■要約
マイクロアド<9553>はデータとテクノロジーの力を活用し、顧客が抱えるマーケティング課題の解決に貢献している企業である。具体的にはマーケティングプロダクト「UNIVERSE」では、外部企業とメディアが保有する大量のデータを収集・蓄積、データから多種多様な特性を持つ消費者の購買行動を分析したうえで、顧客ごとに適切な広告配信を行っている。また、Webメディアにおける総合的な収益化支援を目的としたプロダクト「MicroAd COMPASS」、デジタルサイネージによる広告配信やコンテンツ配信を一元管理する「MONOLITHS」なども提供している。海外子会社においてはデジタルマーケティングの総合的なコンサルティングサービスも手掛けている。
1. 2024年9月期第2四半期の業績概要
2024年9月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比1.4%減の7,086百万円、営業利益が同41.9%減の411百万円、経常利益が同39.6%減の418百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同35.3%減の329百万円と減収減益だった。主力サービスの1つである「UNIVERSE」は増収増益と好調だったものの、タクシーサイネージ契約更改の影響を受け、デジタルサイネージが減収減益となったことが大きく影響した。ただ、通期業績予想に対する進捗率は、営業利益以下の各利益が想定を上回る推移を見せた。2024年9月期に関しては、期初の時点からタクシーサイネージの契約更改などが減益要因となることを想定していた。そうしたなかで「UNIVERSE」の業績がデジタルサイネージの落ち込みをカバーした格好だ。
2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期の業績に関して同社は、売上高で前期比15.3%増の14,837百万円、営業利益で同10.9%減の742百万円、経常利益で同0.1%増の739百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.3%増の566百万円を見込んでおり、期初時点の業績予想から変更はない。売上高に関しては、引き続き「UNIVERSE」の業績が好調に推移することを見込んでいる。加えて、デジタルサイネージサービスで新たに市場投入した美容サロン専用タブレットメディア「OCTAVE」が期末に向けて収益化することも売上拡大に寄与する見通しだ。「UNIVERSE」を牽引役に新サービスも加わり、売上高の増加率は前期を上回ることを見込んでいる。一方で、利益面に関しては、第2四半期終了時点において、営業利益以下の各利益が想定を上回る進捗率であるものの、減益予想を据え置いている。「OCTAVE」が下期から利益貢献するものの、デジタルサイネージを提供する(株)MADSでの新サービス「OCTAVE」への先行投資や前期に発生したタクシーサイネージの契約更改などが影響する見通しだ。
3. 中長期の成長戦略
中長期の成長戦略として同社は「アドテクノロジーの企業から、総合データカンパニーへ」というスローガンのもとに、データ活用を軸とした成長戦略を描いている。具体的には「データプロダクトの拡大」「PostCookieに向けた対応」「新領域へのデータ活用」という3つの基本戦略により、業績の拡大と企業価値の向上を目指す。「データプロダクトの拡大」に関しては、自社開発プロダクトであり収穫逓増・高収益が見込める「データプロダクト」に注力する。販売体制の強化と新製品の投入を継続的に実施することによって「UNIVERSE」の稼働アカウント数を増やしていくほか、人材への投資によって付加価値の高い製品を継続的に生み出すことができる質の高い人材プールを構築する方針だ。「PostCookieに向けた対応」に関しては、Googleが提供するChromeブラウザにおいて、3rd Party Cookieのサポートが停止される予定であることを受け、いち早く対応することによって先行者利益を獲得していく。さらに、最終的には広告サービスという枠にとどまらず、保有している膨大なデータや分析技術を活用し、新領域へ参入することを積極的に模索している。インバウンドや越境EC関連の新規サービスも順調に立ち上げており、直近では2024年4月に、中国人アクティブシニア層を対象にインバウンド・アウトバウンド支援事業を手掛ける合弁会社を設立している。
