(2) 同社の強み
同社の強みは、a) アジアでの歴史、b) 最先端の業界情報収集力、c) ベンチャー企業とのネットワーク、d) ファイナンススキーム構築力の4つに集約できる。
a) アジアでの歴史
1981年に経済同友会を母体として設立以来、40年にわたり日本とアジアの経済交流に貢献し、アジアでの高い知名度を有している。
b) 最先端の業界情報収集力
投資候補となる企業やプロジェクトの発掘を通じて、専門性の高い、業界の最先端の動向を把握している。
c) ベンチャー企業とのネットワーク
国内外で300社超の上場実績があり、これまでの投資活動を通じて、多数のベンチャー企業と親密な関係を構築している。そのネットワークを、投資先企業の支援や同社が新規事業テーマを開拓する際のアライアンスに活用している。
d) ファイナンススキーム構築力
国内外で3,300億円の累計投資実績を有している。プロジェクト投資では、同社からの投資資金だけでなく、プロジェクトファイナンスなどの融資資金も交えた調達スキームを構築している。
■日本アジア投資<8518>の業績推移
1. 業績を見るためのポイント
一般の事業会社の売上高に当たるものが営業収益であり、投資業務における回収額(営業投資有価証券売却高)のほか、利息・配当収入や組合持分利益(インカムゲイン)、ファンド業務における運営報酬などによって構成される。ただ、その大部分を占めている営業投資有価証券売却高は、投資額(取得原価)を上回ってこそ利益が創出されるものであるため、営業収益が増えたからと言って必ずしも業績が向上しているとは限らない。
したがって同社の業績指標は、取得原価などを差し引いた投資損益やインカムゲイン、運営報酬などを足し合わせた営業総利益に注目するのが妥当であると考えられる。なお、営業総利益は投資先の業績悪化や株式市場の低迷による「営業投資有価証券評価損」や「投資損失引当金繰入額」を反映しているため、それらが期間損益の大きな下振れ要因となってきたことにも注意する必要がある。
ただし、今後はファンドビジネスの拡大による安定収益の底上げを図る方針であり、ファンド業務における運営報酬の比重が高まる一方、投資業務における実現キャピタルゲインやインカムゲインは比重を下げるとともに、「営業投資有価証券評価損」や「投資損失引当金繰入額」といった業績の下振れ要因も解消されることが想定される。
2. 過去の業績推移
過去の業績(従来連結基準)を振り返ると、リーマンショックによる世界同時不況や東日本大震災、為替相場の変動などによる影響を受けながら不安定な状況で推移してきた。2016年3月期以降は、メガソーラープロジェクトによる収益貢献等により、7期連続の黒字決算を達成したものの、2023年3月期及び2024年3月期は株式売却益の下振れや評価損・引当金の計上などにより2期連続で最終損失を計上した。
安定収益である運営報酬は、ファンド運用残高の縮小に伴い減少傾向にある。一方、投資損益(実現キャピタルゲインに評価損及び投資損失引当金繰入額を加味したもの)は、不安定に推移してきた。注目すべきは、評価損及び投資損失引当金繰入額が投資損益を圧迫してきたことである。ただ、2016年3月期以降が比較的落ち着いた動きとなっているのは、運用資産の中身がリーマンショック後に積み上げた良質の資産(より適正価格で取得できたもの)や再生可能エネルギー等のプロジェクト投資資産に入れ替わってきたことを反映している。2024年3月期の投資損失は、記述のとおり中華圏のファンドに係る評価損・引当金の前倒し計上によるものである。
一方、リーマンショックの影響等による業績の落ち込みと財務状況の悪化を受け、財務体質の改善と収益力の強化に取り組んできたことから、有利子負債残高(借入金・社債、新株予約権付社債)は年々減少し、販管費(特に人件費や賃借料)の削減にも努めてきた。有利子負債残高は2018年3月期の11,954百万円から2024年3月期には4,314百万円と約64%の削減を実現しており、販管費も2022年3月期に一旦増加に転じたものの、総じて縮小傾向をたどっている。
また、有利子負債の削減に伴って、財務基盤の安定性を示す自己資本比率も大きく改善してきた。総資産が縮小する中で、新株予約権の行使や内部留保により改善を続け、2024年3月期は54.0%の水準を確保している。
■株主還元
配当は当面の見送られる可能性大も、将来の復配に期待
