■会社及び事業の概要
3. 事業内容
C&Gシステムズ＜6633＞の事業セグメントは、金型設計・製造用のCAD/CAMシステムの製造、販売、保守サービスを行う「CAD/CAMシステム等事業」と金型製造を請け負う「金型製造事業」（すべて北米で展開）の2事業である。2024年12月期中間期のセグメント別売上高比率は、CAD/CAMシステム等事業が93.4%、金型製造事業が6.6%であった。
(1) CAD/CAMシステム等事業
さらにCAD/CAMシステム等事業は3つに分類され、2024年12月期上期の実績ではCAD/CAMパッケージ及び関連ハードウェア販売が連結売上高の29%、保守契約・サービスが同62%、開発サービスが同2%を占める。
a) CAD/CAMと同社の領域
CADとはコンピュータを利用して各種製品や部品などの設計を行うシステム（ソフトウェア）のことである。自動車のボディや各種製品の形状設計、部品設計、金型設計、電子回路設計などに利用される。このなかで同社が扱っているのは「金型設計用」であり、同じCADであっても車体デザイン用や電子回路設計用などとは領域（市場）が異なる。
上記のCADで設計された製品や部品の多くは、最終的にはNC（Numerical Control）工作機械を使って製造されるが、そのためにはあらかじめCADで設計されたデータをNC工作機械用の数値データに変換することが必要で、これを行うのがCAMである。このため、通常はCADとCAMは一体で使用されるが、別々に利用される場合もある。同社においても、CAD/CAM一体で販売するケースとそれぞれ別々に販売するケースがあるが、CADとCAMの売上高内訳は公表されていない。
製品価格はオプション追加の有無などにより150万円～600万円になるが、平均では1システム当たり300万円ほどになる。CAD/CAMシステムは一種のパッケージソフトであるが、ハードウェアについては特別の制限はなく、一般のPCでグラフィックス機能が強化されたものであれば使用できる。顧客の買い換えサイクルは、リース期間との関係もあり平均で5年ほどであるが、特別な技術革新が進んだ場合やハードウェアの陳腐化などによって、サイクルが早まる場合もある。
b) 主要ユーザー
主要ユーザーはトヨタ自動車＜7203＞、アイシン＜7259＞、ヤマハ発動機＜7272＞、パナソニックホールディングス＜6752＞、オムロン＜6645＞、アルプスアルパイン＜6770＞、ニフコ＜7988＞、TOTO＜5332＞、ニコン＜7731＞、キヤノン＜7751＞、オリンパス＜7733＞などの大手メーカーから中小金型メーカーまで幅広く、総ユーザー数は7,000事業所（国内6,000事業所、海外1,000事業所）を超えている。ただし、これらの顧客のうち約5,500事業所は従業員20人未満の中小メーカーとのことだ。販売は約80%が代理店経由（大手代理店5社、主要1次代理店約30社）、約20%が直接販売となっているが、代理店販売であっても同社の技術スタッフが同伴するケースが多く、顧客ニーズを細かく汲み取っている。
c) 市場シェア
国内の金型用CAD/CAMシステム市場における同社のシェアは約20%で、国内ではBIPROGY＜8056＞グループに次いで第2位と推定される。ただしBIPROGYグループの売上高のなかには金型用CAD/CAMシステム以外の売上高も含まれていることから、純粋に金型用のCAD/CAMシステムの市場シェアで考えれば、同社の実質的なシェアは40～50%前後と推測される。
d) 特色と強み
同社は金型設計用CAD/CAMシステムの専業メーカーであるが、強みの1つが2次元/3次元両方に対応した高機能なCAD/CAMシステムをラインナップしていることである。また、同社製品は大小様々な金型に対応が可能で、付加価値の高い0.2ミクロンほどの微細品用や自動車のバンパー向けの大きい金型などに対応できることも同社の特色、強みである。このように専業メーカーとして幅広い対応が可能なため、ワンストップで顧客の様々なニーズを満たすことができる。
特に同社製のCAMは、独自の演算プログラムにより高精度加工※ができ、業界トップクラスの高い評価を得ている。また、金型の設計段階から加工設定を行うことができ、効率的な金型製作を実現している。多くの製品が「自社開発品」であるため、顧客ニーズをすぐに次の製品にフィードバックすることができる。
※ 最終製品である金型の精度は、切削や加工を行う工作機械の精度に左右されると思われがちだが、実はCAMの精度が低いと工作機械の性能が十分に生かされない。精巧な金型の製造には、高性能な工作機械だけでなく高精度のCAMが重要な役割を果たしている。
