■要約
ジーニー<6562>は、インターネット上で閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示するプラットフォームサービスを開発・提供する。また、積極的にAI技術を活用することで、AI技術関連に関わる導入コンサルティング、プロダクト提供、ならびに研究開発を推進する「マーケティング領域のテクノロジー・AI企業」である。「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」ことをビジネスパーパスとし、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」ことを存在意義として掲げている。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上収益8,012百万円(前期比24.1%増)、売上総利益6,138百万円(同19.4%増)、営業利益1,538百万円(同37.4%減)、税引前利益1,277百万円(同44.0%減)、当期利益1,035百万円(同51.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,031百万円(同51.2%減)で着地した。営業利益以下の段階利益は減益となったが、主因は、前期に計上した米Zelto, Inc.の子会社化に伴う時価評価益の反動や、人件費及び外注費、広告宣伝費及び販促費などの成長投資である。一過性損益であるZeltoに対するアーンアウト※減額益及び旧株主への義務免除益調整後の営業利益は約8.7億円となり、前期の約11.1億円より同22%減となった。売上面では、主力の広告プラットフォーム事業においてサプライサイドビジネスでの動画領域の業績が拡大したことや、デマンドサイドビジネスでのパフォーマンス領域での業績進展のほか、マーケティングSaaS事業におけるエンタープライズ層顧客の開拓が増収に寄与した。
※ M&A実行後、条件に応じて追加代金を支払う義務のことを指す。M&A実行後の一定期間内に、買収対象となっている売り手企業・事業が定められた目標を達成した場合、あらかじめ両者が合意した計算方法に基づき対価が追加で支払われる。
2. 2025年3月期第1四半期の業績概要
2024年8月13日に発表した2025年3月期第1四半期決算は、売上収益2,265百万円(前年同期比26.2%増)、売上総利益1,740百万円(同26.5%増)、営業利益815百万円(同633.7%増)、税引前利益748百万円(前年同期は8百万円)、四半期利益670百万円(同6百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益672百万円(同4百万円)で着地した。営業利益の増加はZeltoのM&Aに関するアーンアウトの取り崩しに伴う一過性の利益を含む。それを除いた正常ベースでも170百万円(前年同期比53.2%増)となり、売上・利益とも順調な滑り出しとなった。セグメント別の状況では、主力の広告プラットフォーム事業は前期から好調なサプライサイド向けの事業が順調に推移した。マーケティングSaaS事業では2024年3月期の大型案件の納品が完了して月次収益獲得の段階に進んだことに加え、エンタープライズ領域の顧客開拓が進んだ。海外事業ではZeltoに対するマネジメント強化が進み、同社との事業統合を推進している。
3. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績予想は、売上収益10,200百万円(前期比27.3%増)、売上総利益8,000百万円(同30.3%増)、営業利益2,300百万円(同49.4%増)、税引前利益2,200百万円(同72.3%増)、当期利益1,700百万円(同64.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,700百万円(同64.7%増)を見込む。なお業績予想においては、2024年7月に子会社化したソーシャルワイヤー<3929>の金額は含まれていない。現時点で、シナジー等は未考慮の参考値であるものの、ソーシャルワイヤーの対外公表ベースの金額を「デジタルPR」セグメントとして売上収益及び各段階利益に加算した場合の業績予想は、売上収益12,400百万円(前期比54.8%増)、売上総利益9,400百万円(同53.1%増)、営業利益2,370百万円(同54.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,740百万円(同68.6%増)となる。引き続き、主力の広告プラットフォーム事業でのエンタープライズ層との取引深耕に加え、第2の柱として成長を続けるマーケティングSaaS事業でのエンタープライズ顧客の取り込みを中心とした施策のほか、ソーシャルワイヤーとの協業により業績拡大を図る。
4. 中期経営計画
2023年5月に3ヶ年(2024年3月期~2026年3月期)の中期経営計画「~First Magic 2025 Towards 2030 Vision~」を策定した。2030年までに同社のパーパス「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」を国内で実現するために、3つのフェーズを設定した。「Phase1」と位置付けている今回の中期経営計画では、新たな成長軌道を創るために、国内外のアドテクノロジー事業の強化を行う。2026年3月期で売上収益162~202億円、売上総利益132~164億円、営業利益45~55億円、親会社の所有者に帰属する当期利益30~37億円を数値目標として掲げている。ただし、今後ソーシャルワイヤーとの統合効果やZeltoのPMI進捗に伴う業績動向を踏まえて計画の見直しを行う予定である。
