■事業概要
1. 売上構成
ナガイレーベン<7447>の製品は、医療白衣及びその関連製品である。2023年8月期のアイテム別売上高構成比は、ヘルスケアウェア54.7%、ドクターウェア14.6%、ユーティリティウェア・他3.1%、患者ウェア17.1%、手術ウェア9.1%、海外市場1.4%である。
「ヘルスケアウェア」とは主に看護師向け製品のことで、「ユーティリティウェア・他」にはユーティリティウェア(白衣などの上に着るエプロンやカーディガンなど)やシューズ、さらに「感染対策商品」などが含まれる。各アイテムの利益率は大きくは変わらないが、仕入商品の割合が高い「ユーティリティウェア・他」の利益率は相対的に低い。
また、2021年8月期より新たな区分として「市場別」を取り入れている。国内市場のうち、同社のシェアが比較的高い市場として「コア市場」(「ヘルスケアウェア」「ドクターウェア」「ユーティリティウェア・他」)、今後の成長余地が高い市場として「周辺市場」(「患者ウェア」「手術ウェア」)、そして「海外市場」の3つに区分した。2023年8月期の売上高構成比は、コア市場が72.4%、周辺市場が26.2%、海外市場が1.4%である。
2023年8月期の商品(機能)別売上高構成比は、ハイエンド商品8.1%、高付加価値商品57.7%、付加価値商品30.1%、量販品4.2%、厚生労働省向け0.0%となっている。ナースウェアの価格帯分類は、5,000円以下の量販品、5,000~7,500円の付加価値商品、7,500~10,000円の高付加価値商品、10,000円以上のハイエンド商品となっている。高価格なほど利益率は高い傾向にあり、ハイエンド商品、高付加価値商品の拡販に注力する方針だ。
2. 販売ルートと生産状況
同社のエンドユーザーは看護師や医師などで、製品の購入者は主に病院などの医療施設や介護施設などである。ただ直接販売は行っておらず、医療施設などと取引している業者を経由した販売を行っている。これにより販売経費を抑えているが、大病院などへは常に同社の営業社員がコンタクトを取り、顧客ニーズを汲み取っている。
以前は病院内で自ら医療白衣の洗濯を行うケースが多かったが、近年は洗濯のアウトソーシングの普及に伴いリースに切り替わってきている。このリース期間は通常4年で、4年ごとにリースの切り換え需要が発生することが、同社の業績を安定的に支えている。ただしリース更新のサイクルは必ずしも前回と同じ時期に発生するとは限らず、多少前後する(ずれ込む)場合もあるため、四半期ごとの売上高は、ぶれが生じる場合もある。
生産体制は、2023年8月期(同社単独)は製品の99.4%が自社及び協力工場(国内生産46.2%、海外生産53.2%)で生産され、仕入商品は0.6%となっている。海外生産はインドネシア、ベトナム、中国で行われているが、自社工場を持たずに現地のパートナー企業の工場で生産を行っており、投資リスク軽減とコスト削減を両立している。
3. 特色と強み
同社の強みの1つは企画から原材料の調達、製造、販売まで一貫して行う体制が整っていることである。製品企画の面では、ユーザーのニーズを的確につかみ、製品に反映させている。具体的には、働きやすい(動きやすい)、静電気が発生しにくい、制菌(細菌の増殖を抑える)などの機能面に加え、デザイン性にも優れた製品を提供していることである。製造面においては、素材を共同開発する東レ<3402>をはじめとする大手合繊メーカーや繊維商社などと直接やり取りすることで、最適な素材を確保して安価に製造し、適正マージンを乗せて販売することを可能にしている。
また、多くの提携工場を持つことに加えて、資金力が豊富であることから常に数千種類に及ぶ製品アイテムの在庫をそろえており、オーダーメイドにも対応している。さらに幅広いユーザーニーズに対して、希望する製品を指定された期日に即納する迅速な生産・販売体制(Quick Response体制、以下QR)を整えている。販売面では、全国に1,000社近くの代理店網を有しており、販売力が強固でありながら、同社自身は販売経費を可能な限り抑えている。
この結果、医療白衣のコア市場では国内シェアは60%超となっており、医療白衣のリーディングカンパニーとしての確固たる地位を維持している。また、2023年8月期実績の売上総利益率は43.9%と高水準を維持している。高い利益率と高い市場シェアを維持できているということは、多くの顧客が同社の製品・サービスに満足しているということであり、これこそが最大の強みと言える。
