■SOLIZE<5871>の中長期の成長戦略
1. 中長期的な成長の加速
同社グループでは、しっかりとした顧客基盤を持つ従来領域に加え、そこで得た収益を2020年以降に立ち上げた新規領域と組み合わせることで、成長の確度を上げていく計画だ。従来領域は、デザイン&シミュレーション、デジタルものづくり(試作)、3Dプリンター装置導入、変革コンサルティング等である。また、新規領域は、ソフトウェア&シミュレーション、デジタルリスク、デジタルものづくり(量産)、SaaSプロダクト等であり、ニーズが高く、成長性が高い領域である。顧客からの事業領域を広げてほしいとの要望に応えて、提供の幅を拡大している。
同社グループでは、売上高の拡大を最優先に考えており、現在は先行して採用やM&Aなどにコストをかけている。売上高を2024年12月期予想の227億円から、できるだけ早期に300〜500億円規模に拡大したいとの考えだ。売上規模の拡大に伴って、各段階の利益も増加させる見通しである。2010年代は投資が少なく、新たな事業の芽が出難かったが、2020年代は投資や研究開発を積極化、利益率8〜9%台が3〜4%台まで低下している。ただ、これが競争力を支えたということもあり、研究開発負担が相対的に低下する売上高規模を目指す。
今後の成長を加速するために、以下のことを計画している。
2. 採用の強化
従来領域における売上高・売上総利益の推移を見ると、従来領域は、顧客から高い信頼を得ており、順調に推移している。2021年以降、売上高は毎年2ケタ以上成長し、売上総利益率も改善している。したがって、稼ぐ力は伸びていると言える。
その源泉となっているのが、採用者数の増加である。同社では、デザイン事業の売上高・売上総利益が大半を占めており、デザイン事業のエンジニア数が業績に直結している。そのため、経験者採用及び2026年4月入社までの新卒採用の採用者数増大を目指し、新たな応募チャネルの開発等を進め、応募数増加を図る計画だ。2020年以降、様々な施策を打つことで、採用数を押し上げてきた。2024年は中間期段階で200名を超えており、通期では2023年の採用数を超える見通しだ。同社では、元々は新卒採用に力を入れていたが、コロナ禍収束後に自動車メーカーにおいて自動車の内・外装部門などで人手不足の状況になり、同社に丸ごと請け負ってほしいとの要望が増えたことから、即戦力となる経験者の採用を増やしている。
3. 新規領域の拡大
同社グループでは、中長期の計画の実施により、ビジネスモデルの拡張、すなわち人工※によらないビジネスモデル成長を加速させる考えだ。
※ 「にんく」と読み、1人の社員が1日にできる作業量のこと。
領域の拡張としては、組み込み系、第三者検証支援などのソフトウェア事業がある。近年、注目を浴びているサイバーセキュリティ領域のデジタルリスク事業も、現在は一定のビジネスとしての規模に達している。さらにビジネスモデルの拡張では、昨年、「LEXUS」に初めて採用された少量量産部品など、3Dプリンターによる量産の領域がある。「LEXUS」はトヨタ自動車の最上位ブランドで、国内で初めて純正オプションパーツとして3Dプリンティングによる少量量産の部品を供給している。
同社では、さらなる事業成長のためには、迅速な経営判断のもと、企業ブランディング、顧客基盤の構築、技術追求等を行っていくことが極めて重要であるとの判断から、ソフトウェア事業の分社化を決定した。(株)STELAQを立ち上げ、2025年1月1日より業務開始の予定だ。企業ブランディング等をソフトウェアに合わせて展開することで、成長をより加速できると考えている。ソフトウェア事業は2021年頃から開始した新しい事業で、自動車開発での需要が大きい。ただ、同事業は従来のSOLIZEのイメージとは異なるためソフトウェア系の採用に苦労をしていたことから、分社化に踏み切った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■SOLIZE<5871>的中長期增長戰略
1. 中長期增長的加速
該集團公司的戰略是在已經建立穩健客戶基礎的傳統領域之外,結合這些領域所獲得的收入,並在2020年之後推出的新領域,以提高增長的確定度。傳統領域包括設計與模擬、數字製造(試製品)、3D打印設備引入、變革諮詢等。此外,新領域包括軟件與模擬、數字風險、數字製造(量產)、SaaS產品等,是需求和增長性高的領域。爲了滿足客戶拓展業務領域的需求,他們擴大了提供範圍。
該集團公司視擴大營業收入爲首要任務,目前優先投入成本用於優先採用和併購等措施。他們希望將營業收入從2024年12月預期的227億元擴大到300-500億元規模,儘快實現這一目標。隨着營業規模的擴大,預計各階段的利潤也將增加。2010年代的投資較少,新業務發展困難,但到了2020年代,投資和研發活動積極化,使利潤率從8-9%下降至3-4%。然而,這也支撐了競爭力,目標是降低研發負擔並追求較大的營業收入規模。
爲加速未來增長,他們計劃以下措施。
2. 增強招聘力
從傳統領域的營業收入和銷售毛利的趨勢來看,傳統領域取得了客戶高度信賴,發展順利。自2021年以來,營業收入每年增長兩位數以上,銷售毛利率也得到改善。因此,可以說賺錢能力正在增強。
這一源泉是招聘人數增加。該公司設計業務的營業收入和銷售毛利佔大部分,並且設計業務的工程師人數與績效直接相關。因此,他們計劃增加經驗豐富的員工招聘和截至2026年4月的新畢業生招聘,推進新的申請渠道開發等措施,以增加申請數量。自2020年以來,通過多項舉措增加了招聘人數。到2024年中期階段,招聘人數超過200人,預計在全年將超過2023年的招聘人數。該公司原本專注於新畢業生招聘,但在疫情後,汽車製造商的汽車內部和外部部門等出現人手短缺情況,要求該公司全面負責這些工作,並因此增加了具有即戰力的經驗豐富員工的招聘。
3. 新領域的擴大
在該集團內,通過中長期計劃的實施,加速業務模式的擴展,即加速非人工依賴的業務模式增長的想法。
1.「にんく」と讀作,指一名員工一天內可完成的工作量。
作爲領域擴展的一部分,軟件業務包括嵌入式系統、第三方驗證支持等。近年,備受關注的網絡安全領域數字風險業務已經發展成爲一定規模的業務。此外,在業務模式的擴展方面,去年首次在「雷克薩斯」品牌中採用的少量量產零部件等,還有通過3D打印技術批量生產的領域。「雷克薩斯」是豐田汽車的最高端品牌,是國內首家以原廠選裝部件的形式供應通過3D打印技術少量量產的部件。
爲實現進一步的業務增長,公司決定分拆軟件業務,預計將成立STELAQ公司,並於2025年1月1日開始運營。基於在迅速經營決策下,公司認爲進行企業品牌塑造、建立客戶基礎、追求技術等是至關重要的判斷,將軟件業務分拆出是邁出的重要一步。將企業品牌等與軟件相匹配展開,有助於加快增長。軟件業務是從2021年左右開始的新業務,在汽車開發中需求量巨大。然而,由於該業務與SOLIZE以往形象不同,因此在軟件領域的採用方面存在困難,因此決定進行分拆。
(作者:富士客座分析師國重希)