■業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
セレンディップ・ホールディングス<7318>の2024年3月期の業績は、売上高19,787百万円(前期比30.2%増)、営業利益477百万円(同47.0%増)、経常利益595百万円(同71.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は518百万円(同66.0%増)と過去最高の業績となった。期初予想との比較では、売上高で2,987百万円、営業利益で30百万円、経常利益で225百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で288百万円の過達となった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の額が大きくなったのは、子会社のグループイン前の不良債権を無税償却したためである。
日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類引き下げや雇用・所得環境の改善によって緩やかな回復が続くことが期待されたが、物価上昇や世界的な金融引き締め、中国経済の先行き不安など海外景気の下振れが懸念され、不透明な状況が継続した。同社の事業領域である「モノづくり(経営)」においては、半導体を中心とした部品の供給不足が解消し、自動車メーカーの国内生産が高水準で推移した。もう1つの事業領域である中堅・中小企業の「事業承継(投資)」においては、後継者問題などが深刻化するなか、コロナ禍で経済・社会活動が停滞した影響により事業承継手段としてのM&Aニーズが一段と増加した。この結果、売上高、利益ともに大幅な増加となった。
ただし、期初予想との比較では前述したように売上高も利益も過達となったが、第2四半期決算発表時の修正予想に対しては、売上高で687百万円の過達となったものの、営業利益で122百万円、経常利益で44百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で1百万円の未達となった。これは第4四半期において、M&A費用の発生や協働ロボットなど売上高の2024年4月以降への期ズレ、設備維持費用の前倒しなどが要因で、織り込みづらいM&Aを含めて読みがやや甘かった点は否定できず、予実管理は今後の課題と言えよう。
セグメント別では、モノづくり事業のオートモーティブサプライヤー(自動車内外装部品製造、自動車精密部品製造)で、半導体など部品供給不足が解消したことで自動車メーカーの国内生産が高水準で推移するなか、生産性向上に向けて製造スタッフの多能工化を推進した。前期に受注が回復したFA装置製造は、年間を通じて受注確定に遅れが生じた。試作品製作は2023年1月10日に連結子会社化したアペックスが通期寄与したのみならず、モノづくりが回復するなかで引き合いが強まった。この結果、売上高は18,522百万円(前期比30.2%増)、第4四半期にレディーバードM&A費用や前倒し費用が発生したもののセグメント利益484百万円(同24.4%増)となった。
プロフェッショナル・ソリューション事業のコンサルティングでは、事業承継や事業再生の案件、基幹システム再構築などITコンサルティングの案件が増加、同社コンサルティング事業部の売上高は前期比46.7%増と大きく伸びた。エンジニア派遣・受託開発では、経営基盤やエンジニアのリスキリングの強化、コンサルティング事業部と連携したIoTソリューションの開発とDXに注力した。この結果、売上高は1,437百万円(前期比12.8%増)となったが、案件増加に伴う積極的な人材採用によりセグメント損失は124百万円(前期は53百万円のセグメント損失)となった。
インベストメント事業では、モノづくり企業を中心とした再生型事業承継支援サービス、フィナンシャル・アドバイザリーなどの企業経営サポートを積極的に推進、特にフィナンシャル・アドバイザリーの売上高が増加した。また、2023年2月に組成した「日本ものづくり事業承継基金1号投資事業有限責任組合」で管理報酬の受取が発生、収益寄与を開始した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
■業績動向
2024年3月期業績概要
百世集團<7318>2024年3月期的業績爲:營業收入197.87億日元(同比增長30.2%),營業利潤4.77億日元(同比增長47.0%),經常利潤5.95億日元(同比增長71.6%),歸屬於母公司股東的淨利潤爲5.18億日元(同比增長66.0%),創歷史最高業績。與年初預期相比,營業收入超過2,987億日元,營業利潤超過30億日元,經常利潤超過225億日元,歸屬於母公司股東的淨利潤超過288億日元。值得注意的是,母公司股東的淨利潤增加主要是因爲子公司集團內部的壞賬準備被免稅攤銷。
日本經濟由於新冠疫情的5級調降以及就業和收入環境的改善,預期將繼續緩慢復甦。但海外經濟下行擔憂仍然存在,包括通貨膨脹、全球金融收緊、中國經濟前景不確定等因素,導致形勢依然不明朗。該公司的「製造業」領域,尤其是以半導體爲核心的零部件供應短缺得到緩解,國內汽車製造商的生產保持高水平。另一業務領域「中小企業的經營繼承(投資)」方面,隨着繼任者問題等問題加劇,由於疫情導致經濟和社會活動停滯,作爲經營繼承手段的併購需求進一步增加。由此導致營業收入和利潤大幅增加。
然而,與年初預期相比,上述提到的營業收入和利潤均超出預期,但在第二季度業績發佈時對修正預期的比較中,營業收入超出687億日元,但營業利潤未達到122億日元,經常利潤未達到44億日元,歸屬於母公司股東的淨利潤未達到1億日元。這是因爲第四季度出現了併購費用、協作機器人等營收推遲至2024年4月以後、設備維護費用提前等因素。其中,併購經費包括在內的難以預料的因素,導致預算管理略顯疏忽,預測與實際情況的管理成爲今後的挑戰。
按部門劃分,製造業務的汽車供應商(汽車內外飾零部件製造,汽車精密零部件製造)在半導體等部件供應短缺得到緩解的情況下,國內汽車製造商的生產保持高水平,推動了製造人員多功能化以提高生產效率。前期訂單回升的FA設備製造業在整年中受到訂單確定的延遲。試製品製造在2023年1月10日,收購的Apex子公司全年貢獻。並且隨着製造業恢復,意向性問詢增加。由此導致營業收入爲185.22億日元(同比增長30.2%),儘管在第四季度發生了Redbird併購費用和提前費用,部門利潤爲4.84億日元(同比增長24.4%)。
專業解決方案業務的諮詢業務領域中,隨着企業繼任和業務重生項目以及核心系統重建等IT諮詢項目的增加,該公司的諮詢業務部門營業收入同比增長46.7%。在工程師派遣和委託開發領域,加強了經營基礎和工程師的再培訓,注重與諮詢業務部門合作的物聯網解決方案的開發和數字轉型。由此導致營業收入爲14.37億日元(同比增長12.8%),但由於業務增加帶來的積極人才招聘使得部門虧損爲1.24億日元(上一期爲5300萬日元的部門虧損)。
在投資業務中,積極推動以製造業企業爲主的再生型業務繼承支援服務、財務諮詢等企業經營支持服務。尤其是財務諮詢的營業收入大幅增加。此外,於2023年2月成立了「日本製造業繼承基金一號投資業務有限責任合夥企業」,開始產生管理費收入並開始貢獻收益。
(作者:華富證券客座分析師宮田仁光)