■業績動向
1. 2024年3月期の連結業績
精工技研<6834>の2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.1%減の15,785百万円、営業利益が同24.3%減の1,052百万円、経常利益が同21.0%減の1,269百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同29.7%減の761百万円となり、減収減益となった。期初予想に対しては、車載用成形品や光通信用部品の販売が想定を下回る結果となった。要因として、自動車関連市場では上半期を通して半導体供給不足が解消せず自動車メーカー各社の生産調整が実施されたこと、光通信関連市場ではコロナ禍の回復に伴いリモートワークが減少し、大手IT関連企業の設備投資が縮小したこと等が挙げられる。各利益については、コスト管理の強化により販売費及び一般管理費は減少したものの、比較的収益性の高い製品群の売上が減少したことで売上総利益が減少した。
2. セグメント別業績
2024年3月期の売上高構成比は、精機関連事業が8,716百万円で55.2%、光製品関連事業が7,069百万円で44.8%となった。精機関連事業における売上比率は、2022年3月期に52.4%と過半数を占め、その後2023年3月期にはわずかに減少して51.0%に、2024年3月期には再び上昇し、55.2%となった。一方、光製品関連事業は、2022年3月期に47.6%の売上比率だったが、2023年3月期にはわずかに増加して49.0%になった。しかしながら、2024年3月期には44.8%へと減少した。この減少は、コロナ禍が終息し、光通信インフラへの設備投資が落ち込んだ影響と見られる。
(1) 精機関連事業
売上高は前期比5.0%増の8,716百万円、セグメント利益は同69.2%増の664百万円、セグメント利益率は7.6%となった。売上高に関しては、2020年3月期に8,808百万円でピークを迎えた後、2022年3月期まで徐々に減少し、8,478百万円にまで落ち込んでいる。しかし、2023年3月期において最低値8,303百万円を記録した後、2024年3月期には再び上昇し、8,716百万円まで回復している。セグメント利益は、2020年3月期に809百万円で最高であり、以降、2022年3月期にかけて大幅に減少して381百万円まで落ち込んでいる。ただし、2024年3月期には利益が664百万円まで改善しており、企業努力が実を結んでいる。利益率についても同様の傾向が見られ、2020年3月期の9.2%から低下を続け、2022年3月期には最低の4.5%を記録したが、2024年3月期には7.6%まで回復している。この利益率の回復は、コスト削減や効率改善の成果が表れている。
精機関連事業における業績は、業界の動向と技術革新が大きく影響した。成形品の効率的な量産が可能になっており、特に高い寸法精度が要求される金属部品の製造において、顧客からの高い評価を得ている。2024年3月期においては、特に電気自動車市場の拡大が精機関連事業の成長を牽引した。この市場拡大に伴い、電気自動車のカーエアコンに使用されるコンプレッサー用部品やインバーター用部品、それらの部品を成形するための金型の需要が増加し、売上を大きく伸ばすことができた。一方で、スマートフォン市場における需要の縮小は、端末価格のインフレや買い替えサイクルの長期化による影響を受け、金属プレス成形品の売上が減少する結果となった。開発面では、創業以来培ってきた技術を活かし、自動車、医療、バイオなどの産業領域で新たな精密成形品の量産化に向けた技術的課題の解決に努めている。
(2) 光製品関連事業
