■会社概要
萩原電気ホールディングス<7467>は、創業者である萩原忠臣(はぎわらただおみ)氏がアンリツ<6754>勤務を経て1948年に無線機などの電気製品の修理業として創業した。当初は、日本電気<6701>(NEC)の販売特約店として電子部品販売をしており、1960年代後半に自動車分野へ進出、これを機に事業を拡大し、現在はデンソーなどトヨタグループを主要取引先としている。1995年に店頭市場(その後、東京証券取引所(以下、東証)JASDAQ市場)に上場し、2014年11月には東証市場第1部、名古屋証券取引所(以下、名証)市場第1部に市場変更した。なお、2022年4月の東証市場区分再編に伴いプライム市場に移行、名証市場区分再編に伴いプレミア市場に移行している。
■事業概要
自動車向けを中心とした半導体商社だが、近年ではソリューション事業が拡大中
1. 事業内容及びセグメント別概要
同社の主たる事業は、SoCやマイクロコンピュータ(マイコン)、各種半導体などを半導体メーカーから仕入れ、販売する半導体商社としての事業であるが、それに加えIT機器の仕入れ、販売やインテグレーション、産業用電子機器の開発、製造、販売も行っている。売上高の約89%(2024年3月期)が自動車関連企業向けであり、単なる部品や部材の販売だけでなく、商品企画・設計段階から参画して、顧客企業の要望に沿ったスペックのマイコンや周辺デバイスの提供、システム開発なども行っている。ハイブリッド車やEVの普及、ADASの進展に伴う電装化の高まりが同社の成長を支えているが、今後は自動車のさらなる自動化(自動運転、自動ブレーキ等)やBEVやSDVの普及、製造現場でのIT化の波も同社にとって追い風になると弊社では見ている。
同社は、2018年4月から持株会社制へ移行したが、これに伴いセグメントの名称も「デバイス事業」と「ソリューション事業」へ変更した。また、重要な社内組織として「開発生産本部」が関わっている。概要は次のとおり。
(1) デバイス事業(2024年3月期売上高比率87.1%)
主に自動車関連企業向けに、SoC、マイコン、カスタムLSI、アナログ・パワー半導体、コンデンサ、リレー、コネクタ、カラー液晶パネルなどの半導体、電子部品の販売を行う。また、カスタムLSIの設計や組込ソフトウェア/ハードウェア開発支援などの技術サポートも展開する。
具体的には、次世代モデルの企画時に顧客メーカーの機能面の要望を聞き取り、それを実現する最適なマイコンを含めた周辺デバイスを提案している。またデバイスの開発時には、マイコンの性能や各種開発ツールの技術面でのサポート、デバイスの動作確認や評価を行い、量産時にはそのデバイスを適時供給するというワンストップソリューションを提供する。
(2) ソリューション事業(同12.9%)
IT機器、組込機器及び計測・FA機器の販売とITプラットフォーム基盤・IoTシステムの構築を核とし、自社製品である産業用コンピュータの開発、製造や各種FA・特殊計測システムの設計・製造も手掛け、これらを組み合わせた各種ソリューションを提供する提案型のビジネスを行っている。近年はサイバーセキュリティ対策からのネットワーク再構築サービスや、データ利活用、業務オペレーションの自動化、エッジ、IoTシステムや生産管理システムなどのインフラ整備やシステム開発などに注力している。
また、事業領域拡大に向けM&Aを積極化させており、2022年に生産ラインの加工・組立・搬送技術を持つ萩原エンジニアリングを、2024年にオリジナルのIoTデータプラットフォームを持つベラダティをグループに加えている。
(3) 開発生産本部
ソリューション事業の1つの事業部門であり、電子・情報プロダクツの開発、製造に取り組む。
同部門では、各産業分野に対応したタイムスケールを最重要課題とし、効率と環境を追求した信頼できる電子機器や組込ソリューションを提案する。同社が長年携わってきた産業機器・計測制御機器の開発における経験を新しい技術と融合させ、多岐にわたる分野に応用している。
2. 特色、強み
同社の主力事業はルネサスエレクトロニクス<6723>から半導体を仕入れ、主にトヨタグループに販売する「商社事業」であるが、同社の場合は単に商品を右から左へ流すだけでなく、以下のような特色や強みを持っている。
(1) 提案力・開発力
同社は自社内に開発、技術サポート部門(技術者)を有していることから、提案力・開発力に優れている。特にトヨタグループと密接な関係にあり、同グループのニーズを的確に把握し、その内容を半導体メーカーにフィードバックすることで最適なデバイスを提供している。
また、独自の知識や技術を結集し、ユーザーのニーズに最適な製品やモジュールなどを提案するほか、顧客の要求に応じ開発支援も行っている。同社は顧客に対して「提案できる」、さらに顧客が求める製品を「開発できる」商社と言える。
(2) トヨタグループとの太いパイプ
トヨタグループとの関係は単に生産面での恩恵(トヨタグループの生産増→同社の売上増)だけでなく、ハイブリッド車、EVなどの次世代自動車で高い技術を有するトヨタグループとのビジネスにより、同社の技術力・提案力・開発力にも一段と磨きがかかる。
現在、この技術力・提案力・開発力を自動車関連企業だけでなく各種の産業機器やFA機器、生産システム、検査システムなどに応用することに取り組んでおり、将来の事業拡大が期待できる。世界で最も要求が厳しいと言われるトヨタグループとの関係そのものが、同社の財産とも言える。
