■ESGへの取り組み
パシフィックネット<3021>は、各事業が直接的にESG・SDGs(環境循環型・CO2削減・DX)の支援につながるという特徴を有する。ITサブスクリプション事業は、レンタル及びその終了後にリユースすることで「環境(E:Environment)」の改善に貢献し、働き方改革の支援やDX支援により「社会(S:Social)」の豊かさを目指し、情報漏洩防止の強化で「企業統治(G:Governance)」の役割を担う。ITAD事業は、使用済み機器の適正処理を通して、リユース・リサイクルが「環境(E)」に、情報漏洩防止が「企業統治(G)」に寄与している。コミュニケーション・デバイス事業は、「社会(S)」に関し、コロナ禍においては三密回避ツールの提供という形で寄与したが、現在では教育旅行などで貢献している。特に、ITサブスクリプション事業のシェアリングエコノミー(共有経済)とITAD事業のサーキュラーエコノミー(循環型経済)は、連携して「環境(E)」に役立っていると言える。
同社の事業は、循環型社会、CO2削減、DXなどSDGsの実現に直結するものであり、企業のESG対応が進むことが同社の事業規模拡大につながると言える。ESGへの取り組みに当たり多くの企業が直面している課題について、同社が支援する内容は以下のとおりである。
(1) E(Environment)
カーボンニュートラルの推進が急務となっている。東証プライム市場では、CO2排出量・削減目標の開示が義務付けられ、環境に配慮した経営でないとみなされると、投資家離反によって企業価値が下落し競争力が低下するリスクがある。こうした課題に対して、同社ではIT機器のリユース・リサイクルにおいて、適正処理により現在年間約5,000トンのCO2削減を実現している。具体的には、PC再利用で製造時・廃棄時に発生するCO2を削減するほか、再販できないPCはすべて部品に分解し、100%国内で再利用している。また、これら一連の成果を可視化するCO2削減効果レポートも提供している。加えて、プラスチック資材の削減にも取り組んでいる。PCなどの輸送で使用していたプラスチック梱包材を環境負荷の低い再生紙に変更し、最適なパッケージ化を実現したことで、プラスチック使用料の約75%削減と同時に段ボール容量も従来比約20%縮小と、輸送効率の向上にも資する結果となった。この副次効果として、梱包材のコスト低減が可能になったほか、顧客からはこれまでの緩衝材よりも中身を取り出しやすくなったと好評を得ている。
(2) S(Social)
社内のIT人材が慢性的に不足しているという課題を抱える企業は多い。行動様式の変化によりDXが急務となっており、さらに働き方の変化やセキュリティ脅威への対応でIT担当者の業務量が急増している。一方で国内のIT人材は不足しており、人材拡充が困難かつコストも高くなっている。同社のPCサブスクリプションもしくはLCMサービスを利用することで、企業はPC導入から運用管理・適正処分まですべてを外注可能となり、社内のIT人材をDXなどのコア業務へシフトできるようになる。また社会的弱者へのサポートも行っている。認定NPO法人CLACKとパートナーシップを締結し、経済的困難を抱える高校生に対して「PC寄贈プロジェクト」を推進している。同NPO法人が高校生に対して行う無料のプログラミング講習などの学習支援において、必要となるPCについて、企業から寄贈された使用済みPCの引き取りから、データ消去、正規OSのインストールまで対応し、リユースPCを提供することでプロジェクトを支援している。2024年3月には寄贈PC台数が1,000台を突破したことを発表した。最近では、2024年1月1日に発生した能登半島地震への災害支援として、義援金のほか、必要なIT機器の提供も行った。
(3) G(Governance)
