■会社概要
1. 事業内容
SFPホールディングス<3198>は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業により人気業態となっている「磯丸水産」(海鮮居酒屋)や「鳥良商店」(鶏料理専門店)等の運営を主力とするほか、低投資で安定的に稼ぐ大衆酒場業態を第2の柱に育てるべく注力している。2020年以降、コロナ禍による影響が業界全体に影を落としてきたが、収益体質の強化と環境変化への対応を進め、足元業績は順調に回復基調をたどっている。
事業セグメントは飲食事業の単一セグメントであるが、業態別に創業業態の「鳥良事業部門」、主力業態の「磯丸事業部門」、新業態を含む「その他部門」のほか、2020年2月期からはフードアライアンスメンバー(連結子会社)※による寄与分が追加され、4つに区分されている。「磯丸事業部門」が売上高の約60%を占める。出店エリアは東京及び首都圏を中心に展開してきたが、地方都市への出店にも取り組んでいる。
※ (株)ジョー・スマイル(熊本県)、(株)クルークダイニング(長野県)の2社で構成される。M&Aを通じた地方都市への出店拡大(グループ内FC形式でのブランド提供)に狙いがある。
2. 企業特長
同社の優位性は、通常の居酒屋業態の収益モデルに加えて、新たに独自の収益モデルを確立したところにある。主力業態の「磯丸水産」は、あえて賃料の高い駅前・繁華街の路面店に出店する一方、個性的で視認性の高いファサードや、入りやすいオープンな雰囲気、24時間営業による幅広い需要の取り込みなど、一等立地による集客力を最大限に生かし、高い稼働率で回していく独自の収益モデルに特長がある。単純化して言えば、通常の居酒屋業態の収益モデルでは採算の取れない高い賃料を払ったとしても、売上高を多く確保することでレバレッジを効かせる構造と言える。もちろん、そこには立地分析のスキームや路面店の開発スキルのほか、24時間営業におけるオペレーション、時間帯により最適なメニューに入れ替えるノウハウ等があってこそ成立するものであり、簡単に模倣できるものではない。特に、出店コストの高さや24時間営業の難しさは他社にとっては高いハードルになっていると考えられる。同社には、他社に先駆けてノウハウを蓄積してきたことや首都圏への集中出店によりブランド力を高めてきたことが、さらに出店リスクを引き下げるといった好循環が生まれている。コロナ禍に伴う人流抑制や時短営業、人数制限、酒類提供制限等は、「磯丸水産」の特長の一部(駅前一等立地、高回転、24時間営業による幅広いニーズの取り込み等)を打ち消す影響をもたらしたが、あくまでもコロナ禍での政策的な不可抗力によるものであり、収益モデル自体の優位性に大きな変化はない。アフターコロナにおいて既存店はコロナ禍前の水準に戻ってきた。また、路面立地のオープンな雰囲気をはじめ、モバイルオーダーやキャッシュレス決済による手軽さ、新鮮な海産物を自分で焼く楽しさを味わえる「磯丸水産」スタイルは、訪日客からの人気も高く、インバウンド需要が足元業績の底上げに寄与している。
加えて、「磯丸水産」で確立した収益モデル(以下、「磯丸水産」モデル)を他の業態に生かすことで、さらなる進化を遂げる余地も大きい。「鳥良商店」は、創業業態である「鳥良」に「磯丸水産」モデルを移植し軌道に乗せることができた。特に「磯丸水産」との重複出店(同時出店や出店済エリアへの出店)や市場特性(立地・業態)に合わせた選択出店ができるところがポイントである。さらに、アフターコロナの環境変化(消費者行動の変化等)に合わせて必要なチューニング(微調整)にも柔軟に対応していく考えであり、そのような仮説検証型の進化を追求していく姿勢は同社の真骨頂だ。食事性をさらに強化しつつ「磯丸水産」の出店済エリアに出店可能な「町鮨とろたく」ブランドの展開を始めたほか、駅前一等立地による「磯丸水産」の強みを生かしながら、小型・高回転により、低投資で安定的に稼ぐ大衆酒場業態に注力する方向性を明示したのも、その一環と言える。