中長期の成長戦略のもと、利益率の高いデータプロダクトに注力すること、同社の強みを生かせる新プロダクトを開発していくことによって、業績の拡大と収益性の向上が期待される。
■Key Points
・2024年9月期第2四半期は減収減益も計画を上回る進捗
・好調な「UNIVERSE」がデジタルサイネージの落ち込みをカバー
・2024年9月期は増収減益を見込む。先行投資とタクシーサイネージの契約更改が影響
・中長期の成長戦略のもとで業績の拡大と企業価値の向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
■概要
MicroAd<9553>是一家利用數據和科技的力量貢獻於客戶解決營銷挑戰的企業。具體來說,其營銷產品"UNIVERSE"收集和儲存外部企業和媒體所持有的大量數據,分析數據中具有多種特性的消費者的購買行爲,併爲每個客戶進行適當的廣告投放。此外,還提供針對Web媒體的綜合收益支援的產品"MicroAd COMPASS",以及集中管理數字廣告投放和內容投放的數字標牌產品"MONOLITHS"等。在海外子公司中也着手於數字營銷的綜合諮詢服務。
1. 2024財年第2季度業績概要
2024年9月期第2四半期累計的連結業績是,營業收入較去年同期下降1.4%至708.6億元,營業利潤同比下降41.9%至4.11億元,經營利潤同比下降39.6%至4.18億元,歸屬於母公司股東的四季度淨利潤同比下降35.3%至3.29億元,呈現下滑態勢。雖然主要服務之一的"UNIVERSE"業績呈增長趨勢,然而出租車電子標牌合約更改的影響導致數字標牌業務遭遇了下降趨勢,對業績產生了較大的影響。然而,基於全年業績的財務預測情況,其營業利潤以下的各項利潤均呈現出了超出預期的趨勢。關於2024年9月期,公司早在期初已預想到出租車電子標牌合約更改等將對經營業績產生下滑的問題。然而,在這種情況下,"UNIVERSE"的業績表現出色,成爲了數字標牌出現萎靡時的棋子。
2. 2024年9月期的業績預測
2024年9月期,公司預計實現銷售額1483.7億元,同比增長15.3%;營業利潤7.42億元,同比下降10.9%;經營利潤7.39億元,同比增長0.1%;歸屬於母公司股東的當期淨利潤爲5.66億元,同比增長0.3%,這與期初預測一致。關於銷售額,公司認爲"UNIVERSE"的業績將繼續保持良好。此外,數字標牌服務提供了美容院專用平板電腦媒體“OCTAVE”,該服務將有助於產品銷售擴大。"UNIVERSE"引領新服務,預計銷售額增長率將高於上期。但是,就利潤方面而言,在第二季度結束時,儘管達到或超出了營業利潤以下各項利潤的預期情況,但營業利潤降低的預測仍將保持不變。由於影響,自株式會社MADS提供數字標牌服務以來,對利潤的預測仍然受到先行投資於新服務"OCTAVE"以及上一財年中發生的出租車電子標牌合約更改等因素的影響。
中長期增長戰略
作爲中長期的增長戰略,公司以"從廣告科技企業到綜合數據公司"爲口號,描繪了以數據利用爲中心的增長戰略。具體而言,通過三個基本策略:"數據產品的擴大"、"向PostCookie的應對"、"數據活用的新領域"來擴大經營業績和提高企業價值。關於"數據產品的擴大",公司致力於"數據產品",這是自主開發的產品,可以實現高收益。通過增強銷售網絡和推出新產品,將繼續實施增加"UNIVERSE"帳户操作數量的策略,同時,通過對人才的投資,構建能夠持續產生高附加值的產品的高素質人才庫。"向PostCookie的應對"方面,考慮到Google提供的Chrome瀏覽器將停止支持第三方Cookie,公司將早期採取應對措施,以贏得先行者的利益。此外,該公司還積極探索利用擁有的大量數據和分析技術進入新領域,最終不僅留在廣告服務範疇的同時,還將開展一系列新的服務。且入境和越境電子商務相關的新服務也已陸續啓動,公司最近在2024年4月成立了一家合資公司,旨在針對中國活躍中高齡人群展開入境和出境支援業務。
公司將利用中長期的增長戰略,注重高利潤的數據產品,通過開發新產品發揮其優勢,期望實現業績的擴大和收益的提升。
■Key Points
2024年9月第2季度的計劃超過了減收減益的預期。
繁榮的“UNIVERSE”抵消了數字標牌的下滑。
預計2024年9月期將有增收減益。先期投資和出租車標牌合同的更新產生了影響。
在中長期的增長戰略下,我們旨在擴大業績和企業價值。
(作者:富士客座分析師清水陽一郎)