■今後の見通し
高島＜8007＞の2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.3%増の94,000百万円、営業利益で同14.4%増の2,000百万円、経常利益で同0.2%減の2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同66.9%減の1,600百万円を見込んでいる。建材セグメント、産業資材セグメント、電子・デバイスセグメントのすべてのセグメントで増収増益を見込む。特に、建材セグメントと産業資材セグメントは、連結子会社化した企業とのシナジーを追求し、同社が提供するソリューションの機能強化・拡充に注力することにより業績を拡大させていく方針だ。電子・デバイスセグメントは、事業環境の見通しは厳しいものの、営業活動を引き続き強化することにより業績を拡大させていく。連結ベースの営業利益に関しては、増収効果に加えて、岩水開発のM&A関連費用が剥落することや、同社を連結子会社化した効果が通年で発揮されてくることなども増益要因となる見通しだ。親会社株主に帰属する当期純利益が前期比66.9%減と大きく落ち込む想定であるのは、2024年3月期に固定資産の売却に伴い計上した特別利益がなくなることの反動であり、事業自体は順調な進捗を見込んでいる。
2025年3月期は中期経営計画「サステナV（バリュー）」の2年目にあたる。既に前倒しで2024年3月31日をもってプライム市場上場維持基準の全項目を充足したが、引き続き資本コストを意識しながら戦略的投資を積極化することにより企業価値向上に注力していく。なお、2025年3月期より同社は、アセットアロケーションの見直しと産業資材セグメントの事業再編に伴い、賃貸不動産セグメントを消滅させる形でセグメント区分を変更する予定である。またこれに伴い、従来、セグメントごとに配賦していたコーポレートコストを全社費用として独立させる方針だ。これにより、各セグメントにおける利益の状況、及び各部門が直接的に担う利益水準をより明確化する。
セグメントごとの見通しは、以下のとおり。
(1) 建材セグメント
売上高は前期比2.6%増の59,700百万円、セグメント利益は同3.2%増の2,050百万円を見込んでいる。各分野ともに提供機能の強化・拡充をより一層推進しながら利益を積み上げていく方針だ。大型物流施設や工場などの非住宅建築物をメインに扱う建設資材分野においては、堅調な市場推移を見込んでいる。そうしたなかで、岩水開発が持つ工事施工機能と高島の持つ販売機能を組み合わせることにより着実に受注を積み重ねていく。断熱資材分野に関しても市場のニーズは安定して推移することを見込んでいる。同分野に関しては、省エネに対するニーズが高まりを見せるなか、将来的な市場規模の拡大を見込んでいる。そうしたなか、顧客ニーズに沿った機能を確実に提供し、業績を拡大させていく方針だ。再生可能エネルギー資材分野に関しては、原油をはじめとする燃料コスト上昇を背景に、再生可能エネルギーに対するニーズが好調に推移することを見込んでいる。新エネルギー流通システムが持つ工事施工機能と高島の販売機能を組み合わせることにより、提供機能の強化・拡充を図りながら業績の拡大に注力していく。住宅資材分野に関しては、住宅着工件数の減少が見込まれるなど、厳しい市場環境となることを想定している。そうしたなかにあっても、顧客のニーズに丁寧に応え、業績を拡大させていく構えだ。
中期経営計画「サステナV（バリュー）」において同セグメントは、「EC市場の成長を背景に拡大する大型物流倉庫等の機能建材・省力工法」「災害対策・住宅高性能化」「工場や自治体などの自家消費型太陽光発電」「EV関連商材」をキーワードに拡大するニーズを業績に取り込んでいく戦略を掲げている。足元では、新エネルギー流通システムと岩水開発の連結子会社化により、同社の提供機能が強化・拡充されている状況だ。2025年3月期以降に関しても、戦略投資を実行する領域を明確化しながら業績の拡大に注力していく。
