■レジル<176A>の成長戦略
1. 事業環境と過去2期の取り組み
同社は、脱炭素に向けて日本が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現を目指すためには、発電された電力を効率的に活用することが不可欠だが、発電側だけでなく需要側の調整も必要になるという事業環境認識を持っている。そのため不安定な再生可能エネルギーを需要側で制御する分散型エネルギープラットフォームを構築し、低コストで提供することで、日本全体のエネルギーの安定化と脱炭素に寄与することができると考えている。これを実現するため、2023年6月期と2024年6月期の2期間でビジネスモデルの再構築や収益構造の安定化など組織構造の大転換を図った。
結果として、まず新型コロナウイルス感染症拡大で落ちていた新規営業件数の回復を進めたことで一括受電サービスの導入件数が年間3,000戸程度にまで回復した。また、2023年にリリースしたマンション防災サービスも受注が決定し、既築マンションから賃貸マンションや新築マンションへの領域拡大が進みはじめた。次に、収益構造の安定化と強化に努め、理事会・総会決議や全戸同意といったサービス導入プロセスで構築した顧客マンションとの関係性の深さを背景に早期に電力価格の高騰を価格に転嫁することができた。また昼夜間の電力の合成による安定需要を背景に相対的に安価な調達を引き出せたため、収益力と継続率が同時に改善して全社業績をけん引した。組織構造改革では、就労環境の抜本的な改革や同社独自の人事評価制度の開発等により、2024年6月期には前期比約3割増となる58人の人員を確保できた。さらに、働く個人の力を最大化するキャリアオーナーシップアワードで最優秀賞も受賞した。このように2期にわたる組織構造の大転換がスムーズに進捗したことから、同社は将来に向けて成長に弾みをつける考えである。手始めに2025年6月期を将来以降の高い成長を達成するためのファーストステップと位置付け、再構築した事業基盤をベースに同社が持つ顧客・サービス・設備・電力量といった経営資源を掛け合わせることで、事業ポートフォリオの安定化や新たな収益柱の構築を進める計画である。
ただし課題として、マンションにおける蓄電池の設置スペース不足や不安定な電源価格、人員増による1人当たりの収益性を向上する必要があり、同社はこうした課題の解消も目指す方針である。具体的には、マンションにおける蓄電池の設置スペース不足については、EV(電気自動車)を蓄電池代替として利用するほか、家庭用小型蓄電池のネットワーク化の検討や設計段階から組み込みやすい新築マンションへの進出などによって解消する考えである。不安定な電源価格に対しては、電力先物などの市場を活用した仕入の安定化、卒FIT※の太陽光発電への蓄電池設置などで解消を図り、1人当たりの収益性については、新人事評価制度の導入・運用(独自評価制度「プレイス制度」)やアライアンスによる営業クロージング速度の向上などにより高める方針である。
※ 卒FIT:再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定期間一定の価格で買い取ることを国が保障する制度(FIT)が終わった状態のこと。卒FIT期間は、国による買い取り価格の保証がなくなるため逆ざやになることもある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
■買入<176A>的成長戰略
1. 業務環境和過去2期的努力
同社認識到,爲了實現日本提出的2050年碳中和目標,高效利用發電電力至關重要,而不僅需要調整發電側,還需要調整需求側。因此,該公司構建了分散型能源平台來控制不穩定的可再生能源需求,並以低成本提供,從而有助於穩定和碳中和日本的整體能源。爲了實現這一目標,在2023年6月期和2024年6月期,進行了兩個階段的業務模式重建、收入結構穩定等組織結構的重大轉變。
作爲結果,首先通過推進新冠疫情擴大前新業務數量的恢復,使年度約3000戶的一次接電服務數量恢復到正常水平。此外,該公司於2023年推出的公寓防災服務也獲得了訂單,並且從現有公寓向出租公寓和新建公寓的領域擴張已經開始。通過努力實現收入結構的穩定和加強,憑藉著理事會和全員同意等服務引入流程構建的深度顧客公寓關係,及時將電力價格飆升轉移到價格上。由於穩定需求需要晝夜電力綜合背景下的相對低廉採購,使收入能力和續航能力同時改善,並推動了整體公司績效。在組織結構改革中,通過徹底改革勞動環境和公司獨特的人事評價制度發展等措施,該公司設法在2024年6月期間新增58名員工,較上一期增加約30%。此外,通過最大化個人工作能力獲得了職業生涯獎的最佳獎。由於組織結構的兩期大轉變順利進行,該公司希望爲未來增長奠定基礎。首先將2025年6月期定位爲將來實現高增長的第一步,並計劃通過重新建立業務基礎,將公司的客戶服務、設施和電力量等經營資源整合在一起,以推進業務組合的穩定化和新收入柱的構建。
然而,作爲挑戰,公寓中蓄電池安裝空間不足、電源價格不穩定、人員增加導致每人收益率提高的需求都是必須解決的問題,該公司的方針是朝着解決這些問題的方向努力。具體來說,對於公寓中蓄電池安裝空間不足的問題,該公司計劃通過利用電動車(EV)作爲蓄電池替代物,研究家庭小型蓄電池的網絡化,並從設計階段開始進入新建公寓中來消除這一問題。對於不穩定的電源價格,通過利用電力期貨等市場來穩定採購、通過向逆水電池安裝太陽能發電等方式進行解決,對於每人收益率,計劃通過引入和運營新人事評價制度(獨特評價制度「PRAISE」)以及通過聯盟提高銷售結賬速度等方式來提高。
※ 卒FIT:再生能源發電的電力公司在一定期限內以一定價格回購電力的國家擔保制度(FIT)已經結束的狀態。卒FIT期間是指國家不再保證回購價格,因此可能會導致價格下跌。
(作者:華富證券客座分析師宮田仁光)