■サスメド<4263>の事業概要
5. 国内市場規模
同社が進めている開発パイプラインの国内市場規模(保険償還点数×対象人数)は、同社資料によると不眠障害治療用アプリ「サスメド Med CBT-i(R)」についてはターゲット市場を1,000億円、潜在患者まで含めると3,500億円と推定している。このうち、ターゲティング需要であるSAM(Serviceable Available Market)については、合計400億円超(既存の睡眠薬治療からの切り替えニーズ192億円+不眠症の自覚があるが睡眠薬治療に抵抗がある未治療患者の掘り起こし216億円)と試算している。そのほかの主な開発中パイプラインの国内市場規模は、乳がん患者運動療法アプリ「SMD401」が72億円、ACP用プログラム医療機器「SMD402」が309億円、慢性腎臓病リハビリアプリ「SMD201」が660億円などと推定している。
DTxプラットフォーム事業ではブロックチェーン技術を活用して臨床試験効率化を支援
6. DTxプラットフォーム事業
DTxプラットフォーム事業では、不眠障害治療用アプリの開発過程で獲得したノウハウをベースに、治療用アプリ開発プラットフォーム「QDTx(R)」を活用したDTx開発支援サービス、医療ビッグデータを分析する機械学習自動分析サービス「Awesome Intelligence」、製薬企業向けに臨床試験の効率化を支援する汎用臨床試験システム「SUSMED SourceDataSync」などを提供している。
特に「SUSMED SourceDataSync」は、ブロックチェーン技術を実装したモニタリングシステムにより、臨床試験で求められる高い水準でのセキュリティとデータ改ざん耐性を同時に実現するとともに、モニタリングに関する工数と費用の大幅削減に貢献する。「Awesome Intelligence」はクラウドサービスとして提供し、リアルワールドデータをはじめとした医療ビッグデータ解析などに活用される。
同社は、治験で求められるモニタリングのデータ照合作業をシステムで代替するため、2017年からブロックチェーン技術の活用に関する研究開発を行い、多数の特許を取得している。また「SUSMED SourceDataSync」は、内閣府規制のサンドボックス制度※1の採択とグレーゾーン解消制度※2を利用して、2020年12月に厚生労働大臣より正式にGCP省令※3の求めるモニタリングの要件を満たすシステムとして認可された。
※1 IoT、ブロックチェーン、ロボットなどの新たな技術や、プラットフォーマー型ビジネス、シェアリングエコノミーなどの新しいビジネスモデルの社会実装に向けて、規制官庁の認定を受けた実証を行い、その結果を用いて規制の見直しにつなげる制度。
※2 現行の規制の適用範囲が不明確な場合においても事業者が安心して事業活動を行えるように、具体的な事業計画に即して、あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度。
※3 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令で、GCPはGood Clinical Practiceの略。
その後も、医療機関・学術研究機関・製薬企業などとの共同研究やアライアンスによってブロックチェーン技術を応用し、さらなる信頼性向上や領域拡大を推進する。2021年6月にはEPSホールディングス(株)とブロックチェーン技術を活用した治験業務の効率化を目的に業務提携した。
2022年5月にはNCNPと共同で、ブロックチェーン技術を活用したレジストリデータの信頼性向上に関する研究を開始した。同年6月には、神経・精神科領域で新薬開発などを展開する日本発バイオベンチャー企業のアキュリスファーマ(株)と、企業治験として世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験の実施に関する業務委託契約を締結した。同年11月にはアキュリスファーマが「SUSMED SourceDataSync」を活用し、ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬Pitolisantのナルコレプシー患者を対象とする国内第3相臨床試験を開始した。
2023年1月には、アキュリスファーマが「SUSMED SourceDataSync」を活用した2つ目の治験として、Pitolisantの閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気に対する国内第3相臨床試験を開始した。またリニカル<2183>及びClinChoice(株)と「SUSMED SourceDataSync」を活用した効率的かつ効果的な臨床試験フルサポートサービス提供体制構築に向けて業務提携した。同年9月には東北大学と、「SUSMED SourceDataSync」を用いて(一社)日本心血管インターベンション治療学会及び関連学会が実施する静脈疾患レジストリの構築を行う基本合意書を締結した。ブロックチェーン技術による医療機器のリアルワールドデータ活用を推進する。また「SUSMED SourceDataSync」が耳鳴治療用アプリ「SMD403」の特定臨床研究に導入された。同年10月には、2021年に採択されていた東京医科歯科大学とのAMED「研究開発推進ネットワーク事業」において、ブロックチェーン技術の活用によるモニタリング手法の効率化に関する成果が公表された。
当面は研究開発費が先行
7. リスク要因
