■富士紡ホールディングス＜3104＞のESGへの取り組み
1. サステナビリティ基本方針
同社グループは、サステナビリティを事業戦略の中核に組み入れた「サステナビリティ経営」を実践している。同社グループのサステナビリティ経営は、「儲ける」こと、「成長性」「収益性」「社会貢献」「誠実さ」に立脚した公正で透明性のあるSDGs経営をバランス良く実行していくことで、サステナビリティを実現していく点がポイントである。
2. 5つのマテリアリティ/重要課題の特定と推進状況
同社グループでは持続可能な社会を実現するために、事業活動がステークホルダーや経済、社会、環境に与える影響やインパクトの大きさについて分析し、投資家視点のマテリアリティ（財務マテリアリティ）とステークホルダー視点のマテリアリティ（環境・社会マテリアリティ）を統合した「ダブル・マテリアリティ」という考え方に基づき、5つのマテリアリティを特定している。
(1) 持続可能な環境・社会実現に向けた真摯な取り組み
地球環境の持続可能性を維持していくため、自然環境及び生物多様性の保全に取り組み、資源の有効活用を推進することで、安定的で持続可能な調達・供給体制の確立を目指す。
(2) 気候変動への適応
脱炭素社会に向け事業活動における環境負荷の軽減に取り組むとともに、将来生じるであろう気候変動の企業への影響にも適切に対応する。
同社では、低炭素化社会実現に向けた気候変動対応を経営上の重要課題と認識して、2021年11月に気候変動に関する情報開示の指針となるTCFD（気候関連財務情報開示タスクフォース・Task Force on Climate-related Financial Disclosures）提言に賛同した。TCFD提言に沿って、気候変動に関連する重要情報を開示している。また、CDP※の質問書（気候変動）へ回答し、「B-」（前回の「C」から1ランク向上し、マネジメントレベル）評価を受けている。
※CDPは投資家に代わって各企業宛てに質問書（気候変動、フォレスト、水セキュリティの3種類）を送り、企業の回答内容について分析・評価を行い、その結果を開示している英国の非営利団体である。
(3) 多様なステークホルダーとの価値の共創
事業活動を通じて、多様なステークホルダーとの対話を重視するとともに、地域社会等の持続的な成長・発展にも寄与する。
(4) 多様性を受容し、個々の能力を最大限発揮できる環境づくり
性別、年齢、国籍等にとらわれない多様性を尊重し、安心して能力を発揮できるよう、職場環境の整備を進める。
(5) コーポレート・ガバナンスの高度化及びコンプライアンス・リスクマネジメントの徹底
透明性の高い経営を実践するとともに、事故・不正を未然に防止するリスクマネジメント体制を堅持し、持続的成長を目指す。
この他にも、環境（Environment）面では、2023年3月期実績として、CO2排出量（Scope1とScope2）：62千トン（前期比+2千トン）、同（Scope3）：128千トン（前期比+4千トン）と環境負荷低減を進めている。また、ガバナンス（Governance）面では、取締役8名中社外取締役が3名、うち2名が女性（うち、1名外国人）と、経営の多様性が順調に進んでいる。
3. サステナビリティ推進体制
同社では、中期経営計画「増強21-25」の始動に合わせ、SDGsに関連する重要課題への対応を通じたサステナビリティ経営を同社グループ全体で横断的に推進するために、2021年4月に「ESG推進委員会」を設置した。「ESG推進委員会」は、井上社長を委員長として、環境（Environment）分科会、社会（Social）分科会、ガバナンス（Governance）分科会の3つの分科会で構成されている。ミッションは同社グループのサステナビリティの課題に適切に対応するとともに、サステナビリティへの対応が中長期的な企業価値の向上につながるよう提言を行うことである。サステナビリティ推進に関わる各種検討課題に各分科会で取り組み、重要度に応じてESG推進委員会、経営会議、取締役会に諮る体制となっている。取締役会は経営全般にわたる重要な方針・施策を最終決定するとともに、経営会議、ESG推進委員会などの管理監督を行う。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 清水啓司）
■富士紡控股＜3104＞的esg實踐
1.可持續性基本方針
該集團將可持續性置於業務戰略的核心，並實踐“可持續性管理”的理念。該集團的可持續性管理的重點是通過堅持“盈利”、“成長性”、“收益性”、“社會貢獻”和“誠實守信”的立足點來實現公正、透明的SDG戰略，從而實現可持續性。
2. 確定和推進五個重要課題的推進狀況
爲了實現持續發展的社會，該集團分析了業務活動對利益相關者、經濟、社會和環境的影響和影響大小，並根據投資者角度和利益相關者角度的關鍵因素（財務關鍵因素和環境·社會關鍵因素）相結合的“雙重關鍵因素”考慮，明確了五個關鍵因素。
(1) 爲實現可持續的環境和社會而誠實地努力
爲保持地球環境的持續性，在保護自然環境和生物多樣性方面努力，推動有效利用資源，以建立穩定和持久的採購和供應體系爲目標。
(2) 應對氣候變化
爲適應低碳社會，該集團致力於減少業務活動對環境的負擔，並適當地應對未來可能發生的氣候變化對公司的影響。
該公司將適應氣候變化作爲實現低碳化社會的重要課題，並於2021年11月支持TCFD（氣候相關財務信息披露工作組，Task Force on Climate-related Financial Disclosures）提出的有關氣候變化的信息披露指南。遵循TCFD指南，披露了與氣候變化相關的重要信息。此外，該公司回答了CDP※的調查問卷（氣候變化），並獲得了“B-”（比上一次提升了一個管理等級）的評價。
※CDP是英國非營利組織，代表投資者向各公司發送關於調查問卷（氣候變化、森林、水安全的3種類型），並分析和評估企業的回答結果，並披露了這些結果。
(3) 與多個利益相關者共建價值
通過業務活動，重視與各種利益相關者的對話，併爲區域社區等的持續增長和發展做出貢獻。
(4) 建立一種能夠容納多樣性和充分發揮個體能力的環境
尊重不受性別、年齡、國籍等限制的多樣性，推進辦公場所環境的完善，以便能夠安心發揮能力。
(5) 加強企業治理並全面落實合規風險管理
實踐高度透明的經營，堅持風險管理制度以防範事故和不正之事，並追求持續增長。
此外，該集團在環境方面，推進了環境負擔的減輕，作爲2023財年的實際成果，CO2排放量（Scope1和Scope2）爲62千噸（較上一期增加2千噸），同（Scope3）：128千噸（較上一期增加4千噸）。此外，在管治方面，董事會成員中有3名外部董事（其中2名是女性（其中1名是外國人），多樣化的經營正順利進行。
3. 可持續性推進體制
爲了全面推進集團範圍內的可持續性經營，以應對中期經營計劃“加強21-25”的啓動，該公司於2021年4月成立了“ESG推進委員會”。該“ESG推進委員會”以井上社長爲委員長，由環境（Environment）分科會、社會（Social）分科會以及管治（Governance）分科會組成。其使命是，針對集團的可持續性挑戰，提出建議，以適當地應對可持續性挑戰與中長期企業價值的提高。通過每個分科會提供支持和參與，該公司已正式將可持續性作爲業務管理的一個重要任務，並在需要時協商決策，包括ESG推進委員會、管理會議和董事會。董事會除了最後決定管理確定的重要方針和策略，還對管理會議、ESG推進委員會等進行管理與監督。
（作者：富士客座分析師清水啟司）