(3) 非自動車関連企業向けの技術力
同社の売上高の約11%(2024年3月期)は非自動車関連企業向けだが、この大部分はIT企業としてのシステム構築などである。特に生産現場でのシステム構築に強い。ソリューション事業の売上高(2024年3月期は29,023百万円)及び営業利益(同2,040百万円)は、一般的な上場システムインテグレーター(SI)企業の売上高及び利益規模に匹敵し、このようなSI機能を持っていることも同社の特色であり、強みでもある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■公司資料
萩原電氣控股有限公司<7467>由創始人萩原忠臣(はぎわらただおみ)於1948年成立,最初作爲無線電設備等電力產品的修理業務,萩原忠臣曾在安利士(アンリツ)<6754>工作。起初作爲日本電氣<6701>(NEC)的銷售特約店銷售電子元器件,1960年代後期進軍汽車領域,藉此機會擴大了業務,目前主要客戶包括電裝等豐田集團。1995年在店頭市場上市(後爲東京證券交易所(下稱東證)JASDAQ市場),2014年11月更改爲東證市場第1部和名古屋證券交易所(下稱名證)市場第1部。值得一提的是,2022年4月東證市場區分重組後轉入主板市場,名證市場區分重組後轉入高級市場。
■事業概要
這是以汽車爲中心的半導體商社,但近年來解決方案業務正在擴大。
1. 業務內容及各個細分市場概況
公司的主要業務是作爲半導體商社,從半導體製造商採購SoC、微型計算機(單片機)及各種半導體等,並進行銷售。此外,還涉及IT設備的採購、銷售和集成、工業電子設備的開發、製造和銷售。約89%的營業收入(2024年3月期)來自汽車相關企業,除了單純地銷售元件和材料外,還參與產品策劃和設計階段,提供符合客戶公司需求的單片機和周邊設備的規格,以及系統開發等。隨着混合動力汽車和電動車的普及,以及ADAS的發展,電氣化的趨勢也支撐着公司的增長,但我們認爲,未來汽車進一步的自動化(無人駕駛、自動基礎制動等)以及BEV和SDV的普及,製造現場的IT化浪潮也將對公司產生利好影響。
公司自2018年4月起轉爲持股公司制,隨之也將細分市場的名稱更改爲「設備業務」和「解決方案業務」。同時,「開發生產總部」作爲一個重要的內部組織參與其中。概況如下。
(1) 設備業務(2024年3月期營業收入比例87.1%)
主要面向汽車相關企業,銷售SoC、微控制器、自定義LSI、模擬電源半導體、電容器、繼電器、連接器、彩色液晶面板等半導體、電子元器件。此外,還提供自定義LSI的設計和嵌入式軟體/硬件開發支持等技術支撐。
具體來說,在下一代模型規劃時,聽取客戶製造商在功能上的要求,並提出包含最優微控制器的周邊設備。此外,在設備開發時,提供微控制器性能和各種開發工具的技術支持,進行設備的動作確認和評估,在量產時及時供應這些設備,提供一站式解決方案。
(2) 解決方案業務(佔比12.9%)
以IT設備、嵌入式設備及測量FA設備的銷售和IT平台基礎建設、物聯網系統構建爲核心,致力於自有產品工業用計算機的開發、製造,以及各種FA和特殊測量系統的設計、製造,開展結合這些項目的各類解決方案的提案型業務。近年來,重點關注網絡重建服務以應對網絡安全措施、數據利用、業務操作自動化、邊緣、物聯網系統及生產管理系統等基礎設施建設和系統開發。
此外,積極推進M&A以擴大業務領域,2022年將擁有生產線加工、組裝、搬運技術的萩原工程納入集團,2024年將擁有原創物聯網數據平台的貝拉達提納入集團。
(3) 開發生產總部
是解決方案業務的一個部門,致力於電子和信息產品的開發、製造。
該部門將各行業領域的時間規模作爲最重要的課題,提供追求效率和環境的可靠電子設備和嵌入式解決方案。公司多年從事工業設備和測量控制設備開發的經驗與新技術融合,應用於多個領域。
2. 特色、強項
該公司的主力業務是從瑞薩電子<6723>採購半導體,主要銷售給豐田集團的"商社業務",但在該公司的情況下,不僅僅是簡單地將商品從右流向左,而是具有以下特色和優勢。
(1) 提案能力·開發能力
由於公司內部擁有開發和技術支撐位部門(技術人員),因此在提案能力和開發能力上表現出色。特別是與豐田集團保持密切關係,能夠準確把握該集團的需求,並將其內容反饋給半導體製造商,從而提供最佳的設備。
此外,還匯聚獨特的知識和技術,建議用戶需求最適合的產品或模塊,並根據客戶要求進行開發支撐位。因此,該公司可以被稱爲能夠"提出建議",並且能夠"開發"客戶所需產品的商社。
(2) 與豐田集團的緊密關係
與豐田集團的關係不僅僅是生產方面的好處(豐田集團的生產增加→公司的營業收入增加),而且通過與在混合動力車、電動車等下一代汽車領域擁有高技術的豐田集團的業務,使公司的技術能力、提案能力和開發能力更進一步提升。
目前,正在致力於將這一技術能力、提案能力和開發能力應用於汽車相關企業以及各種工業設備、FA設備、生產系統、檢測系統等,未來的業務擴展可期。與被認爲是全球要求最嚴格的豐田集團的關係本身也可以說是公司的財富。
(3) 針對非汽車相關企業的技術能力
該公司的營業收入約佔11%(2024年3月期)來自非汽車相關企業,但其中大部分來自IT企業的系統建設等。特別是在生產現場的系統建設方面具有優勢。解決方案業務的營業收入(2024年3月期爲29023百萬日元)及營業利潤(同爲2040百萬日元)與一般的上市系統集成商(SI)公司的營業收入和利潤規模相當,這樣的SI功能也是該公司的特點和優勢所在。
(作者:日經FISCO客座分析師 寺島昇)