■富士紡ホールディングス<3104>の会社概要
(c) 生活衣料事業(旧 繊維事業)
B.V.D.を中心に高品質なアンダーウエアの製造・販売を行っている。B.V.D.とアングルの2ブランドで生活衣料事業売上高の75%を占める。採算性の高い製品への絞り込みにより、今では営業利益率11.2%を達成している。特に、Eコマース販売(ネット販売)の強化により、新規顧客開拓と顧客ニーズにきめ細かな対応を図っている。Eコマース販売は2005年からスタートし、2017年の中期経営計画からさらに注力して取り組んでいる。
同社の子会社アングル(株)(旧 アングル・ミユキ(株))は2012年に東洋紡<3101>から買収した。元々、百貨店中心の高級インナーウエアを販売していたが、百貨店販売が不振続きで在庫を積み上げて儲からなくなった。そこで百貨店販売を縮小しEコマース販売へシフトした格好だ。2020年に(株)フジボウアパレルとアングルが合併し、Eコマース販売を加速化している。他にも、一部高級ブランドにも取り組んでいる。ビキューナを使った超高級肌着、B.V.D.高級タイプ(ヘビーウエイトシリーズ)、夏用大人気商品「涼ブラ(約33g軽量)」などがある。
同事業は最盛期には売上高が数百億円規模であったが、その後長期的な繊維不況に陥り、不採算製品の縮小・撤退や在庫縮減など地道な合理化活動を進め、利益が出る体質になった。今では売上高の規模は縮小したものの、ビジネスモデルをEコマースへ転換することで高効率販売と低コスト構造を実現し、高収益体質の事業転換に成功した。縫製工場はタイ工場に集約し、国内や中国の縫製工場はすべて撤退することで身軽になった。コアコンピタンスも、従来のモノづくりからマーケティング、商品企画、ブランディングなどにシフトし、リソース(ヒト、モノ、カネ、情報)も大きく入れ替えた。
(d) その他(化成品)事業
同社の化成品事業は、精密機械・医療分野で高評価される射出成形技術で成形加工の事業を展開してきた。2018年には樹脂金型の(株)東京金型を子会社化した。これにより、上流(金型の設計・製造)と下流(射出成形)の一気通貫プロセスが実現し、顧客にとっての選択肢が広がった。東京金型は自動車Tier1(自動車部品)との取引があり、同社の新しい取引先拡大に貢献している。また、2022年には(株)IPMを買収した。精密小型金型分野での金型の幅広いラインナップ化と金型・射出成形品を合わせた提案強化ができるようになり、顧客の多様なニーズに応えている。
化成品金型市場は、不採算金型企業と競争力のある高収益金型企業に二極化する傾向があるが、東京金型やIPMは後者の高収益金型企業である。ちなみに、東京金型は、精度、価格、納期、品質面で自動車業界向けに競争力と知名度があり、顧客から厚い信頼を得ている。
射出成形事業(従来の社内ビジネス)と樹脂金型事業(東京金型、IPMの買収事業)は事業シナジーが強くあり、今後、同社の戦略事業と位置付け、“第4の柱”とすべく育てていく考えだ。
3. 特長と強み
(1) 顧客に選ばれるニッチNo.1
同社の中期経営計画「増強21-25」のあるべき姿の「顧客に選ばれるニッチNo.1」が特長及び強みである。「ニッチNo.1」には2つの意味があり、1つは一般に使われる「事業領域でのニッチポジション」、もう1つは「顧客のニーズにシッカリ応えるという意味でのニッチ」と称している。研磨材事業では、欧米トップシェア企業のデファクトスタンダード(標準化)戦略に対して、同社は独自開発のソフトパッドにより“小さな池で大きな魚になる”ことに成功している。また、化学工業品事業でも、大手化学メーカーが自社生産しない小ロット品の中間体製品の受託生産でニッチNo.1ポジションを築いている。
(2) 利益重視
同社は、「売上規模は追求しない。利益重視」を徹底している。この背景には、2006年から始まった「事業構造改革」を実践した経験が生かされている。実際に、旧 繊維事業は2006年には売上高500億円からリーマンショックの2008年には300億円まで縮小した。その間、合理化と構造改革を推進、複数の工場を閉鎖して赤字体質から脱却した。今では営業利益率10%台(2023年3月期下期から2024年3月期上期までの半導体不況期は除く)を達成し、高収益事業へ見事変身した。このストーリーを経営層や現場の幹部が体現しているので、新しい経営体制への移行後も、経営の軸はブレないと弊社では見ている。
(3) 繊維技術から派生した技術を応用