■Key Points
・最先端の生成AIソリューション開発により顧客価値向上を実現
・2024年3月期は、売上収益と売上総利益が順調に伸長、段階利益は一過性利益の反動等で減益
・ソーシャルワイヤーを連結子会社化
・2025年3月期も売上収益・各段階利益で大幅増を見込む
・動画領域向けの案件を積極的に開拓
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
■摘要
Genie <6562> 開發並提供平台服務,可即時選擇和顯示適合互聯網觀衆的廣告。此外,它是一家 「營銷領域技術/人工智能企業」,通過積極利用人工智能技術,促進與人工智能技術相關的引進諮詢、產品供應和研發。其經營目標是 「創造一個每個人都能成功進行營銷的世界」,而存在的意義是 「成爲一家來自日本的全球科技公司,爲日本和亞洲做出貢獻」。
1。截至2024年3月31日的財政年度財務摘要
截至2024/3財年的合併財務業績達到80.12億日元(比上一財年增長24.1%),毛利爲61.38億日元(比同期增長19.4%),營業收入爲15.38億日元(比同期下降37.4%),所得稅前利潤爲12.77億日元(比同期下降44.0%),淨收入爲1,035% 百萬日元(比同期下降51.2%)。低於營業收入的利潤逐漸下降,但主要原因是與美國Zelto, Inc.轉換爲上一財年記錄的子公司相關的市值估值增長以及勞動力成本、外包成本、廣告成本和促銷費用等增長型投資的反應。收益*經調整後的營業利潤減少和Zelto對前股東的債務免除後營業利潤約爲8.7億日元,爲約8.7億日元,較上一財年的約11.1億日元下降了22%。在銷售方面,除了主要廣告平台業務供應方業務中視頻領域的業績擴大以及需求側業務績效領域的進展外,營銷SaaS業務中企業級客戶的發展也促進了銷售的增長。
* 它表示有義務在併購執行後根據條件支付額外費用。如果被收購的賣方企業/企業在併購執行後的固定時期內實現了規定的目標,則根據雙方事先商定的計算方法額外支付補償。
2。截至2025年3月31日的財年第一季度財務業績摘要
2024/8/13財年公佈的截至2025/3財年第一季度的財務業績顯示,銷售收入爲22.65億日元(比去年同期增長26.2%),毛利爲17.4億日元(較同期增長26.5%),營業收入爲8.15億日元(較同期增長633.7%),所得稅前利潤爲7.48億日元(同期爲800萬日元)去年),季度利潤爲6.7億日元(同等600萬日元),以及歸屬於母公司所有者的季度利潤。營業利潤的增長包括與取消與Zelto併購相關的盈利相關的臨時利潤。即使正常情況下,不包括該利潤,也爲1.7億日元(與去年同期相比增長53.2%),銷售和利潤均順利啓動。從細分市場來看,自上一財年以來一直表現良好的主要廣告平台業務,即供應端業務進展順利。在營銷SaaS業務中,除了截至2024/3財年的大型項目的交付已經完成並進入月度收入獲取階段外,企業領域的客戶開發也取得了進展。海外業務正在加強Zelto的管理,並正在促進與該公司的業務整合。
3.截至2025/3財年的收益預測
截至2025/3財年的合併收益預測預計銷售收入爲102億日元(較上一財年增長27.3%),毛利爲80億日元(較同期增長30.3%),營業收入爲23億日元(較同期增長49.4%),所得稅前利潤爲220億日元(較同期增長72.3%),淨收入爲17億日元(比同期增長64.2%),淨收益歸屬於母公司所有者。請注意,在收益預測中,Social Wire(3929)的金額不包括在內,該公司於2024/7年成爲子公司。目前,儘管協同效應等是尚未考慮的參考值,但將基於社交資訊外部披露的金額加到每個階段作爲 「數字公關」 板塊的銷售收入和利潤後,收益預測爲124億日元(較上一財年增長54.8%),毛利爲94億日元(較同期增長53.1%),營業收入爲2.37億日元(增長54.8%)同期的0%),歸屬於母公司所有者的淨收益變爲。繼續,除了深化與主要廣告平台業務中企業階層的交易外,除了採取以將企業客戶納入營銷SaaS業務爲中心(作爲第二支柱持續增長)的措施外,我們還計劃通過與Social Wire的合作來擴大業務業績。
4。中期管理計劃
三年(2024/3至2026/3)中期管理計劃 「~邁向2030年願景的第一個魔法2025年〜」 是在2023/5年制定的。已經設定了三個階段,以實現公司的目標,即到2030年在國內 「創造一個人人都能成功進行營銷的世界」。在這份定位爲 「第一階段」 的中期管理計劃中,我們將加強國內和國際廣告技術業務,以創造新的增長軌跡。在截至2026/3財年的財年中,銷售收入爲162億至202億日元,毛利爲132億至164億日元,營業收入爲45億至55億日元,歸屬於母公司所有者的淨收益爲30億至37億日元作爲數字目標。但是,將來,我們計劃根據與Social Wire整合的影響以及與Zelto採購經理人指數進展相關的業績趨勢對該計劃進行審查。
■要點
・通過開發尖端的生成式 AI 解決方案來提高客戶價值
・在截至2024/3財年的財年中,銷售收入和毛利穩步增長,由於短暫利潤的反應等,分階段利潤下降。
・SocialWire成爲合併子公司
・預計截至2025/3財年的每個階段的銷售收入和利潤也將大幅增加
・積極開發視頻領域的項目
(作者:FISCO 分析師村瀨智和)