同社は、業績の悪化に伴う累積損失を計上していることから、2009年3月期以降、配当の実績はない。今後も有利子負債の削減による財務体質の改善と安定収益の拡大に向けた投資に取り組む方針であることから、しばらくは配当という形での株主還元は見送られる可能性が高いと弊社では見ている。ただ、ファンドビジネスの拡大とともに安定収益の底上げが進んでくれば、将来的には復配はもちろん、安定的な配当が可能になるものと期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
(2) 公司的優勢
公司的優勢可以歸納爲四個方面:a) 在亞洲的歷史,b) 最前沿的行業信息收集能力,c) 與創業公司的網絡,d) 金融方案構建能力。
a) 在亞洲的歷史
自1981年以經濟同友會爲母體成立以來,經過40年的努力,爲日本和亞洲的經濟交流做出了貢獻,並在亞洲享有很高的知名度。
b) 最前沿的行業信息收集能力
通過挖掘潛在的投資企業和項目,掌握了專業性強的行業前沿動態。
c) 與創業公司的網絡
在國內外擁有300多家上市公司業績,通過以往的投資活動與多家創業公司建立了密切的關係。利用該網絡支持投資企業,並在公司開發新業務概念板塊時進行聯盟。
d) 財務方案建立能力
擁有3300億日元的累計投資業績。項目投資中,不僅有來自公司的投資資金,還有通過項目融資等方式籌集的貸款資金。
■日本亞洲投資<8518>的業績走勢
1. 查看業績的積分
一般的業務公司的營業收入相當於營業收入,除了投資業務中的回收金額(營業投資有價證券出售額),還包括利息、分紅派息收入和聯盟持分利潤(收入收益)、基金業務中的經營報酬等構成。然而,由於佔大部分的營業投資有價證券出售額需超過投資額(取得原價)才能產生利潤,因此營業收入增加並不一定意味着業績的提升。
因此,關注公司的業績因數,合理來看,應該關注扣除取得原價等後的投資損益、收入收益和經營報酬等所組成的營業總利潤。此外,營業總利潤反映了由於投資對象業績惡化或股票市場低迷造成的「營業投資有價證券評估損失」及「投資損失準備金計入額」,因此需要注意這些也是期間損益的大幅下滑因素。
不過,今後將通過擴大基金業務來提高穩定收入的底線,基金業務中的經營報酬的比例將提高,而投資業務中的實現資本收益和收入收益的比例將降低,同時,「營業投資有價證券評估損失」和「投資損失準備金計入額」等業績下滑因素也預計會得到解決。
2. 過去的業績走勢
回顧過去的業績(傳統合並基準),在經歷了因雷曼兄弟危機導致的全球經濟衰退、東日本大震災、匯率波動等影響後,形勢不穩定。自2016年3月期以來,由於大型太陽能項目帶來的收益貢獻,已實現連續7期的盈利決算,但2023年3月期和2024年3月期因股票出售收益下滑及評估損失、準備金的計入,而連續兩個期間出現最終虧損。
作爲穩定收益的經營報酬,伴隨着基金運作餘額的縮小而呈下降趨勢。另一方面,投資損益(實際資本收益加上評估損失及投資損失準備金的計入)則波動不定。值得注意的是,評估損失及投資損失準備金的計入對投資損益造成了壓迫。不過,自2016年3月期以來,市場相對平穩的走勢反映出運用資產中,經過雷曼危機後積累的優質資產(以更合理的價格獲得的資產)以及可再生能源等項目投資資產的替換。2024年3月期的投資損失則是由於中國區域的基金涉及的評估損失及準備金的提前計入。
另一方面,受雷曼危機等影響,業績下滑和財務狀況惡化,導致本公司致力於改善財務體質和增強盈利能力。有利息負債餘額(借款、公司債、新股認購權附公司債)逐年減少,並努力削減銷售管理費用(特別是人事費和租金)。有利息負債餘額從2018年3月期的11,954百萬元減少到2024年3月期的4,314百萬元,約減少了64%。雖然2022年3月期的管理費用一度增加,但總體呈現出縮減的趨勢。
隨着有利息負債的減少,財務基礎的穩定性指標即自有資本比例也得到了顯著改善。在總資產縮小的情況下,通過新股認購權的行使和內部留存不斷改善,2024年3月期的自有資本比例維持在54.0%。
股東回報
配當很可能會被暫時擱置,但我們期待未來的復配。
由於公司面臨業績惡化而計入累計損失,自2009年3月期以來,配當的實際情況並不存在。我們認爲,未來將繼續致力於通過削減有利息負債來改善財務體質並擴大穩定收益。因此,股東分紅在一段時間內可能會被推遲。然而,隨着基金業務的擴展,穩定收益的提升帶來希望,未來不僅會復配,更能夠提供穩定的分紅。
(撰寫:FiSCO客座分析師柴田鬱夫)