■会社概要
1. 会社概要
一正蒲鉾<2904>は、主力商品のカニかまを中心とした水産練製品を製造・販売する水産練製品・惣菜事業と、まいたけを生産・販売するきのこ事業を展開する食品メーカーである。運送・倉庫業を担う(株)イチマサ冷蔵(100%出資子会社)、インドネシアで水産練製品を製造・販売する合弁会社PT.KML ICHIMASA FOODS(同社40%出資)の2社及び同社でグループを構成する。
売上高構成比率は、2024年6月期で主力の水産練製品・惣菜事業が87.9%を占め、水産練製品業界で第2位の地位を確保している。同社が第1位のメーカーシェア(日経POS情報(2023年4月〜2024年3月カニ風味かまぼこカテゴリー)による)となっているカニかま商品をはじめとする、スーパーマーケットやドラッグストアなどの量販店向けの水産練製品を中心に製造・販売している。このほか、ごま豆腐やスナック菓子「カリッこいわし」なども製造・販売している。
1996年に参入したきのこ事業は売上高の11.0%を占め、まいたけ生産量では国内第3位となる。また、その栄養成分に着目したまいたけエキス含有サプリメントの販売も行っている。運送事業、倉庫事業を行っているその他事業は1.1%を占める。
創業以来「人生はやまびこである」という創業者の言葉を社是とし、「すべてはお客さまのために」を社訓とする。「自分の周りの方々すべてを“お客さま”」として、「誠実」「謙虚」「感謝」の心で“お客さま”の期待や信頼に応えることを目指している。こうした姿勢が取引先との信頼関係の構築につながり、同社の競争力の源泉となっている。また、冷凍すり身の採用、大量生産型設備への移行に伴う新技術の導入、レトルト製法の導入、まいたけ市場への参入も積極的に挑戦し、従来のかまぼこ製造を転換してきた。こうした挑戦の姿勢も同社の強みとなっている。そして、本社のある新潟県から全国へ販売網を拡充し、生産拠点も新潟から北海道や関西へ展開し「攻めの一正」という姿勢も同社の特長となっている。現在は、全国に販売拠点11ヶ所、生産拠点8ヶ所を展開している。同社の挑戦の姿勢、取引先のスーパーなど量販店の全国統一チェーンオペレーションに対応できる営業・生産体制を整備していることが同社の大きな強みとなっている。
2. 沿革
1965年に野崎正平(のざき しょうへい)氏が「蒲鉾業界でも近代的な経営の導入が必要である。そのためには、職人の勘による製造から、科学的な技術に基づいた蒲鉾生産を行わなければならない」と、家業であった野崎蒲鉾(株)より独立して創業した。1966年には、リテーナ製法(すり身をフィルムで包んでから型枠(リテーナ)に入れて加熱する手法。品質・保存性に優れ、廉価で提供可能)によるかまぼこの生産を開始した。1967年には、かまぼこの原料にいち早く冷凍すり身を使用したことで、品質の安定や生産性の向上、製造工程の合理化・効率化が進み、全国に販売活動が広がった。
創業から6年後の1971年には、東京・名古屋に営業所を開設した。その後全国各地に販売拠点を開設したが、交通網・情報技術の発達に伴い集約した。製造拠点も1976年には北海道小樽、1979年には滋賀県守山に工場を新設し、水産練製品・惣菜製品を全国へ配荷できる体制を整備している。この間の1974年には、初代カニかま「かに太郎」を、1979年にはロングラン商品となっているカニかま「オホーツク」をそれぞれ発売し、「カニかまの一正」としてブランドを確立した。
1980年には洋風化による魚から肉への食生活の変化をとらえて、牛肉エキス入り魚肉ハンバーグ「バーグレデイ」を発売した。1981年に同社売上高は100億円を超えた。1978年にはレトルト装置を導入し、1985年には「調理済みおでん」を発売し、1989年に同社売上高は200億円を超え、日本証券業協会店頭売買銘柄として店頭公開した。
1996年には、きのこが健康食品として注目され市場全体が拡大傾向にあったことから、現新潟県阿賀野市にまいたけの栽培センターを新設し、きのこ事業に参入した。2005年にはバイオ研究室を開設した。現在は、まいたけの新株・新品種の開発や、まいたけのエキスを抽出した機能性サプリメントなど新領域展開の研究・開発を行っている。
2002年にはスナック菓子「カリッこいわし」を、2008年には現在のメイン商品カニかま「サラダスティック」をそれぞれ発売し、現在は期間限定で「サラダスティック 瀬戸内レモン風味」「サラダスティック 枝豆風味」など姉妹品も発売している。
2012年に同社売上高は300億円を超え、2014年には東京証券取引所市場第二部に市場変更し、同年に同市場第一部に銘柄指定となった。2022年4月には東京証券取引所の市場区分の見直しにより一時プライム市場に移行したが、2023年4月の東京証券取引所の規則改正に伴い2023年10月にスタンダード市場へ移行した。