(2) 産業資材セグメント
売上高は前期比2.4%増の17,600百万円、セグメント利益は同4.7%増の750百万円を見込んでいる。自動車・医療・建築などをターゲット領域に営業強化、メーカー機能強化を図ることにより業績を拡大させていく方針だ。特に樹脂関連資材に関しては、顧客である自動車業界がEVマーケットへの過渡期にあるなか、EV向け物流資材をはじめとする市場の変化を的確に捉えた商材を提供することにより業績拡大を目指す。また、繊維関連資材に関しては引き続き円安を受けてアパレル業界のニーズが低迷することを見込んでおり、市場環境としては厳しい見通しだ。そうしたなかにあっても、OEMなどのより付加価値の高いソリューションを顧客に提供することにより、業績を堅持・拡大させていく。
「サステナV（バリュー）」においては「EV関連物流資材」「機能産業資材（耐火、防災、物流、医療関連）」をキーワードに多様化する顧客のニーズに的確に応え、業績を拡大させていく方針を掲げている。2024年4月からは、新たに子会社として高島インダストリーズ(株)を設立し、高島が担っていた産業資材事業を移管した。これは、変化の激しいビジネス環境に対応していくために、新たなガバナンス体制を構築し、産業資材セグメントに属するグループ会社の有機的連携を高め、さらに意思決定の迅速化や注力事業への機動的な人材投資などを図るなど、競争力の向上を目的としたものである。新会社の設立に伴い、同セグメントにおける戦略的投資の質と速度がさらに高まっていくことが期待される。
(3) 電子・デバイスセグメント
売上高は前期比12.9%増の16,700百万円、セグメント利益は同15.0%増の500百万円を見込んでいる。半導体供給不足問題は解消したものの民生電子機器市場の長期低迷により、製品在庫が積み上がる一方で、リードタイムの長期化により発生した過剰な部品在庫を消化できず、厳しい市場環境が継続することを見込んでいる。そうしたなかにあっても、顧客の求める電子デバイスを決められた納期に高い品質で納入するという基本を徹底していく。市場が低迷するなか、低価格戦略を武器に市場参入してくる競合もあるという。同社は技術と品質をキーワードに、従来からの強みにさらに磨きをかけることにより、適正な利益水準を確保していく方針だ。また、現中期経営計画「サステナV（バリュー）」の下で、引き続き省エネ対応デバイスをグローバルレベルで顧客に提供し、サステナ社会の実現に貢献していく。加えて、タイとベトナムの工場への投資による生産体制の強化も適宜実施していく方針だ。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎）
■未來展望
高島＜8007＞的2025年3月期合併業績預計爲：銷售額爲9.4億日元，同比增長4.3%；營業利潤爲2億日元，同比增長14.4%；經常利潤爲2億日元，同比減少0.2%；歸屬於母公司股東的當期淨利潤預計爲1.6億日元，同比下降66.9%。在建材、工業資料和電子/設備這三個板塊中，預計將在所有板塊中實現收入和收益的增長。特別是，建材和工業資料板塊將追求與子公司的協同作用，注重強化和拓展公司提供的解決方案的功能，以擴大業務。儘管電子/設備板塊市場環境不容樂觀，但公司將通過繼續加強營銷活動來擴大業務。除了收入效應之外，合併基礎營業利潤方面的收益因素包括：由於巖水開發的併購相關費用將削減和公司的子公司的收益將在全年內得到發揮。預計歸屬於母公司股東的當期淨利潤將大幅下降66.9%，這是由於2024年3月期固定資產售出所計入的特別利益的反彈，公司本身的業務進展是順利的。