3. 沿革
同社の創業は1984年4月、創業者である寒川良作(さむかわりょうさく)氏(元 代表取締役会長、2015年12月退任)が東京都武蔵野市に手羽先唐揚専門店である「鳥良」を開業したことに遡る。名古屋名物の手羽先唐揚を独自のレシピでアレンジしたものを看板メニューとし、着実に店舗数を増やした。2001年には「豊かな食を創造する総合フードサービス業を目指す」ことをビジョンに掲げ、業態の多角化にも取り組みながら2008年には全社50店舗体制へと事業を拡大した。
その後、リーマン・ショックなどによる景気後退の影響や業界環境の変化等を受けて、「日本を豊かにする『食』の専門店集団を目指す」ことにビジョンを改め、「専門店」化の追求へと舵を切ると、2009年には独自の収益モデルによる「磯丸水産」を開業し、成長に向けた基礎を築いた。
「磯丸水産」が順調に立ち上がり、成長への道筋が見えてきたことから、「永続する会社組織を作っていく」ためには上場を目指すのが1番の近道であると判断した。そのうえで、2010年12月にPEファンドであるポラリス第二号投資事業有限責任組合(ポラリス・キャピタル・グループ(株))の資本参加を受け、客観的な視点や合理的な手法の導入によって、経営管理や組織運営の精度を高めることを決断した。
2013年4月には郊外のショッピングセンターにおけるレストラン及びフードコートの運営を主力とするクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>と資本提携し連結子会社となった。2014年12月に東京証券取引所(以下、東証)2部へ株式上場を果たすと、2019年2月には東証1部へと市場変更し、2022年4月からは新市場区分の「東証プライム市場」へ移行した。また、その間、2016年9月に持株会社体制へ移行し、それに伴い2017年6月にSFPホールディングス株式会社に商号を変更し現在の形となった。
株式上場を契機に、人気業態としてブランド力を確立してきた「磯丸水産」による出店ペースに拍車がかかり、2015年5月には「磯丸水産」100店舗体制に到達した。また、愛知県名古屋市を皮切りに「磯丸水産」のFC展開もスタートし、「鳥良商店」の出店も開始した。
2020年2月期からは、独自の「SFPフードアライアンス構想」により、M&Aを通じた地方都市への出店拡大(グループ内FC形式でのブランド提供)にも取り組んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■公司資料
1. 業務內容
SFP控股公司<3198>通過在車站前和繁華街(店鋪面)24小時營業的方式,以人氣業態而聞名,主要經營「磯丸水產」(海鮮居酒屋)和「鳥良商店」(雞料理專門店)等,在低投資的同時穩定盈利的大衆酒吧業態上努力拓展第二支柱。自2020年以來,受疫情影響的整個行業蒙上陰影,但通過加強利潤結構和應對環境變化,業績腳步穩健地恢復勢頭。
雖然業務部門以餐飲業務爲單一部門,但根據不同業態分爲創業型業務部門「鳥良業務部門」、主力業態「磯丸業務部門」、包括新業態在內的「其他部門」,並從2020年2月開始增加由食品聯盟成員(子公司)的貢獻部分,共分爲4個部門。「磯丸業務部門」佔營業收入約60%。店鋪設在東京和首都圈爲主,但也在着手向地方城市開設店鋪。
※由喬-麥爾(熊本縣)和克餐飲控股(長野縣)的兩家公司組成。通過兼併收購擴大到地方城市的店鋪網點(在集團內以特許經營方式提供品牌)是他們的目標。
2. 公司特點
