■日本ヒューム<5262>の事業概要
4. 戦略分野の新技術・新製品
(1) 中掘工法の拡大
建設残土やCO2排出量の削減にも貢献する中掘工法において業界トップの支持力を目指す新工法の開発に取り組んでおり、必要な施工試験が完了し、施工技術審査証明を2024年7月に取得済。新工法に使用する既製コンクリート杭についても近々評定取得見込みで今後拡販に向けて取り組む見込みである。
(2) ICTを活用した施工管理「Pile-ViMSys(R)」
2021年7月に開発したICTを活用した次世代型DX施工管理システム「Pile-ViMSys(R)」に杭伏図機能を追加し操作性の向上を行っている。これにより、工事現場に臨場することなく工事関係者がリアルタイムで杭の施工状況を把握することが可能となった。また「Pile-ViMSys(R)」と連動する電子黒板アプリケーション「ViMCam(ヴィムカム)(R)」はプレキャスト工事へ適用を拡大するため、今期中にPCウェル実現場での試験運用を見込んでいる。
(3) 工場の省人化ニーズに対応する「3Dプリンター」の導入
同社は、工場の省人化・省力化を図る3Dプリンティング技術の活用にも取り組んでおり、この技術を用いて製造した製品の納入実績が出始めている。今後も「3Dプリンター」の活用により、様々な形状の製品や大型製品を製造し、プレキャスト事業のソリューション実現を推進する。既に3件の実案件に出荷中。
(4) 低炭素型高機能コンクリート「e-CON(R)」
低炭素型高機能コンクリート「e-CON(R)」は、2019年に東京都下水道サービスと共同開発した環境配慮型の素材である。高炉スラグやフライアッシュといったリサイクル材を有効活用し、通常のコンクリートに比べてCO2を約8割削減できるため環境面で優れているほか、耐塩害性能や耐酸性能もトップクラスであるため長寿命化も実現できる。対応可能製品はヒューム管、セグメント、マンホール、ボックスカルバート、壁高欄など幅広く、カーボンニュートラル時代の新しいコンクリート製品として需要拡大が期待されている。そして国土交通省の令和4年度横浜港新本牧護岸(防波)A築造工事において生物共生型港湾構造物として採用された。また2024年11月にはセメントレスプレキャスト製品用コンクリートとして日本で初めて建設技術審査証明(一般財団法人土木研究センター)を取得した。さらに耐塩害性などの追加試験を実施中であり、さらなる審査証明範囲の拡大を進め、様々な現場(港湾、上・下水道、道路、河川等)での採用を目指す。
(5) コンクリート推進管の新しい継手
高耐圧対応コンクリート推進管JIP-PIPEの新しい継手認定(JSWAS A-2)を取得。これにより、地盤変位や障害物に対しての止水性能が10%向上している。
公共工事は国土強靭化関連で需要堅調
5. リスク要因と課題・対策
コンクリート二次製品の需要は建設投資(民間建築工事、公共工事)の影響を受け、競争激化、原材料価格変動、現場人手不足による工事進捗遅れなどもリスク要因となる。需要面では、一般的に民間建築工事は景気変動の影響を受ける可能性があるが、公共工事は防災・減災対策や社会インフラ老朽化対策など国土強靭化関連で需要が堅調に推移することが予想される。競合の面では、同社は競争力の一段の強化に向けた技術力・品質力の向上や新技術・新製品の開発を推進している。収益性の面では、建設関連業界全般に民間建築工事は利益率が低くなる傾向があるため、基礎事業の収益力向上が今後の課題である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
■日本亨姆<5262>的業務概要
4. 戰略領域的新技術·新產品
(1) 中掘施工法的擴大
在致力於成爲中掘施工法領域的行業領先支持者,以削減建設殘土和CO2排放爲目標,公司着手開發新型工法,已完成必要的施工試驗,並於2024年7月獲得施工技術審查證明。預計很快將獲得所需的基礎水泥樁評定,以推動未來的擴大銷售。
(2) 利用ICT進行施工管理的"Pile-ViMSys(R)"
公司在2021年7月開發了利用ICT的下一代DX施工管理系統"Pile-ViMSys(R)",並添加了樁基圖功能以提高操作性。如此一來,施工相關人員能夠實時了解樁基施工情況,而無需親臨工地。此外,與"Pile-ViMSys(R)"相連的電子黑板應用"ViMCam(李爾)(R)"旨在擴大預製構件工程的應用範圍,計劃在本季度內將其試驗運用至PC井實地。
(3) 滿足工廠智能化需求的"3D打印機"的引入
公司正在致力於利用3D打印技術實現工廠的智能化和自動化,並開始交付利用該技術製造的產品。未來,通過"3D打印機"的應用,公司將生產各種形狀和大型產品,推動預製構件業務的解決方案實施。目前已有3個實際案例處於交付中。
(4) 低碳型高功能水泥e-CON(R)
低碳型高功能水泥e-CON(R)是在2019年與東京都污水處理服務共同開發的環保材料。有效利用高爐礦渣和粉煤灰等再循環材料,相比普通水泥,CO2的減排約可達80%,因此在環保方面表現突出,同時耐鹽蝕性能和耐酸性能也處於行業領先水平,因此也實現了長壽命化。可適用產品包括砼管、隧道襯砌、檢查井、box inc、牆高欄等範圍廣泛,作爲碳中和時代的新型水泥產品,預計需求將會擴大。目前已在國土運輸廳令和4年度橫濱港新本牧護岸(防波)A建築工程中作爲生物共生型港口構築物採用。此外,於2024年11月作爲無水泥預製產品用水泥,首次在日本獲得了建設技術審查證明(一般基金會土木研究中心)。同時正在進行耐鹽蝕性等附加試驗,並推進進一步審查證明範圍的擴大,旨在在各種現場(港口、上下水道、道路、河川等)推廣應用。
(5) 水泥推進管的新継手
高耐壓水泥推進管JIP-PIPE新的接頭認證(JSWAS A-2)已獲得。由此,對地基位移和障礙物的止水性能提升了10%。
公共工程在國土強韌化相關領域需求堅挺
5. 風險因素和挑戰及對策
水泥二次產品需求受到建設投資(民間建築工程、公共工程)的影響,競爭激化、原材料價格波動、現場人手不足導致工程進度延誤等也是風險因素。在需求方面,一般來說,民間建築工程可能受景氣波動影響,但公共工程預計會在國土防災減災措施和社會基礎設施老化對策等國土強韌化相關需求堅挺。在競爭方面,該公司正推進技術實力、品質力的提升以及新技術、新產品的開發,以進一步加強競爭力。在盈利方面,由於整個建築行業中民間建築工程的利潤率普遍較低,因此基礎業務的盈利能力提升成爲未來的挑戰。
(撰寫: FISCO特約分析師 水田雅展)