■業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
アートネイチャー＜7823＞の2024年3月期の連結業績は、売上高が42,850百万円（前期比0.8%減）、営業利益が2,654百万円（同25.7%減）、経常利益が2,724百万円（同22.9%減）、親会社株主に帰属する当期純利益が1,462百万円（同22.0%減）となった。
日本経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に変更されたことなどにより経済活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要が回復しつつあるが、円安の進行や原材料価格、エネルギー価格の高騰による物価上昇などもあり、依然として先行き不透明な状況が続いている。このような環境下、同社は2024年3月期を初年度とする中期経営計画「アートネイチャーAdvanceプラン」を策定し、「次代を切り拓くアートネイチャー」への飛躍に向けて事業活動を推進、グループの強みを生かして様々な課題に挑戦することで、業績や毛髪業界シェアを伸ばし、新領域の事業を開発・拡充してきた。
この結果、前期比微減収減益とはなったが、修正計画を上回り、上場以来2番目の売上高を達成した。減収の要因は、リピートやアフターサービス、ジュリア・オージェは好調だったものの、男女ともに新規の販売が苦戦したこと、利益重視に転換した通販で販促を抑制したことなどである。価格改定も実行したが、高額品ゆえに価格感応度が低いためリピートへの影響が小さく、価格改定分は増収要因となったようだ。利益面では、価格改定の一方、円安や物価高、処遇改善に伴うスタイリスト人件費増加により売上原価率が低下、広告費やその他販売費は抑制したものの、処遇改善に伴う人件費の増加や資産除去債務の見直しにより販管費率も上昇、営業利益率の低下につながった。また、特別損失に店舗の減損損失を計上した一方、中国子会社が清算予定となったことで法人税等調整額のマイナス幅が広がった。なお、期初の会社予想と比較して業績未達となったのは、資産除去債務の単価見直しや店舗などの減損損失も影響しているが、主としてアフターコロナの消費が想定以上に旅行や外食に向けられたことや、増加しているWeb経由の問い合わせへの対応不調により、新規の売上が低迷したことにある。
男性向け事業については、新商品を投入する一方、顧客定着策を推進したことでリピート売上は前期比ほぼ同水準で推移したが、新規売上が大きく下がったため減収減益となった。女性向け事業については、「フィーリン」のバージョンアップなどによりリピート売上は増加したが、発売から2年が経って爆発的だった反響が落ち着いてきたため新規売上になかなかつながらず、減収減益となった。女性向け既製品事業については、ジュリア・オージェの機能向上、入居する商業施設の来店が回復したことによる試着数の増加、店内オペレーションの見直しなどによる販売体制の強化などにより、2ケタ近い増収増益となった。
新商品については、各事業の主力ブランドで引き続き年2回市場投入した。「フィーリン」は、春には通気性とフィット感がさらにアップした「フィーリン4」、秋にはさらに風に強くなった「フィーリン ウルトラフィット」を、好調の「ジュリア・オージェ」では、ピンでとめない比較的安価なウィッグ「タッチデボーテ（TV通販専用）」を発売した。男性用ウィッグでは、結び目が見えないウィッグ「レクアファントム」やアシスト毛髪で地肌の透けを改善した「マープラッシュ プレミアム」など新商品投入と同時に、秋から新たなCMキャラクターを採用した。また、出店と移転リニューアルも積極的に進め、「ジュリア・オージェ イオンモール高崎店」と「レディースアートネイチャー 三越日本橋サロン」の2店を新規に出店したが、なかでも「レディースアートネイチャー 三越日本橋サロン」はハイエンド顧客の多い百貨店にオーダーメイドウィッグと既製品ウィッグを併設したことで利便性の高い店舗となった。「ジュリア・オージェ」では高崎など未出店エリアにも出店した。イベントも積極化しており、「ジュリア・オージェ15周年記念大感謝祭」や、注目商品をオールラインナップした初の総合展示会「アートネイチャー フェスティバル2023 in Osaka」を開催し、好評を博した。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 宮田仁光）
