■要約
BeeX<4270>は、DX(Digital Transformation)及びマルチクラウドという2つの領域を軸にクラウドソリューション事業を展開している。企業の基幹システムの基盤環境をオンプレミスからクラウドへ移行するクラウドテクノロジーに特化したプロフェッショナル集団である。2024年2月には、これまでのAWSパートナーとしての活動実績が評価され、AWSパートナーネットワーク(APN)における最上位レベルの「AWS プレミアティアサービスパートナー」認定を取得した。
1. クラウド環境構築・移行、クラウドライセンスリセール、監視・保守運用を展開
同社はサービス区分を、マルチクラウド利用コンサルティングやSAPシステムを中心とするクラウド環境構築・移行のクラウドインテグレーション、AWSやAzure等のクラウドライセンス仕入・販売(月額課金)のクラウドライセンスリセール、クラウド移行後の仮想サーバやネットワークの監視・保守運用等のマネージドサービス(Managed Service Provider、以下:MSP)としている。計画・設計・構築フェーズであるクラウドインテグレーションの受注増加は、その後の運用フェーズとなるクラウドライセンスリセール及びMSPの受注増加につながるため、フロービジネスを起点にストックビジネスへ移行して顧客との長期リレーションを確立するビジネスモデルとなっている。ストック型売上(クラウドライセンスリセール+MSP)構成比は約7割である。同社の特徴・強みとしては、マルチクラウドでサービス提供が可能な各種認定を取得し、クラウドテクノロジーのスペシャリストとしてビジネス展開していること、大手企業を中心に強固な顧客基盤を構築し、顧客との長期リレーションを確立していることなどが挙げられる。
2. 2025年2月期上期は大幅増収増益・過去最高で着地
2025年2月期上期の業績(非連結)は、売上高が前年同期比24.9%増の4,478百万円、営業利益が同21.4%増の387百万円、経常利益が同19.9%増の396百万円、中間純利益が同21.0%増の275百万円となった。イベント・キャンペーンなど積極的なマーケティング施策の成果で各サービスとも順調に拡大し、大幅増収増益・過去最高で着地した。売上総利益は同20.6%増加したが、売上総利益率は同0.7ポイント低下し19.9%となった。これは、前年同期にクラウドインテグレーションの高利益案件を計上した反動に加え、第2四半期に新規顧客獲得に向けて初月無料キャンペーンを実施した一時的要因による。販管費は人件費増加などで同20.0%増加したが、販管費比率は同0.5ポイント低下し11.2%となった。これは、Web広告予算の一部の実行が下期にズレ込んだことや、中途採用に関して社員紹介やホームページへの直接応募が増加したため人材紹介会社に対する紹介手数料など採用コストを抑制したことによる。この結果、営業利益率は同0.2ポイント低下し8.7%となった。営業利益率は前年同期に比べて若干低下したが、高成長基調に変化はないだろうと弊社では考えている。
3. 2025年2月期通期は小幅増益で予想を据え置くも上振れ余地あり
2025年2月期通期の業績(非連結)は期初計画を据え置いて、売上高が前期比23.0%増の9,470百万円、営業利益が同8.5%増の650百万円、経常利益が同5.3%増の648百万円、当期純利益が同6.2%増の468百万円を見込んでいる。売上面は各サービスとも順調に拡大して大幅増収、利益面は積極的なマーケティング施策や人材採用・育成に係る費用の増加を考慮して小幅な増益予想としている。サービス別売上高の予想はクラウドインテグレーションが同14.3%増の2,770百万円、クラウドライセンスリセールが同29.8%増の5,852百万円、MSPが同10.6%増の847百万円である。通期予想に対する上期実績の進捗率は売上高で47.3%(サービス別にはクラウドインテグレーションが53.7%、クラウドライセンスリセールが43.5%、MSPが52.1%)、営業利益で59.5%、経常利益で61.1%、当期純利益で58.8%であった。