一般的なリスク要因としては、新薬開発と同様に、治療用アプリ開発における研究開発の不確実性や副作用・製造物責任、法的規制、知的財産権に関わる訴訟などがある。既に医療機器製造販売承認を取得している不眠障害治療用アプリ「サスメド Med CBT-i(R)」については、今般行った製造販売承認事項の一部変更承認申請の動向、及びその後の市場での普及がリスクとして想定されるため、当面は多額の研究開発費が先行し期間損益のマイナスが継続する可能性がある。
こうしたリスク要因に対して同社は、治療用アプリのシーズ獲得とパイプライン開発を推し進めることで将来の利益拡大を目指している。加えて、保有する開発パイプラインの他社への導出やマイルストン収入の獲得など、より早期の収益計上可能な方策を検討する考えだ。また、研究開発型企業として多額かつ長期にわたる研究開発費の負担が続くため、安定的な収益源を確保するまでは適切な時期に資金調達などを実施し、財務基盤の強化を図る方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
■SASMED<4263>的業務概述
5. 國內市場規模
據該公司資料顯示,該公司正在進行的開發管道在國內市場的規模(保險賠償點數×目標人數)估計爲:針對失眠障礙治療應用程序「SASMED Med CBT-i(R)」的目標市場約爲1000億元,包括潛在患者在內的市場規模估計爲3500億元。其中,針對客戶需求的SAM(可服務市場)的估算總額超過400億元(從現有的睡眠藥物治療轉換需求爲192億元+有失眠症意識但對睡眠藥物治療有抵抗的未治療患者的發掘爲216億元)。其他主要開發中的管道在國內市場的規模估計如下:乳腺癌患者運動療法應用程序「SMD401」約爲72億元,ACP用程序醫療設備「SMD402」約爲309億元,慢性腎臟病康復應用程序「SMD201」約爲660億元。
DTx平台業務利用區塊鏈技術支持臨床試驗效率化。
6. DTx平台業務
在DTx平台業務中,基於失眠障礙治療應用程序開發過程所獲得的專業知識爲基礎,提供利用治療應用程序開發平台「QDTx(R)」進行DTx開發支持服務、機器學習自動分析服務「Awesome Intelligence」用於分析醫療大數據,以及用於支持製藥公司進行臨床試驗效率化的通用臨床試驗系統「SUSMED SourceDataSync」等服務。
特別值得一提的是,「SUSMED SourceDataSync」通過實施區塊鏈技術的監控系統,同時實現了符合臨床試驗所要求的高水平安全性和數據防篡改能力,還大大降低了監控相關的工作量和成本。「Awesome Intelligence」以雲服務形式提供,並用於醫療大數據分析,包括實際世界數據等。
該公司從2017年開始進行利用區塊鏈技術的研究開發,以替代臨床試驗數據覈對工作,獲得了大量專利。此外,「SUSMED SourceDataSync」利用內閣府監管的沙盒制度※1和灰色區域解消制度※2,於2020年12月獲得衛生勞動省令※3的正式認可,滿足監測要求。
※1 爲了實施新技術,如物聯網、區塊鏈、機器人等,和新業務模式,如平台型業務、共享經濟等,進行獲得監管機構認可的實證,並以此結果來促進監管的重新審視。
※2 即使現行法規對適用範圍不明確的情況下,也能根據具體的業務計劃事先確認法規的適用與否,使企業能夠安心開展業務活動。
※3 GCP是指與藥品臨床試驗實施標準有關的命令,GCP是Good Clinical Practice的縮寫。
通過與醫療機構、學術研究機構、製藥公司等的合作研究和聯盟,推動區塊鏈技術的應用,進一步提高信任度和擴大領域。2021年6月,EPS控股與區塊鏈技術合作,以提高臨床試驗業務的效率爲目的進行業務合作。
2022年5月,與NCNP共同開始研究利用區塊鏈技術提高註冊數據的可信度。同年6月,與日本生物創新公司Accuris Pharma簽訂了業務委託合同,這是世界上首個利用區塊鏈技術進行企業臨床試驗的合同,在神經和精神領域開展新藥開發等。同年11月,Accuris Pharma利用「SUSMED SourceDataSync」開始了面向日本國內的H3組織受體拮抗劑/反作用劑Pitolisant用於納科萊普病患者的國內第三期臨床試驗。
2023年1月,Accuris Pharma利用「SUSMED SourceDataSync」開始了作爲第二個試驗的Pitolisant用於閉塞性睡眠呼吸暫停的日間過度睡眠的國內第三期臨床試驗。並與Linical和ClinChoice開展業務合作,構建了利用「SUSMED SourceDataSync」提供高效和有效的臨床試驗全面支持服務的體制。同年9月,與Tohoku University簽署了基本協議,利用「SUSMED SourceDataSync」建立了一個由日本心腦血管介入治療學會和相關學會執行的靜脈疾病註冊的框架。推動利用區塊鏈技術的醫療設備的現實世界數據。並且「SUSMED SourceDataSync」被引入用於耳鳴治療APP「SMD403」的特定臨床研究。同年10月,在AMED「研究開發推進網絡事業」中與Tokyo Medical and Dental University,公開了通過區塊鏈技術利用監控方法提高效率的成果。
目前研發費用優先
7. 風險因素
一般風險因素包括研發不確定性、副作用與製造責任、法律法規和知識產權訴訟等,就像新藥開發一樣。對於已經獲得醫療設備製造銷售批准的用於治療失眠障礙的應用程序「サスメド Med CBT-i(R)」,由於申請的部分變更批准和隨後市場普及被視爲風險,研發費用可能會繼續超前支出,並導致期間損益持續爲負數。
爲了追求未來的利潤增長,該公司通過獲取治療應用的種子並推進管道開發來應對這些風險因素。此外,他們還計劃通過對其擁有的開發管道進行外部轉讓和獲得里程碑收入等措施,來考慮更早的收入確認措施。另外,作爲一個研究型企業,他們需要承擔大量且長期的研發費用負擔,因此在確保穩定的收入來源之前,他們計劃在適當的時機進行資金籌集等措施,以增強財務基礎。
(撰寫: FISCO特約分析師 水田雅展)