売上高は前期比11.4%減の7,069百万円、セグメント利益は同61.1%減の388百万円、セグメント利益率は5.5%となった。売上高については、2020年3月期に6,921百万円から2021年3月期には6,142百万円へと減少したが、その後2022年3月期と2023年3月期にかけて増加し、最高値の7,979百万円を記録した。しかし、2024年3月期には再び減少し、7,069百万円に落ち着いている。セグメント利益に関しても、2021年3月期までの減少後、2022年3月期に大幅な増益を達成して1,143百万円となったものの、その後は減少傾向にあり、2024年3月期には大きく落ち込み388百万円となっている。セグメント利益率は、2022年3月期に14.8%と最高を記録し、その後は減少して2024年3月期には5.5%まで低下した。
売上減少の主要因としては、光通信インフラへの投資停滞が挙げられる。これにより、光コネクタや関連機器、装置の需要が前期に比べて減少している。しかしながら、タイ王国に新設されたSEIKOH GIKEN (THAILAND) Co., Ltd.の設立は、中長期的な視点で見れば、アジア地域における供給能力の強化という戦略的な投資であり、将来的には安定供給とコスト競争力の向上に寄与すると考えられる。このような環境下での戦略としては、現在の市場停滞期を乗り越えるために、新興市場やアプリケーションへの進出、製品ラインナップの多様化を図ることが重要になる。また、データセンター向けなど新しい需要が拡大しているセグメントに注力することで、短期的な市場変動に強い体制を築くことが望まれる。総じて、光製品関連事業は市場の停滞期を迎えているものの、戦略的な拠点展開や市場ニーズへの迅速な対応を進めることで、これを乗り越え、持続的な成長を目指せると弊社では見ている。
(3) 地域別売上高
同社の地域別売上高を見ると、2024年3月期の総売上は前期比3.1%減の15,785百万円となった。日本市場は同4.3%増の9,803百万円で安定した需要を示している。一方、北米市場は同33.8%減の1,506百万円、中国市場は同25.3%減の1,178百万円となった。これらの減少は米中貿易摩擦や経済の不確実性、中国国内の経済変化発展や政策の変動が影響していると見られる。その他アジア市場は同28.7%増の1,996百万円で、この地域での成長は、アジア新興市場での需要拡大や事業拡大が成功していると言える。ヨーロッパ市場は同11.2%減の1,299百万円だった。これは、欧州経済の不確実性や市場競争の激化が影響していると見られる。今後は、北米と中国市場の回復策とアジア市場の成長促進が重要なカギになると見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
■業績趨勢
1。截至2024/3財年的合併財務業績
精工技研截至2024/3財年的合併財務業績包括銷售額較上一財年下降3.1%至157.85億日元,營業利潤下降24.3%至10.52億日元,普通利潤下降21.0%至12.69億日元,歸屬於母公司股東的淨收益下降29.7%至7.61億日元。與本財年的初步預測相比,汽車模製產品和光通信零件的銷售低於預期。因素包括汽車相關市場的半導體供應短缺問題在上半年沒有得到解決,汽車製造商實施了生產調整;在光通信相關市場,由於 COVID-19 疫情的復甦,遠程辦公下降,主要信息技術相關公司的資本投資萎縮。至於每項利潤,儘管由於加強成本管理,銷售成本和一般管理費用有所下降,但由於相對盈利的產品組的銷售減少,毛利潤下降了。
2。各細分市場的業績
截至2024/3財年,精密機械相關業務爲87.16億日元,佔55.2%,光學產品相關業務爲70.69億日元,佔44.8%。在截至2022/3財年的財年中,精密機械相關業務的銷售比率佔52.4%的大部分,然後在2023/3財年略有下降至51.0%,然後在2024/3財年再次上升至55.2%。同時,光學產品相關業務在截至2022/3財年的銷售比率爲47.6%,但在截至2023/3財年的財年中略有增長至49.0%。但是,它在2024/3財年下降至44.8%。這種下降被視爲 COVID-19 疫情結束和光通信基礎設施資本投資下降的影響。
