■フルテック<6546>の中長期の成長戦略
同社は、水平・垂直・“プラスα”の3本の成長軸での成長戦略を描いている。水平方向への成長戦略とは、市場領域の拡大だ。大きな市場を抱える東京を中心とした関東地区におけるシェアアップ及び中部・西日本地区など販売・保守サービス拠点の未進出エリアへの事業拡大を目指す。首都圏では、大型ビル・商業施設での受注増加に伴い会社の認知度も高まってきている。2021年1月に進出した九州地区においても着実に実績を積み上げており、そこでの成功体験を横展開していく。そのためには、同社だけの経営資源では限界があり、同業他社のM&Aなどにより面展開していくことも想定している。
垂直方向への成長戦略とは、ビジネス領域の拡大だ。ストック市場の開拓及び商品開発力の強化を目指す。ストック市場であるリニューアルにおいては、需要掘り起こしのためエンドユーザーとの「つながり」を創出、強化する施策に取り組み、取替台数7,000台の早期達成を目指す。戦略として、リニューアル営業人員の強化、ビル管理会社への営業強化、トータルリニューアルの推進を実施する方針である。トータルリニューアルとは、自動ドア駆動装置、建具、セキュリティシステムなどを別々に個別リニューアルするのではなく、一つの自動ドアユニットとしてリニューアル受注する形態だ。現在も顧客ニーズに応じて積極的に推進しているが、2023年12月期は、自動ドアと建具のリニューアル売上高2,950百万円のうちトータルリニューアルが533百万円となった。近年、自動ドアの用途は、ハンズフリーの自動開閉のみならず、バリアフリーなど障害者対応、省エネ、防犯、防火、防音など多岐にわたっており、これらの用途にマッチした商品開発力の強化は、トータルリニューアルの推進に不可欠であろう。
また、メンテナンスにおいては、戦略として、保守契約率の向上、保守契約先以外の約21万台へのアプローチの強化、IoT活用によるローコストで効率的なメンテナンス体制の構築に取り組む方針だ。特にIoT技術の活用により、24時間365日遠隔モニタリング、年1回の定期点検を実現した保守点検サービス「Fi-R」の拡大を目指す。同社にとっては、保守要員の生産性向上、労務コストの低減、ひいては収益力の強化につながる施策だ。そのほか、保守要員にウェアラブルカメラを装着させ、現場での修理・点検作業について札幌のコールセンターの技術者から指示を受ける取り組みもスタートし、保守要員の早期戦力化、保守サービスの効率化に取り組んでいる。
“プラスα”の成長軸とは、新たな事業領域の拡大だ。新たな価値を付加した自動ドアの提案や、自動ドア以外の新商品の開拓を目指す。同社では、これまでも他社との共同開発により、「eメディアドア」(画像解析AIと自動ドアとの組合せ)や「ソーシャル アイ」(インフォメーション機能を備えた非接触バリアフリートイレドアスイッチ)など、新機能を備えた新商品を提供してきた。同社では、商品開発の内製化を進めることを考えており、M&Aなどによる展開を想定している。その戦略の第一歩がワイズ・コーポレーションの連結子会社化だ。ワイズ・コーポレーションは保管庫セキュリティシステムや遠隔操作・監視・制御技術を有しており、同社の自動ドア及び関連商品の開発内製化を可能にする。また、同社のエンドユーザーとなる施主やビル管理会社などに対して宅配ボックスやオフィスのパーソナルロッカーなどの販売、セキュリティの強化提案などワイズ・コーポレーションの商品・技術の提供が可能となる。すでに、エンドユーザーの一部から制御機能にかかる技術的な要請を受けており、コラボレーションはスタートしているようだ。同社は2024年6月1日付でM&A推進室を新設しており、今後“プラスα”の成長軸を見越したM&Aの検討が加速することになりそうだ。
