■要約
ヤマノホールディングス<7571>は、ヤマノグループの創始者山野愛子(やまのあいこ)氏が提唱した美道五原則「髪・顔・装い・精神美・健康美」を企業理念として掲げ、美容事業、和装宝飾事業、DSM(Direct Sales Marketing)事業、教育事業、リユース事業等を展開する。中小企業の事業承継型M&Aをビジネス成長モデルとして、ライフスタイル領域を事業ドメインとして領域を拡充しながら、人的資本をより活かす経営、既存事業の収益安定化、資本コストや株価を意識した経営を進めて経営基盤のさらなる充実を図り、2030年に向けてビジョンとする「従業員が投資したくなる会社へ」の成長を目指す。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高13,837百万円(前期比0.5%減)、営業利益100百万円(同66.2%減)、経常利益102百万円(同64.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失28百万円(前期は173百万円の利益)の減収減益となった。売上高の約7割を占める和装宝飾事業が減収減益となったことが大きく響いた。一方、2023年12月に学習塾の(株)灯学舎を子会社化した教育事業は、増収増益と順調に業績を伸ばし、事業の1つの柱に成長した。ただし、2022年6月に子会社化した古着販売の(株)OLD FLIPについては、売上高には寄与したものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)明けの古着に対する消費者購買意欲の減退、テナントコストや仕入単価の上昇、仕入商品の不足等により損益が悪化した。そのため、OLD FLIPに係るのれんの減損損失34百万円を特別損失に、繰延税金資産の取崩し、法人税等調整額47百万円を計上した。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなり無配となった。
2. 2025年3月期業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高14,000百万円(前期比1.2%増)、営業利益260百万円(同157.8%増)、経常利益230百万円(同125.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益120百万円(前期は28百万円の損失)と増収増益を見込む。業績の鍵を握るのは、やはり主力の美容事業、そしてコロナ禍後も回復の遅れがみられていた和装宝飾事業の本格的なリカバリーとなる。また、売上高は灯学舎が通期で寄与することを踏まえれば、やや保守的な計画であろう。損益面では、和装宝飾事業、美容事業の損益改善等に注力し、増益への反転を見込む。和装宝飾事業は不採算店舗を整理する一方で、「きもの会」「前楽結び着方教室」の開催数・規模拡大、新商品開発・商品提案力強化等により顧客数を拡大する。美容事業も店舗の業態転換を進め、顧客単価アップによる損益改善を進める方針である。
3. 2030年ビジョンと中期経営計画
同社は2024年5月に中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を策定した。「豊かさと彩りあるライフスタイルを創造し続けます」というミッションを掲げ、その先に目指す「2030年ビジョン」を「従業員が投資したくなる会社へ」と定めた。中計では、経営基盤のさらなる充実を図るため「人的資本をより活かす経営」「既存事業の収益安定化」「資本コストや株価を意識した経営」を重点的に取り組むが、特に店舗運営における生産性向上に注力し、2027年3月期の既存事業の売上高145億円(年平均成長率1.6%)、EBITDA4億円(同22.2%)を目標とする。また、M&Aによる既存事業とのシナジー発現と新規事業の獲得により、既存事業に上乗せされる売上高は30~40億円、EBITDAは3~4億円規模を目標とする。業容の拡充を図ることで事業収益力を高め、株主資本コストを上回るROEを実現する。利益配分は、2025年3月期に復配した上で安定的かつ継続した株式配当を基本に、人的投資、事業成長投資並びに自己資本の蓄積等のバランスを重視した利益配分を行う計画である。
