■事業概要等
1. 空間シェアリングによる市場創造型の事業展開
ティーケーピー<3479>が主力としてきた「貸会議室ビジネス」は、不動産オーナーから遊休資産・低収益物件・不採算資産を割安で借り上げ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、シェアリングエコノミーとして付加価値を提供するというものである。不動産オーナーから不動産を賃貸などにより大口取引(割安)で仕入れ、貸会議室などに利用できるように照明・カーペット・壁紙などリノベーションを行うとともに、ケータリングや宿泊、各種オプションなど周辺サービスを付加する。顧客は主に会議室利用を求める法人であり、顧客側にとっては自社で会議室を保有するのに比べ、費用の削減、業務の集約化、多目的の利用が可能になるなどのメリットが多い。したがって、同社の事業は、大口取引を望む供給側と小口販売・シェアリングを望む需要側をうまくつないでいると言える。さらには、スペースにコンテンツサービス(運営オペレーションやシステム、研修パッケージ等)を付加したソリューション提供により、その時々の需要に機動的に対応していくことで、スペース当たりの収益性を向上させる方向性も描いている。
さらに「持たざる経営」にも特徴がある。仕入れは賃貸契約を主軸としているうえ、変動家賃(売上・利益歩合等)が約46%を占めるため、不動産価格や景気変動による業績への影響は比較的小さく、通常の不動産会社が有するリスクとは異なっていることに注目したい(ただ、安定的に高稼働率が期待できるホテル事業については、あえて一部を自社所有することにより高収益性を確保するとともに、いつでも流動化できるような準備をしている)。
2. 収益モデルの特徴
「貸会議室ビジネス」は、時間貸しによるフロー型の収益モデルである。TKP貸会議室の利用用途は多種多様であり、基本的な会議室の稼働に加え、料飲や企画、備品レンタル等の周辺サービスをどれだけ付加できるかが成長のポイントとなるため、同事業は稼働率ではなく「坪当たり売上高」をKPI(重要業績評価指標)としている。料飲の需要回復に加え、ソフト領域(イベントプロデュース等)の拡充により、「坪当たり売上高」の拡大を目指す方針である。オープンより平均3ヶ月で損益分岐点に到達し、12ヶ月で巡航速度に達することから、比較的早期に収益化が可能な収益モデルと言える。
3. 拠点ネットワーク
TKPは国内の主要都市を中心に235拠点・1,938室(14.4万坪)の法人向け貸会議室を展開している(2024年2月末時点)。利用目的や規模・予算などに合わせた6つのグレードに分かれており、単価の高いものから、エスクリ<2196>との共同ブランドである「CIRQ(シルク)」24施設・51室※1、ガーデンシティPREMIUM(GCP)30施設・341室、ガーデンシティ(GC)44施設・478室、カンファレンスセンター(CC)54施設・672室、ビジネスセンター(BC)23施設・176室、スター貸会議室27施設・55室で構成される。また、フランチャイズで運営する「アパホテル」、「レクトーレ」及び「石のや」等の宿泊施設内には33施設・165室※2を有している。
※1 2020年7月に全国で結婚施設を運営するエスクリとの資本業務提携により開始した。平日をメインにエスクリの遊休施設を共同ブランド「CIRQ」に転換し、顧客企業のパーティや懇親会の会場として活用するものである。
※2 このうち、直営施設は20施設である。
4. 周辺事業
ほかの貸会議室ビジネスを行っている企業との差別化要因の1つに周辺サービスの展開が挙げられる。同社は、料飲、オプション、宿泊などの提供を通じて、顧客の幅広いニーズに応えている。料飲については、ケータリング、弁当、カフェ、レストランからなり、特にケータリングや弁当は貸会議室での懇親会など食事を伴う用途展開に欠かせない周辺サービスとなってきた。なお、コロナ禍の影響により苦戦した料飲部門(ケータリング)については一旦縮小(外注化)したが、需要回復に伴い再度内製化を進めている。
また、同社は幅広いオプションも提供している。一例を挙げると、同時通訳システム・テレビ会議システムの提供、研修コーディネート、映像・音響・照明機材の設置・運用、オフィス家具や機材レンタルのほか、コロナ対策用備品などがあり、顧客の利便性を高める内容となっている。ここ数年は、コロナ禍をきっかけにオンラインイベント需要が増加したことで、ウェビナー案件が伸びてきたようだ。また、リアルイベントの再開とともに、エンターテインメント性の高いイベントをプロデュースする機会も増えており、スペースの販売からスペースでのコンテンツを提供する会社への進化に向けて、周辺サービスによる付加価値提供の重要性も高まっている。