同社のユーザーの多くは、継続的に同社と保守契約を結び、新製品購入の場合でも同社を優先することが多い。その結果、ここ数年間の既存顧客の保守更新率は常に90%以上となっており、業界平均を大きく上回っている。この事実が同社の収益基盤を安定的なものとしており、堅実経営を可能にしている。
また、同社の販売は約80%が代理店経由となっているが、主要代理店とは30年以上の協力関係があり、この間に培ってきた代理店との強いパートナーシップも同社の強みと言える。さらに海外の主要拠点に、CAD/CAM販売子会社、テクニカルセンター及び総代理店を設置していることから、国内外で同レベルの製品・サービス・支援を提供でき、また海外市場へ水平展開を図る顧客の囲い込みが可能となっている。つまり、同社は顧客の水平展開への適応力を備えたCAD/CAMシステムメーカーであり、これも同社の強みの1つだろう。
以下は、同社製品の主な導入事例である。
1) 名古屋精密金型
(株)名古屋精密金型は、自動車のヘッドライト関連部品のプラスチック射出成形金型製造を一貫して手掛け、ワールドワイドに業務を展開する。同社が提供するCAD/CAMシステム「CAM-TOOL」による同時5軸の導入によって、CAM作業の部分だけでも5割の工数削減を実現、課題であった放電加工においても3割の工数削減を実現した。また5軸化により工作機械の有人運転から無人運転への切り替えも可能となり、リードタイムが大幅に短縮した（参考：CGS-LETTER Vol.62 2017年12月12日号）。
2) 村元工作所
(株)村元工作所は、自動車部品や家電、情報機器関連の多種多様な金型製造から製品アセンブリまで国内外で手掛ける。2000年に同社の「EXCESS-PLUS」を導入、さらに2015年に2次元及び3次元モデルのハイブリッド設計を可能にした「EXCESS-HYBRID II」を採用し、新たに搭載された「見込み変形機能」により中間工程モデリング工数を60%削減するなど大幅な時間短縮を実現した。現在は「EXCESS-HYBRID II」を22シート導入し、金型形状のさらなる複雑化・高精度化に対応している（参考：CGS-LETTER Vol.60 2017年10月31日号）。
さらにCAD/CAMシステム等事業においては、話題となっている3Dプリンタの分野でも積極的に研究開発を進めている。ただし、同社が開発を進めているのは金属または樹脂の積層による簡単な3Dプリンタではなく、高精度な工作機械（マシニングセンターやNC旋盤）と組み合わせ、同時5軸制御によって積層造形と切削加工を同一の機械で行うという非常に高度な分野（3Dプリンタ＋工作機械）である。まだ初期段階ではあるが、将来的には有望な分野であり、CAD/CAMシステムのノウハウを有する同社だからこそ実現可能な分野だと言える。
(2) 金型製造事業
金型製造事業は、北米の自動車部品メーカー（日系及び米系）から金型の製造を受注し、これを同社がアジア（主に韓国）の金型メーカーへ発注、そして同社経由でユーザーへ納入するもので、すべて北米向けである。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 寺島 昇）
■公司及業務概要
3. 業務內容
C&G Systems <6633>的業務分部包括製造用CAD/CAM系統的製造、銷售和維護服務的「CAD/CAM系統等業務」，以及承攬金型製造的「金型製造業務」（全部在北美展開），共有兩個業務。2024年12月期中期的按分部銷售額比率來看，CAD/CAM系統等業務佔93.4%，金型製造業務佔6.6%。
（1）CAD/CAM系統等業務
此外，CAD/CAM系統等業務可以劃分爲三類，根據2024年12月上半期的業績，CAD/CAM軟件和相關硬件銷售佔總銷售額的29%，維護合同和服務佔62%，開發服務佔2%。
a) CAD/CAM和該公司的領域
CAD是指利用計算機進行各種產品和零部件設計的系統（軟件）。它廣泛應用於汽車車身設計、各種產品的形狀設計、零部件設計、金型設計、電路設計等。而該公司所處理的是「金型設計」，與用於車身設計或電路設計等其他CAD系統的領域（市場）不同。
大多數由CAD設計的產品和零部件最終都要通過數控（Numerical Control）工作機牀進行製造，因此需要事先將由CAD設計的數據轉換爲NC工作機牀所需的數控數據，而這就是由CAM完成的。因此，通常CAD和CAM是一體使用的，但也有分開使用的情況。在該公司中，CAD和CAM有時一起銷售，有時分開銷售，但未公開CAD和CAM的銷售額細分。
