりに過去最高更新へ
・NTTデータとの資本業務提携によりSalesforce事業の成長が一段と加速する見通し
（執筆：フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲）
■概要
泰勒斯<3915>是一家雲整合服務提供商，致力於雲系統的開發以及引進支援。至今爲止，其主要的雲系統導入累計件數已超過7000件，集團累計超過18000件，以Salesforce爲中心。其業務還包括開發雲系統開發支援工具、集團軟件服務mitoco等自主開發商品。此外，旗下子公司AWS、GCP等還從事引進支援、AI解決方案、量子計算等相關業務。泰勒斯的子公司BeeX<4270>已經在東證GROWTH市場上市，合營公司Kit to Alive<5039>已經在札幌驕傲市場上市。
2024年2月期業績概要
2024年2月期的營業收入爲191.37億元，同比增長23.9%；營業利潤爲5.22億元，同比增長2.1%。營業收入增加主要源於企業強烈的DX投資，Salesforce爲中心的雲整合和人才派遣需求旺盛，相關解決方案業務增長了25.2%，同時mitoco爲中心的產品業務也實現了穩步增長，同比增長10.5%，連續打破歷史記錄。利潤面受子公司的虧損、人工成本（包括招聘成本）、推廣費用、mitoco ERP開發成本等增加影響，以及預期項目的失去帶來一時性的稼動率下降等影響，利潤率雖然有所下降，但擴大營收規模的效果幫助其度過難關，實現了三個季度以來的增長。另外，期末集團員工人數從上期的992人增加到1248人，子公司Terrascent Technologies增加了125人，專注於Salesforce和AWS的專家人員的派遣。
2.2025年2月期業績預測
2025年2月期的營業收入預計將達到240.24億元，同比增長25.5%；營業利潤爲9.05億元，同比增長73.3%。需要針對企業雲整合，特別是以Salesforce爲中心的企業的需求而繼續增強人才的儲備以不斷推進增長。預計2025年2月期末集團員工將比上期末增加約三成（即392名增加），如果招聘進展順利，公司已有高度信心實現計劃。另外，利潤率上升的原因是除了增加營收外，上期積極投入的推廣費用將減少，並且不盈利項目將不會再出現。雖然產品部門一直承擔先行投資的負擔，但由於mitoco ERP的開發將繼續進行，它將開始產生盈利貢獻，這是在2026年2月期之後的情況。mitoco ERP是基於Salesforce平台運行的雲型系統，除了業務系統，如銷售、庫存管理(Fujitsu GLOVIA OM※)、考勤和費用報銷（mitoco Work）等，目前還正在開發會計人事薪資系統（mitoco會計·人事薪資）。爲了實現更多的方便性，它使用了生成AI技術的輔助功能。它的主要目標是中型企業，並且期望中長期爲公司貢獻收入。
※FUJITSU<6702>的雲型銷售、採購、庫存和生產管理系統。自2011年以來開展引進和開發支援業務，並於2022年簽署了獨家銷售合同。
3. 這個是關於NTT DATA的股權業務合作
於2024年4月12日發佈，該公司宣佈將與NTT數據<9613>進行資本業務合作。爲加速Salesforce業務的增長，兩家公司將整合自己的資源，在國內推進新的導入專案，共同開展亞太市場，推進品牌力相互協作以獲取數字化人才的招聘和培育。首先，NTT數據的客戶將是目標，以尋求協作共同推進尚未導入Salesforce的金融機構各個地域。該公司預測業務合作的效益，在未來3年內將創造超過170億日圓的銷售收入（尚未包括在2025財年預測中）。當引進Salesforce時，還有可能會引進周邊服務，例如mitoco等。只要合作順利，該公司的收益增長將更加迅速。資本業務合作方面，該公司已於4月30日向NTT DATA發行了67萬股相當於新的股票認購權，如果認購權行使，則現已購買股票數量加起來將有20.1%的持股比例。新股票認購權的行使價格爲1400日元，行使基準爲在2021年2月期至2027年2月期內，只要連續一次的營業利潤達到25億日圓以上，就可以行使。
■Key Points
2024年2月期連續創造歷史最高銷售額，營業利潤和經營利潤連續3個季度增長。
2025年2月期預計收入和利潤將增長兩位數，營業利潤和經營利潤將進一步創歷史新高。
預計通過與NTT數據的資本業務聯盟，Salesforce（銷售力）事業將進一步加速增長。
（撰寫：FISCO客座分析師佐藤讓）