医療白衣というニッチ市場に経営資源を集約することで、企画から生産・販売まで一貫した効率的な経営が可能となっている。またニッチ市場ではあるが、患者ウェアや手術ウェアなどの相対的に同社のシェアが低い周辺市場においてはまだ開拓の余地がある。同社は、「当分はこの医療白衣で事業を伸ばすことは可能であり、今後も積極的に周辺市場の開拓を行う」としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
■業務概要
1. 主營構成
Nagaileben<7447>的產品是醫療工作服及相關產品。2023年8月份的商品銷售額構成比爲:醫療護理系列54.7%,醫療服裝14.6%,家政服務及其他3.1%,患者服裝17.1%,手術服裝9.1%,境外市場1.4%。
“醫療護理系列”主要針對護士提供產品,“家政服務及其他”系列包括工作服套裝、圍裙、鞋子以及“防護商品”等內容。各系列的利率變化不大,但是由於採購商品佔較高比率,“家政服務及其他”系列的利潤率相對較低。
此外,自2021年8月期開始,該公司新增了“市場範圍”的分類。在國內市場中,將其區分爲3個市場:擁有相對較高市場份額的“核心市場”(“醫療護理系列”、“醫療服裝”、“家政服務及其他”),成長空間較高的市場爲“周邊市場”(“患者服裝”、“手術服裝”),以及“境外市場”。2023年8月份的銷售構成比爲72.4%的核心市場,26.2%的周邊市場和1.4%的海外市場。
2023年8月份,各商品(功能)銷售額構成比爲高端商品8.1%,高附加值商品57.7%,附加值商品30.1%,賣品4.2%,厚生勞動省(日本衛生和勞動省)0.0%。護士工作服的價格分類爲以下幾種:售價5000日元以下的賣品,售價5000-75,00日元的附加值商品,售價7500至10000日元的高附加值商品,售價超過10,000日元的高端商品。價格較高的商品利潤率較高,公司的經營方針是擴大高端商品和高附加值商品的銷售。
2. 銷售路線和生產狀況
該公司的最終用戶是護士、醫生等,購買產品的主要是醫療機構和護理機構等。公司沒有直接銷售業務,而是通過與醫療機構等合作的經銷商進行銷售。通過這種方式,公司可以壓低銷售成本,但對於大型醫院等,公司的業務銷售代表則一直與其保持聯繫,了解客戶需求。
以前,醫療工作服通常由醫院自己洗滌,但近年來隨着洗滌外包的普及,情況已經改變。這種租賃期通常爲4年,每4年需要更換租賃,這一週期的變化不一定與上一次相同,可能略有偏移,導致季度銷售額產生波動。租賃的週期變化並不一定與上一次相同,有時會稍微提前或推遲。
2023年8月份(公司單獨)的生產體制是,99.4%的產品在公司和合作工廠(國內生產46.2%,海外生產53.2%)生產,0.6%是採購商品。海外生產在印度尼西亞、越南和中國進行,使用當地的合作工廠進行生產,既降低了投資風險,又削減了成本。
3. 特色和優勢
該公司的一個優點是,已經建立了從企劃,原材料採購,製造到銷售的一體化體制。在產品企劃方面,準確把握用戶需求並反映到產品中。具體來說,提供易於工作(易於移動)的,不容易產生靜電現象的護理服等,功能面以及優秀的設計等領域。在製造方面,與大手合成纖維製造商和紡織品商社等開展共同開發,直接聯繫,確保取得最適宜的材料,可實現廉價生產,加上適當的利潤。
另外,由於擁有許多合作工廠和充足的資金實力,它始終備有數千種產品存貨,並且可進行定製。此外,爲滿足廣泛的用戶需求,它建立了快速生產、銷售體系(Quick Response體系,以下QR),可在規定期限內迅速提供要求的產品。在銷售方面,它擁有近1000家代理商網絡,銷售力量強大,同時自身儘可能地控制銷售費用。
因此,在醫療白衣的核心市場,國內市場份額超過60%,保持着醫療白衣領域中領先的地位。此外,到2023年8月實際銷售收益率保持在高水平的43.9%。保持高利潤率和市場份額的同時,這意味着許多客戶對該公司的產品和服務感到滿意,這正是其最大的優勢。
通過將經營資源集中在醫療白衣等小衆市場上,實現了從計劃、生產到銷售的整體高效管理。此外,儘管醫療白衣是小衆市場,但在較低的市場份額市場,如患者服裝和手術服裝等相對較低的市場上,仍有開拓的餘地。該公司表示,“在未來,仍然可以通過市場白衣擴展其業務,並積極開拓周邊市場。”
(作者:日經FISCO客座分析師 寺島昇)