クラウドライセンスリセールの売上進捗率がやや低水準の形だが、期末に向けて売上高が積み上がるストック型収益構造であり、第2四半期に実施したキャンペーンで獲得した顧客の売上が第4四半期から本格化する見込みであることを勘案すれば、通期計画の達成は可能だろうと弊社では見ている。また利益面では営業利益、経常利益、当期純利益とも進捗率が高水準であることから、下期の費用増加を考慮しても、通期予想に上振れ余地があるだろうと弊社では考えている。
4. 事業環境良好で契約先拡大と高付加価値サービス拡充を推進
DX・クラウド関連市場は拡大基調が予想されている。さらに同社にとって特に追い風となるのは、同社が強みとしているSAPシステムのクラウド化移行需要が今後本格化する見込みであり、SAPを含めた大規模システムのクラウド移行需要によってクラウドインテグレーションの売上拡大が期待されるだけでなく、その後のストック型収益となるクラウドライセンスリセールとMSPの売上拡大につながることも期待される。このように、同社にとって事業環境は良好と考えられる。同社は中期経営計画を公表していないが、成長戦略として既存サービスの契約先拡大を推進するとともに、高付加価値な新サービスの拡充などに取り組むことで、収益の継続的な拡大を図る方針だ。
5. 高成長を評価
同社は2016年3月の設立以来、2024年2月期までの8期で売上高77億円規模、営業利益・経常利益6億円規模にまで成長するとともに、APNにおける最上位レベルの「AWS プレミアティアサービスパートナー」認定を取得した。事業環境が良好であること、テラスカイ<3915>のAWS事業を承継したことなどを考慮しても、この高成長の継続は、同社のクラウドテクノロジーに特化したプロフェッショナル集団としての強みが発揮されている証と考えられ、弊社では高く評価している。今後の課題としては、人材採用・育成など需要増加に対応するための体制構築、高付加価値サービス拡充等による利益率向上などが挙げられるが、収益拡大に向けてM&A・アライアンスも検討する方針を示しており、高成長を継続するための経営戦略の進展状況に注目したい。
■Key Points
・クラウドテクノロジーのプロフェッショナル集団
・2025年2月期上期は大幅増収増益・過去最高で着地
・2025年2月期通期は小幅増益で予想を据え置くも上振れ余地あり
・市場環境は良好。SAPシステムのクラウド化への移行需要の本格化も追い風
・設立以来の高成長を評価、成長を継続するための経営戦略の進展状況に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
■概要
BeeX<4270>正專注於數字化轉型(DX)和多雲這兩個領域的發展雲解決方案業務。它是一個專注於將企業核心系統的基礎環境從本地遷移到雲端的雲技術專業團隊。到2024年2月,由於其在AWS合作伙伴方面的活動成果得到了認可,獲得了AWS合作伙伴網絡(APN)中的最高級別"AWS優質服務夥伴"認證。
1. 展開雲環境構建與遷移、雲許可證轉售、監控和維護運營
該公司的服務類別包括:基於SAP系統的多雲利用諮詢、雲環境構建與遷移的雲集成、AWS和Azure等雲許可證採購與銷售(按月計費)的雲許可證轉售,以及雲遷移後的虛擬服務器和網絡的監控與維護等託管服務(Managed Service Provider,以下簡稱:MSP)。雲集成階段的訂單增長將帶動後續的雲許可證轉售及MSP的訂單增加,因此,這一商業模式由單一業務轉向存量業務,以建立與客戶的長期關係。存量型收入(雲許可證轉售+MSP)構成比約爲70%。該公司的特點與優勢包括:獲得能夠在多雲環境中提供服務的各種認證,作爲雲技術專家開展業務,且圍繞大型企業建立了堅實的客戶基礎,確立了與客戶的長期關係等。
2. 2025年2月期上半年大幅增長收入和利潤,創下歷史新高