■業績趨勢
1。截至2024年3月31日的財政年度財務摘要
Art Nature截至2024/3財年的合併財務業績爲銷售額428.5億日元（較上一財年下降0.8％），營業收入爲26.54億日元（較同期下降25.7％），普通利潤爲27.24億日元（較同期下降22.9％），歸屬於母公司股東的淨收益爲14.62億日元（較同期下降22.0％）。
在日本經濟中，由於傳染病法對新型冠狀病毒感染的定位在2023/5年度更改爲5類等，經濟活動的正常化取得了進展，私人消費和入境需求正在恢復，但由於日元貶值的進展以及原材料和能源價格的上漲等，價格正在上漲，未來仍不確定。在這樣的環境下，公司制定了以2024/3財年爲第一年的中期經營計劃 “Art Nature Advance Plan”，推動業務活動向 “開啓下一代的藝術自然” 的飛躍，並通過利用集團的優勢解決各種問題，提高了業績和美髮行業份額，並在新領域發展和擴大了業務。
結果，與上一財年相比，銷售額和利潤略有下降，但超過了修訂後的計劃，實現了自上市以來的第二次銷售。銷售額下降的原因包括重複銷售、售後服務，以及儘管朱莉婭·奧格表現良好，但男性和女性的新銷售都陷入困境，而轉向利潤的郵購抑制了促銷活動。還進行了價格調整，但由於價格昂貴，價格敏感度較低，因此對重複銷售的影響很小，而且價格調整似乎是銷售增長的一個因素。另一方面，在利潤方面，由於日元貶值、價格居高不下以及與待遇改善相關的造型師勞動力成本增加，銷售成本比率下降，儘管廣告成本和其他銷售費用受到抑制，但由於與待遇改善和資產去除債務審查相關的勞動力成本增加，導致營業利潤率下降，銷售和收購費用比率也有所上升。此外，儘管門店的減值損失被記錄爲特別虧損，但由於計劃清算這家中國子公司，公司稅調整的負範圍擴大了。請注意，與公司在本財年初的預測相比，未實現業績的原因是，對資產去除債務和門店等減值損失的單價審查也產生了影響，但主要是因爲COVID-19後的消費更多地用於旅行和外出就餐，而且由於對互聯網查詢的反應不佳，新銷售疲軟，互聯網正在增加。
至於男性業務，在推出新產品的同時，由於客戶保留措施的推廣，重複銷售額與上一財年相比幾乎保持在同一水平，但新銷售額急劇下降，導致銷售額和利潤下降。至於女性業務，由於 “Feelin” 的版本升級等，重複銷售量有所增加，但由於爆炸性反應在發佈兩年後平息下來，因此並不容易帶來新的銷售，銷售額和利潤也有所下降。至於面向女性的現成產品業務，銷售額和利潤增長了近2位數，這要歸因於朱莉婭·奧格職能的改善，由於她們遷入的商業設施的訪問量恢復，以及由於對店內運營的審查而加強了銷售體系，等等。
至於新產品，每項業務的主要品牌繼續每年兩次推向市場。“Feelin” 在春季推出了 “Feelin 4”，它進一步改善了透氣性和合身性，在秋季推出了更耐風的 “Feelin Ultra Fit”，以及相對便宜的假髮 “Touch de Beaute（僅限電視郵購）”，它在堅固的 “Julia Auger” 中沒有別針。至於男士假髮，從秋季開始採用了新的商業角色，同時推出了一些新產品，例如沒有明顯結節的假髮 “Reca Phantom” 和通過輔助頭髮提高頭皮透明度的 “Marplash Premium”。此外，積極推動門店開業和搬遷，開設了兩家新店，即 “Julia Auger Auger 永旺購物中心高崎店” 和 “Ladies Art Nature 三越日本橋沙龍”，但最重要的是，“Ladies Art Nature 三越日本橋沙龍” 通過向擁有衆多高端客戶的百貨商店提供定製假髮和現成假髮，已成爲一家非常便利的商店。“朱莉婭·奧格” 還在高崎等未開業的地區開設了門店。活動也在積極推廣中，舉辦了 “Julia Auger 15週年大感恩節” 和首屆綜合展覽 “大阪藝術自然節2023”，展出了一系列知名產品，並受到好評。
（由 FISCO 客座分析師宮田仁光撰寫）