產品價格根據是否有附加選項等因素而定，範圍爲150萬日元至600萬日元，平均每個系統約爲300萬日元。儘管CAD / CAM系統是一種軟件包軟件，但對於硬件沒有特殊限制，只要是具有增強圖形功能的普通個人電腦都可以使用。客戶更換週期平均爲5年左右，與租賃期限有關，但特殊的技術革新或硬件過時等情況可能會加快週期。
b) 主要用戶
主要用戶包括豐田汽車＜7203＞，愛信＜7259＞，雅馬哈發動機＜7272＞，松下(adr)＜6752＞，歐姆龍＜6645＞，阿爾卑斯＜6770＞，尼福克＜7988＞，TOTO＜5332＞，尼康(adr)＜7731＞，佳能＜7751＞，奧林巴斯＜7733＞等大型製造商和中小模具製造商，總用戶數超過7000家（國內6000家，境外1000家）。但是，其中約5500家客戶是20人以下的中小型製造商。銷售量約80%通過代理商銷售（五大代理商，主要一級代理商約30家），約20%通過直銷，但即使是通過代理商銷售，該公司的技術人員也經常陪同，以充分了解客戶需求。
c) 市場份額
該公司在國內模具用CAD/CAM系統市場的份額約爲20%，推測排在BIPROGY＜8056＞集團之後成爲第二大。然而，考慮到BIPROGY集團的銷售收入中包括了模具用CAD/CAM系統之外的銷售收入，純粹從模具CAD/CAM系統的市場份額來看，該公司的實際份額估計在40-50%左右。
d) 特色和優勢
該公司是專業從事模具設計用CAD / CAM系統的製造商，其優勢之一是提供適用於2D/3D兩種功能的高功能CAD / CAM系統。此外，該公司的產品適用於各種大小的模具，能夠滿足0.2微米左右的精細產品和汽車保險槓等大型模具的高附加價值需求。正因爲作爲專業製造商，它能夠廣泛應對各種需求，滿足客戶的各種需求。
特別是該公司的CAM產品，藉助獨特的計算程序可以進行高精度加工，並獲得業界高度評價。此外，可以從模具設計階段開始進行加工設置，實現高效的模具製作。由於許多產品是「自主開發產品」，因此可以立即將客戶需求反饋到下一個產品。
金型的最終產品精度通常被認爲受到切削和加工機牀精度的影響，但實際上，如果CAM的精度不高，工作機牀的性能就無法得到充分發揮。製作精巧金型時，高性能的工作機牀以及高精度的CAM都扮演着重要角色。
該公司的許多用戶會與公司簽訂持續的維護合同，並且在購買新產品時，通常會優先考慮該公司。由於這個原因，過去幾年現有客戶的維護更新率一直保持在90%以上，遠遠超過行業平均水平。這一事實使公司的收入基礎穩定，實現了穩健經營。
此外，該公司約80%的銷售通過代理商完成，但與主要代理商建立了30年以上的合作關係，這期間與代理商培養出的強大夥伴關係也成爲了該公司的優勢。此外，在海外的主要地區，通過設立CAD/CAM銷售子公司、技術中心以及總代理，該公司在國內外都能提供同等水平的產品、服務和支持，並且能夠水平拓展海外市場，以吸引更多客戶。換句話說，該公司是具備向客戶水平拓展適應能力的CAD/CAM系統製造商，這也是該公司的優勢之一。
以下是該公司產品的主要應用實例。
1) 名古屋精密金型
(株)名古屋精密金型專門從事汽車車燈相關部件的塑料注射成型金型製造，業務遍佈全球。通過引入同步五軸的CAD/CAM系統「CAM-TOOL」，成功實現僅在CAM工作部分就節省了一半的工時，解決了電火花加工工時快速削減30%的問題。另外，通過五軸化，可將工作機械從有人操作切換至無人操作，大大縮短了交期（參考：CGS-LETTER Vol.62 2017年12月12日號）。
2) 村元工作所
(株)村元工作所涉足汽車零部件、家電、信息設備等各類金型製造至產品組裝領域，國內外業務廣泛。於2000年引入了公司的「EXCESS-PLUS」，並在2015年採用了能夠實現二維和三維模型混合設計的「EXCESS-HYBRID II」，並通過新加入的「傾斜形變功能」將中間過程建模工時減少了60%，實現了大幅縮短工時。目前已導入22個「EXCESS-HYBRID II」軟件，並且能應對金型形狀進一步複雜化和精度要求的挑戰（參考：CGS-LETTER Vol.60 2017年10月31日號）。
此外，在CAD/CAM系統等業務領域，該公司還積極進行3D打印技術的研究開發。然而，該公司研發的並不是金屬或樹脂的簡單層疊式3D打印機，而是高精度的加工機牀（加工中心和數控車牀）與同步五軸控制相結合，在同一臺機器上實現層疊造形和切削加工的非常高級的技術領域（3D打印機+加工機牀）。雖然目前處於初期階段，但從將來來看，這是一個有希望的領域，也是該公司擁有CAD/CAM系統專業知識才能實現的領域。
(2) 金型製造業務
金型製造業務是接受北美汽車零部件製造商（日系和美系）的金型製造訂單，並將其發包給亞洲（主要是韓國）的金型製造商，然後通過該公司交付給用戶，全部面向北美市場。
（作者：日經FISCO客座分析師 寺島昇）