■Key Points
・2024年3月期は減収減益ながら、教育事業が増収増益で事業の1つの柱に成長
・2025年3月期は和装宝飾事業・美容事業の損益改善等に注力し反転へ
・2027年3月期の売上高175〜185億円、EBITDA7〜8億円を目標に経営基盤のさらなる充実を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
■概要
山野控股<7571>作爲山野集團的創始人山野愛子女士提出的美道五原則「頭髮、臉、服裝、精神美、健康美」的企業理念,開展美容事業、和裝寶石事業、DSM(Direct Sales Marketing)事業、教育事業、再利用事業等等。將中小企業業務承繼型M&A作爲業務增長模型,將生活方式領域作爲業務領域擴充,實現更好地利用人力資本的經營、穩定既有業務收益、意識到資本成本和股價的經營,並進一步充實經營基盤,旨在實現向未來2023年的成長的願景「成爲員工願意投資的公司」。
2024年3月期業績概要
2024年3月期的綜合業績爲營業收入138.37億日元(同比下降0.5%)、營業利潤100百萬日元(同比下降66.2%)、經常性利潤102百萬日元(同比下降64.4%)、隸屬於母公司股東的當期淨虧損2800萬日元(上年同期爲17300萬日元利潤)營業收入約佔七成的和裝寶石業務成爲下降收入下降利潤的重要原因。另一方面,教育業務的子公司學習機構(株)燈學舎於2023年12月開始增加收入,功績顯著,成爲業務的柱之一。然而,舊衣服銷售的子公司(株)OLD FLIP在2022年6月也許貢獻了營業收入,但由於新冠病毒感染症的擴散(以下簡稱「冠疫情」)之後舊衣服消費者購買意願不振、租金成本和採購價格上漲、商品短缺等原因,損益惡化。因此,OLD FLIP因商號減值損失3400萬日元被記爲特別損失,遞延所得稅資產的拆除、法人稅等調整金額4700萬日元。結果是公佈母公司股東隸屬的當期淨虧損並且沒有配給股息。
2. 2025年3月期業務展望
2025年3月期的綜合業績預計爲營業收入140.0億日元(同比增長1.2%)、營業利潤260百萬日元(同比增長157.8%)、經常性利潤230百萬日元(同比增長125.2%)、隸屬於母公司股東的當期淨利潤爲120百萬日元(上年同期爲28百萬日元的虧損),預計經營業績將有所增長。和裝寶石業務、美容業務作爲業務重點展望還將逐漸恢復。另外,由於學習機構燈學舎在全年中有所貢獻,較保守估計營業額的規劃預計也會有所增加。在損益方面,和裝寶石業務、美容業務的損益改善等方面將致力於實現增長。和裝寶石業務一方面整理不盈利門店,一方面擴大參與「和服會」,「現樂綁法着法教室」等的規模、提高新產品開發、增加商品介紹設計能力等擴大顧客數量。美容業務也將推進店鋪業態的轉變,着眼於提高顧客單價,實現損益改善。
3. 2030年願景和中期經營計劃
該公司於2024年5月制定中期經營計劃(2025年3月期至2027年3月期)。其將「在創造豐富多彩的生活方式的同時」作爲任務中心,並設定了「2030年願景」爲「成爲員工願意投資的公司」。在經營計劃中,將重點關注「更好地利用人力資本的經營」、「穩定既有業務收益」、「意識到資本成本和股價的經營」,並將特別注重生產力提高方面,致力於提高2027年3月期既有業務的銷售額爲145億日元(年平均增長率1.6%)和EBITDA4億日元(同22.2%)。此外,通過與現有業務的協同效應和新業務的獲得,既有業務的銷售額在合計30~40億日元、EBITDA在3~4億日元規模的目標。通過擴展規模以提高業務收益,實現超過股東的資本成本的roe。盈利分配計劃是,在2025年3月期復牌後穩定持續的股息分配,着眼於利潤分配,業務成長投資和自有資本積累等混合型的盈利分配計劃。
■Key Points
・2024年3月期,儘管營業額減少和利潤減少,但教育業務增加收入,成爲業務的一柱子。
2025年3月期將專注於改善和裝寶飾業務和美容業務的盈虧,以實現反轉。
2027年3月期的營業收入目標爲175至185億日元,EBITDA目標爲7至8億日元,以進一步完善經營基礎。
(編寫:Fisco客戶體驗分析師Matsumoto Akira)