■事業概要
1. 事業セグメントの概要
三機工業<1961>の事業は、建築設備事業・プラント設備事業・不動産事業の3つのセグメントに分けられる。同社は主に各種設備の設計及び施工管理を行っている。受注形態は施主から直接受注する場合とゼネコン経由の間接受注があるが、比率的にはほぼ半々となっている。
受注金額は案件次第であり、数百万円から数十億円と幅が広いが、近年では100億円超の超大型案件も出てきているようだ。工期(受注から売上まで)も数週間から長いものは数年に及ぶ。利益率も案件ごとに異なるが、労務費や資材コスト、工程管理等の影響により、売上時の利益率が当初の計画から変動する場合もある。
(1) 建築設備事業
建築設備事業は、オフィスビル・学校・病院・ショッピングセンター・工場・研究施設などの設備の企画・設計・施工・保守・改修などを行う。同部門で扱う内容は多岐にわたっており、さらに細かく以下の営業種目(サブセグメント)に分かれている。
a) ビル空調衛生
オフィスビルや学校・病院・デパート・ホテル・倉庫などの一般建築物や施設向けの空調設備、給排水・衛生設備、地域冷暖房施設、さらに厨房設備、防災設備などを提供する。
b) 産業空調
工場・研究施設向け産業空調設備全般、特に同社が強みを有している半導体業界や医薬・食品業界工場向けのクリーンルーム設備や化学メーカー、医療機器メーカー向けなどの特殊な空調設備及び付帯設備、さらに自動車メーカー向けの環境制御装置などを提供する。歴史的背景もあり、同社が特に強い分野である。
c) 電気
電気設備、情報・通信関連設備、電気土木などを提供する。
d) ファシリティシステム
金融機関等の事務所やディーリングルームの構築、移転に伴うプロジェクトマネジメントサービスやコンサルティングサービスの提供、大型ビルの中央監視・自動制御システム、IPソリューション、ネットワークソリューション、BCPソリューションなどを提供する。
(2) プラント設備事業
プラント設備は、さらに機械システムと環境システムの2つのサブセグメントに分けられる。
a) 機械システム
工場や自動倉庫向けに各種搬送機器(コンベヤ、仕分け機器など)や搬送システム、いわゆる「マテハンシステム」などを提供する。需要は民間企業が中心で、設備投資動向に左右される。
b) 環境システム
水処理施設(上下水処理設備、産業排水処理設備、汚泥処理設備、汚泥焼却設備など)、廃棄物処理施設(ごみ焼却施設、ごみ埋立汚水処理施設)などを提供する。主な顧客は地方自治体等である。
(3) 不動産事業
工場跡地などの遊休地を利用して、不動産賃貸業務と建物管理業務を行っている。
2. 特色と強み、競合
(1) 幅広い事業領域とワンストップでの問題解決
国内には、同社と同様の建築設備を提供する企業は無数にある。そのような業界のなかで、同社の強みはビル空調衛生、産業空調、電気、ファシリティシステム、ビル制御システム、搬送、水処理など幅広い事業領域を持っていることである。多くの設備やソリューションを、企画・設計から施工・保守メンテナンス・改修・建替まで建物のライフサイクルに応じて一括で提供することが可能であり、顧客はワンストップでの問題解決や発注が可能となる。また幅広い事業を横断的に融合した「総合エンジニアリング」と「ライフサイクルエンジニアリング」によって、最適で付加価値の高いシステムを提供できることが特色であり、同社の強みとなっている。
(2) トップクラスの技術力と優良な顧客基盤
戦前から培われた高い技術力は同社の強みであり、国内トップクラスの水準と言える。磨かれた技術力は幅広い分野に及ぶ。また、長い歴史のなかで積み重ねてきた実績が信頼につながっており、この信頼関係に基づく豊富で優良な顧客基盤も同社の強みだろう。戦前の実績は言うに及ばず、戦後の高度成長期の東京オリンピックも含めた数多くの実績が「あべのハルカス」や「東京ミッドタウン日比谷」などの大型プロジェクトの受注につながったとも言える。
3. 主な競合企業
競合する企業は正確に言うと事業領域ごとに異なる。大手総合建築設備領域の主な競合企業は、大手である高砂熱学工業<1969>、新菱冷熱工業(株)、ダイダン<1980>、大気社<1979>などである。これらの大手各社と比較した場合の同社の強みは、事業領域が幅広いことと、特に産業空調(クリーンルーム等の工場系空調)に強いことだろう。