2025年2月期上半年的業績(非合併)顯示,營業收入同比增長24.9%至4478百萬日元,營業利潤同比增長21.4%至387百萬日元,經常利潤同比增長19.9%至396百萬日元,中期淨利潤同比增長21.0%至275百萬日元。由於積極的市場營銷措施(如活動和促銷)取得了成果,各項服務均順利擴展,實現了大幅增長收入與利潤,創下歷史新高。雖然營業總利潤同比增長20.6%,但營業總利潤率同比下降0.7個百分點至19.9%。這是由於前年同期雲集成的高利潤項目的回落,加上第2季度在獲得新客戶的目標上開展了首月免費活動造成的暫時因素。管理費用由於人事成本增加,同期增長20.0%,但管理費用比例同比下降0.5個百分點至11.2%。這是由於部分網絡廣告預算的執行延後至下半年度,以及在中途招聘方面,員工介紹和直接申請增加, 從而抑制了對人才介紹公司的介紹費用等招聘成本。因此,營業利潤率同比下降0.2個百分點至8.7%。儘管營業利潤率較去年同期略有下降,我們認爲其高增長勢頭不會改變。
3. 2025年2月期全年的小幅增益與預測持平,但仍有上升空間
2025年2月期全年的業績(非合併)預計與期初計劃持平,預計營業收入將比上期增長23.0%,達到9470百萬日元,營業利潤預計增長8.5%,達到650百萬日元,經常利潤預計增長5.3%,達到648百萬日元,當期淨利潤預計增長6.2%,達到468百萬日元。各項服務均在順利擴展,大幅增長收入,而利潤則考慮到積極的市場營銷措施及人力資源的招聘和培訓所產生的成本,因此,僅有小幅的增益預測。按服務類別,雲集成預計同比增長14.3%,達到2770百萬日元,雲許可證轉售預計同比增長29.8%,達到5852百萬日元,MSP預計同比增長10.6%,達到847百萬日元。對比全年預算的上半年度業績進度,營業收入完成率爲47.3%(各服務分別爲雲集成53.7%,雲許可證轉售43.5%,MSP52.1%),營業利潤爲59.5%,經常利潤爲61.1%,當期淨利潤爲58.8%。雖然雲許可證轉售的營業進度略顯落後,但由於這是一個在年底有收入積累的存量型收益結構,考慮到第2季度實施的活動所獲得客戶的收入將從第4季度開始真正增長,我們認爲實現全年計劃是可能的。同時,由於營業利潤、經常利潤和當期淨利潤的進度均爲高水平,因此,即使下半年的費用增加,我們認爲全年預測仍有上調空間。
4. 由於事業環境良好,推動了合同夥伴的擴大和高附加值服務的提升
DX和雲相關市場預計將呈擴張趨勢。此外,對公司來說,特別有利的是,作爲公司的強項,SAP系統的雲化轉型需求預計將在未來全面展開。隨着包括SAP在內的大型系統雲遷移需求的增長,不僅期待雲集成的營業收入擴大,還希望其後的雲許可轉售和MSP收入的擴大。這表明,公司認爲當前的事業環境良好。儘管公司尚未發佈中期經營計劃,但作爲增長戰略,將推動現有服務的合同夥伴擴大,同時努力擴展高附加值的新服務,以實現收入的持續擴大。
5. 評價高增長
自2016年3月成立以來,公司在2024年2月期之前的8個期間內,營業收入規模達到77億日元,營業利潤和經常利潤規模達到6億日元。同時,獲得了APN中最高級別的「AWS優質服務合作伙伴」認證。考慮到事業環境良好,以及繼承了泰勒斯<3915>的AWS業務,可以認爲這樣的高增長的持續證明了公司作爲雲科技專業團隊的強項,因此我們給予高度評價。未來的挑戰包括爲應對需求增加而建立人力資源招聘與培訓的體制,以及通過高附加值服務的擴展提高利潤率等。此外,公司表示將考慮通過M&A和聯盟等方式擴大收入,對繼續實現高增長的經營策略進展情況值得關注。
■Key Points
・雲科技的專業團隊
・2025年2月期上半年實現了大幅增加的營業收入和利潤,創下歷史新高
・2025年2月期全年預計小幅增加盈利,保留預期,但具備上調的空間
· 市場環境良好。SAP系統向雲端遷移的需求的真正啓動也是利好因素
· 評估自成立以來的高速增長,關注爲持續增長所採取的經營戰略進展情況
(撰寫: FISCO特約分析師 水田雅展)