さらには、顧客からの要望により宿泊研修施設(直営20施設)も提供しており、研修旅行や社員旅行の際などに使用されている。直営施設として、リゾート型セミナーホテル「レクトーレ」(6施設)、ハイクラスなリゾート型セミナー旅館「石のや」(伊豆長岡・熱海の2施設)、都市型リゾート宿泊施設「ベイサイドホテル アジュール竹芝」のほか、新たに開始した自社ブランドの「TKPサンライフホテル」※を運営している。また、フランチャイズ運営施設としては、会議室併設型のハイブリッドホテルとして「アパホテル」(10施設)を展開している(2024年2月末時点)。
※2022年12月1日にオープンした。地下鉄博多駅直結のロケーションにあり、「TKP ガーデンシティ博多筑紫口前」が入居しているビジネスホテル全体を引き継いだものである。同社ではアパホテルブランドによる展開を軸としているが、ほかの選択肢を持つことで様々な状況やニーズに柔軟に対応にしていく方針である。
昨今は大企業であっても、宿泊施設を自社で保有していることは少なく、また保有していてもコスト上、運営が難しいことが多い。同社はそのような企業ニーズを取り込み、リピート率の向上を狙う。また、高級旅館として有名な「石亭」は稼働率の低さから経営不振に陥っていたが、同社が「石のや」としてリブランディングし、平日の法人需要を取り込むことで経営を改善するなど、資産の有効活用の観点からもメリットが多い。加えて、貸会議室だけでなく、食事・機器・宿泊場所・交通手配までワンストップで一連のサービスが提供され、顧客にとって利便性の高い内容となっているのが、同社が幅広い顧客に支持されているゆえんと言える。足元ではアフターコロナに向けて、宿泊研修を通じたコミュニケーション活性化や、ワーケーションによる働き方改革を進める企業も出てきており、需要は拡大傾向にあるようだ。今後はアジア各国で需要が高まるインバウンドMICE※の取り込みも見据える。
※企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。(国土交通省観光庁のホームページより引用)
5. 顧客
TKPの顧客基盤は3万社以上に上るが、そのうち約2,000社が上場企業で、上場企業の半数以上が利用している。裾野の広い顧客基盤を有する一方、売上上位500社で売上高の半分を構成しており、大手企業を中心とした上位顧客の構成比(利用頻度及び利用単価)が高い構造と言える。ヘビーユーザーに対しては法人営業担当者の積極的な提案・細やかな対応により顧客の深掘りを図る一方、単発利用のライトユーザーについてはコールセンターやTKP貸会議室ネットを活用したオペレーションで効率化を図っている。また、既存顧客が売上高の約85%を占めており、高いリピート率を誇る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■業務概述等
1。通過空間共享創造市場的業務發展
以TKP <3479>爲主力的 “租賃會議室業務”,以低廉的價格向房地產所有者出租閒置資產、低利潤房產和無利可圖的資產,“再生” 會議室、宴會廳等 “空間”,並作爲共享經濟提供附加價值。通過租賃等以大宗交易(低廉的價格)從房地產所有者那裏購買房地產,並對照明、地毯、牆紙等進行翻新,使其可用於出租會議室等,並增加了餐飲、住宿和各種選擇等外圍服務。客戶是主要需要使用會議室的公司,與內部擁有會議室相比,客戶方面有許多好處,例如降低成本、整合運營以及多用途的可能性。因此,可以說,該公司的業務成功地將供應方(需要大筆交易)和需求方(想要小額銷售和共享)連接起來。此外,它還描繪了通過在空間中添加內容服務(運營運營、系統、培訓包等)的解決方案來提高每個空間的盈利能力的方向,以靈活地應對不時需求。
此外,“無所有權的管理” 也有其特點。購買以租賃協議爲中心,由於可變租金(銷售/利潤率等)約佔46%,因此我想指出的是,經濟波動對房地產價格和業務業績的影響相對較小,這與普通房地產公司面臨的風險不同(但是,對於可以預期入住率穩定的酒店企業來說,他們敢於在內部擁有部分酒店業務,從而確保了高盈利能力,而且正在進行準備工作,以便可以在以下時間將其清算任何時候)。
2。收入模式的特徵
“會議室租賃業務” 是一種基於小時租金的流量型盈利模式。TKP租賃會議室的用途多種多樣,由於增長點是除了基本會議室的運營外,還可以增加多少外圍服務,例如食品和飲料、規劃、設備租賃等,因此同一企業使用 “每平方米銷售額” 作爲KPI(關鍵績效評估指數),而不是佔用率。除了恢復對食品和飲料的需求外,該政策還旨在通過擴大軟件區域(活動製作等)來擴大 “每平方米的銷售額”。由於開盤後平均在3個月內達到盈虧平衡點,並且在12個月內達到巡航速度,因此可以說這是一種可以相對較早獲利的盈利模式。
