■窪田製薬ホールディングス<4596>の主要開発パイプラインの概要と進捗状況
2. 在宅・遠隔眼科医療用網膜モニタリング機器「eyeMO」
(1) 「eyeMO」の特徴と競合状況
「eyeMO」※は、ウェット型加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫等の網膜疾患の患者を対象にした在宅・遠隔眼科医療用網膜モニタリング機器(Patient Based Ophthalmology Suite)である。患者自身が自宅で網膜の厚みの測定や撮影を行い、担当医師がインターネットを介してそのデータを確認し、治療(投薬)の必要性の有無を診断するシステムとなる。
※従来はPBOSとして表記してきたが、2023年12月に商品名が「eyeMO」に決定したため、以後「eyeMO」で表記する。名前の由来はeye(眼)とMonitoring(観察)のMoを組み合わせたものである。
従来、患者は定期的に通院してOCT※検査を行い、必要に応じて治療(眼内注射)を行っていた。「eyeMO」では、在宅で手軽に検査できることから検査のための通院の必要性がなくなるほか、適切なタイミングで治療を受けることで、症状が悪化するリスクを低減できるといったメリットがある。距離や経済的な問題で定期的に通院できず症状を悪化させる患者も多いだけに、在宅で手軽に検査できるデバイスの潜在的なニーズは大きい。病院側でも検査より治療に充てる時間を増やしたほうが経営面でプラスとなるほか、製薬企業にとっても適切な投薬が実施されることで従来よりも販売量が増える可能性があり、すべての関係者がメリットを享受できる仕組みとなっているのが特徴だ。
※OCT(Optical Coherence Tomography):赤外線を利用して網膜の断面を精密に撮影する検査機器のこと。緑内障や加齢黄斑変性等の網膜疾患患者の診断用として使用される。
在宅OCTを商用化している企業はまだなく、開発済みの企業としては同社のほかNotal Vision, Inc.など数社に限られる。同社製品は、操作ボタンの大型化や操作方法を音声ガイダンスでサポートする機能を実装するなど、高齢の患者に配慮した設計となっているほか、検査時間も競合のNotal Vision製品より短く手軽に利用できるのが特徴となっている。一方で、機能面では必要最小限なものに留めている。Notal Visionの製品は米国で販売承認申請中となっており、同社はやや遅れた格好となっているが、今後巻き返すチャンスはあると見られる。患者自身が在宅で簡易検査を実施することに対してリスク面も含めて制度上の課題が残っており、本格的な普及は制度設計を確立してからとの見方もあるためだ。
(2) AUROLABとの共同開発契約について
同社は2023年12月に眼科領域に特化した医療用製品メーカーのAUROLAB(インド)と「eyeMO」の共同開発に向けた基本合意書を締結したことを発表した。同合意書により、AUROLABはインド、パキスタン、アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、モルディブ、ネパール、スリランカと、中東、アジア、アフリカの未開拓市場の一部で、より低価格化した「eyeMO」の商業化に向け、製品開発・製造・販売に関するライセンスを独占的に取得することになる。詳細な契約条件については今後協議していくことになるが、販売に応じたロイヤリティを受領することになりそうで、短期的な業績への影響はないものと考えられる。
AUROLABは、主に眼内レンズや手術用縫合糸、医薬品、手術用ブレードなどを製造しており、世界で最も権威のある眼科病院の1つであるアラビンド眼科病院(以下、AECS)のグループ会社である。AECSは南インドに14施設の眼科病院、6カ所の外来眼科検査センサー、108カ所の初期眼科医療施設を保有しており、年間手術件数で世界トップクラスと言われており、AUROLABはAECSグループだけでなく、世界160ヵ国以上の眼科病院に医療機器を販売している。
AULOLABでは、大量生産で低価格化した「eyeMO」を眼科医院や公共施設などへ導入することで、加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫の患者へのサポートだけでなく、網膜疾患の早期発見にも貢献していくことを目指していると思われ、今後の展開に注目したい。