2015年には創業50周年を迎え、インドネシアに合弁会社を設立し海外事業に進出した。2016年には超長期ビジョンとして2045年度のありたい姿を描く「ICHIMASA30ビジョン」を制定し、2016年より1stステージとして5年ごとの中期経営計画を開始した。同年、うなぎの蒲焼風かまぼこ「うなる美味しさ うな次郎」を発売し、2020年に従来使用していたうなぎエキスを使用せずに味の厚みやコクを維持することに成功し、“うなぎフリー”の商品となった。2021年には、同社が提案する魚のすり身を使用した代替水産製品の総称である“ネクストシーフード”の業務用商品「ネクストシーフード うに風味」を発売したほか、2024年には「ネクストシーフード 明太子風味」も発売している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
■公司資料
1. 公司資料
一正蒲鉾<2904>是一家食品製造商,主要生產和銷售以蟹棒爲主的水產製品及其他冷凍製品,同時還經營生產和銷售舞菇的蘑菇業務。公司通過100%控股子公司株式會社イチマサ冷蔵負責運輸和倉儲業務,並與在印尼製造和銷售水產製品的合資公司PT.KML ICHIMASA FOODS(該公司持股40%)一起構成集團。
2024年6月期的營業收入構成比例中,主要的水產製品與冷凍食品業務佔87.9%,穩居水產製品行業第2位。公司在蟹棒產品的市場份額上位居第一(根據日經POS信息(2023年4月至2024年3月蟹風味蒲鉾類別)),主要製造和銷售面向超市和藥店等量販店的水產製品。此外,還生產和銷售芝麻豆腐以及零食「脆脆小魚」等。
自1996年進入的蘑菇業務佔營業收入的11.0%,在舞菇產量上位居國內第三。此外,公司還銷售關注其營養成分的舞菇提取物含量的補充劑。其他從事運輸和倉儲業務的領域佔比1.1%。
自創立以來,公司秉承創始人的理念"人生如回聲",並以"全部爲客戶服務"爲公司訓誡。以周圍的每一個人都視爲"客戶",努力以"誠實"、"謙卑"和"感恩"的心來滿足"客戶"的期待和信任。這種態度促進了與合作伙伴之間的信任關係,成爲公司競爭力的源泉。此外,公司積極採用冷凍魚肉、新技術的引入、即食製法的引入,以及挑戰進入舞菇市場,逐步轉變傳統的蒲鉾生產方式。這些挑戰的態度也成爲了公司的優勢。同時,從位於新潟縣的總部擴展到全國的銷售網絡,生產基地也從新潟拓展到北海道和關西,形成"進攻型一正"的經營策略,成爲公司的特點。目前,公司在全國設有11個銷售據點和8個生產基地。公司在面對全國統一連鎖經營的超市等等,普遍適應的銷售和生產體系也成爲了公司的大優勢。
2. 發展歷程
1965年,野崎正平先生獨立於家族經營的野崎蒲鉾株式會社創立了公司,認爲"蒲鉾行業需要現代化的管理。爲此,必須把依賴工匠的感性製作,轉變爲以科學技術爲基礎的蒲鉾生產"。1966年,公司開始生產採用保留器法(將魚糜包裹在薄膜中,再放入模具(保留器)中加熱的方法,具有優越的品質和保存性,且能以低價提供)的蒲鉾。1967年,公司首次在蒲鉾原材料中使用冷凍魚糜,進而提高了產品質量的穩定性和生產效率,實現了生產流程的合理化及市售活動的展開。
從創業六年後的1971年起,在東京和名古屋設立了營業所。此後在全國各地開設了銷售網點,但隨着交通網和信息技術的發展進行了整合。製造據點方面,在1976年於北海道小樽、1979年在滋賀縣守山新建了工廠,建立了能夠將水產加工產品和方便食品配送到全國的體制。在此期間的1974年,首次推出了第一代蟹肉棒「蟹太郎」,而在1979年推出的蟹肉棒「歐霍茨克」則成爲了長期銷售的商品,從而確立了「蟹肉棒的一正」品牌。
1980年,適應西式化帶來的飲食變化,推出了牛肉提取物魚肉漢堡「巴克雷」。1981年公司的營業收入超過了100億日元。1978年引進了保鮮設備,1985年推出了「熟食關東煮」,1989年公司的營業收入超過了200億日元,並作爲日本證券業協會的櫃台交易標的公開上市。
1996年,隨着香菇作爲健康食品受到關注,市場整體呈現擴張趨勢,因此在現在的新潟縣阿賀野市新設了舞茸的栽培中心,進入了香菇業務。2005年開設了生物研究室。目前,正在進行舞茸新株和新品種的開發,以及提取舞茸提取物的功能性補充劑等新領域的研究與開發。
2002年推出了零食「脆皮小魚」,2008年推出了目前的主要商品蟹肉棒「沙拉棒」,現在還有限定版的「沙拉棒瀨戶內檸檬風味」、「沙拉棒枝豆風味」等姐妹產品。
2012年公司營業收入超過了300億日元,2014年更改爲東京證券交易所市場第二部,並在同年被指定爲市場第一部。2022年4月,由於東京證券交易所市場區分的審查,一度轉入主板市場,但在2023年4月東京證券交易所的規則修訂後,於2023年10月轉入標準市場。
2015年迎來了創立50週年,在印尼設立了合資公司,進軍境外業務。2016年制定了超長期願景「ICHIMASA30願景」,描繪了2045年度的理想狀態,並自2016年起第一階段開始了每五年的中期經營計劃。同年,推出了鰻魚蒲燒風味的蝦餅「美味驚歎 鰻次郎」,並在2020年成功不再使用傳統的鰻魚提取物,同時保持了味道的厚重感和口感,成爲了「無鰻魚」產品。2021年,推出了公司提出的使用魚肉製成的替代水產產品的總稱「下一代海鮮」的商業用產品「下一代海鮮海膽風味」,並計劃在2024年推出「下一代海鮮明太子風味」。
(編寫:Fisco客戶體驗分析師Matsumoto Akira)