(1) 精密機械相關業務
淨銷售額較上一財年增長了5.0%,達到87.16億日元,分部利潤增長了69.2%,達到6.64億日元,分部利潤率爲7.6%。在銷售額方面,在截至2020/3財年達到88.08億日元的峯值之後,銷售額逐漸下降,直到截至2022/3財年,銷售額降至84.78億日元。但是,在創下2023/3財年的最低價值83.03億日元之後,它在2024/3財年再次上漲,並回升至87.16億日元。截至2020/3財年,分部利潤最高,爲8.09億日元,隨後在2022/3財年大幅下降,降至3.81億日元。但是,在截至2024/3財年的財年中,利潤提高到6.64億日元,企業的努力正在取得成果。利潤率也有類似的趨勢,從截至2020/3財年的9.2%繼續下降,在截至2022/3財年的4.5%低點,但在2024/3財年恢復至7.6%。利潤率的回升表明了成本降低和效率提高的結果。
行業趨勢和技術創新對精密機械相關業務的業績產生了重大影響。模壓產品的高效批量生產已成爲可能,特別是要求高尺寸精度的金屬零件的製造受到了客戶的高度讚揚。在截至2024/3財年中,電動汽車市場的擴張尤其推動了精密機械相關業務的增長。隨着市場的擴張,對壓縮機零件和用於電動汽車空調的逆變器零件以及用於模塑這些零件的模具的需求增加,銷售額得以顯著增長。同時,智能手機市場需求的萎縮受到終端價格上漲和更換週期延長的影響,導致金屬衝壓成型產品的銷售下降。在開發方面,我們正在利用自成立以來培育的技術,努力解決旨在在汽車、醫藥和生物技術等工業領域批量生產新的精密成型產品的技術問題。
(2) 光學產品相關業務
淨銷售額較上一財年下降了11.4%,至70.69億日元,分部利潤下降了61.1%,至3.88億日元,分部利潤率爲5.5%。銷售額從截至2020年3月31日的財年的69.21億日元下降至截至2021年3月31日的財年的61.42億日元,然後在2022/3財年和2023/3財年之間有所增長,創下了79.79億日元的最高價值。但是,它在2024/3財年再次下跌,收於70.69億日元。關於分部利潤,在截至2021年3月31日的財年下降之後,利潤在截至2022/3財年實現了大幅增長至11.43億日元,但隨後出現了下降趨勢,在2024/3財年大幅下降了3.88億日元。該分部的利潤率在截至2022/3財年創下了14.8%的高位,隨後下降並在2024/3財年降至5.5%。
光通信基礎設施投資停滯被認爲是銷售下降的主要原因。因此,與上一財年相比,對光學連接器、相關設備和設備的需求有所下降。但是,在泰王國新成立的SEIKOH GIKEN(泰國)有限公司的成立是從中長期角度加強亞洲地區供應能力的戰略投資,據認爲這將有助於未來的穩定供應和成本競爭力的提高。作爲在這種環境下的一項戰略,必須進入新興市場和應用領域,實現產品陣容的多樣化,以克服當前的市場停滯期。此外,通過關注新需求不斷擴大的細分市場,例如數據中心,有望建立一個能夠抵禦短期市場波動的系統。總體而言,儘管光學產品相關業務已進入市場停滯期,但我們認爲,通過推進戰略基礎發展和快速響應市場需求,可以克服這一問題,實現可持續增長。
(3) 各地區銷售額
從公司各地區的銷售額來看,截至2024/3財年的總銷售額較上一財年下降了3.1%,至157.85億日元。日本市場需求穩定,爲98.03億日元,同期增長4.3%。同時,北美市場下跌33.8%,至15.06億日元,中國市場下跌25.3%,至11.78億日元。這些下降可能會受到中美貿易摩擦、經濟不確定性、中國內部經濟變化和發展以及政策變化的影響。其他亞洲市場同期增長28.7%,達到19.96億日元,可以說,該地區的增長歸因於亞洲新興市場的需求增加和成功的業務擴張。歐洲市場爲12.99億日元,比同期下降11.2%。這似乎受到歐洲經濟不確定性和市場競爭加劇的影響。展望未來,北美和中國市場的復甦措施以及促進亞洲市場的增長預計將是重要的關鍵。
(由FISCO客座分析師中山宏撰寫)