(3) IQVIAサービシーズジャパンとベンダー契約締結
2023年12月に、中外製薬が資金提供を予定する特定臨床研究で「eyeMO」を使用するため、調整管理実務担当機関として介入するIQVIAサービシーズジャパンと「eyeMO」のベンダー契約を締結したことを発表した。今後、「eyeMO」の貸与収入が得られる見込みだが、貸与台数は多くはなく金額的にも軽微と見られる。臨床研究開始の前に、フィージビリティスタディを2024年春頃に実施する予定となっている。特定臨床研究では、糖尿病黄斑浮腫患者を対象に、患者自身が自宅で「eyeMO」の使用が可能であるかを検証すること、また、網膜厚測定及び網膜内・網膜下浮腫の有無判定のための網膜状態の測定値の妥当性を医療者によって評価する研究となる。
「eyeMO」の臨床試験の状況について見ると、2023年1月より米国のハーバード大学医学部に付属するジョスリン糖尿病センターで実施していた糖尿病網膜症患者のスクリーニング装置としての実用性に関する評価、及び市販のOCT装置と比較する2つの医師主導による臨床試験が終了した。試験結果については国際学会での発表が予定されているほか、さらなる臨床試験を行う見通しとなっている。
(4) ビジネスモデルと市場規模
ビジネスモデルとしては、患者の初期負担が軽減されるレンタルサービスとして、毎月利用料を徴収する方式となる可能性が高い。また保険適用されれば患者負担も大幅に軽減できるため、普及も加速するものと考えられる。網膜疾患は根治療薬がないため、一度「eyeMO」を使うと失明しない限りは継続して使用される可能性が高く、ストック型ビジネスとして安定した収益源に育つ可能性がある。
国際糖尿病連合(IDF)によれば、2019年の時点で世界の糖尿病患者は約4.6億人となっており、2030年には5.7億人、2045年には7億人に達すると予測されている。糖尿病になると様々な合併症を引き起こすと言われているが、そのなかでも失明の恐れがあるのが糖尿病黄斑浮種である。(一社)日本生活習慣病予防協会によれば、国内の糖尿病患者は約1,000万人(糖尿病が強く疑われる者を含む)と言われており、糖尿病黄斑浮腫の患者数を有病率から推計すると国内では約50万人、世界では約2,300万人となる。糖尿病黄斑浮腫は根治療薬がまだ開発されていないため、患者数は糖尿病患者数と比例して年々増加していくことが予想され、「eyeMO」が手軽な検査装置として普及する可能性は十分あると弊社では見ている。仮に、レンタル料金を年間1万円とすると、国内で普及率が30%とすれば年間15億円、世界で普及率10%とすれば年間230億円のポテンシャルが期待できることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■久保田製藥控股主要開發管道概述和進展 <4596>
2。“EyeMo” 視網膜監測設備,用於家庭/遠程眼科檢查
(1)“EyeMo” 的特點和競爭情況
“eyeMo” *是一款家用/遠程眼科醫療視網膜監測設備(患者眼科套件),適用於患有溼性年齡相關性黃斑變性和糖尿病性黃斑水腫等視網膜疾病的患者。在這個系統中,患者自己在家中測量和拍攝視網膜的厚度,主管醫生通過互聯網確認數據,並診斷是否需要治療(藥物)。
* 傳統上,它以PBOS 表示,但由於產品名稱在2023/12年度決定爲 “eyeMo”,因此此後將表示爲 “eyeMo”。這個名字的起源是眼睛(眼睛)和監測(觀察)Mo的組合。
傳統上,患者定期去醫院進行OCT*檢查,並根據需要進行治療(眼內注射)。使用 “eyeMo”,由於可以在家中輕鬆進行檢查,因此無需去醫院進行檢查,並且有一個好處,那就是在適當的時間接受治療可以降低症狀惡化的風險。由於許多患者由於距離或財務問題而無法定期去醫院,並且症狀惡化,因此對可以在家中輕鬆進行測試的設備的潛在需求很大。在醫院方面,增加治療而不是測試的時間是管理方面的優勢,而且由於爲製藥公司實施了適當的藥物,與過去相比,銷售量有可能增加,而且這是一個所有相關方都能享受優勢的體系。
*OCT(光學相干斷層掃描):一種使用紅外線精確拍攝視網膜橫截面的檢查設備。它用於診斷患有視網膜疾病的患者,例如青光眼和與年齡相關的黃斑變性。