2025年3月期是中期經營計劃“SustenaV（Value）”的第二年。儘管已提前在2024年3月31日兌現了主板上市維持標準的所有項目，該公司仍將繼續積極投資戰略，注意資本成本，以提高企業價值。此外，從2025年3月期開始，隨着資產配置的重新審視和工業資料板塊的業務重組，該公司計劃通過取消租賃房地產板塊的方式改變板塊分類。此外，該公司將把公司費用作爲全社會的費用。這將更清楚地說明每個板塊的收益水平以及每個部門所承擔的直接利潤水平。
各板塊的展望如下：
(1) 建材板塊
預計銷售額爲597億日元，同比增長2.6%，板塊收益爲20.5億日元，同比增長3.2%。在進一步推動所提供功能的強化和拓展的同時，將積累利潤。在非住宅建築領域，如大型物流設施和工廠，預計市場狀況將保持穩定。在此背景下，通過結合巖水開發的施工功能和高島的銷售功能，將穩步累計訂單。對於隔熱材料領域，預計市場需求將保持穩定。對於該領域，由於節能需求的增加，預計市場規模將擴大。在這種情況下，公司的方針是根據客戶需求，確保提供所需功能，以擴大業務。預計，在背景有原油等燃料成本上升的情況下，對再生能源的需求將穩步增長。通過結合新能源分銷系統的施工功能和高島的銷售功能，將注重業務擴張。對於住宅材料領域，預計住宅着工件數將下降，市場環境將變得嚴峻。在這種情況下，公司將認真回答客戶的需求，着眼於擴大業務。
在中期經營計劃“SustenaV（Value）”中，該板塊將以“大型物流倉庫等功能建築材料/省力施工法”“災害對策/住宅高性能化”“工廠/自治體等的自家消費型太陽光發電”“EV相關商材”作爲關鍵詞，將擴大需求並納入業務戰略中。目前，該公司的提供功能已通過新能源分銷系統和巖水開發的子公司化得到加強和擴充。在2025年3月期之後，該公司將明確戰略投資領域，並注重業務擴張。
(2) 產業資材分段
銷售額構成比例爲19.0％，是僅次於建材分段的業務分段。“樹脂相關資材”和“纖維相關資材”是兩個領域，從價值鏈的設計、製造到加工、銷售爲客戶提供廣泛的價值。同一分段的客戶和所提供的功能因領域而異，除了向汽車製造商和電器製造商提供物流資材（零件運輸用樹脂托盤等）之外，還展開了向政府機關提供纖維製品和爲品牌服飾開發生產能力的業務。
營業收入預計將增長2.4％，達到17,600百萬日元，預計該部門利潤將增長4.7％，達到750百萬日元。公司計劃通過加強汽車、醫療和建築等領域的業務，並加強制造能力以擴大業績。特別是在樹脂相關材料方面，客戶汽車業正在轉型至電動汽車市場，公司旨在提供準確把握EV市場變化的產品，包括EV物流配件等，以擴大業績。此外，對於纖維資材，由於受到日元貶值所帶來的影響，輕工業品行業需求增長放緩，市場環境預計將非常嚴苛。即使在這種情況下，公司也將通過向客戶提供更高附加值的解決方案以擴大經營業績。
在“Sustain V(Value)”的策略下，該公司將以“EV相關物流資材”和“功能性產業資材（耐火、防災、物流、醫療等）”爲關鍵詞，精準地響應多變的客戶需求，擴大業績。自2024年4月起，該公司新設立了子公司高島工業株式會社，並移交了高島負責的產業資材業務。該舉措旨在應對風起雲湧的商業環境，建立新的公司治理結構，加強產業資材部門的集團公司之間的有機協作，進一步加快決策速度，實現人力投資的機動性等，以提高競爭力。隨着新公司的成立，該部門內的戰略性投資質量和速度有望進一步提高。
(2) 產業資材分段
營業收入預計將增長12.9％，達到16,700百萬日元，預計該部門利潤將增長15.0％，達到500百萬日元。雖然半導體供應不足問題得到解決，但由於民生電子設備市場長期低迷，產品庫存不斷堆積，而過多的零部件庫存卻無法消化，預計市場環境將繼續嚴峻。即使在這種情況下，公司也將堅持將按時提供高質量的電子設備給客戶。在市場低迷的情況下，競爭對手採取了低價策略。該公司計劃以技術和質量作爲關鍵詞，進一步提高傳統優勢，以確保適當的利潤水平。此外，在現有中期經營計劃“Sustain V(Value)”的基礎上，該公司還將繼續在全球範圍內向客戶提供節能設備，併爲實現可持續發展做出貢獻。除此之外，該公司還計劃對泰國和越南的工廠進行投資，強化生產能力。
（作者：富士客座分析師清水陽一郎）