企業統治の観点では情報セキュリティの強化が急務となっている。使用済みPC・サーバーはデータ消去などの適切な処理が必要であり、怠ると情報漏洩の危険性が高い。また個人情報保護法の改正などにより、情報漏洩事故を起こした際の事業リスクが高まっている。こうした課題に対して、同社では厳格な適正処理を行うことで情報漏洩のリスクを最小化するサービスを提供している。高い安全性が担保されたセキュリティ環境とデジタル化でデータ消去の完全性を確保し、従業員・部外者の持ち出しも阻止できる。NIST SP 800-88 Rev.1(NIST(米国国立標準技術研究所)が「媒体のデータ抹消」の規格として提案している文書番号)に準拠し、復元が完全に不可能と認定されたデータ消去作業を実施している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
■ESG舉措
Pacific Net <3021>的特點是,每項業務都直接爲ESG和SDG(環境回收類型/二氧化碳減排/DX)提供支持。IT訂閱業務通過租賃和結束後再利用,爲改善 「環境(E:Environment)」 做出了貢獻,旨在通過支持工作方式改革和DX支持來豐富 「社會(S:Social)」,並通過加強信息泄露預防在 「公司治理(G:治理)」 中發揮作用。在ITAD業務中,再利用和回收有助於 「環境(E)」,通過妥善處置二手設備,防止信息泄露有助於 「公司治理(G)」。通信設備業務在 COVID-19 疫情期間以提供三種祕密迴避工具的形式爲 「社會(S)」 做出了貢獻,但現在它正在通過教育旅行等做出貢獻,特別是,可以說 IT 訂閱業務的共享經濟(共享經濟)和 ITAD 業務的循環經濟(循環經濟)共同造福 「環境(E)」。
該公司的業務與可持續發展目標的實現直接相關,例如循環型社會、二氧化碳減排和DX,可以說,企業ESG支持的進展將導致公司業務規模的擴大。該公司對許多公司在ESG計劃中面臨的問題的支持的詳細情況如下。
(1) E(環境)
迫切需要促進碳中和。在東京證券交易所主要市場,需要披露二氧化碳排放量和減排目標,如果認爲管理層不環保,則存在由於投資者流失而導致企業價值下降和競爭力下降的風險。爲了應對這些問題,該公司目前正在通過對IT設備的再利用和回收進行適當處理,每年減少約5,000噸的二氧化碳排放量。具體而言,除了通過重複使用個人電腦來減少製造和處置過程中產生的二氧化碳外,所有無法轉售的電腦都將拆解成零件,100% 在國內重複使用。此外,還提供了可視化這些系列結果的二氧化碳減排效果報告。此外,我們正在努力減少塑料材料。用於運輸個人電腦等的塑料包裝材料改爲對環境影響較小的再生紙,實現了最佳包裝,與過去相比,塑料使用費減少了約75%,紙板容量減少了約20%,這也有助於提高運輸效率。其副作用是,除了能夠降低包裝材料的成本外,到目前爲止,它還因比緩衝材料更容易取出內容物而受到客戶的好評。
(2) S(社交)
有許多公司面臨內部IT人力資源長期短缺的問題。由於行爲模式的變化,迫切需要數字化轉換,此外,由於工作方式的變化和對安全威脅的響應,IT人員的工作量正在迅速增加。同時,日本的IT人力資源短缺,難以擴大人力資源並增加成本。通過使用公司的個人電腦訂閱或LCM服務,公司可以將從個人電腦引進到運營管理和適當處置的所有工作外包,內部IT人力資源可以轉移到DX等核心業務。它們還爲社會弱勢群體提供支持。已經與經過認證的NPOCLACK建立了合作伙伴關係,並且正在爲經濟困難的高中生推動 「個人電腦捐贈項目」。在學習支持方面,例如同一家NPO公司爲高中生開設的免費編程課程,它爲從領取公司捐贈的二手電腦到擦除數據和爲必要的電腦安裝常規操作系統等各種支持,並通過提供重複使用的電腦來支持項目。在2024/3年,宣佈捐贈的電腦數量已超過1,000台。最近,除了捐款外,還爲2024/1/1發生的能登半島地震提供了必要的IT設備作爲救災援助。
(3) G(治理)
從公司治理的角度來看,迫切需要加強信息安全。二手電腦和服務器需要適當的處理,例如數據擦除等,如果忽視,信息泄露的風險很高。此外,由於《個人信息保護法》等的修訂,發生信息泄露事故時的業務風險正在增加。爲了應對這些問題,該公司提供服務,通過進行嚴格的適當處理,將信息泄露的風險降至最低。數據擦除的完整性由安全環境保障,在這種環境中,高度安全性和數字化得到保障,還可以防止員工和外部人員將其刪除。它符合 NIST SP 800-88 Rev.1(由 NIST(美國國家標準與技術研究所)提議的文件編號作爲 「媒體數據擦除」 標準),並且正在進行經認證爲完全無法恢復的數據擦除工作。
(作者:FISCO 分析師村瀨智和)