レーヨン技術の延長線上でフィルム加工技術や不織布技術へと発展してきた同社の技術は、元々繊維関連がベースである。研磨材(ソフトパッド)は、有機合成技術(ポリウレタン樹脂)、フィルム加工技術を活用したものである。一方、化学工業品もレーヨン材料(二硫化炭素)から派生したものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
■富士紡控股<3104> 公司概要
(c) 生活服裝業務(前身爲紡織品業務)
我們以B.V.D. 爲重點生產和銷售高品質內衣。這兩個品牌,B.V.D. 和 Angle,佔生活服裝業務銷售額的75%。通過將其範圍縮小到高利潤的產品,我們現在已經實現了11.2%的營業利潤率。特別是,通過加強電子商務銷售(互聯網銷售),我們正在開發新客戶並詳細響應客戶需求。電子商務銷售始於2005年,我們更加關注2017年的中期管理計劃。
該公司的子公司Angle Co., Ltd.(前身爲Angle Miyuki株式會社)於2012年從東洋紡<3101>手中收購。最初,他們以百貨商店爲中心銷售奢華內衣,但百貨商店的銷售持續低迷,庫存堆積,變得無法賺錢。因此,看來百貨商店的銷售額減少了,轉向了電子商務銷售。富士紡服裝有限公司和Angle於2020年合併,以加快電子商務銷售。除此之外,他們還在開發一些奢侈品牌。有使用駱馬的超奢華內衣,B.V.D. 豪華型(重量級系列),以及廣受歡迎的夏季產品 “涼爽文胸(輕量約33g)”。
在鼎盛時期,同一業務的銷售額達到數百億日元的規模,但隨後陷入了長期的紡織品衰退,並促進了穩定的合理化活動,例如縮減/撤出無利可圖的產品和減少庫存,從而實現了利潤。儘管銷售規模現已縮小,但通過將商業模式轉換爲電子商務,已經實現了高效銷售和低成本結構,高利潤的業務轉型取得了成功。服裝廠合併爲泰國工廠,國內和中國的服裝廠全部撤出,使它們變得更輕。核心競爭力也已從傳統制造轉移到營銷、產品規劃、品牌等,資源(人員、商品、資金、信息)也發生了巨大變化。
(d) 其他(化學產品)業務
該公司的化學產品業務已使用注射成型技術發展了成型加工業務,該業務在精密機械和醫療領域得到了高度評價。2018年,樹脂模具公司東京模具株式會社成爲子公司。因此,實現了上游(模具設計/製造)和下游(注塑成型)之間的一站式流程,客戶的選擇範圍也有所擴大。東京模具與1級汽車(汽車零部件)有交易,這爲公司新業務合作伙伴的擴張做出了貢獻。此外,IPM Co., Ltd. 於 2022 年被收購。現在,可以加強將精密小型模具領域的廣泛模具陣容與模具和注塑成型產品相結合的提案,並且可以滿足客戶的多樣化需求。
化學模具市場往往在無利可圖的模具公司和競爭激烈的高利潤模具公司之間出現兩極分化,但東京模具和IPM是後者的高利潤模具公司。順便說一句,東京模具在精度、價格、交付和質量方面具有競爭力,在汽車行業中廣爲人知,並贏得了客戶的強烈信任。
注塑業務(傳統的內部業務)和樹脂模具業務(東京模具,IPM收購業務)之間有很強的業務協同效應,其想法是將其定位爲公司的戰略業務並將其發展爲未來的 “第四支柱”。
3.特點和優勢
(1) 客戶選擇的第一利基市場
“客戶選擇的第一利基市場” 是公司的中期管理計劃 “增強21-25” 應該是什麼樣子,它是一個特點和優勢。“利基市場第一” 有兩個含義;一個是常用的 “商業領域的利基地位”,另一個被稱爲 “明確回應客戶需求的利基市場”。在磨料業務中,該公司成功地 “成爲小池塘裏的一條大魚”,其軟墊是根據西方頂級市場份額公司事實上的標準(標準化)戰略獨立開發的。此外,在化學工業產品業務中,主要化學品製造商通過合同生產非內部生產的小批量中間產品,已經確立了第一利基市場的地位。
(2) 專注於利潤
該公司表示:“我們不追求銷售規模。“關注利潤” 已得到徹底實施。其背景是實施始於2006年 “業務結構改革” 的經驗。實際上,由於雷曼衝擊,舊的紡織業務從2006年的500億日元縮減到2008年的300億日元。同時,促進了合理化和結構改革,關閉了多家工廠以擺脫赤字局面。它現在已經實現了10%的營業利潤率(不包括從截至2023/3財年的下半年到截至2024/3財年的上半年的半導體衰退期),並且已成功轉型爲高利潤業務。由於管理層和現場管理人員體現了這個故事,因此我們看到,即使過渡到新的管理體系,管理軸心也不會動搖。
(3)應用源自紡織技術的技術
該公司的技術已發展成薄膜加工技術和作爲人造絲技術的延伸的非織造技術,最初是基於纖維相關技術。研磨材料(軟墊)利用有機合成技術(聚氨酯樹脂)和薄膜加工技術。同時,工業化學產品也源自人造絲材料(二硫化碳)。
(由FISCO客座分析師清水敬二撰寫)