4. 受注高推移と経済環境
業績を左右するうえで最も重要なのは受注高である。毎年の受注高は同社の営業努力に加えて市場全体、つまりマクロ経済の影響が大きいと思われる。同社の主たる事業は建築設備であるため、マクロ経済指標の「民間非住宅建設投資」と対比すると同社の受注高は、同じような推移が見られる。そのため同社の受注高と民間非住宅建設投資は、かなり連動性が高いと言えそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■事業概要
1. 業務部門概述
三機工業<1961>的業務分爲建築設備業務、工程設備業務和房產業務三大部門。該公司主要進行各種設備的設計和施工管理。訂單形式包括從業主直接接單和通過總承包商間接接單,但比例上幾乎是各佔一半。
訂單面值根據項目而異,從數百萬到數十億日元不等,近年來也出現了超100億日元的大型項目。工期(從接單到銷售)也有幾周到最長几年的差異。利益率因項目而異,但由於勞務費、材料成本、工程管理等因素,銷售時的利益率可能會與初始計劃變動。
(1) 建築設備業務
建築設備業務涉及辦公大樓、學校、醫院、購物中心、工廠、研究設施等的設備規劃、設計、施工、維護和改造。該部門涵蓋的內容廣泛,進一步細分爲以下的營業項目(子部門)。
a) 大樓空調衛生
爲辦公大樓、學校、醫院、百貨商店、酒店、倉庫等一般建築物和設施提供空調設備、給排水衛生設備、區域冷暖設施,以及廚房設備、防災設備等。
b) 工業空調
爲工廠和研究設施提供工業空調設備,特別是公司在半導體行業以及藥品和食品行業工廠的潔淨室設備和化學品製造商、醫療設備製造商專用的特殊空調設備及其附屬設備,此外,還提供汽車製造商的環境控制系統等。由於歷史背景,這也是公司特別強的領域。
c) 電力
提供電力設備、信息和通信相關設備、電力土木等。
d) 設施系統
提供金融機構等辦公室和交易室的建設、搬遷相關的項目管理服務和諮詢服務,同時提供大型建築的中央監控及自動控制系統、IP解決方案、網絡解決方案、BCP解決方案等。
(2) 工廠設備業務
工廠設備可以進一步分爲機械繫統和環境系統兩個子細分市場。
a) 機械繫統
爲工廠和自動倉庫提供各種輸送設備(輸送機、分揀設備等)以及輸送系統,即所謂的「物料搬運系統」。需求主要來自民營企業,受設備投資趨勢影響。
b) 環境系統
提供水處理設施(污水處理設備、工業廢水處理設備、污泥處理設備、污泥焚燒設備等)和廢棄物處理設施(垃圾焚燒設施、垃圾填埋污水處理設施)等。主要客戶爲地方政府等。
(3) 房產ETF業務
利用工廠遺址等閒置土地開展房產租賃業務和建築管理業務。
2. 特色與優勢,競爭情況
(1) 廣泛的業務領域和一站式問題解決
國內有無數公司提供與該公司類似的建築設備。在這樣的行業中,該公司的優勢在於擁有廣泛的業務領域,包括建築空調衛生、工業空調、電力、設施系統、建築控制系統、搬運和水處理等。能夠從規劃、設計到施工、維護、改修和重建等整個建築生命週期內提供多種設備和解決方案,客戶可以實現一站式的問題解決和下單。此外,通過跨行業融合的 "綜合工程 "和 "生命週期工程 ",能夠提供最優和高附加值的系統,這也是該公司的特色和優勢所在。
(2) 頂級的技術力量和優良的客戶基礎
從戰前培養起來的高技術實力是該公司的優勢,可以說是國內頂級水平。經過磨鍊的技術力量涉及廣泛的領域。此外,積累的豐富歷史業績也帶來了信任,這種基於信任關係的豐富優良客戶基礎也是該公司的強項。從戰前的業績不必多說,戰後的高速增長期,包括東京奧運會在內的衆多成就也都爲 "阿倍野哈魯卡斯 "和 "東京中城日比谷 "等大型項目的承接奠定了基礎。
3. 主要競爭企業
嚴格來說,競爭企業因業務領域而異。建築設備領域的大型綜合競爭企業主要是大型的高砂熱學工業(<1969>)、新菱冷熱工業(株)、Dai(<1980>)和大氣社(<1979>)等。與這些大型公司相比,該公司的優勢在於業務領域廣泛,尤其在工業空調(如無塵室等工廠空調)方面具有較強的優勢。
4. 收單高推移與經濟環境
影響業績的最重要因素是收單高。每年的收單高不僅取決於公司的銷售努力,還受到整體市場,即宏觀經濟的影響。由於該公司的主要業務是建築設備,宏觀經濟指標 "民間非住宅建設投資 "與該公司的收單高基本呈現相似的趨勢。因此,可以說該公司的收單高與民間非住宅建設投資之間具有較高的聯動性。
(作者:日經FISCO客座分析師 寺島昇)