■中部鋼鈑<5461>の強み
高炉では、鉄鉱石とコークス(石炭)を高さ100メートル以上の大きな炉(高炉)の中に入れ、溶解、還元反応をさせることで鉄を取り出す。電炉では、原料の鉄スクラップを電気炉の中に入れ、黒鉛電極に高電圧をかけることによってアーク放電(熱電子放出を主とした雷に似た放電のことで、強い光と高い熱を発生させる特徴を持つ)を起こし、その熱で鉄スクラップを溶かして鉄を取り出す。
高炉の特徴としては、設備が非常に大規模であり設備費用がかかるが、効率的に鉄を作り出すことができるので大量生産に向いている。ただし、いったん設備を止めると炉の中で鉄が固まり、再稼働時に時間とコストがかかるため、長期間の継続稼働が前提とされる。電炉は、比較的小規模な設備で済むため設備費用は高炉に比べ安い。また、電気を止めたり入れたりを繰り返しながら操業するため事業環境に応じた操業調整が容易であり、多品種少量生産に向いている。
環境面では、高炉は鉄鉱石の中に含まれる酸素とコークスに含まれる炭素が反応するため、多くのCO2が発生する。電炉は、高炉に比べてCO2排出量が少ない。電炉で排出されるCO2は、主に使用する電気によるものであり、原料が鉄そのものであるため、高炉よりも約1/4の排出量になっていると言う。今後再生可能エネルギーを使った電気の利用が増えれば、電炉のCO2排出量がさらに低下するものと期待される。
電炉メーカーは建築用の部材を供給しているイメージがあるが、同社の場合は産業機械に使われるのが約6割、土木・建築に使われるのが3割程度である。一般的な電炉メーカーに比べ、広範囲にわたって材料を供給しているのが強みである。さらに電炉は小ロット、多品種生産に強いうえ、短納期も実現している。
また、同社は名古屋の市街地に立地する都市型製鉄所である。愛知県は、国内有数の工業地帯が発達しているほか、東京・大阪の中央に位置することから、インフラ面も非常に充実している。さらに、工業地帯から多くの鉄スクラップが発生するため、同社にとって重要な原材料である鉄スクラップの調達が有利となるのが強みである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
中部鋼板<5461>的優勢
高爐中,將鐵礦石和焦炭(煤)放入高度超過100米的大爐(高爐)中,通過熔解、還原反應來提取鐵。在電爐中,將原料的鐵廢料放入電爐中,在黑色石墨電極上施加高電壓,產生電弧放電(一種類似於雷電放電的放電,其特點是會產生強光和高熱),並在該電弧放電的熱量下熔化鐵廢料,以提取鐵。
高爐的特點是設備非常大型且設備成本高,但可以高效生產鐵,因此適用於大量生產。但是,一旦停機設備中的鐵就會凝固,再次啓動需耗費時間和成本,因此需要長時間連續操作。電爐設備相對較小,因此設備成本比高爐便宜。此外,由於電力的重複開啓和關閉,因此易於根據業務環境進行操作調整,並適用於多品種少量生產。
在環境方面,由於高爐中鐵礦石中的氧和焦炭中的碳反應,會產生大量的CO2。與高爐相比,電爐排放的CO2要少。電爐排放的CO2主要是由使用的電力產生的,因爲原料本身是鐵,所以排放量約爲高爐的1/4。預計隨着再生能源利用的增加,電爐的CO2排放量還會更低。
電爐製造商被視爲建築材料的供應商,但該公司的6成左右用於工業機械,3成左右用於土木建築。與一般的電爐製造商相比,它的優點在於廣泛供應材料。此外,電爐適用於小批量、多品種生產,並且實現了短交貨期。
此外,該公司是名古屋市區內的城市型制鐵廠。愛知縣是日本內部重要的工業地區之一,同時位於東京和大阪之中心位置,基礎設施非常完善。此外,由於大量的鐵廢料產生於工業地區,對該公司來說,採購鐵廢料這一重要的原材料具有有利條件。
(編輯:FISCO分析師村瀬智一)