3.地點網絡
TKP擁有235個地點和1,938個房間(14.4萬坪)的企業租賃會議室,主要位於日本的主要城市(截至2024年2月底)。它分爲符合用途、規模、預算等的6個等級,單價很高,“CIRQ(絲綢)” 24個設施/51間客房*1,花園城市高級間(GCP)30個設施/341間客房,花園城市(GC)44個設施/478個房間,會議中心(CC)54個設施/672間客房,商務中心(BC)23個設施/176個設施/176個設施客房,星級租賃會議室它由27個設施和55個房間組成。此外,在 “APA酒店”、“Lectore” 和 “石之屋” 等住宿設施內還有33個設施和165個房間*2,這些設施是特許經營的。
*1 它通過與ESCRI的資本和商業聯盟於2020年7月啓動,ESCRI在全國範圍內運營婚姻設施。主要在工作日,ESCRI的閒置設施將改建爲聯合品牌 “CIRQ”,並用作客戶公司聚會和社交聚會的場所。
*2 其中,20 個是直接管理的設施。
4。周邊業務
外圍服務的發展是區別於其他從事會議室租賃業務的公司的因素之一。該公司通過提供食物和飲料、選項、住宿等來滿足廣泛的客戶需求。至於食品和飲料,它包括餐飲、便當盒、咖啡館和餐廳,特別是餐飲和便當盒已成爲涉及餐飲的應用的基本外圍服務,例如出租會議室的社交聚會。請注意,受 COVID-19 疫情影響而陷入困境的食品和飲料行業(餐飲業)暫時減少(外包),但隨着需求的恢復,內部生產再次得到提高。
此外,該公司還提供廣泛的選擇。例如,除了提供同聲傳譯系統和視頻會議系統、培訓協調、視頻/音頻/照明設備的安裝/操作、辦公傢俱和設備租賃外,還有 COVID-19 對抗設備等,內容增強了客戶的便利性。在過去的幾年中,在 COVID-19 大流行之後,對在線活動的需求有所增加,而且網絡研討會項目似乎有所增長。此外,隨着真實活動的恢復,舉辦娛樂性極強的活動的機會也在增加,隨着我們從銷售空間發展到在空間中提供內容的公司,通過外圍服務提供附加值的重要性也在增加。
此外,還應客戶的要求提供住宿培訓設施(20個直接管理的設施),用於學習旅行、員工旅行等。除了度假型研討會酒店 “Lectore”(6個設施)、高級度假村研討會日式旅館 “石之屋”(伊豆長岡/熱海的2個設施)和城市度假住宿設施 “Bayside Hotel Takur Azur” 之外,這些設施還作爲直接管理的設施使用 Eshiba,” 我們還經營我們新推出的內部品牌 “TKP Sunlife Hotel” *。此外,作爲特許經營設施,“APA酒店”(10個設施)正在開發爲帶會議室的混合酒店(截至2024/2年底)。
*於 2022/12/1 開業。它與博多地鐵站直接相連,並接管了 “TKP花園城博多筑紫口前” 所在的整個商務酒店。該公司專注於APA Hotel品牌的開發,但其政策是通過其他選擇靈活應對各種情況和需求。
如今,即使是大公司也很少擁有內部住宿設施,即使有,由於成本原因,通常也難以運營。該公司滿足了這些企業需求,旨在提高重複率。此外,以高級日式旅館而聞名的 “Sekitei” 由於入住率低而陷入了管理不善,但該公司將其更名爲 “石之屋”,並通過捕捉工作日的企業需求來改善管理,因此從有效利用資產的角度來看,有很多優勢。此外,不僅提供會議室租賃,還提供包括餐食、設備、住宿場所、交通安排在內的一站式系列服務,可以說,公司之所以得到廣大客戶的支持,對客戶來說是非常方便的。目前,各公司正在通過住宿培訓振興溝通,並通過工作場所促進工作方式改革,爲後COVID-19疫情做準備,需求似乎在擴大。未來,我們還預計將採用入境MICE*,亞洲國家的需求將增加。
* 它是公司會議(會議)、公司舉辦的獎勵旅行(獎勵旅行)等、國際會議(大會)、展覽/交易會以及國際組織、組織、學術團體等舉辦的活動(展覽/活動)的縮寫,是預計會有許多客戶交流的商業活動的總稱。(引自國土、基礎設施、交通和旅遊部網站)
5. 客戶
TKP的客戶群超過30,000家公司,其中約2,000家是上市公司,超過一半的上市公司使用它。儘管它擁有廣泛的客戶群,但前500強的銷售公司佔銷售額的一半,可以說,這是一個以主要公司爲中心的頂級客戶的構成比例(使用頻率和使用單價)很高的結構。雖然我們的目標是通過積極的提案和企業銷售代表對重度用戶的詳細回應,深入了解客戶,但我們正在利用呼叫中心和麪向一次性輕型用戶的TKP租賃會議室網絡來提高效率。此外,現有客戶約佔銷售額的85%,並且重複率很高。
(由 FISCO 客座分析師柴田鬱夫撰寫)