一方、成長戦略を進めていく上で課題となるのは、充分な人材の確保と育成であろう。同社グループの従業員735名(2024年第2四半期末)のうち約300名は施工・保守サービスを行う技術サービス部のスタッフであり、ストック市場をベースに継続的に成長するためには、技術スタッフの確保は必要不可欠だ。また、リニューアル営業担当者の確保も不可欠となる。2024年12月期は新人採用11名のほか、キャリア採用を34名と前期から増やした。新人採用が厳しくなる中で、キャリア採用を重視した格好だ。同社では、この課題に対して「健康経営」に注力しており、社員1人ひとりのエンゲージメント向上を重点施策に掲げ取り組んでいる。2024年も前年に続き「健康経営優良法人(大規模法人部門)2024」に認定された。2024年12月期には地域別職種別手当の新設、転勤者に対する優遇策の実施、人事考課及び人事評価制度の改善を図ることとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
■富泰<6546>的中長期增長策略
該公司制定了水平、垂直和「額外增長」這3個增長軸的增長戰略。水平增長戰略涉及市場領域的擴張。公司專注於東京及關東地區等持有大市場份額的地區的份額提升,以及向中部和西日本等未進駐銷售和維護服務基地的區域擴大業務。在首都圈,隨着大型建築和商業設施訂單的增加,公司的知名度也在提高。公司於2021年1月進軍九州地區後也穩步積累了業績,將在那裏的成功經驗進行拓展。爲此,公司僅依靠自身管理資源存在侷限,也考慮通過同行業其他公司的併購等方式進行擴張。
垂直增長戰略意味着業務領域的擴展。公司旨在開拓股市市場並加強商品開發實力。在整體市場的更新方面,公司通過與最終用戶建立和強化「聯繫」以促進需求挖掘,並努力實現取代7,000台的早期達成目標。作爲策略,公司將實施更新銷售人員的加強、加強對建築管理公司的銷售,以及推進總體更新的方針。總體更新意味着不是將自動門驅動裝置、建築元素、安防系統等分別單獨進行更新,而是作爲一個自動門單元進行更新。儘管公司積極根據客戶需求進行推進,但截至2023年12月期,在自動門和建築元素更新的營業收入2,950百萬日元中,總體更新佔533百萬日元。近年來,自動門的用途已不僅僅是無接觸的自動開閉,而是包括殘疾人適配、節能、安防、防火、隔音等多種用途,因此加強開發符合這些用途的商品開發實力,對於推進總體更新是必不可少的。
此外,在維護方面,公司的戰略是提高保養合同比率,加強對約21萬部設備的維護合同以外的接觸,並致力於通過物聯網技術建立成本低效率高的維護體系。特別是通過物聯網技術的應用,公司旨在擴大24小時365天的遠程監控、每年一次的定期檢修的維護服務「Fi-R」。對公司而言,這將促進保養人員的生產力提高,降低勞動成本,進而增強利潤能力。此外,公司還着手讓保養人員佩戴可穿戴攝像頭,實現從札幌呼叫中心的技術人員接受指導進行現場維修檢修工作的舉措,努力提升保養人員的早期戰鬥力,推動保養服務的效率化。
「額外增長」軸意味着新業務領域的擴大。公司致力於提出帶有新價值的自動門方案,以及開拓除了自動門以外的新商品。公司過去通過與其他公司共同開發,提供了具有新功能的新商品,如「e廣播門」(圖像分析AI與自動門的組合)和「社交眼」(帶有信息功能的非接觸式無障礙衛生間門開關)。公司計劃推進內部商品開發工作,並考慮通過併購等方式來展開。該戰略的第一步是收購WAIz公司的子公司。WAIz公司擁有存儲庫安防系統和遠程控制、監控、控制技術,可以實現公司的自動門和相關商品的內部開發。此外,WAIz公司可向施工業主和建築管理公司等最終用戶提供包括宅配箱和辦公室個人儲物櫃等商品銷售、安防增強方面的提案。已有部分最終用戶提出了涉及控制功能的技術要求,合作似乎已經開始。公司於2024年6月1日設立了併購推進室,並預計在未來加速考慮「額外增長」軸的併購事項。
另一方面,在推進增長戰略的過程中,人才的充分獲得和培養將是一個挑戰。公司集團的員工數量爲735人(截至2024年第2季末),其中約300名是從事施工和維護服務的技術服務部人員,爲了持續在股市基礎上增長,技術人員的獲取至關重要。此外,招募更新業務擔當者也至關重要。2024年12月期除了新員工招聘11人外,還增加了34名事業招聘人員。在新員工招聘變得更加嚴峻的情況下,公司似乎更看重事業招聘。公司正在專注於「健康經營」來應對這一挑戰,並將提高每位員工的參與度作爲重點舉措。2024年,公司再次被認定爲「健康經營優秀法人(大規模企業部門)2024」。公司計劃在2024年12月期推出按區域和職業劃分的津貼、爲調動工作人員提供優惠政策、改進人事考覈和評價制度。
(編寫:Fisco客戶體驗分析師Matsumoto Akira)