仍然沒有公司在國內進行OCT商業化,除了公司外,已經開發的公司僅限於少數公司,例如Notal Vision, Inc.。該公司的產品在設計時充分考慮了老年患者,例如更大的操作按鈕和實現支持語音指導操作方法的功能,而且它們的另一個特點是測試時間比競爭對手的Notal Vision產品更短,更易於使用。另一方面,在功能方面,它保持在必要的最低限度。Notal Vision產品正在美國申請銷售批准,該公司看起來已略有延遲,但未來似乎有機會反彈。這是因爲機構問題,包括風險方面,仍然需要患者自己在家中進行簡單的檢查,而且還有一種觀點認爲,在建立系統設計之後,將進行全面的傳播。
(2) 與 AUROLAB 的聯合開發協議
該公司在2023/12年度宣佈,已與專門從事眼科領域的醫療產品製造商AUROLAB(印度)簽署了一項基本協議,共同開發 “eyeMo”。根據該協議,AUROLAB將獨家獲得與產品開發、製造和銷售相關的許可,以便將 “EyeMo” 商業化,後者是中東、亞洲和非洲未開發市場的一部分,例如印度、巴基斯坦、阿富汗、孟加拉國、不丹、馬爾代夫、尼泊爾和斯里蘭卡。將來將討論詳細的合同條款,但似乎將收到與銷售相對應的特許權使用費,據認爲不會對短期業務業績產生影響。
AUROLAB 是 Aravind 眼科醫院(以下簡稱 AECS)旗下的集團公司,主要生產人工晶體、手術縫合線、藥品、手術刀片等,是世界上最負盛名的眼科醫院之一。AECS在印度南部擁有14家眼科醫院、6個門診眼科測試傳感器和108個初始眼科醫療機構,據說就每年的手術數量而言,AUROLAB是世界一流的,AUROLAB不僅向AECS集團銷售醫療設備,還向全球160多個國家的眼科醫院銷售醫療設備。
AULOLAB似乎不僅旨在支持與年齡相關的黃斑變性和糖尿病性黃斑水腫的患者,而且還通過將量產和降價的 “eyeMo” 引入眼科診所和公共設施等,爲視網膜疾病的早期發現做出貢獻,我想關注未來的發展。
(3) 與 IQVIA Services Japan 簽署的供應商協議
2023/12年,宣佈與日本IQVIA Services Japan簽署了 “eyeMo” 的供應商協議,後者作爲負責協調管理實踐的組織進行干預,以便在計劃由中外製藥資助的特定臨床研究中使用 “eyeMo”。預計未來將獲得來自 “EyeMo” 的貸款收入,但貸款數量並不多,而且就金錢而言,這似乎微不足道。在臨床研究開始之前,計劃在2024年春季左右進行可行性研究。在具體的臨床研究中,這是一項針對糖尿病黃斑水腫患者的研究,旨在驗證患者自己是否可以在家中使用 “eyeMo”,同時評估視網膜厚度測量值和視網膜狀態測量值的適當性,以確定醫務人員是否存在視網膜內/視網膜下水腫。
從 “EyeMo” 臨床試驗的現狀來看,一項針對糖尿病視網膜病變患者篩查設備的實用性評估,該評估於2023/1年在美國哈佛醫學院附屬的喬斯林糖尿病中心進行,兩項由醫生主導的將其與市售OCT設備進行比較的臨床試驗已經完成。測試結果計劃在國際會議上公佈,預計還將進行進一步的臨床試驗。
(4)商業模式和市場規模
作爲一種商業模式,很有可能每月收取使用費作爲租賃服務,以減輕患者的初始負擔。此外,如果投保的話,患者的負擔可以大大減輕,因此人們認爲傳播速度也會加快。由於沒有治療視網膜疾病的根本方法,一旦使用 “eyeMo”,只要不出現失明,它就很有可能繼續使用,而且作爲股票型企業,它有可能成長爲穩定的收入來源。
根據國際糖尿病聯合會(IDF)的數據,截至2019年,全球約有4.6億糖尿病患者,預計到2030年將達到5.7億,到2045年將達到7億。據說糖尿病會引起各種併發症,其中糖尿病黃斑水腫可能導致失明。(Issha)根據日本生活方式相關疾病預防協會的數據,據說日本大約有1000萬糖尿病患者(包括那些強烈懷疑患有糖尿病的人),而根據患病率估計糖尿病黃斑水腫的患者人數,日本約爲50萬人,全球約爲2300萬人。由於尚未開發出治療糖尿病性黃斑水腫的根本療法,預計患者人數將逐年增加,與糖尿病患者人數成正比,我們認爲 “eyeMo” 很有可能作爲一種簡單的測試設備進行傳播。假設,如果租金爲每年10,000日元,如果國內滲透率爲30%,則每年可能達到15億日元;如果全球滲透率爲10%,則每年可能達到230億日元。
(作者:FISCO 客座分析師佐藤喬)