該公司的優勢在於不僅在傳統居酒屋業態的營收模型上有優勢,還建立了獨特的營收模型。主力業態「磯丸水產」在高租金的車站前和繁華街開店,在利用一流地段的吸引力、特色醒目的外立面、開放式愉快氛圍及24小時營業吸引廣泛需求等方面,最大程度地利用地理位置帶來的吸客力,以獨特的營收模型高運轉率運作。簡單來說,通常居酒屋的營收模型即使支付高昂租金也能通過保證高銷售額實現槓桿效應。當然,這其中包括地理位置分析框架、店鋪開發技能、24小時運營的操作、根據時間段靈活調整菜單等專業知識的結合,不是簡單拷貝模仿即可達成的。特別是,高昂的店鋪成本和24小時營業的困難對其他公司來說可能是很高的門檻。該公司的先發優勢積累了專業知識,並且通過集中進駐首都圈增強了品牌力,進一步降低了店鋪風險。儘管疫情導致人流管制、縮短營業時間、限制人數、限制酒水供應等措施影響了「磯丸水產」的一部分特點(車站前地理優勢、高週轉率、24小時營業帶來廣泛需求等)但這只是疫情政策性不可抗力的影響,營收模型本身的優勢並沒有發生大的變化。疫情結束後,既有店鋪已經恢復到疫情前水平。此外,「磯丸水產」風格的吸引力,例如路邊開放式氛圍、便利的移動點餐和無現金支付、親自燒烤新鮮海鮮的樂趣,不僅在本地備受歡迎,也爲入境遊客需求對業績底線的提升作出了貢獻。
此外,通過將建立在「磯丸水產」中的營收模型(以下稱「磯丸水產」模型)運用到其他業態中,還有很大的發展空間。公司成功將主力業態「磯丸水產」模型引入鳥料理專門店「鳥良商店」,特別是重複開店「磯丸水產」和市場特性(地理位置、業態)的結合更入選開店的關鍵。此外按照疫情後環境變化(消費者行爲變化等)需要靈活調整的構想,凸顯了公司追求假設驗證型發展的精神。公司一直注重提升餐飲性質,並開始「町鮨とろたく」品牌的發展,該品牌可在「磯丸水產」已開店區域開店。同時,在充分利用車站前一流地段的優勢的同時,通過小型、高週轉率的方式,專注於低投資、穩定盈利的大衆酒吧業態,這也是公司的發展方向之一。
3. 公司沿革
公司成立於1984年4月,創始人寒川良作先生(前代表董事長,於2015年12月退任)在東京都武藏野市開設了炸雞翅專賣店「鳥良」。公司以獨特的食譜調整了名古屋特色炸雞翅作爲招牌菜,穩步增加了門店數量。2001年,公司制定了「創造豐富食物的綜合食品服務業」爲願景,並在不斷嘗試多樣化業態的同時,於2008年擴大業務規模至全公司50家門店體制。
隨後,受到雷曼兄弟倒閉等經濟衰退的影響以及行業環境的變化等因素影響,「追求成爲讓日本豐富起來的『餐飲』專門店集團」成爲新的願景,並着手朝着「專門店」化的目標努力。爲了奠定發展基礎,公司於2009年依靠獨特的營收模型開設了「磯丸水産」,鋪平了前進之路。
由於「磯丸水産」順利啓動,發展道路清晰可見,因此公司認定爲實現「建立持續的公司組織」最直接的途徑是走向上市。基於這一判斷,2010年12月,公司接受了PE基金——北極星第二號投資業務有限責任合夥企業(北極星資本集團)的資本參與,決定通過客觀視角和合理方法引入,提升經營管理和組織運營的準確性。
2013年4月,公司與主要業務爲郊外購物中心內的餐廳和美食廣場運營的Create Restaurants Holdings(3387)建立資本合作關係,成爲其子公司。2014年12月成功在東京證券交易所(以下簡稱東證)二部上市,2019年2月升級至東證一部,2022年4月起轉至新市場分類的「東證主板市場」。同時,在此期間,2016年9月轉變爲控股公司結構,因此於2017年6月更名爲SFP Holdings株式會社,形成現今的形態。
根據股票上市的契機,「磯丸水産」作爲備受歡迎的業態成功確立品牌力,加快了新店擴張步伐,截至2015年5月,「磯丸水産」已達到100家門店體制。此外,從愛知縣名古屋市作爲起點,「磯丸水産」的特許經營店鋪也開始擴展,「鳥良商店」的開設也啓動。
從2020年2月財年開始,公司通過獨特的「SFP食品聯盟構想」,通過併購擴大地方城市的業務(通過集團內特許經營形式提供品牌),實現了擴張。
(撰寫:FiSCO客座分析師柴田鬱夫)