■精工技研<6834>の業績動向
3. 財務状況
2024年3月期末における財務状況を見ると、総資産は前期末比で883百万円増の32,226百万円となった。この増加は主に流動資産の伸びによるもので、特に現金及び預金、売掛金の増加が顕著であった。流動資産全体で見ると、前期末比で979百万円増の22,738百万円になった。これは、同社の即時利用可能な資源が拡大したことを示し、短期的な財務健全性が向上していることを意味する。一方で、固定資産は前期末から96百万円減の9,487百万円となった。この減少は、主に建物や機械装置の減価償却が進行した結果である。これは資産の正常な価値減少を反映しており、計画的な資産管理が行われていることを示唆している。負債に関しては、流動負債が前期末から114百万円増の3,425百万円になった。この増加は未払消費税などの増加によるもので、一定期間内に支払う必要がある短期債務が増加している。また、固定負債も58百万円増の1,614百万円となった。これは退職給付負債や役員株式給付引当金の増加が主な要因である。純資産は前期末から710百万円増の27,186百万円となった。この増加は利益剰余金や為替換算調整勘定の増加が主な要因で、企業の自己資本が強化され、安定した財務基盤が構築されていることを示している。全体として、流動資産の増加による即時の財政健全性の向上、計画的な資産管理による固定資産の減少、短期及び長期負債の管理適正化、そして純資産の増加による自己資本の強化が見られる。これらは、企業が今後の不確実性に対応しつつ、持続的な成長と安定を追求していると見られる。
営業活動によるキャッシュ・フローは2023年3月期に2,299百万円となっており、この期間中に企業の主要な事業活動が健全な収益を上げていたことが示されている。しかし、2024年3月期にはこの数値が1,797百万円へと減少した。この減少は、売上の落ち込みや収益性の低下が原因である可能性があるものの、それでもなお正のキャッシュ・フローを維持している点は同社にとって肯定的である。投資活動によるキャッシュ・フローは、両期において負の値を示しているものの、支出額が2023年3月期の950百万円から2024年3月期には1,533百万円へと増加している。この増加は、新たな設備投資や他の長期資産への投資が活発に行われていることを意味しており、同社が成長または技術革新を目指していることを示唆している。このような投資は短期的にはキャッシュ・フローを圧迫するものの、長期的な収益性と企業価値の向上を図るための重要なステップであると弊社では見ている。財務活動によるキャッシュ・フローは、2023年3月期と2024年3月期の支出額はそれぞれ513百万円、507百万円と安定している。これは、借入金の返済や配当支払いなど、外部からの資金調達が少ないことを意味しており、企業が内部留保を増やしつつ、外部依存度を低く保っていることが窺える。現金及び現金同等物の期末残高は、2023年3月期の5,193百万円から2024年3月期には5,065百万円へとわずかに減少している。この減少は、活発な投資活動によるものである可能性が高く、企業が手元資金を使って将来の成長を見込んでいることが考えられる。
2024年3月期の1株当たりの当期純利益(EPS)は83.42円、自己資本当期純利益率(ROE)は2.8%、総資産経常利益率(ROA)は4.0%となった。収益性の指標であるEPS、ROE、ROAが全体的に減少傾向にある。特に、2020年3月期に高いパフォーマンスを示した後、2024年3月期にかけてこれらの指標が顕著に低下している。EPSは2020年3月期の最高値から減少を続け、2024年3月期には大幅に落ち込んでいる。この傾向は利益生成能力が低下していることを示している。同様に、ROEとROAの低下も見受けられる。これらの低下は運用効率が低下していること、及び資産利用の効果が落ちていることを意味する。この結果は、激しい市場の変動などに起因する可能性もあるため、出来るだけ早い段階で市場動向を捉え、それに向けた経営戦略の見直しが重要になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
■精工技研<6834>的業績動向
3. 財務狀況
從2024年3月期末的財務狀況來看,總資產爲32,226百萬日元(比上一期增加了883百萬日元),其中流動資產增加明顯,特別是現金及存款、應收賬款增加較多。整個流動資產相比上一期增加了979百萬日元,這表示該公司的即時可用資產增加,短期的財務狀況得到了改善。與此同時,固定資產也減少了96百萬日元,主要是由於建築物和機器設備的折舊導致的。這反映了資產的正常價值下降,並表明已進行了計劃性的資產管理。至於負債方面,流動負債上升了114百萬日元,達到了3,425百萬日元,這是因爲未繳納的消費稅等短期債務增加了。而固定負債也上升了58百萬日元,達到了1,614百萬日元,這主要是由於退休福利負債和役員股票獎勵撥備金增加所致。淨資產從上一期增加了710百萬日元,達到了27,186百萬日元,這是由於留存利潤以及匯兌調整帳户的增加所致,表明企業的自有資本得到了加強,建立了穩定的財務基礎。總體而言,流動資產增加改善了即時的財務狀況,固定資產的減少體現了計劃性的資產管理,短期和長期債務的管理得到了適當化,淨資產的增加加強了自有資本。這些說明企業正追求持續不斷的成長和穩定,以應對未來的不確定性。
經營活動所產生的現金流量在2023年3月期爲2,299百萬日元,在此期間企業的主要業務活動創造了良好的收益。然而,到2024年3月期,這一數字已經減少到了1,797百萬日元。儘管有可能是由於銷售下降和盈利能力下降導致的,但它仍然保持了正現金流量,這對該公司是積極的。投資活動所產生的現金流量在兩個時間段內均爲負數,但2024年3月期的支出從2023年3月期的950百萬日元增加到了1,533百萬日元。這種增加意味着公司正在積極投資於新設備和其他長期資產,表明該公司正追求增長或技術革新。這種投資可能在短期內對現金流量產生壓力,但對於實現長期盈利和企業價值的提升來說,是重要的一步,我們在此將其視爲重要的經營策略。財務活動所產生的現金流量,在2023年3月期和2024年3月期的支出分別爲513百萬日元和507百萬日元,保持穩定。這意味着來自外部的資金調控較少,如借款的償還和分配股息等,該公司增加了內部留存,同時保持了對外部資金的依存度較低。現金及現金等價物期末餘額從2023年3月期的5,193百萬日元略微降至2024年3月期的5,065百萬日元。這種下降可能是由於積極的投資活動所致,表明企業正在利用手頭的資金,以期待未來的增長。
2024年3月期的每股收益(EPS)爲83.42日元,自有資本淨利潤率(ROE)爲2.8%,總資產經常利潤率(ROA)爲4.0%。反映收益性的指標EPS、ROE和ROA總體上呈下降趨勢。特別是在2020年3月期表現良好後,這些指標在2024年3月期有顯着下降的趨勢。EPS從2020年3月期的最高點開始下降,到2024年3月期大幅下降。這一趨勢表明了盈利能力的下降。同樣,ROE和ROA也在下降。這些下降表明瞭運營效率的下降,以及資產利用效果的下降。這種結果可能是由於激烈的市場波動等原因引起的,因此捕捉市場趨勢並對經營戰略進行審視儘早地變得重要。
(撰寫:FISCO資深分析師中山博詞)